長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す店舗が入居する建物の外観、北西側の道路より見る。夕景 photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「CIBONE O'TE」のスペースから「BALMUDA」のスペースを見る。 photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「CAFE O'TE」のスペース photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「釜浅商店」のスペース photo©GION

長坂常 / スキーマ建築計画が設計した、アメリカ・ニューヨークの「50 Norman」です。
日本発のブランド等が複数入る店舗のプロジェクトです。建築家は、“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案しました。そして、商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出します。
アーキテクチャーフォトでは、本拡張スペースの前に同設計者が手掛けた最初の店舗も特集記事として紹介しています。店舗の場所はこちら(Google Map)。

NYを拠点とするBLANKの宮園聡文(アキ)さんが目をつけていたのが、用途変更を目前に控えた工業エリア。
高層ビル開発の前段階で生まれる「一時の余白」に、日本から挑戦する人々の活躍の場を創り出していたのだ。空間の提供にとどまらず、設計、申請、施工、さらにはVISA取得や会社設立まで。まるで移住支援のように、挑戦を支える仕組みを用意してくれた。

その文脈のなかで、HOUSE TOKYOのオーナーシェフでNYでの開店を計画していた谷さんが見つけたのが、50 Normanの拠点となる空間だった。CIBONE、尾粂、HOUSEの3チームが同じ場所を共有し、日本の食・クラフト・デザインが緩やかに交わる空間として立ち上がったのが50 Normanの原点だ。

建築家によるテキストより

そしてこのたび、隣接する工場スペースが空いたことを機に拡張が実現。アキさんが新たにスペースを借り受け、その一画にCIBONEの新スペースとHOUSE Brooklynによるカフェ、そして釜浅商店とバルミューダが参加することになった。

コリアンタウンやチャイナタウンのような民族共同体型の移住とは異なり、50 Normanに集まった人々は「いつでも戻れる」柔らかな距離感の中で活動してきた。国籍ではなく、手仕事や思想を媒介にした緩やかなつながりだ。その活動の中で見えてきた、私たちの共通項は「日本的思考の輸出」だった。

我々が担当する空間づくりにおいても、TANKが解体・加工した古材によって、家具や什器が組み上げられ、現地で10日間で設営される手法。それは建築というより「手仕事プロジェクト」だった。

建築家によるテキストより

前回の拠点では、「運ぶこと」をテーマに設計されたクレートを使い、什器として再利用することを目指したが、コロナの影響で輸送が困難になり、十分に実現できなかった部分もあった。さらに、古材も完全に自前でまかなえたわけではなく、一部は市場から調達せざるを得なかった。

そこで今回は、東京近郊の解体現場に足を運び、クレーンで壊された廃材を丁寧に回収し、釘抜き・製材を担う職人と連携して、改めて「廃材利用」をまっとうした。長さや形がまちまちな廃材と新材を接合する“根継ぎ“をデザインの核において棚の設計を行い、手作りの棚を製作。
そして他の什器には、和紙職人・ハタノワタルさんの表情豊かな“あてがみ“と言われる和紙を用い、下地をあえて荒らした仕上げにするなど、彼にとっても我々にとっても新しい表現の取り組みとなった。

そうして生まれた空間に置かれた商品、食材、什器──すべてが不思議と同じトーンを帯び、まるで入れ子のように響き合った。

建築家によるテキストより

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