オラファー・エリアソンによる、カタールでのインスタレーション「Shadows travelling on the sea of the day」です。
砂漠が広がる風景の中に設置されました。半円の支持体と円形屋根で構成された作品で、鏡面天井が訪問者や大地を映し込んで現実認識も触発する事が意図されました。また、冷暖房の無い状況下での人々の周辺環境への感化も促します。
こちらは、作家によるステートメントの翻訳。
「Shadows travelling on the sea of the day」は、ドーハから北上し、ズバラ砦やアイン・モハメッド村を過ぎて、荒々しい砂漠の風景を走り抜けてたどり着きます。遠くから、地平線上にある小さなインフォーマルな集落や工業地帯のような作品を垣間見ることができるかもしれません。実際に歩いて作品に近づくと、何が見えているのかわからないという不安はもう少し残るかもしれません。砂漠の植物や動物の痕跡、岩石が点在する広大な砂の平面が、四方八方に何キロメートルも広がっている風景。地平線の輝きが作品の外側のリミットなのかもしれません。
日陰の鏡の下を散策しながら、周囲の環境に感化されていくことを願っています。高速で移動する冷暖房完備の乗り物という保護なしに、ゆっくり歩いてみると、何もない不毛な風景ではなく、砂漠の動物、植物、人間、物語、伝統、文化財、風、眩しい日光、濃い空気、陽炎、半円や輪、痕跡、好奇心、疲労、驚き、などを感じることができるかもしれません。「Shadows travelling on the sea of the day」は、あなたが訪れた時、この空間を動いていたすべてのもの、この自然文化的な風景の中にあなたが存在すること、ここにあるすべてのものを祝福しています。それは、この惑星と再同調することへの招待状です。