篠原一男の、TOTOギャラリー・間での展覧会の会場写真。60年代に“住宅は芸術である”と記した建築家の展示。奥山信一、貝島桃代、セン・クアン、小倉宏志郎のキュレーションで、“永遠性”をテーマに篠原の建築家像を再考。原図・模型・スケッチ・家具等の資料も公開
篠原一男の、TOTOギャラリー・間での展覧会の会場写真。60年代に“住宅は芸術である”と記した建築家の展示。奥山信一、貝島桃代、セン・クアン、小倉宏志郎のキュレーションで、“永遠性”をテーマに篠原の建築家像を再考。原図・模型・スケッチ・家具等の資料も公開ギャラリー1での展示の様子。 photo©architecturephoto
篠原一男の、TOTOギャラリー・間での展覧会の会場写真。60年代に“住宅は芸術である”と記した建築家の展示。奥山信一、貝島桃代、セン・クアン、小倉宏志郎のキュレーションで、“永遠性”をテーマに篠原の建築家像を再考。原図・模型・スケッチ・家具等の資料も公開中庭での展示の様子。 photo©architecturephoto
篠原一男の、TOTOギャラリー・間での展覧会の会場写真。60年代に“住宅は芸術である”と記した建築家の展示。奥山信一、貝島桃代、セン・クアン、小倉宏志郎のキュレーションで、“永遠性”をテーマに篠原の建築家像を再考。原図・模型・スケッチ・家具等の資料も公開ギャラリー2の全景。 photo©architecturephoto

篠原一男の、TOTOギャラリー・間での建築展「篠原一男 空間に永遠を刻む――生誕百年 100の問い」の会場写真です。
60年代に“住宅は芸術である”と記した建築家の展示です。奥山信一、貝島桃代、セン・クアン、小倉宏志郎のキュレーションで、“永遠性”をテーマに篠原の建築家像を再考しています。また、原図・模型・スケッチ・家具等の資料も公開されています。会期は2025年4月17日~6月22日です。展覧会の公式ページはこちら

TOTOギャラリー・間では、建築家・篠原一男の生誕100年を記念し、「篠原一男 空間に永遠を刻む――生誕百年 100の問い」を開催します。

篠原一男(1925-2006年)は東京工業大学(現:東京科学大学)で清家清(1918-2005年)に学び、卒業後は同大学で教鞭をとりながらプロフェッサーアーキテクトとして、退職後は自邸兼アトリエ「ハウス イン ヨコハマ」(1985年)に篠原アトリエを構え、設計と言説の発表を続けました。坂本一成、伊東豊雄、長谷川逸子に代表される「篠原スクール」と呼ばれる一群の建築家を輩出するなど、氏の薫陶や影響を受けた多くの建築家が現在、建築界の第一線で活躍しています。

篠原一男は「住宅は芸術である」と唱え、小住宅の設計に多大なエネルギーを費やしました。篠原の住宅は日本における現代住宅のひとつの到達点を示すものとして、現在国内外で再評価の機運が高まっています。この言葉とともに発表された初期の代表作「から傘の家」(1961年)は2022年にスイス、バーゼル近郊(ドイツ、ヴァイル・アム・ライン)のヴィトラ キャンパスに移築再建され、「白の家」(1966年)、「地の家」(1966年)、「谷川さんの住宅」(1974年)もそれぞれ移築や再生によって継承され、その空間を今にとどめています。

本展覧会では建築家の奥山信一氏、貝島桃代氏、建築史家のセン・クアン氏をキュレーターに迎え、生涯を通して自らに「問い」を投げかけ続けた氏の建築家像を、「永遠性」をテーマに再考します。

会場では、東京工業大学篠原研究室作製の原図や模型、真筆のスケッチ、家具などのオリジナル資料を、氏の言説から抽出した「100の問い」と氏自らの分類による「第1の様式」から「第4の様式」に沿って構成し、その活動と人間性を浮かび上がらせます。

篠原の「第5の様式」を予感させる未完の遺作、「蓼科山地の初等幾何」(2006年、計画案)のスケッチも展示予定です。

本展覧会が、氏の遺した空間と言説を次代に継承するための一助になることを願っています。

TOTOギャラリー・間

リリーステキストより
「『篠原一男 100の問い』への『100の応答』」がPDFでも公開。1980年以降生まれの100人の建築家らが篠原の問いに応答。TOTOギャラリー・間の篠原一男展の一環として企画
「『篠原一男 100の問い』への『100の応答』」がPDFでも公開。1980年以降生まれの100人の建築家らが篠原の問いに応答。TOTOギャラリー・間の篠原一男展の一環として企画TOTOギャラリー・間の篠原一男展での、「『篠原一男 100の問い』への『100の応答』」の展示。 photo©architecturephoto

「『篠原一男 100の問い』への『100の応答』」がPDFでも公開されています。1980年以降生まれの100人の建築家らが篠原の問いに応答する内容です。TOTOギャラリー・間の篠原一男展の一環として企画されました。

篠原一男は、建築作品とともに多数の言説を遺した思想家でもありました。
本展覧会ではそれらを「問い」と捉え、篠原が遺した特徴的な100の言葉を選び展示することを試みています。
篠原が自らに問い続けたものとは何だったのか。篠原を直接知らない世代が篠原の言説をどう受け止め、そこにどのような意味を見いだすのか。1980年以降生まれの100人に篠原の「100の問い」を投げかけ、応答としての言葉を寄せていただきました。 この応答が、より多くの方にとって、篠原の問いを自分ごととして考える架け橋になることを願っています。

キュレーター = 奥山信一・貝島桃代・セン・クアン 企画・編集 = 貝島桃代・小倉宏志郎 発行 = TOTOギャラリー・間

小野良輔建築設計事務所による、鹿児島・奄美大島の「佐仁の家」。施主が扱う建材の体験なども目的とした貸別荘。機能に捉われない“様々な顔を持つ”存在とする為、風土から導かれる“建築の原型”と向き合い計画。地域と繋がりの深い“土俵”の構造形式を引用と再編集して造る
小野良輔建築設計事務所による、鹿児島・奄美大島の「佐仁の家」。施主が扱う建材の体験なども目的とした貸別荘。機能に捉われない“様々な顔を持つ”存在とする為、風土から導かれる“建築の原型”と向き合い計画。地域と繋がりの深い“土俵”の構造形式を引用と再編集して造る俯瞰、南側より見下ろす。 photo©長谷川健太
小野良輔建築設計事務所による、鹿児島・奄美大島の「佐仁の家」。施主が扱う建材の体験なども目的とした貸別荘。機能に捉われない“様々な顔を持つ”存在とする為、風土から導かれる“建築の原型”と向き合い計画。地域と繋がりの深い“土俵”の構造形式を引用と再編集して造る外観、南西側より見る。 photo©長谷川健太
小野良輔建築設計事務所による、鹿児島・奄美大島の「佐仁の家」。施主が扱う建材の体験なども目的とした貸別荘。機能に捉われない“様々な顔を持つ”存在とする為、風土から導かれる“建築の原型”と向き合い計画。地域と繋がりの深い“土俵”の構造形式を引用と再編集して造るキッチンから土間越しに板間1と土間2を見る。 photo©長谷川健太
小野良輔建築設計事務所による、鹿児島・奄美大島の「佐仁の家」。施主が扱う建材の体験なども目的とした貸別荘。機能に捉われない“様々な顔を持つ”存在とする為、風土から導かれる“建築の原型”と向き合い計画。地域と繋がりの深い“土俵”の構造形式を引用と再編集して造る土間からキッチンを見る。 photo©長谷川健太

小野良輔建築設計事務所が設計した、鹿児島・奄美大島の「佐仁の家」です。
施主が扱う建材の体験なども目的とした貸別荘です。建築家は、機能に捉われない“様々な顔を持つ”存在とする為、風土から導かれる“建築の原型”と向き合い計画しました。そして、地域と繋がりの深い“土俵”の構造形式を引用と再編集して造りました。

奄美大島の最北端、アダンの防風林に囲まれた海の眼の前に位置する小さな貸別荘である。

クライアントは建材加工販売を生業としている。この建築でも彼らの建材を多く採用しており、利用者にとって「別荘」に限らず建材を体験する「ショールーム」的な体験が両立される。
また、オーナー関係者の宿泊利用や、オーナー自身の長期利用等も想定するなど様々な顔を持つ建築として計画することが求められたため、機能や用途に捉われない風土から導かれる建築の原型や成り立ちと向き合う必要があった。

建築家によるテキストより

まずはあらゆる使い方を許容できる、大きな空間が必要だと考えた。

この佐仁の家では奄美大島において風土と非常に強いつながりのある「土俵」の構造形式を引用・再編集し実現している。
本来の土俵は大きな丸太柱によって大きな方形屋根を支持する形式であるが、現在は大断面の丸太柱は入手困難であり、奄美大島内で入手できる木材は皆無である。そのオルタナティヴ(代替)としてRC壁が木造トラスの方形屋根を支持する形式を考案した。

奄美大島に根付いた伝統的建築の構造形式を引用・参照し実現することで、空間体験が風土を想起させ、島で失われつつある過去の建築形式を現代に再接続するのである。

建築家によるテキストより

この大きな土間空間を中心として四隅に小さな個室や水回りを配置し、ボリュームが群れをなすような佇まいが島の分棟形式の民家を想起させることを意図した。これらの小個室や浴室からも外部へ直接アクセス可能となっており、海から直接出入り可能なオーシャンフロントのアクティビティにも対応した形式となっている。

建築家によるテキストより

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