中山英之建築設計事務所がロビーの内装を手掛けた「Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下」です。
既存施設を改修して期間限定で運営される映画館の計画です。建築家は、未知の経験を待つ鑑賞者の為に、レッドカーペットではなく“シャドウ”カーペットの空間を考案しました。そして、床と壁に加え什器までを“影色”の素材で覆いました。開業日は、2023年6月16日。施設の公式ページはこちら。
中山英之 コメント
映画館のロビーという、これから始まる未知の経験を待つ場所。同時に、あるひとつの映画館の、四半世紀に渡る記憶を一時繋ぐ場所。その場所のために、レッドカーペットではなく“シャドウ”カーペットを用意しました。映画という光の芸術を最も際立たせる“影色”のカーペットの主役が、映画を愛し、ル・シネマを愛する全ての皆さんでありますように!
Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下の各階シアターはそれぞれ7Fが268席、9Fが187席のゆとりあるキャパシティを有し、7Fスクリーンは近年需要がますます高まる35mmフィルムでの上映、ならびに4K上映にも対応。シアター内の内装・意匠にはあえて手を加えず、レトロな魅力にあふれた非日常を味わえる空間がひろがります。
ロビーの内装は、国内外でさまざまな建築プロジェクトを手掛けるほか、近年では「川内倫子: M/E 球体の上 無限の連なり」展や「モネー光の中に」展の会場構成、岡田利規作・演出の『未練の幽霊と怪物―「挫波」「敦賀」―』の舞台デザインも手掛けた建築家、中山英之氏が率いる中山英之建築設計事務所が担当。床から壁面、テーブルやランプシェードまでを覆う「影色」のカーペットが、オーディエンスを迎え入れます。