デイビッド・チッパーフィールド事務所による、ギリシャ・アテネの「国立考古学博物館」。19世紀築の新古典主義建築の施設を改修増築。人々と遺産を結ぶ建築を求め、既存建物の台座を通りまで延長して“街と接続”すると共に上部に公園を新設。既存建物を尊重し調和させながら展示空間等を追加
デイビッド・チッパーフィールド事務所による、ギリシャ・アテネの「国立考古学博物館」。19世紀築の新古典主義建築の施設を改修増築。人々と遺産を結ぶ建築を求め、既存建物の台座を通りまで延長して“街と接続”すると共に上部に公園を新設。既存建物を尊重し調和させながら展示空間等を追加新施設を通りから見る。 image©Filippo Bolognese Images
デイビッド・チッパーフィールド事務所による、ギリシャ・アテネの「国立考古学博物館」。19世紀築の新古典主義建築の施設を改修増築。人々と遺産を結ぶ建築を求め、既存建物の台座を通りまで延長して“街と接続”すると共に上部に公園を新設。既存建物を尊重し調和させながら展示空間等を追加美術館への新しい入口。 image©Filippo Bolognese Images
デイビッド・チッパーフィールド事務所による、ギリシャ・アテネの「国立考古学博物館」。19世紀築の新古典主義建築の施設を改修増築。人々と遺産を結ぶ建築を求め、既存建物の台座を通りまで延長して“街と接続”すると共に上部に公園を新設。既存建物を尊重し調和させながら展示空間等を追加流れる様な展示空間。 image©Filippo Bolognese Images
デイビッド・チッパーフィールド事務所による、ギリシャ・アテネの「国立考古学博物館」。19世紀築の新古典主義建築の施設を改修増築。人々と遺産を結ぶ建築を求め、既存建物の台座を通りまで延長して“街と接続”すると共に上部に公園を新設。既存建物を尊重し調和させながら展示空間等を追加新旧が繋がる中央のコートヤード。 image©Filippo Bolognese Images

デイビッド・チッパーフィールド・アーキテクツによる、ギリシャ・アテネの「国立考古学博物館」です。
19世紀築の新古典主義建築の施設を改修増築する計画です。建築家は、人々と遺産を結ぶ建築を求め、既存建物の台座を通りまで延長して“街と接続”すると共に上部に公園を新設しました。また、既存建物を尊重し調和させながら展示空間等を追加する事も意図されています。

こちらは建築家によるテキストの翻訳です

デイビッド・チッパーフィールド・アーキテクツ・ベルリンは、アテネの国立考古学博物館のコンペに勝利しました。国際評価委員会が10件の最終候補の中から全会一致でデザインを決定しました。この提案は、ギリシャのキリアコス・ミトタキス首相の立会いのもとで発表されました。

アテネのエグザルチア地区にある国立考古学博物館には、先史時代や古代美術の世界的に重要なコレクションが収蔵されています。ルートヴィヒ・ランゲとエルンスト・ツィラーによるオリジナルの新古典主義建築は、1866年から1874年のもので、時代とともに追加建築が行われてきました。改装と増築により、アテネ国立考古学博物館は、品質、開放性、持続可能性の面で今日の基準に合うよう近代化されます。国立考古学博物館の再生は、現代のギリシャ人とその遺産を結ぶ強力なリンクとして、また、同国への観光客が過去最多を記録した年に続き、海外からの観光客に対するギリシャ文化の提供の強化を象徴します。

デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツ・ベルリンは、ランゲのオリジナルデザインのエッセンスを引き継いでいます。それは、都市景観のロマンティックな哲学的アイデア、密集した都市のグリッドの中に緑豊かなオープンエリアを通して明確に表現されています。また、モニュメンタルな建物を出発点として、それを自然で縁取りしています。既存建物の台座は通りまで延長され、歴史的なランドマークビルに新たな舞台を提供するとともに、地下2階のギャラリーを追加しています。ひとつの身振りで、およそ20,000m2のスペースが追加され、屋上には誰もが利用できる緑豊かな公園が誕生します。建物の歴史的価値を尊重し、増築部分は既存の建築と競合を熱望することなく、新旧のバランスを見極めながら、空間の調和したアンサンブルを形成しています。

デザインのロジックは、広大な緑の広場に面して堂々とした新古典主義建築があるという既存の敷地の地形に沿ったものです。増築部分には、美術館の主要な公共機能が含まれます。それはチケットデスク、ショップ、レストラン、講堂、常設展・企画展スペースなどです。そして、歴史的建造物を意識したシンメトリーな構成になっています。メインのエントランスは、街路レベルまで前進させられ、街と美術館の関係をより強固なものにしています。新しいファサードによって、美術館は都市環境とオープンにコミュニケーションをとり、通行人には新しい展示スペースが見えるようになっています。

美術館に入ると、来館者は2つのフロアが連続する流れるような展示空間を通り抜け、既存の建物へと導かれます。純粋で明快なヴォリューム、斜めの景色、土壁などの洗練された建築言語が、歴史的な空間と対照をなしています。光と影の緻密な戯れと相まって、地下の洞窟のような感覚を呼び起こし、コレクションから生まれた工芸品や彫刻を展示するための繊細な舞台を形成しています。

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