梅原悟 / UME architectsが設計した、東京・豊島区の住宅「駒込の角家」です。
“木密地域”の角地の狭小敷地に計画されました。建築家は、立地特性を活かした快適な空間を目指し、LDKを2階に配置して“視界が遠くに伸びる”開口部を設計しました。また、階段を取り込み壁と天井を押し出して限られた中で“広さ”も追求されました。
敷地は狭あい道路の多く残る木密地域にありながら、T字路の北東角地にあり、南側向かいの建物がセットバックしているため、かなり先からも見通すことができる。
そのような狭小地に建つこの住宅は、白い直方体の上に折れ曲がった黒い屋根が浮いたように載り、2方向の道路にヴォリュームが突出するアイコニックな印象を外観に持つ。
内部の構成もシンプルで、接道する2方向道路からの視線が気にならないようメインとなるLDKを2階にすることで自然光が入りとても明るい。そして1階に閉じた寝室や水回り、3階にオープンなロフトとバルコニーを配している。
中心となるLDKは限られた床面積を少しでも広げるべく階段を取り込み、壁と天井を押し出している。また立地の特性を活かし、その開口から視界が遠くに伸び、狭いながらも快適に過ごせるようになっている。
仕上げ素材の種類や色をできるだけ少なくすることで内・外ともに統一感を与え、かつローコストに繋がっている。
特に内観の壁・天井と家具は白で明るい空間とし、カラフルなオブジェやアート作品などを飾ったりできる。間仕切の代わりに透けたカーテンを用いることで奥を感じ、また窓も同じカーテンにすることで向こうにある空間の領域意識も曖昧になり、感覚的な広がりを得られるように工夫している。