



スノヘッタによる、中国の「上海グランドオペラハウス」の建設が進行中です。
大規模な催しに加えて日常の来訪も想定した施設です。建築家は、“開いていく扇子”を想起させる屋根形状を特徴とし、“24時間365日”解放された屋上広場を備えた建築を考案しました。また、2026年後半から2027年初頭の開館を予定しています。
こちらはリリーステキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)
上海グランドオペラハウス、急速に形を成す
国際的な設計コンペの結果、スノヘッタは2017年に上海グランドオペラハウスの設計を委託されました。このプロジェクトは、伝統的なオペラ公演やコンサートに加え、実験的なパフォーマンスも提供することで、多様な観客層を魅了するために設計されています。ダイナミズム、開放性、そして上演にとどまらない包括的なプログラムにより、このオペラハウスは上海の主要な文化的ランドマークの一つとなるでしょう。
スノヘッタはこのオペラハウスの建築設計、ランドスケープ設計、インテリアデザインを手がけており、このプロジェクトは、華東建築設計研究院(East China Architectural Design & Research Institute, ECADI)、シアタープロジェクツ(Theatre Projects)、永田音響設計(Nagata Acoustics)との協力のもとに進められています。最近、オペラハウスの建設は急速に進んでおり、主要構造と外装が完了した後、現在は内装とランドスケープに焦点が移っています。主要な建設工事は2025年末に完了する予定です。
上海グランドオペラハウスは、上海の黄浦江沿いにある後灘(ホウタン)地区に位置しています。この地域は、環境に配慮した低炭素な特性を持ち、公共の場として開かれた施設であるという、オペラハウスの使命を強調しています。周囲のランドスケープは放射状に配置されており、オペラハウス全体の幾何学と調和しています。それにより、オペラハウスから都市への視線の流れ、そして都市からオペラハウスへの視線の流れの両方が確保されています。
アーティストと一般の人々をひとつの屋根の下に集めることを目的として設計されたこの新しいオペラハウスの流れるような形状は、動きを暗示しています。螺旋状の屋根の表面は、開いていく扇子を想起させ、ダンスや人間の身体が持つダイナミズムを捉えています。表面と空間の両方を生み出す、屋根の放射状の動きは、地上と空をつなぐ螺旋階段を形成し、都市や黄浦江の川岸への眺望も生み出しています。
この螺旋状で扇を広げるような動きは、ロビーやホール、3つの観客席にも至るまで、プロジェクト全体に広がっています。オペラハウスのビジュアル・アイデンティティも同じ動きを参照しており、新しく洗練されたロゴは、一目でわかる開いた扇のパターンが特徴です。