nendoによる、長野・御代田町の「土管のゲストハウス」。宿泊機能を備えた芸術作品等を収蔵する保管庫。インフラに用いられる“ボックス・カルバート”の考え方を応用し、土管を井桁状に積み重ねた様な建築を考案。保管物の増加に伴い“土管”の追加も想定
nendoによる、長野・御代田町の「土管のゲストハウス」。宿泊機能を備えた芸術作品等を収蔵する保管庫。インフラに用いられる“ボックス・カルバート”の考え方を応用し、土管を井桁状に積み重ねた様な建築を考案。保管物の増加に伴い“土管”の追加も想定 photo©太田拓実
nendoによる、長野・御代田町の「土管のゲストハウス」。宿泊機能を備えた芸術作品等を収蔵する保管庫。インフラに用いられる“ボックス・カルバート”の考え方を応用し、土管を井桁状に積み重ねた様な建築を考案。保管物の増加に伴い“土管”の追加も想定 photo©阿野太一
nendoによる、長野・御代田町の「土管のゲストハウス」。宿泊機能を備えた芸術作品等を収蔵する保管庫。インフラに用いられる“ボックス・カルバート”の考え方を応用し、土管を井桁状に積み重ねた様な建築を考案。保管物の増加に伴い“土管”の追加も想定 photo©太田拓実
nendoによる、長野・御代田町の「土管のゲストハウス」。宿泊機能を備えた芸術作品等を収蔵する保管庫。インフラに用いられる“ボックス・カルバート”の考え方を応用し、土管を井桁状に積み重ねた様な建築を考案。保管物の増加に伴い“土管”の追加も想定 photo©阿野太一

nendoが設計した、長野・御代田町の「土管のゲストハウス」。
宿泊機能を備えた芸術作品等を収蔵する保管庫です。デザイナーは、インフラに用いられる“ボックス・カルバート”の考え方を応用し、土管を井桁状に積み重ねた様な建築を考案しました。また、保管物の増加に伴い“土管”の追加も想定しています。

長野県御代田町に計画した、家具やプロダクト、アート作品などをアーカイブするための保管庫。
宿泊機能も携えることで、ゲストハウスとしても使用できる。

アカマツが生い茂り、その間を縫うようにして小川が流れる静かで自然豊かな環境の中に、土管のような建築をプレキャスト工法とプレストレス工法を組み合わせた施工方法で試みた。

建築家によるテキストより

工場で共通のパーツを成形し、現場で組み立てるプレキャスト工法。
インフラ事業への応用例でもある、地中に埋設される水路や通路、電線や通信線を収納する「ボックス・カルバート(箱形のコンクリート構造物)」と同様の考え方で建築を作ることに。ただし、そのままでは機密性の確保に加え重ねて使用が出来なくなるため、さらにプレストレス工法も用いてパーツ同士を繋いだ。

プレストレス工法は、パーツを整列させた後にワイヤーで締め上げて連結する技術で、橋などの土木構造物で使用される。
これにより、シームレスで平滑な表面仕上げとなり、高い機密性や耐久性を獲得する。

建築家によるテキストより

建築物は「土管」を井桁状に積み重ね、屋根を掛けただけの構成に。約40mの奥行きがある細長い保管室の他に、小さめの保管室が2つあるが、収蔵物が増えるのに伴って敷地内に追加していくことを想定している。キッチンや浴室、トイレなどの水回りは1Fに集約し、2Fにはコンパクトな寝室と書斎を設けた。

建築家によるテキストより
後藤周平建築設計事務所による、静岡市のオフィス「CODO」。本社講堂の事務所への改修計画。新しい働き方を実験し発見する場を目指し、“積層と差異”の手法で複数の箱を重ねて水平方向にずらし空間を構成。通常とは異なる距離感や使い方を生み創造性を引き出す
後藤周平建築設計事務所による、静岡市のオフィス「CODO」。本社講堂の事務所への改修計画。新しい働き方を実験し発見する場を目指し、“積層と差異”の手法で複数の箱を重ねて水平方向にずらし空間を構成。通常とは異なる距離感や使い方を生み創造性を引き出す photo©長谷川健太
後藤周平建築設計事務所による、静岡市のオフィス「CODO」。本社講堂の事務所への改修計画。新しい働き方を実験し発見する場を目指し、“積層と差異”の手法で複数の箱を重ねて水平方向にずらし空間を構成。通常とは異なる距離感や使い方を生み創造性を引き出す photo©長谷川健太
後藤周平建築設計事務所による、静岡市のオフィス「CODO」。本社講堂の事務所への改修計画。新しい働き方を実験し発見する場を目指し、“積層と差異”の手法で複数の箱を重ねて水平方向にずらし空間を構成。通常とは異なる距離感や使い方を生み創造性を引き出す photo©長谷川健太
後藤周平建築設計事務所による、静岡市のオフィス「CODO」。本社講堂の事務所への改修計画。新しい働き方を実験し発見する場を目指し、“積層と差異”の手法で複数の箱を重ねて水平方向にずらし空間を構成。通常とは異なる距離感や使い方を生み創造性を引き出す photo©長谷川健太

後藤周平建築設計事務所が設計した、静岡市のオフィス「CODO」です。
本社講堂の事務所への改修計画です。建築家は、新しい働き方を実験し発見する場を目指し、“積層と差異”の手法で複数の箱を重ねて水平方向にずらし空間を構成しました。そして、通常とは異なる距離感や使い方を生み創造性を引き出す事が意図されました。


クライアントは、静岡県清水区を拠点とする老舗企業。

その本社ビルの中にある、社内イベント用の講堂をオフィスに改修する計画である。



建築家によるテキストより

求められたのは、会議、休憩、食事、イベントに使える空間。加えて、別フロアにある個人のワークスペースを補完する機能を持たせたいとの要望があった。また、これまでにない新しい働き方を実験して、発見していくためのガイドとなるような存在であることも期待された。

既存の講堂の空間を訪れてみると、天井が高く、一般的なオフィス空間に比べて気積の大きさが特徴的だった。そこで、一般的な水平に広がるオフィスとは異なる、既存空間の高さを活かした空間が作れないかと考えた。



建築家によるテキストより

具体的には、まずワンルームで天井高のある既存の空間を生かし、複数のボックスを積層させた。そして、水平方向に慎重にずらすことによって差異をつくった。この操作によって生まれたボックス上の空間がワークスペースとなる。

床レベルが異なり、ずれていることで、全体が緩やかにつながりながらも、様々な性質をもった固有のワークスペースが複数生み出される。働く人が、それぞれの仕事や状況に応じて、最適な場所を見つけられる状況を創り出そうとした。

立体的な構成を取り入れることで、近くに人がいても目線が合わず気にならなかったり、逆に遠くにいても身近に感じられたりと、一般の水平的なオフィスとは異なる距離感と関係性が生まれている。ボックスが生み出す段差は、床にも、ベンチにも、デスクにもなる。人の視点と行動によってその機能が切り替わる。たとえば、イベントの際はひとつの段がステージになり、周囲の段は客席になったりする。また、ボックスを円環状に配置することで、この機能がひと続きにどこまでも連続する。

建築家によるテキストより
北海道を拠点とする“アトリエブンク”の建築展「Compounds – これからの地域の拠点 -」が開催。1970年創業の建築設計事務所で、日本建築学会や公共建築協会等のアワードを多数受賞
北海道を拠点とする“アトリエブンク”の建築展「Compounds – これからの地域の拠点 -」が開催。1970年創業の建築設計事務所で、日本建築学会や公共建築協会等のアワードを多数受賞

北海道を拠点とするアトリエブンク”の建築展「Compounds – これからの地域の拠点 -」が開催されます。1970年創業の建築設計事務所で、日本建築学会や公共建築協会等のアワードを多数受賞しています。開催場所は、札幌市のコンチネンタルギャラリー(Google Map)会期は2022年8月30日~9月11日まで。入場無料です。【ap・ad】

Compounds コンパウンズ -これからの地域の拠点-

少子高齢化に伴い縮小が進む地方のまちでは、稼働率が低下した公共施設が点在したまま取り残されている状況が見られる。これら既存施設機能を集約してあらたな拠点をつくり、それぞれのまちの再編につなげるプロジェクトである。複数の用途を組合せて異なる利用者をつなぐ、多様な空間に対応した異種の構造形式を併用する、既存施設リノベーションと新築部分を組み合わせるなど、様々なレベルで必要な要素を寄せ集めることで、あたらしい活動場所-Compounds がつくり出される。

リリーステキストより

アトリエブンク

アトリエブンクは1970年に札幌で創設以来、北海道を中心に建築設計の活動を続けてきた。事務所開設当初は住宅やインテリアの仕事が中心であったが、1980年代以降、徐々に公共的な建築を手がける機会を増やし現在に至る。

アトリエブンクの主な活動の場である北海道は、大部分が亜寒帯地域に属しており冬季間は雪が多く寒さが厳しいことが何よりも大きな特徴である。一方、世界の亜寒帯地域の中でも低緯度に位置していることから、比較的自然光に恵まれ四季の変化が感じられる場所でもある。このことから、雪や寒さに対する堅牢性と、注意深く外に開く開放性、この相反する二つの性格を併せ持つ建築手法を長年積み重ねてきた。そして、この考えは現在でも多くのプロジェクトで受け継がれている。

手がけた作品は様々な評価を与えられてきた。

日本建築学会作品選奨4作品、日本建築学会作品選集23作品、公共建築賞優秀賞11作品、JIA環境建築賞などがあり、また地域の賞としては北海道建築賞/ 奨励賞を10作品、北海道赤レンガ建築賞/ 奨励賞を9作品受賞している。

リリーステキストより

より多くの作品写真や展覧会情報は以下に掲載します。

小林玲子 / kitokino architectureによる、大阪市の住宅「新森の四辻」。幹線道路の交差点に接する音楽室のある住居。最大限の自然採光と内外の適切な接続を目指し、多様に外部と面する“L型”平面を組み合わせる構成を考案。音楽が溢れ庭が道と繋がり街に彩りを添える
小林玲子 / kitokino architectureによる、大阪市の住宅「新森の四辻」。幹線道路の交差点に接する音楽室のある住居。最大限の自然採光と内外の適切な接続を目指し、多様に外部と面する“L型”平面を組み合わせる構成を考案。音楽が溢れ庭が道と繋がり街に彩りを添える photo©Ookura hideki / Kurome Photo Studio 
小林玲子 / kitokino architectureによる、大阪市の住宅「新森の四辻」。幹線道路の交差点に接する音楽室のある住居。最大限の自然採光と内外の適切な接続を目指し、多様に外部と面する“L型”平面を組み合わせる構成を考案。音楽が溢れ庭が道と繋がり街に彩りを添える photo©Ookura hideki / Kurome Photo Studio 
小林玲子 / kitokino architectureによる、大阪市の住宅「新森の四辻」。幹線道路の交差点に接する音楽室のある住居。最大限の自然採光と内外の適切な接続を目指し、多様に外部と面する“L型”平面を組み合わせる構成を考案。音楽が溢れ庭が道と繋がり街に彩りを添える photo©Ookura hideki / Kurome Photo Studio 

小林玲子 / kitokino architectureが設計した、大阪市の住宅「新森の四辻」です。
幹線道路の交差点に接する音楽室のある住居です。建築家は、最大限の自然採光と内外の適切な接続を目指し、多様に外部と面する“L型”平面を組み合わせる構成を考案しました。また音楽が溢れ庭が道と繋がる事で街に彩りを添える建築となっています。

敷地は大阪府郊外の住宅地、大きな幹線道路沿いの角地にある。
音楽を趣味とする夫婦が、友人と合奏する室を設けるための計画である。延床面積を大きく確保することよりも、夫婦二人の豊かな暮らしの実現が求められた。

建築家によるテキストより

豊かな住環境を実現したいが、敷地の南側には大きなマンションがあるため、直射光はほぼ入らない。この敷地条件下でも、最大限自然光を室内に取り込みたい。まず、外壁面積が多いL型ボリュームを重ね、多様に外部と面する形状とした。ボリュームはプライベート性のレベル(パブリック~プライベート)ごとに分割し、壁と開口部のバランスを、周辺の隙間から入る微気候(光、風)を最大限取り入れるように調整する。

建築家によるテキストより

音楽室は庭に向けて開放しているため、演奏が庭を介して交差点まで届けられる。内部が外部環境と適切に連続するように検討した結果、音や光が信号待ちをする人々に届き、庭を眺めながら音楽に耳を傾けるという、心地のよい交差点が生まれていた。

広い道路に面する角地の建物は、法定面積の最大化により不動産的な価値を上げることが求められがちだ。あえて不動産価値と一歩距離を取った「豊かさ」を実現することで、住人のためだけでなく、まちに彩を添えるような住まいとなることを目指した。

建築家によるテキストより

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