石川素樹建築設計事務所による、東京・小金井市の「中町の家」。人や車の往来はあるが自然が近い敷地。開くか閉じるかの“二項対立ではない”在り方を求め、光や影の変化と平面構成での“奥行きのある佇まい”を志向。“可動式ルーバー折戸”は外部と中庭の繋がりを調整 photo©西川公朗
石川素樹建築設計事務所による、東京・小金井市の「中町の家」。人や車の往来はあるが自然が近い敷地。開くか閉じるかの“二項対立ではない”在り方を求め、光や影の変化と平面構成での“奥行きのある佇まい”を志向。“可動式ルーバー折戸”は外部と中庭の繋がりを調整 photo©西川公朗
石川素樹建築設計事務所による、東京・小金井市の「中町の家」。人や車の往来はあるが自然が近い敷地。開くか閉じるかの“二項対立ではない”在り方を求め、光や影の変化と平面構成での“奥行きのある佇まい”を志向。“可動式ルーバー折戸”は外部と中庭の繋がりを調整 photo©西川公朗
石川素樹建築設計事務所 が設計した、東京・小金井市の「中町の家」です。
人や車の往来はあるが自然が近い敷地に計画されました。建築家は、開くか閉じるかの“二項対立ではない”在り方を求め、光や影の変化と平面構成での“奥行きのある佇まい”を志向しました。また、“可動式ルーバー折戸”は外部と中庭の繋がりを調整します。
敷地は駅からほど近い高低差の大きい「はけ」と呼ばれる国分寺崖線を下った先にある。
幅は狭いが緑多き道がそこかしこに通る、人と自然の距離が近い場所である。隣家に囲まれ、人や車の往来もそれなりにある中で、開くか閉じるかといった二項対立ではないあり方を模索した。
合理的なスパンのシンプルな在来木造とし、ヴォリュームを抑えた各室と、サイズや納まりを統一した開口部を碁盤の目のように平面方向と断面方向にも配置した。軒下のような中間領域の配置と開口部の位置、また内外全体を回遊できる動線を、グリッドを基調としたプランに内包させることで、落ち着いた光が入るプライベートな1階に対し、2階は高さ方向や方位の変化による光のグラデーションをより明快にとらえやすくした。
また中庭に面して可動式ルーバー折戸を入れ、建具を開けると外部と中庭は繋がり、羽だけ開ければ視線は切りながら光と風を取り入れ、夜には外に明かりが漏れるようにしている。これらの光や影の変化とプランの整然性や連続性とが相まって、外部が内部に入り込んでいるような、あるいは内部の一部のような外部といった曖昧さが自然に感じられ、簡素な矩形でありながら奥行きのある佇まいとなった。