SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる左奥:「時代のポシェ」鈴木淳平、中央:「溝口一丁目のテナントビル」上野辰太朗+篠原勲、右手前:「小さな森の図書館」高池葉子+尾野克矩+佐藤緋里+浜田英明、 photo©architecturephoto
SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる左手前:「房総の別荘」寺本健一、右手前:「Soil Tent 2024」秋田亮平+金田充弘+伊藤優+関田重太郎+Fang Sitao+南昂希+糸数海音+細田晃太+八木新平、左奥:「corners いくつもの世界をすごす家」板谷優志+石井優希、右奥:「森のなかの幸せ工場 ―250mの屋根がつくりだす風景と居場所―」柿木佑介+廣岡周平+中尾壮宏+岩岡孝太郎 photo©architecturephoto

SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(後編)です。
“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペティションで、若手建築家の登竜門としても知られています。本記事では展覧会の様子を前編・後編に分けて紹介します。会期は2024年9月13日~22日。SDレビュー2024の審査を務めたのは、青木淳中山英之山田憲明金野千恵でした。展覧会の公式サイトはこちら

SDレビューとは

SDレビューは、実際に「建てる」という厳しい現実の中で、設計者がひとつの明確なコンセプトを導き出す思考の過程を、ドローイングと模型によって示そうというものです。
実現見込みのないイメージやアイデアではなく、実現作を募集します。
1982年、建築家・槇文彦氏の発案のもとに第1回目が開催され、以降毎年「建築・環境・インテリアのドローイングと模型」の展覧会とその誌上発表を行っております。

以下、入選作品を展示順に掲載します。

【ap job更新】 ハイエンドな住宅や商業施設を対象とし、建築やインテリアからアートまでも手掛ける「株式会社アイケイジー」が、建築設計とバックオフィスのスタッフを募集中
【ap job更新】 ハイエンドな住宅や商業施設を対象とし、建築やインテリアからアートまでも手掛ける「株式会社アイケイジー」が、建築設計とバックオフィスのスタッフを募集中
【ap job更新】 ハイエンドな住宅や商業施設を対象とし、建築やインテリアからアートまでも手掛ける「株式会社アイケイジー」が、建築設計とバックオフィスのスタッフを募集中

ハイエンドな住宅や商業施設を対象とし、建築やインテリアからアートまでも手掛ける「株式会社アイケイジー」の、建築設計とバックオフィスのスタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

現在は、業務拡大に伴い設計スタッフ(正社員)とバックオフィスのスタッフを1~2名程度募集しています。

国内、海外の商業・オフィスをはじめとする内装設計から、スーパーハイエンドな戸建て住宅の建築・マンションのインテリアデザイン、モデルルームまで、多岐にわたる業務を手掛け、多くの国内外の賞を受賞しています。

建築、インテリアから家具、アート、備品までトータルにディレクションしています。そのため、社員教育にも力を入れ、一丸となって良いデザインへの挑戦のためあなたの力が必要です。

私たちは、チームでプロジェクトを進めていきクライアントとだけではなくスタッフ間のコミュニケーションを大切にしています。
様々なことを一緒に楽しみながら業務ができる、明るく前向きな人材を求めています。
向上心と責任感をもって建築設計に向き合っていける方、長く一緒に働いて信頼関係を築ける方を歓迎いたします。

SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(前編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(前編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる左手前:「あおいさんかく屋根」砂越陽介、右手前:ヒルサイドテラス+ヒルサイドウエストの模型、左奥:「収集と組み合わせのポイエティーク」三輪和誠+普川陽菜+山田伸希、右奥:「みどりまちの群像劇」横井創馬 photo©architecturephoto
SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(前編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる左:「TOOLHUT」大澤さほり、右:「模様の混交」澤伸彦+吉海早瑛+市江龍之介、奥:「Adaptive Design & Assembly System Utilizing Reclaimed Timbers」木内俊克+バルナ・ゲルゲイ・ペーター+戸村陽+岩見遙果+近藤誠之介+西村穏 photo©architecturephoto

SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(前編)です。
“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペティションで、若手建築家の登竜門としても知られています。本記事では展覧会の様子を前編と後編に分けて紹介します。会期は2024年9月13日~22日。
SDレビュー2024の審査を務めたのは、青木淳中山英之山田憲明金野千恵でした。展覧会の公式サイトはこちら

SDレビューとは

SDレビューは、実際に「建てる」という厳しい現実の中で、設計者がひとつの明確なコンセプトを導き出す思考の過程を、ドローイングと模型によって示そうというものです。
実現見込みのないイメージやアイデアではなく、実現作を募集します。
1982年、建築家・槇文彦氏の発案のもとに第1回目が開催され、以降毎年「建築・環境・インテリアのドローイングと模型」の展覧会とその誌上発表を行っております。

以下、入選作品を展示順に掲載します。

西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築
西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、南側より見る。 photo©大木宏之
西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、北東側より見る。 photo©大木宏之
西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、北東側より見る。 photo©大木宏之
西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築正面:オフィス、右:インスペクションA photo©大木宏之

西島光輔 / Inrestudioが設計した、ベトナム・クアンビン省の「The Gamelle」です。
海沿いに建つ製品検査を行う実験棟です。建築家は、用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案しました。また、視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築しました。

ベトナム中部の工場内にある、製品検査を行う小さな実験棟である。
敷地末端の海沿いに立地し、見晴らしの良い建物が想定される一方、プログラムの性質上むやみに潮風を引き入れるわけにもいかない。外郭は機能的な部屋と外部空間を取り囲み、ポーラスな構成は内外環境の調停を図っている。
パヴィリオンのように目を引くと同時に、反対側の風景に視線が通る曖昧な建物を目指した。

建築家によるテキストより

飯盒形の外郭で建物を包み込み、潮風や砂塵から身を守る。外郭の閉曲線は内外の境界を明確に規定するが、凹曲面が海岸を向いていることで、内部からは海に開かれているように感じる。半割にした現地の煉瓦を並べることで独特の表情を持った外装は、潮風への耐久性を高めるとともに、周囲の蔦を絡めとれば建物を緑で彩るだろう。

建築家によるテキストより

建物の外周にぐるりと配置された大小様々な開口部は、外から眺める視点の移動によって、互いに重なっては反対側の景色を透過したり、離れては景色を遮断したりを繰り返す。ガラスのある窓は室内の活動を映し出し、ない窓は中庭の風景を露わにする。椰子の並木が中庭を横断し、ソリッドな実体は断片的な透明性を獲得する。

建築家によるテキストより

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