ハンス・シャロウンによる“ベルリン州立図書館”を再読する展覧会が開催。妹島和世の監修のもと、Y-GSAでのワークショップの成果を公開。1/50の再現模型を中心とし図面と再読研究も展示
ハンス・シャロウンによる“ベルリン州立図書館”を再読する展覧会が開催。妹島和世の監修のもと、Y-GSAでのワークショップの成果を公開。1/50の再現模型を中心とし図面と再読研究も展示展覧会ポスター(表面) image courtesy of 横浜国立大学大学院 建築都市スクールY-GSA

ハンス・シャロウンによる“ベルリン州立図書館”を再読する展覧会「『ベルリン州立図書館 再読』展/都市と人間」が開催されます。妹島和世の監修のもと、Y-GSAでのワークショップの成果を公開します。1/50の再現模型を中心とし図面と再読研究も展示されます。
会場は、東京都港区南青山のemergence aoyama complex 1Fです。会期は、2025年2月22日(土)~3月16日(日)。入場無料です。展覧会の公式ページはこちら

Y-GSAが2024年度に進めてきた研究〈ベルリン州立図書館〉に関する展示が、2月22日(土)より南青山のギャラリーemergence aoyama complexにて開催されます。

ドイツを代表する近代建築家の一人であるハンス・シャロウンは、経済的な合理性による機能主義が時代に選ばれつつある中、人間にとって本質的な居場所とは何かを考え続けた建築家です。
また、第二次世界対戦下において多くの文化人がベルリンを離れる一方、シャロウンは留まり続け、ベルリンという都市の在り方を戦後の復興計画に携わりながら考え続けた都市計画家でもあります。

〈ベルリン州立図書館〉は、彼のそうした人間の居場所と都市の在り方に関する深い思想の到達点ともいえる建築です。我々は、この建築の再読を通して、人間と建築、そして都市というスケールの異なるものを統合しようとするシャロウンの思想を見出しました。

本ワークショップの成果として1/50の大きさで再現した模型を中心に図面と再読研究を展示し、「都市と人間」に関するシャロウンの思想を紹介します。

リリーステキストより

以下に、詳細な情報を掲載します。

栫井寛子+徳永孝平 / atelier SALADによる、鹿児島の「指宿白水館 白砂の間」。老舗旅館にコンセプトルームを作る計画。地域の“砂むし温泉”に着目し、体験から得られる“生命の原初に回帰した様な解放感”の表現を志向。砂の手触り等を想起させる素材を用いて海へと視線が抜ける空間を作る
栫井寛子+徳永孝平 / atelier SALADによる、鹿児島の「指宿白水館 白砂の間」。老舗旅館にコンセプトルームを作る計画。地域の“砂むし温泉”に着目し、体験から得られる“生命の原初に回帰した様な解放感”の表現を志向。砂の手触り等を想起させる素材を用いて海へと視線が抜ける空間を作る通り土間から客室を見る。 photo©長谷川健太
栫井寛子+徳永孝平 / atelier SALADによる、鹿児島の「指宿白水館 白砂の間」。老舗旅館にコンセプトルームを作る計画。地域の“砂むし温泉”に着目し、体験から得られる“生命の原初に回帰した様な解放感”の表現を志向。砂の手触り等を想起させる素材を用いて海へと視線が抜ける空間を作る客室から開口部越しに外部を見る。 photo©長谷川健太
栫井寛子+徳永孝平 / atelier SALADによる、鹿児島の「指宿白水館 白砂の間」。老舗旅館にコンセプトルームを作る計画。地域の“砂むし温泉”に着目し、体験から得られる“生命の原初に回帰した様な解放感”の表現を志向。砂の手触り等を想起させる素材を用いて海へと視線が抜ける空間を作る洗面室側から客室を見る、夜景(和室の障子を閉めた状態) photo©長谷川健太
栫井寛子+徳永孝平 / atelier SALADによる、鹿児島の「指宿白水館 白砂の間」。老舗旅館にコンセプトルームを作る計画。地域の“砂むし温泉”に着目し、体験から得られる“生命の原初に回帰した様な解放感”の表現を志向。砂の手触り等を想起させる素材を用いて海へと視線が抜ける空間を作る小上がりから客室を見る、夜景(和室の障子を開けた状態) photo©長谷川健太

栫井寛子+徳永孝平 / atelier SALADが設計した、鹿児島・指宿市の「指宿白水館 白砂の間」です。
老舗旅館にコンセプトルームを作る計画です。建築家は、地域の“砂むし温泉”に着目し、体験から得られる“生命の原初に回帰した様な解放感”の表現を志向しました。そして、砂の手触り等を想起させる素材を用いて海へと視線が抜ける空間を作りました。施設の場所はこちら(Google Map)。

鹿児島県指宿市の老舗旅館、指宿白水館のコンセプトルームである。

かつて東洋のハワイと呼ばれ、多くの団体客を受け入れた時代が一段落した。この計画においては、将来に向けた老舗旅館の新たな可能性を見出すことが目標であった。そこで私たちは、どこであっても体験できることではなく、ここでしか得られない体験を目指し、指宿特有の砂むし温泉という文化に着目しようと考えた。

建築家によるテキストより

砂むし温泉の砂に覆われたとき、身体と大地が繋がり、生命の原初的な本質に回帰したような解放感を覚える。
この原初的な感覚を、未来への展開として表現しようと試みることとした。

建築家によるテキストより

砂の色味や手触りを思わせる材料を用い、色々な寛ぎの姿を想像しながら空間に輪郭を与えていった。空間としてはひとつながりでありながら、レベル差や空間のプロポーションの強弱によって多様な居場所を作っている。

「通り土間」は、エントランスを兼ねた土間であり、壁面をくり抜いた本棚に置いた鹿児島の文化や工芸品にまつわる書籍を、ソファベンチに腰掛けて読むような情景を期待した。通り土間から、一段上がるとメインの空間となる。中央にゆったりと造形したベッドフレームは空間をゆるやかに秩序づけながら、多様なシークエンスを生んでいる。ベッドボードはリモートワークにも対応して、ワークテーブルも兼ねるような形態とした。

「小上がり」は、一段上がった畳敷の空間であり、穏やかな内海を眺めながら、瞑想するような風景を想定した。「離れ土間」は、一段下がった土間であり、晩酌を楽しみ、早朝のコーヒーを淹れるようなシーンが生まれた。

建築家によるテキストより

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