YOKOMAE et BOUAYADが会場構成を手掛けた、京都での展示「Casablanca not the movie」。京都国際写真祭2024の一環として計画。写真家YORIYASの作品の会場として、作品のテーマを“身体的に体験”できる空間を志向。自由で動的な写真の特徴から着想して“傾斜した壁”を“分散的”に配置 1階、エントランス photo©YOKOMAE et BOUAYAD+©kyotographie 2024
YOKOMAE et BOUAYADが会場構成を手掛けた、京都での展示「Casablanca not the movie」。京都国際写真祭2024の一環として計画。写真家YORIYASの作品の会場として、作品のテーマを“身体的に体験”できる空間を志向。自由で動的な写真の特徴から着想して“傾斜した壁”を“分散的”に配置 2階、展示室 photo©YOKOMAE et BOUAYAD+©kyotographie 2024
横前拓磨+ボウアヤド・ガリ / YOKOMAE et BOUAYAD が会場構成を手掛けた、京都での展示「Casablanca not the movie カサブランカは映画じゃない」です。
京都国際写真祭2024の一環として計画されました。建築家は、写真家YORIYASの作品の会場として、作品のテーマを“身体的に体験”できる空間を志向しました。そして、自由で動的な写真の特徴から着想して“傾斜した壁”を“分散的”に配置しました。会期は2024年5月12日まで。展示の公式ページはこちら 。
京都国際写真祭の展示会場構成計画である。
会場は京都市祇園四条駅近くのASPHODELというRC造3階建てのギャラリーでカサブランカ出身の写真家YORIYASの写真を展示した。
写真家のテーマでもある、伝統と現代性が混ざり合ったカサブランカの物語や日常的な出会いと発見、写し出した瞬間を身体的に体験できるような展示空間にしたいと考えた。
写真の構図は自由で動的で発見的であるため、展示空間には水平垂直を保たず、奥行き感をつくりだすために傾斜した壁を分散的に配置した。傾斜した壁は、傾斜した壁同士、あるいは既存建物の壁にもたれて均衡を保ち、鑑賞者は壁の間を潜り抜けるように自由に歩けるようになっている。
1階は幅2~5mの壁を4枚、2階は幅0.8m~1.8mの壁を10枚、3階は幅6.2mの壁を1枚とし、各階で異なる空間の密度が体験できるようになっている。一見無秩序に見える壁の配置だが、広がりのある明るい場所、狭く暗い場所、視線が一直線に抜ける場所などを意図的に一つの空間に同居させた。目を上に向けたり、下に向けたり、思いがけない角度で見るたびに、新しい写真の姿が立ち現れ、作品に対する新たな解釈が生まれる。
来場者はギャラリーを訪れるたびに、異なるルートを巡り、その度に新しい体験をすることとなるだろう。