鈴木淳平・村部塁・溝端友輔による、大阪・関西万博の「島の蜃気楼(トイレ7)」。“象徴的な建築群”に囲まれた広場での計画。“周囲の現象のみ”を際立たせる在り方を求め、“蜘蛛の巣状”の平面形で“3Dプリント製のポリカパネル”を纏った建築を考案。環境との関係の中で存在が浮かび上がる外観、北側より見る。 photo©YU SUZUKI
鈴木淳平・村部塁・溝端友輔による、大阪・関西万博の「島の蜃気楼(トイレ7)」。“象徴的な建築群”に囲まれた広場での計画。“周囲の現象のみ”を際立たせる在り方を求め、“蜘蛛の巣状”の平面形で“3Dプリント製のポリカパネル”を纏った建築を考案。環境との関係の中で存在が浮かび上がる外観、南西側より見る。 photo©YU SUZUKI
鈴木淳平・村部塁・溝端友輔による、大阪・関西万博の「島の蜃気楼(トイレ7)」。“象徴的な建築群”に囲まれた広場での計画。“周囲の現象のみ”を際立たせる在り方を求め、“蜘蛛の巣状”の平面形で“3Dプリント製のポリカパネル”を纏った建築を考案。環境との関係の中で存在が浮かび上がる男性用トイレから中庭側を見る。 photo©YU SUZUKI
鈴木淳平・村部塁・溝端友輔による、大阪・関西万博の「島の蜃気楼(トイレ7)」。“象徴的な建築群”に囲まれた広場での計画。“周囲の現象のみ”を際立たせる在り方を求め、“蜘蛛の巣状”の平面形で“3Dプリント製のポリカパネル”を纏った建築を考案。環境との関係の中で存在が浮かび上がる外観、北側より見る。夜景 photo©YU SUZUKI
鈴木淳平・村部塁・溝端友輔が設計した、大阪・関西万博の「島の蜃気楼(トイレ7)」です。
“象徴的な建築群”に囲まれた広場での計画です。建築家は、“周囲の現象のみ”を際立たせる在り方を求め、“蜘蛛の巣状”の平面形で“3Dプリント製のポリカパネル”を纏った建築を考案しました。そして、環境との関係の中で存在が浮かび上がります。施設の場所はこちら(万博公式PDF)。
象徴的な建築群に囲まれた広場という敷地に対して、背景化するように周囲の現象のみを浮かび上がらせる明確なかたちをもたない建築を構想した。そして、とてもオープンな場に建つトイレとして、プライバシーを確保しつつもとても光に満ちた空間を求めた。
平面形状は蜘蛛の巣状に広がり、鉄骨の躯体には、円周方向への変化に応じて可変的に追従できる3Dプリント製のポリカーボネートパネルが取り付けられている。いかにも3Dプリント的な完結した壺のような形状は避け、あくまで従来の建築手法の延長上に位置付けられるデザインを模索した。
その結果、複雑な形状や寸法の変化に対応できる3Dプリントの特性を生かし、パネル工法を採用した。外周パネルは笠木と一体で成形され、屋根の存在が見えなくなるように設計されている。円周方向のポリカーボネートのパネルに対して、放射方向の壁や腰壁などはガルバリウム鋼板によって仕上げ、色味や光の反射性を担保させた。
内部の天井は柔らかなアルミニウムの断熱材を用い、ふわふわとした光の面となるように設計した。
バリアフリートイレの壁面には3Dプリントの壁を2重に設置し、フルハイトの光の面をつくりだした。波形状の3Dプリントのパネルは製造時の歪みを多く含み、それらも建築の表情として積極的に取り入れている。反射性と透過性をあわせ持つ湾曲したパネルは、周囲の光を複雑にとらえ、周辺環境との関係によってその存在が浮かび上がる。