佐々木翔+佐々木千鶴 / INTERMEDIAが設計した、長崎・西海市の、地域拠点「HOGET」です。
空き家を改修し交流促進の場を作る計画です。建築家は、高低差で周囲から隔離された状況に対し、大階段を考案して建物と街を緩やかに接続しました。加えて、耐震補強を兼ねた新設開口部が空間を開き活動を顕在化させる事も意図しています。施設の公式サイトはこちら。
長崎県西部にある西海市。ここには鉄道も高速道路も通っておらず県内の主要インフラ動線から外れており、県民でもあまり馴染みのないエリアとも言える。そんな地域の中で空き家を改修する依頼を受けた。
どのような場にしていくべきか根本的な議論から参加し、結果的にはイベントスペースを中心にカフェ、ファブラボ、オフィス、原っぱといった複合的な用途となった。
地域住民も他地域の人々も混在し、様々な目的で様々な人が行き交い、相互の活動に自然と触れ合うような場をつくろうとしている。
建築計画としては、まず敷地を訪れて印象的だったのは土地全体の威圧感であった。道路から2m以上レベルの高い基壇が敷地中央付近から立ち上がり、民家はその上に閉鎖的に建っていた。石垣や瓦の素材感も相まって物々しい雰囲気が漂っており、この場所での活動が周囲に波及しにくいのではないかと感じた。
そこで敷地中央の基壇をゆるやかに解体し大きな階段に変容させ、民家とまちを緩やかに連続させるようにした。民家の隣には程良い広さの広場があり、大階段によってこの広場も周囲と連続した関係を持ち始める。
民家はこの広場とまちに対して開口部を広く取りシンプルに開く形を取った。結果的に子どもたちがどこまでも無邪気に走り回るランドスケープが出来上がった。