高池葉子建築設計事務所による、千葉・いすみ市の「森の書庫と離れ」。設計者が父親の為に手掛けた“1万冊を収める書庫”等の計画。沢山の書籍を収容する為に、ジグザグの壁を“巻貝”のように配置する構成を考案。先進企業と地域大工の技術を掛け合わせた“最先端ローカル”も意図
高池葉子建築設計事務所による、千葉・いすみ市の「森の書庫と離れ」。設計者が父親の為に手掛けた“1万冊を収める書庫”等の計画。沢山の書籍を収容する為に、ジグザグの壁を“巻貝”のように配置する構成を考案。先進企業と地域大工の技術を掛け合わせた“最先端ローカル”も意図俯瞰、東側から書庫と離れを見下ろす。 photo©中村絵
高池葉子建築設計事務所による、千葉・いすみ市の「森の書庫と離れ」。設計者が父親の為に手掛けた“1万冊を収める書庫”等の計画。沢山の書籍を収容する為に、ジグザグの壁を“巻貝”のように配置する構成を考案。先進企業と地域大工の技術を掛け合わせた“最先端ローカル”も意図左手前:書庫、右奥:離れ photo©中村絵
高池葉子建築設計事務所による、千葉・いすみ市の「森の書庫と離れ」。設計者が父親の為に手掛けた“1万冊を収める書庫”等の計画。沢山の書籍を収容する為に、ジグザグの壁を“巻貝”のように配置する構成を考案。先進企業と地域大工の技術を掛け合わせた“最先端ローカル”も意図書庫、内部 photo©中村絵
高池葉子建築設計事務所による、千葉・いすみ市の「森の書庫と離れ」。設計者が父親の為に手掛けた“1万冊を収める書庫”等の計画。沢山の書籍を収容する為に、ジグザグの壁を“巻貝”のように配置する構成を考案。先進企業と地域大工の技術を掛け合わせた“最先端ローカル”も意図書庫、内部 photo©中村絵

高池葉子+尾野克矩+佐藤緋里 / 高池葉子建築設計事務所が設計した、千葉・いすみ市の「森の書庫と離れ」です。
設計者が父親の為に手掛けた“1万冊を収める書庫”等の計画です。建築家は、沢山の書籍を収容する為に、ジグザグの壁を“巻貝”のように配置する構成を考案しました。また、先進企業と地域大工の技術を掛け合わせた“最先端ローカル”も意図されました。
本建築の内覧会が、2024年12月14日(土)に開催されます(詳細は記事末尾に掲載)。参加申込はこちらから(締切:2024年12月11日まで)。

千葉県いすみ市の小さな山の頂上に、1万冊の本を収容する書庫と離れをつくった。

約40年前、私の父がこの地の山荘を購入し週末に通い果樹の手入れをしながら、毎月友人を招待し季節の恵みを楽しんできた。父がライフワークとして収集した本をアーカイブとして残したいと願い、書庫をつくることとなった。
また、私は学生時代からこれまで作成したすべての模型をこの山荘に運んでいた。いよいよ模型の置き場がなくなり、書庫の隣に建築模型を納める離れを同時につくらせてもらうことになった。

書庫に納める本は専門書が多く、将来的には小さな図書館として研究者や地域の方たちに開放する。また、離れも見せる倉庫として、訪れた方に建築模型を自由に眺めてもらう場所とする予定である。

建築家によるテキストより

山荘の周辺は空き家が多く、深刻な過疎化が進んでいる場所にただでさえ人が寄り付かなさそうな書庫と離れをつくる。このテーマにどう向き合うのか。

書庫は、この地に訪れたくなる動機付けのひとつとして、みんなが見に行きたくなるような特徴的なかたちの建物を提案した。
コンパクトなスペースの中にできる限りたくさんの本が置けるよう、ジグザグの壁を巻貝のように囲い込み外壁の周長をかせぎ、内部に小さな閲覧スペースを設けた。

建築家によるテキストより

敷地は鬱蒼とした森の中であるが、かろうじて樹上から光が差し込んでくる。極力直射日光を本に当てないために開口部は2枚の屋根をずらし、ハイサイドライトからの光のみを取り入れるようにした。内部の約6mのスパンは鉄骨のトラスで飛ばしている。

この屋根形状を実現するためには、野地板を放射状に張れるように登り梁の天端をすべて異なる角度で斜めカットする必要がある。3D加工機でプレカットを行うことで、複雑な形状もスムーズに加工することができた。

ハイサイドライトは、山の中へも搬入がしやすく耐候性、耐久性に優れたETFEフィルムを用いた。外壁は敷地の山の土を用いて20人のボランティアと一緒にワークショップ形式で塗り込んだ。伐採期限が過ぎている現地のスギ林を、この機会に数十本間伐し皮を剥ぎ、スギ皮を外壁の一部に張り付けた。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 万博パビリオンや住宅などの建築設計に加え、家具やグラフィックも手掛ける「the design labo」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)を募集中
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万博パビリオンや住宅などの建築設計に加え、家具やグラフィックも手掛ける「the design labo」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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建築設計業務を中心に、幅広くモノ創りに関わる株式会社the design laboが正社員を募集中

弊社は住宅から万博パビリオンまで大小様々な建築設計業務を中心に、そこで使用される家具やグラフィックまで幅広くモノ創り全般に関わっています。
現在、戸建住宅、集合住宅、店舗、文化施設などの建築設計監理業務、海外メゾンや家具ブランドとのプロダクトデザイン業務、海外での展示会プロデュースなど、国内外で様々なプロジェクトが進行中です。

この度、建築設計・監理を担う正社員を募集します。
一緒にものづくりの質を高めてくださる方からのご応募をお待ちしております。

【代表者 プロフィール】

板坂 諭
1978年生まれ。城戸崎建築研究室を経て、2012年に建築設計、プロダクトデザインなど幅広い分野で創作活動を行う株式会社the design labo 一級建築士事務所を設立。住宅や商業施設などの建築設計を主軸としながらも、数多くのプロダクトデザインを担当。幾つかの作品が美術館のコレクションに加えられるなど、エリアやジャンルを越えた活動を行っている。著書に『New Made In Japan』(青幻舎)、『IN THINGS』(Lecturis)がある。

【ap job更新】 土木・都市・ランドスケープなど、公共空間のデザインを手掛ける「上條・福島都市設計事務所」が、設計スタッフ(新卒・既卒・経験者)を募集中
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【ap job更新】 土木・都市・ランドスケープなど、公共空間のデザインを手掛ける「上條・福島都市設計事務所」が、設計スタッフ(新卒・既卒・経験者)を募集中肱川かわまちづくり

土木・都市・ランドスケープなど、公共空間のデザインを手掛ける「上條・福島都市設計事務所」の、設計スタッフ(新卒・既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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上條・福島都市設計事務所は2020年3月に上條慎司と福島秀哉の共同主宰により設立した、土木、都市、ランドスケープなど公共空間のデザインを中心に活動する設計事務所です。

2020年から進める愛媛県の肱川かわまちづくりにおける土木スケールのデザイン、2022年にコンペ最優秀を受賞した隠岐の島町西郷港周辺地区の約3haに及ぶ都市スケールのデザイン等、2023年にグッドデザイン賞を受賞した弥彦村のカフェをはじめとする建築・ランドスケープとが一体となったデザインなど、幅広い対象の計画から実施設計まで担う弊社の専門性を活かしつつ、第一線で活躍する建築家やデザイナーの方々と積極的にチームを組み、領域横断的にデザインに取り組んでいます。

そのため弊社に在籍するスタッフは、実践を通して、地域の歴史文化の継承や地域再生に向けた自治体単位のデザイン戦略立案から、質の高い公共空間・公共施設の実現に向けた、ランドスケープ、駅前広場、街路、河川などの空間デザインやディテール検討まで、様々な対象とスケールの計画・デザインにまつわる技術を学びつつ、幅広い人脈を築いています。

在籍するスタッフは皆20代で、スタッフ間でも議論を重ねながら、互いの技術を高めあっています。また基本的には、プロジェクトの担当スタッフが主宰する上條・福島とダイレクトにやりとりしながら業務を進めるスタイルをとっているため、スタッフは実践的な生きた経験を積むことができます。

都市、土木、ランドスケープの分野に限らず、建築を学んだ学生も歓迎しております。

これら徐々にスタイルを築きつつある私たちの取組みのさらなる展開に向け、公共空間、公共施設のデザインを軸とする幅広いデザイン活動に興味を持ち、チームの一員として共に学び、働いてくれるスタッフを募集します。

ご応募お待ちしております。

【ap job更新】 山﨑健太郎デザインワークショップが、設計スタッフ(経験者・2025年新卒)を募集中
【ap job更新】 山﨑健太郎デザインワークショップが、設計スタッフ(経験者・2025年新卒)を募集中
【ap job更新】 山﨑健太郎デザインワークショップが、設計スタッフ(経験者・2025年新卒)を募集中52間の縁側 ©黒住直臣 / 新建築2023年1月号 / GA JAPAN180 2023年1月号

山﨑健太郎デザインワークショップの、設計スタッフ(経験者・2025年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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一緒に働く設計スタッフを募集しています。

山﨑健太郎デザインワークショップでは、これまでに沖縄の地域住民と一緒に琉球石灰岩を積んで建設した「糸満漁民食堂」をはじめ、斜面を活かした階段上の「はくすい保育園」、視覚障害者の支援施設「ビジョンパーク」、日常を感じられるコモン型の「新富士のホスピス」、地域みんなの居場所である「52間の縁側」など、刺激的な建築であることよりも子供から高齢者まで様々な人に受け入れられ、人生の一部となっていくような建築を目指してきました。

現在は、チャペル(東京・港区)、ワイナリーとオーベルジュ(三重・伊賀)、地形の中の文化交流施設(静岡・熱海)、就労支援作業所とお菓子工場(沖縄)など、用途や規模、場所もさまざまな設計業務が進行しています。

プロジェクト規模が大きくなるにつれ、それぞれの役割でチームとして取り組む体制に移行しつつありますが、能力や熱意に応じ1年目からプロジェクトの担当者として、基本・実施設計から現場監理まで一貫して携わることも可能です。また経験年数によらず、能力に応じて昇給や担当を変更していくため、各々の実力を発揮しやすく、やりがいや成長を実感できる環境を用意しています。

ご応募お待ちしております。

ATELIER MOZHによる、中国・上海市の「Havas Events Shanghai Office」。天井高の低い事務所を新たな施主の為に改修。交流を円滑化する存在を求め、天井の一部に“孔”を開ける操作で“開放的な労働空間”を創出。孔が生み出した天井高の差はオフィス内の用途の緩やかな分節も担う
ATELIER MOZHによる、中国・上海市の「Havas Events Shanghai Office」。天井高の低い事務所を新たな施主の為に改修。交流を円滑化する存在を求め、天井の一部に“孔”を開ける操作で“開放的な労働空間”を創出。孔が生み出した天井高の差はオフィス内の用途の緩やかな分節も担うエントランス photo©Havas Events Shanghai
ATELIER MOZHによる、中国・上海市の「Havas Events Shanghai Office」。天井高の低い事務所を新たな施主の為に改修。交流を円滑化する存在を求め、天井の一部に“孔”を開ける操作で“開放的な労働空間”を創出。孔が生み出した天井高の差はオフィス内の用途の緩やかな分節も担うエントランス側からワークスペースを見る。 photo©Havas Events Shanghai
ATELIER MOZHによる、中国・上海市の「Havas Events Shanghai Office」。天井高の低い事務所を新たな施主の為に改修。交流を円滑化する存在を求め、天井の一部に“孔”を開ける操作で“開放的な労働空間”を創出。孔が生み出した天井高の差はオフィス内の用途の緩やかな分節も担うワークスぺースから3Dデザイナールーム側を見る。 photo©森恵吾
ATELIER MOZHによる、中国・上海市の「Havas Events Shanghai Office」。天井高の低い事務所を新たな施主の為に改修。交流を円滑化する存在を求め、天井の一部に“孔”を開ける操作で“開放的な労働空間”を創出。孔が生み出した天井高の差はオフィス内の用途の緩やかな分節も担う「休憩スペース2」 photo©Havas Events Shanghai

森恵吾+ジャン・ジエ+マ・ハイユン / ATELIER MOZHが設計した、中国・上海市のオフィス「Havas Events Shanghai Office」です。
天井高の低い事務所を新たな施主の為に改修する計画です。建築家は、交流を円滑化する存在を求め、天井の一部に“孔”を開ける操作で“開放的な労働空間”を創出しました。また、孔が生み出した天井高の差はオフィス内の用途の緩やかな分節も担っています。

眺めは、周辺の豊かな都市環境を望むパノラマのようであったが、低く抑えられた天井は、水平に広がる美しい眺めを強調するとともに、少し窮屈な印象を与えてもいた。

あらゆる業種のイベント企画からその設営監理までをこなすクライアントチームは、計画当初から彼ら自身が求めるオフィス環境に対してきわめて自覚的であった。彼らが求めていたのは、チーム内でのコミュニケーションの円滑化を図るため、開放的かつ流動的、そしてときには個別の作業に集中できるような、そんな場所であった。

建築家によるテキストより

まずは既存の天井が与える圧迫感を軽減するために、オフィス中心部の天井に大きな「孔」をあける。それによって生まれた異なる高さを持つ天井は、ワークスペースと動線部をゆるやかに区分する。前者ではダークグレーの天井と床材によって空間の高さをぼかし、後者では元の天井高さを維持することで、水平方向の動きを促し、天井に沿った環状の動線をつくりだす。

建築家によるテキストより

オフィスの周縁に配置された「フレーム」の形式は、基本的にはどれも同じでありながらも、それぞれのプロポーションや設えは少しずつ異なっている。そのわずかな差異は、フレームが持つ見た目のシンプルさや統一感とは裏腹に、日常における様々な行為に働きかける。あるときは作業への集中を促し、またあるときはチームの議論を見守る。
やさしい陽が差し込めば、ゴロンと寝そべりたくもなるだろう。そういった行為を内包するフレームと、開かれたワークスペースとの間の行き来は、日々の営みにメリハリを生む。

建築家によるテキストより

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