村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、東京・千代田区の「OAG office」。複数の法人を束ねる本部事務所の計画。社員交流等を活性化する存在を目指し、働く人々の“様々な営み”が混じり合う空間を志向。会議室群の点在で複数の“小さな溜まりの空間”を生み出して多様な居場所として提供
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、東京・千代田区の「OAG office」。複数の法人を束ねる本部事務所の計画。社員交流等を活性化する存在を目指し、働く人々の“様々な営み”が混じり合う空間を志向。会議室群の点在で複数の“小さな溜まりの空間”を生み出して多様な居場所として提供エントランスホールからラウンジ側を見る。 photo©西川公朗
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、東京・千代田区の「OAG office」。複数の法人を束ねる本部事務所の計画。社員交流等を活性化する存在を目指し、働く人々の“様々な営み”が混じり合う空間を志向。会議室群の点在で複数の“小さな溜まりの空間”を生み出して多様な居場所として提供ラウンジ photo©西川公朗
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、東京・千代田区の「OAG office」。複数の法人を束ねる本部事務所の計画。社員交流等を活性化する存在を目指し、働く人々の“様々な営み”が混じり合う空間を志向。会議室群の点在で複数の“小さな溜まりの空間”を生み出して多様な居場所として提供ラウンジ photo©西川公朗

村上譲+菊田康平 / Buttondesignが設計した、東京・千代田区の「OAG office」です。
複数の法人を束ねる本部事務所の計画です。建築家は、社員交流等を活性化する存在を目指し、働く人々の“様々な営み”が混じり合う空間を志向しました。そして、会議室群の点在で複数の“小さな溜まりの空間”を生み出して多様な居場所として提供しています。

東京都千代田区にある税理士法人をはじめとする14のグループを束ねる法人のヘッドオフィスの改修です。

改修の目的は、これまで各階の部署毎に散らばっていた書架や会議室、休憩所をワンフロアに集約すること。それにより、これまで交わりのなかった社員同士のコミュニケーションを生み、出会わなかった書籍や資料に触れる機会を作ること、そして接客やリクルーティングに重要な法人の顔としての空間を整えることです。機能的な向上だけではなく、社員のモチベーションアップにも繋がり、活気あるオフィスにすることを望まれました。

建築家によるテキストより

改修の中心となるフロアは、顧客を迎え入れるメインエントランスと共に、法人が発行及び所有する書籍と資料をアーカイブする機能と大小の会議室、オンラインミーティンングブース、フリーアドレスの為のデスクとラウンジが混在することになります。

建築家によるテキストより

入居するビルは築35年のSRC造のオフィス建築で、現代的なガラスのカーテンウォールではなく、コンクリートの躯体に等間隔に開け放たれた窓が印象的でした。
整然と並んだそれらの窓辺に気持ちの良い空間が生まれる気配を感じ、既存のオフィスでは感じられなかった空間の広がりと、オフィスで活動する人々の様々な営みが混じり合う新しい風景を作りたいと思いました。

建築家によるテキストより
吉田裕一建築設計事務所による、東京・世田谷区の「大蔵・HOUSE・U」。様々な条例のある地域の擁壁下の敷地。緑化や壁面後退を行った“建築可能な範囲”に、各用途の空間が“ベン図”の様に重なり合う立体的な構成の建築を考案。環境と呼応する量塊の操作で風景に加え光や風も取り込む
吉田裕一建築設計事務所による、東京・世田谷区の「大蔵・HOUSE・U」。様々な条例のある地域の擁壁下の敷地。緑化や壁面後退を行った“建築可能な範囲”に、各用途の空間が“ベン図”の様に重なり合う立体的な構成の建築を考案。環境と呼応する量塊の操作で風景に加え光や風も取り込む外観、敷地裏側の公道より見る。 photo©長谷川健太
吉田裕一建築設計事務所による、東京・世田谷区の「大蔵・HOUSE・U」。様々な条例のある地域の擁壁下の敷地。緑化や壁面後退を行った“建築可能な範囲”に、各用途の空間が“ベン図”の様に重なり合う立体的な構成の建築を考案。環境と呼応する量塊の操作で風景に加え光や風も取り込む外観、建物正面の公道より見る。 photo©長谷川健太
吉田裕一建築設計事務所による、東京・世田谷区の「大蔵・HOUSE・U」。様々な条例のある地域の擁壁下の敷地。緑化や壁面後退を行った“建築可能な範囲”に、各用途の空間が“ベン図”の様に重なり合う立体的な構成の建築を考案。環境と呼応する量塊の操作で風景に加え光や風も取り込む2階、リビングからダイニングを見る。 photo©長谷川健太
吉田裕一建築設計事務所による、東京・世田谷区の「大蔵・HOUSE・U」。様々な条例のある地域の擁壁下の敷地。緑化や壁面後退を行った“建築可能な範囲”に、各用途の空間が“ベン図”の様に重なり合う立体的な構成の建築を考案。環境と呼応する量塊の操作で風景に加え光や風も取り込む3階、洗面スペースから子供室を見る。 photo©長谷川健太

吉田裕一建築設計事務所が設計した、東京・世田谷区の「大蔵・HOUSE・U」です。
様々な条例のある地域の擁壁下の敷地に計画されました。建築家は、緑化や壁面後退を行った“建築可能な範囲”に、各用途の空間が“ベン図”の様に重なり合う立体的な構成の建築を考案しました。また、環境と呼応する量塊の操作で風景に加え光や風も取り込みました。

東京都世田谷区の駅から少し離れた、運動公園を見上げる擁壁下に敷地はあります。

もともと邸宅のあった大きな敷地を4分割にして売りに出されたうちの1つで、両側の敷地も同時期に計画が進められました。
緑化の条例にならってお互いに周囲に植栽を施した上で、土留めとしてのブロックのみでフェンス等は立てないことや、窓が被らないようにするなど、調整しながら進めることができました。

建築家によるテキストより

緑化やセットバックをしてできた建築可能な範囲の中で、必要な諸室をそれぞれのボリュームが並列にならず、少しずつ隣のボリュームに干渉したような状態でダラダラと繋げながら、積み上げていきました。それは数学で言うところのベン図のようにAであることと、Bであることを担保しつつ、AでもBでもあるCという場所も作ってくことです。家族それぞれがその時々で好きな場所にいながら、常に少し干渉した状態で向こう側に次のスペースがあってお互いの気配を感じながら暮らすことができます。

建築家によるテキストより

また、内部の要因だけでなく、北側の擁壁上の緑や桜、擁壁下のささやかな庭を眺められつつ日光も当たるよう、北側のボリュームは低く抑えたり、スキップフロアで高くなった南側のボリュームは、直射日光を和らげてリビングやダイニングへ届けたり、夏の北側からの吹きおろしの風を上手に捕まえて室内に循環させる装置にもなっています。

建築家によるテキストより

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