篠元貴之+武田慎太良 / MYSTが設計した、愛知・名古屋市の飲食店「灯日常」です。
キャンドル店が運営するカフェバーの計画です。建築家は、非日常と没入感を求め、アーチで既存設備等を隠して“抽象度”の高い“奥に吸込まれる様な空間”を構築しました。また、アーチの角度設定で見る方向の違いで印象が変わる“二面性”も生み出しています。店舗の場所はこちら(Google Map)。
名古屋市内のキャンドルショップFilmが手掛けるパスタを中心としたカフェバーの内装計画。
Filmはこれまで、月に倣った月鏡を据えた一号店のキャンドルショップ、ろうそくの溶け出した形状を元に平面計画を練った2号店のカフェバーなど、ブランドの世界観を体現するようにキャンドルが主役となるような抽象性を保った空間を作ってきました。
今計画においては、「灯日常」という店名のため、より非日常性のある没入感を体験できる空間が求められました。
また、居抜き店舗であることから、既設の照明や空調は位置を変えずに、柱型も含めて、壁と天井を覆うアーチにより見えないように計画することで、純粋な壁と天井の空間としています。
平面的に整然と並ぶアーチと60度傾けたアーチを交差させることで、入り口からは奥へ吸い込まれるような空間の印象となり、奥の席から入口を見ると尖頭アーチのような交錯する空間が立ち現るという二面性を獲得することが出来ました。
抽象度の高い「ここではないどこか」という空間構成に、キャンドルのゆらめきが移ろう陰翳を加えることで、より非日常性を帯びた空間になることを目指しました。