小泉瑛一と勝邦義による、宮城・登米市の「三塚牧場シルクロ」。旧集会所を牧場運営のカフェ等に転用。施主の生産する牛肉を食べられ“地域交流”も生む場として、“資源の循環”を主題にし“堆肥”を混ぜた左官材などを使用して空間を構築。WSも行って支援者を巻き込んで作る
小泉瑛一と勝邦義による、宮城・登米市の「三塚牧場シルクロ」。旧集会所を牧場運営のカフェ等に転用。施主の生産する牛肉を食べられ“地域交流”も生む場として、“資源の循環”を主題にし“堆肥”を混ぜた左官材などを使用して空間を構築。WSも行って支援者を巻き込んで作る外観、施主が運営する牧場越しに見る。 photo©FWD 楠瀬友将
小泉瑛一と勝邦義による、宮城・登米市の「三塚牧場シルクロ」。旧集会所を牧場運営のカフェ等に転用。施主の生産する牛肉を食べられ“地域交流”も生む場として、“資源の循環”を主題にし“堆肥”を混ぜた左官材などを使用して空間を構築。WSも行って支援者を巻き込んで作る外観、北側道路より見る。 photo©FWD 楠瀬友将
小泉瑛一と勝邦義による、宮城・登米市の「三塚牧場シルクロ」。旧集会所を牧場運営のカフェ等に転用。施主の生産する牛肉を食べられ“地域交流”も生む場として、“資源の循環”を主題にし“堆肥”を混ぜた左官材などを使用して空間を構築。WSも行って支援者を巻き込んで作る土間 photo©FWD 楠瀬友将
小泉瑛一と勝邦義による、宮城・登米市の「三塚牧場シルクロ」。旧集会所を牧場運営のカフェ等に転用。施主の生産する牛肉を食べられ“地域交流”も生む場として、“資源の循環”を主題にし“堆肥”を混ぜた左官材などを使用して空間を構築。WSも行って支援者を巻き込んで作る土間から客席を見る。 photo©FWD 楠瀬友将

小泉瑛一 / about your city勝邦義 / KATSU STUDIOが設計した、宮城・登米市の「三塚牧場シルクロ」です。
本作品では、小泉瑛一 / about your cityがプロジェクトデザインとワークショップデザイン、勝邦義 / KATSU STUDIOが建築設計を担当しています。
旧集会所を牧場運営のカフェ等に転用する計画です。建築家は、施主の生産する牛肉を食べられ“地域交流”も生む場として、“資源の循環”を主題にし“堆肥”を混ぜた左官材などを使用して空間を構築しました。また、WSも行って支援者を巻き込んで作りました。店舗の公式ページはこちら

宮城県登米市で和牛の生産を手掛ける三塚牧場が実践する、資源の循環をテーマに食と農と人を繋ぐプロジェクト「シルクロ」のためのリノベーション建築である。
約10年間空き家だった地域の集会所を循環的視点を持って改修し、カフェとシェアスペースをつくった。

建築家によるテキストより

三塚牧場は1972年から親子2代に渡って肉牛の生産を手掛けている。自社の田んぼで生産する米や稲わら、里山の間伐材を用いた杉炭などを牛の飼料とし、排出された牛糞を堆肥として再び田畑に還元するなど、食と農が循環する畜産業を営んでいる。

一方で肉牛の流通の関係上、東京食肉市場で価格が付けられ卸売を通して販売されることが多いため、登米市内で地元産の牛肉を提供する飲食店や販売店が少なく、地域の食の豊かさに触れる機会が乏しかった。また、牧場の近隣には人々が日常的に集まってくつろぐ場所もあまりないことから地域の交流が生まれづらかった。

そういった状況に対して三塚牧場の牛肉を手軽に食べられるメニュー形式で提供するカフェを作り、自社で運営することに挑戦した。10年間空き家だった地域の元集会所を取得し、できるだけ廃棄物を出さずリノベーションに取り組むことを考えた。

建築家によるテキストより

建物のリノベーションに取り組む前に、本プロジェクトが将来目指したい姿を「資源の循環をテーマに食・農を通じて人を繋ぐ」と定義した。そこから「めぐる、ひらく、わかちあう」というコンセプトを導き出し、それらを具体的に表現するような建築設計を行った。

建築家によるテキストより
齋藤弦と酒井禅道による、神奈川・足柄下郡の週末住宅「湯河原の擁壁」。雛壇状の造成地での計画。敷地と呼応する“独自の建築の形式”を求め、土木と建築のスケールを調停する“擁壁に擬態した構造体”を“背骨”とする建築を考案。軽やかな“木架構の屋根”で地形に寄添う住空間も作る
齋藤弦と酒井禅道による、神奈川・足柄下郡の週末住宅「湯河原の擁壁」。雛壇状の造成地での計画。敷地と呼応する“独自の建築の形式”を求め、土木と建築のスケールを調停する“擁壁に擬態した構造体”を“背骨”とする建築を考案。軽やかな“木架構の屋根”で地形に寄添う住空間も作る鳥瞰、東の隣地側より見る。 photo©西川公朗
齋藤弦と酒井禅道による、神奈川・足柄下郡の週末住宅「湯河原の擁壁」。雛壇状の造成地での計画。敷地と呼応する“独自の建築の形式”を求め、土木と建築のスケールを調停する“擁壁に擬態した構造体”を“背骨”とする建築を考案。軽やかな“木架構の屋根”で地形に寄添う住空間も作る2階、階段から1階を見下ろす。 photo©西川公朗
齋藤弦と酒井禅道による、神奈川・足柄下郡の週末住宅「湯河原の擁壁」。雛壇状の造成地での計画。敷地と呼応する“独自の建築の形式”を求め、土木と建築のスケールを調停する“擁壁に擬態した構造体”を“背骨”とする建築を考案。軽やかな“木架構の屋根”で地形に寄添う住空間も作る2階、玄関側より書斎を見る。 photo©西川公朗

齋藤弦 / Strings Architecture酒井禅道 / 湖雲山が設計した、神奈川・足柄下郡の週末住宅「湯河原の擁壁」です。
雛壇状の造成地での計画です。建築家は、敷地と呼応する“独自の建築の形式”を求め、土木と建築のスケールを調停する“擁壁に擬態した構造体”を“背骨”とする建築を考案しました。そして、軽やかな“木架構の屋根”で地形に寄添う住空間を作ることも意図されました。

親子二世帯のための週末住宅である。

敷地は火山が長い年月をかけて浸食された地形の中の、雛壇状の別荘造成地の一角である。間知石擁壁によって造成された土木的地形の上に、不自然なコントラストで小さな住宅が並んでいる。一見歪なこの状況を独自の建築の形式に変換できないかと考えた。

建築家によるテキストより

土木スケールと建築スケールの間を調停する、擁壁に擬態させたRC造の斜めの構造体(以降“擁壁”)を背骨として建築を構成する。この“擁壁”をコアとして機能に合わせて変形させ、さらに施主である音楽家のスタジオとして、響きを担保する気積を与えることで、擁壁の断面形状がL字にクランクしたような形態が生まれた。

建築家によるテキストより

そこにかつての地形をトレースするような、木架構の軽やかな屋根を“擁壁”に腰掛けるように設置することで、土木的地形に寄り添うような住空間とした。

些細な敷地の特異性に着目し、そこに住人の個性を掛け合わせることで、その状況下でしか成立し得ない建築の形を目指した。

建築家によるテキストより
UID前田圭介・原浩二・高坂敦信が審査した、中国電力主催の建築アワード「エネルギア住宅作品コンテスト」の入賞作品を公開。第27回目の開催となり、新築住宅・リフォーム住宅・学生の3部門で応募を募り、“計12作品”が選出
UID前田圭介・原浩二・高坂敦信が審査した、中国電力主催の建築アワード「エネルギア住宅作品コンテスト」の入賞作品を公開。第27回目の開催となり、新築住宅・リフォーム住宅・学生の3部門で応募を募り、“計12作品”が選出 image courtesy of 中国電力
UID前田圭介・原浩二・高坂敦信が審査した、中国電力主催の建築アワード「エネルギア住宅作品コンテスト」の入賞作品を公開。第27回目の開催となり、新築住宅・リフォーム住宅・学生の3部門で応募を募り、“計12作品”が選出審査会の様子 photo courtesy of 中国電力
UID前田圭介・原浩二・高坂敦信が審査した、中国電力主催の建築アワード「エネルギア住宅作品コンテスト」の入賞作品を公開。第27回目の開催となり、新築住宅・リフォーム住宅・学生の3部門で応募を募り、“計12作品”が選出表彰式の様子 photo courtesy of 中国電力

UID前田圭介・原浩二・高坂敦信が審査した、中国電力主催の建築アワード「エネルギア住宅作品コンテスト」の入賞作品を公開します。第27回の募集テーマは「自然素材を活かしたサステナブルな住まい」でした。【ap・ad】

中国電力主催の建築アワード「エネルギア住宅作品コンテスト」では、昨年に引き続き「自然素材を活かしたサステナブルな住まい」をテーマをとして作品を募集し、108作品の応募がありました。応募作品の中から、自然の循環サイクルに還ることができる自然素材を取り入れた高い機能性とデザイン性を実現する独創的な工夫を施し、中国地域の持つ景観・気候風土との調和に配慮されたもの等、計12作品を選出し、「新築・リフォーム部門」の7作品、「学生部門」の5作品を公開しています。

■審査委員
前田圭介 (UID主宰、近畿大学工学部 教授)
原浩二  (原浩二建築設計事務所 所長、広島工業大学 非常勤講師)
高坂敦信 (住宅誌「モダンリビング」編集長)

エネルギア住宅コンテスト 総評 前田圭介

第27回目を迎えた今回も数多くの応募作品が新築・学生部門共にありました。一方、ポストコロナにおけるオルタナティブな働き方や生活様式が期待されるなかリノベーションの応募作品が減少していることが気になりました。現代の縮退する日本において、ささやかな規模の提案が建て主の生活を豊かにするリノベーションなど、数多くの作品を来年は待ち望みたいと思います。

その中で新築部門の最優秀賞である「屋内庭のある家」は山陰特有の気候から、全面屋根からの採光と大小の気積を活かした設計により、温熱環境の厳しい時期・そうでない時期など、その時々の建て主の感度にあわせて暮らす、この地域ならではの住空間を見事に実現させており評価されました。

リフォーム部門最優秀賞の「広葉の家」は庭屋一如ともいうべき空間として仕立て上げられており、奥まで引き込むアプローチや縁側的な居場所など、巧みな空間を実現している作品として評価されました。

その他入選された案、惜しくも入選を逃した案含めて数多くの素敵な暮らしの提案があり、あらためて住まいの多様さを感じさせていただく審査会となりました。

以下に各賞の受賞者と作品写真及び提案書を掲載します。

Subscribe and Follow

公式アカウントをフォローして、
見逃せない建築情報を受け取ろう。

「建築と社会の関係を視覚化する」メディア、アーキテクチャーフォトの公式アカウントです。
様々な切り口による複眼的視点で建築に関する情報を最速でお届けします。

  • 情報募集建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
  • メールマガジン メールマガジンで最新の情報を配信しています。