architecturephoto®

  • 特集記事
  • 注目情報
  • タグ
  • 建築
  • アート
  • カルチャー
  • デザイン
  • ファッション
  • 動画
  • 展覧会
  • コンペ
  • 書籍
  • 建築求人
  • すべてのタグ

建築求人情報

Loading...
2026.5.20Wed
2026.5.19Tue
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す
photo©GION

SHARE 長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す

architecture|feature
GIONスキーマ建築計画図面あり店舗長坂常アメリカニューヨークTANK
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す店舗が入居する建物の外観、北西側の道路より見る。夕景 photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「CIBONE O'TE」のスペースから「BALMUDA」のスペースを見る。 photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「CAFE O'TE」のスペース photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「釜浅商店」のスペース photo©GION

長坂常 / スキーマ建築計画が設計した、アメリカ・ニューヨークの「50 Norman」です。
日本発のブランド等が複数入る店舗のプロジェクトです。建築家は、“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案しました。そして、商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出します。
アーキテクチャーフォトでは、本拡張スペースの前に同設計者が手掛けた最初の店舗も特集記事として紹介しています。店舗の場所はこちら(Google Map)。

NYを拠点とするBLANKの宮園聡文(アキ)さんが目をつけていたのが、用途変更を目前に控えた工業エリア。
高層ビル開発の前段階で生まれる「一時の余白」に、日本から挑戦する人々の活躍の場を創り出していたのだ。空間の提供にとどまらず、設計、申請、施工、さらにはVISA取得や会社設立まで。まるで移住支援のように、挑戦を支える仕組みを用意してくれた。

その文脈のなかで、HOUSE TOKYOのオーナーシェフでNYでの開店を計画していた谷さんが見つけたのが、50 Normanの拠点となる空間だった。CIBONE、尾粂、HOUSEの3チームが同じ場所を共有し、日本の食・クラフト・デザインが緩やかに交わる空間として立ち上がったのが50 Normanの原点だ。

建築家によるテキストより

そしてこのたび、隣接する工場スペースが空いたことを機に拡張が実現。アキさんが新たにスペースを借り受け、その一画にCIBONEの新スペースとHOUSE Brooklynによるカフェ、そして釜浅商店とバルミューダが参加することになった。

コリアンタウンやチャイナタウンのような民族共同体型の移住とは異なり、50 Normanに集まった人々は「いつでも戻れる」柔らかな距離感の中で活動してきた。国籍ではなく、手仕事や思想を媒介にした緩やかなつながりだ。その活動の中で見えてきた、私たちの共通項は「日本的思考の輸出」だった。

我々が担当する空間づくりにおいても、TANKが解体・加工した古材によって、家具や什器が組み上げられ、現地で10日間で設営される手法。それは建築というより「手仕事プロジェクト」だった。

建築家によるテキストより

前回の拠点では、「運ぶこと」をテーマに設計されたクレートを使い、什器として再利用することを目指したが、コロナの影響で輸送が困難になり、十分に実現できなかった部分もあった。さらに、古材も完全に自前でまかなえたわけではなく、一部は市場から調達せざるを得なかった。

そこで今回は、東京近郊の解体現場に足を運び、クレーンで壊された廃材を丁寧に回収し、釘抜き・製材を担う職人と連携して、改めて「廃材利用」をまっとうした。長さや形がまちまちな廃材と新材を接合する“根継ぎ“をデザインの核において棚の設計を行い、手作りの棚を製作。
そして他の什器には、和紙職人・ハタノワタルさんの表情豊かな“あてがみ“と言われる和紙を用い、下地をあえて荒らした仕上げにするなど、彼にとっても我々にとっても新しい表現の取り組みとなった。

そうして生まれた空間に置かれた商品、食材、什器──すべてが不思議と同じトーンを帯び、まるで入れ子のように響き合った。

建築家によるテキストより

以下の写真はクリックで拡大します

長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す店舗が入居する建物の外観、北西側の道路より見る。夕景 photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す店舗が入居する建物の外観、北西側の道路より見る。夕景 photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出すエントランス側から「CIBONE O'TE」のスペースを見る。 photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「CIBONE O'TE」のスペースから「CAFE O'TE」のスペースを見る。 photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「CIBONE O'TE」のスペースから「CAFE O'TE」のスペースを見る。 photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「CIBONE O'TE」のスペースから「CAFE O'TE」のスペースを見る。 photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「CAFE O'TE」のスペース photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「CAFE O'TE」のスペース、カウンターの詳細 photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「CIBONE O'TE」のスペースから「BALMUDA」のスペースを見る。 photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「BALMUDA」スペースから「CIBONE O'TE」スペースを見る。 photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「BALMUDA」のスペース photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「BALMUDA」のスペース photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「BALMUDA」のスペース、サインの詳細 photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「BALMUDA」のスペースから「釜浅商店」のスペースを見る。 photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「釜浅商店」のスペース photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「釜浅商店」のスペース photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「釜浅商店」のスペース photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「釜浅商店」のスペースから「CAFE O'TE」のスペースを見る。 photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す「CIBONE O'TE」のスペース、棚の詳細 photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す最初に設計された店舗部分 photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す最初に設計された店舗部分から「CIBONE O'TE」スペース側を見る。 photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す最初に設計された店舗部分から「CIBONE O'TE」スペース側を見る。 photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す最初に設計された店舗部分から「CIBONE O'TE」スペース側を見る。夕景 photo©GION
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す平面図 image©スキーマ建築計画
長坂常 / スキーマ建築計画による、ニューヨークの「50 Norman」。日本発のブランド等が複数入る店舗。“日本的思考の輸出”という共通姿勢を起点とし、東京近郊の廃材で什器を作り“現地で10日間で設営”する手法を考案。商品・食材・什器が同じトーンで響き合う空間を生み出す断面図 image©スキーマ建築計画

以下、建築家によるテキストです。


ブルックリンのGreenpointに誕生した「50 Norman」は、2022年のオープンから3年を経て、活動の意義が少しずつ見えてきた。

始まりは2021年、コロナ禍の帰国隔離にも臆せず、何か新しいことに向き合わねばと衝動に導かれるようにして足を踏み入れたブルックリンの地だった。街全体がパンデミックで疲弊していた時期、それでも前に進もうとする気配があった。そこに我々も参加できることが嬉しかった。

そんななか、NYを拠点とするBLANKの宮園聡文(アキ)さんが目をつけていたのが、用途変更を目前に控えた工業エリア。
高層ビル開発の前段階で生まれる「一時の余白」に、日本から挑戦する人々の活躍の場を創り出していたのだ。空間の提供にとどまらず、設計、申請、施工、さらにはVISA取得や会社設立まで。まるで移住支援のように、挑戦を支える仕組みを用意してくれた。

その文脈のなかで、HOUSE TOKYOのオーナーシェフでNYでの開店を計画していた谷さんが見つけたのが、50 Normanの拠点となる空間だった。CIBONE、尾粂、HOUSEの3チームが同じ場所を共有し、日本の食・クラフト・デザインが緩やかに交わる空間として立ち上がったのが50 Normanの原点だ。

そしてこのたび、隣接する工場スペースが空いたことを機に拡張が実現。アキさんが新たにスペースを借り受け、その一画にCIBONEの新スペースとHOUSE Brooklynによるカフェ、そして釜浅商店とバルミューダが参加することになった。

コリアンタウンやチャイナタウンのような民族共同体型の移住とは異なり、50 Normanに集まった人々は「いつでも戻れる」柔らかな距離感の中で活動してきた。国籍ではなく、手仕事や思想を媒介にした緩やかなつながりだ。その活動の中で見えてきた、私たちの共通項は「日本的思考の輸出」だった。

我々が担当する空間づくりにおいても、TANKが解体・加工した古材によって、家具や什器が組み上げられ、現地で10日間で設営される手法。それは建築というより「手仕事プロジェクト」だった。

前回の拠点では、「運ぶこと」をテーマに設計されたクレートを使い、什器として再利用することを目指したが、コロナの影響で輸送が困難になり、十分に実現できなかった部分もあった。さらに、古材も完全に自前でまかなえたわけではなく、一部は市場から調達せざるを得なかった。

そこで今回は、東京近郊の解体現場に足を運び、クレーンで壊された廃材を丁寧に回収し、釘抜き・製材を担う職人と連携して、改めて「廃材利用」をまっとうした。長さや形がまちまちな廃材と新材を接合する“根継ぎ“をデザインの核において棚の設計を行い、手作りの棚を製作。
そして他の什器には、和紙職人・ハタノワタルさんの表情豊かな“あてがみ“と言われる和紙を用い、下地をあえて荒らした仕上げにするなど、彼にとっても我々にとっても新しい表現の取り組みとなった。

そうして生まれた空間に置かれた商品、食材、什器──すべてが不思議と同じトーンを帯び、まるで入れ子のように響き合った。


日本の手仕事。その思想と素材と空間が、ひとつの共通の言語として、ブルックリンの地にさりげなく根を下ろしはじめている。

■建築概要

題名:50 Norman
所在地:50 Norman Ave, Brooklyn, NY, 11222

主用途:物販、カフェ

設計:長坂常 / スキーマ建築計画 担当/沢田直人

施工:TANK、BLANK Design(ローカルアーキテクト)
照明計画:株式会社モデュレックス
階数:1階

床面積:254.4㎡ (店舗1:97.9㎡、店舗2:15.7㎡、店舗3:31.2㎡、店舗4:63.5㎡、共用部:46.1㎡)

構造:煉瓦、鉄骨造

竣工:2025年5月
写真:GION


‘50 Norman,’ which opened in Greenpoint, Brooklyn, in 2022, has been in operation for three years, and the significance of its activities is gradually becoming clear.

It all began in 2021, when, undeterred by the pandemic-induced quarantine, we were driven by an impulse to take on something new and set foot in Brooklyn. Despite the city being exhausted by the pandemic, there was still a sense of moving forward. We were thrilled to be able to participate in that effort.

Amidst all this, Aki Miyazono from Blank, NY based architecture and interior design firm, had his eye on an industrial area that was about to undergo a change of use. He was creating a place for people from Japan to try new things in the ‘temporary space’ that came out before the high-rise building development. He didn’t just provide the space, but also helped with the design, application, construction, and even visa acquisition and company establishment. It was like a relocation support system that helped people take on new challenges.

Within this context, Yuji Tani, the owner-chef of HOUSE TOKYO who was planning to open a restaurant in New York , found the space that would become the base for 50 Norman. The three teams—CIBONE, Okume, and HOUSE—shared the same space, and 50 Norman was born as a place where Japanese food, craftsmanship, and design seamlessly intertwined.
And now, with the adjacent factory space becoming available, expansion has become a reality. Aki has leased the new space, and sections of it will be used for CIBONE’s new space, a café by HOUSE Brooklyn, and participation by Kama-asa Shoten and Balmuda.

Unlike ethnic communities such as Koreatown or Chinatown, the people who have gathered at 50 Norman have been active in a flexible environment. It is a loose connection based not on nationality but on craftsmanship and idea. What emerged from these activities was our common goal of ‘exporting Japanese thinking.’

In the space design we are responsible for, furniture and fixtures are constructed with reclaimed wood processed by TANK, and the setup is completed on-site in just 10 days. It was more of a ‘craftsmanship project’ than architecture.

At the previous site, we aimed to reuse crates designed with the theme of ‘transportation’ as fixtures, but due to the impact of COVID-19, transportation became difficult, and we were unable to fully realise this goal. Furthermore, we were unable to source all of the reclaimed wood ourselves and had to procure some from the market.
This time, we visited demolition sites near Tokyo, carefully collected old timbers dismantled by cranes, and collaborated with craftsmen specialising in nail removal and lumber processing to fully realise ‘recycled material utilisation.’ We designed and crafted handmade shelves by focusing on the ‘netsugi’ (root joint) technique, which involves joining scrap wood and new wood of varying lengths and shapes. For other fixtures, we used ‘ategami’ (backing paper) with rich textures created by Japanese paper artisan Wataru Hatano and intentionally left the base rough for a unique finish. This marked a new creative endeavour for both him and us.

The products, foodstuff, and fixtures placed in the space created in this way all had the same tone, resonating with each other like nested objects.

Japanese craftsmanship—its philosophy, materials, and space are quietly taking root in Brooklyn as a common language.
(Jo Nagasaka)

50 Norman


Architect: Jo Nagasaka / Schemata Architects 

Project team: Sawada Bob Naoto

Location: 50 Norman Ave, Brooklyn, NY, 11222

Usage: Shop,Cafe

Construction: TANK, BLANK Design (Local Architect)

Collaboration: ModuleX Inc.(Lighting Plan)

Number of stories: 1F
 Floor area: 254.4㎡ (store1:97.9㎡, store2:15.7㎡, store3:31.2㎡, store4:63.5㎡, common areas:46.1㎡)

Structure: Brick/Steel

Date of completion: May 2025

Photographer: GION

あわせて読みたい

サムネイル:大堀伸 / ジェネラルデザインによる、東京・表参道の「フレッドペリーショップトーキョー」
大堀伸 / ジェネラルデザインによる、東京・表参道の「フレッドペリーショップトーキョー」
  • SHARE
GIONスキーマ建築計画図面あり店舗長坂常アメリカニューヨークTANK
2026.05.20 Wed 06:45
0
permalink

#TANKの関連記事

  • 2025.4.10Thu
    長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・渋谷区の店舗「CIMI restorant」。人も地球も健康になる食を追求する飲食店。立場や考えの異なる人々が集まり語り合う場を目指し、丸太を輪切りにして作ったテーブルに皆で肩を並べる空間を考案。山と谷のあるテーブルの形状も交流を促進させる
  • 2024.11.29Fri
    長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・江東区の店舗「ブルーボトルコーヒー 豊洲パークカフェ」。海辺の高層ビルが連なる地域の公園に計画。公園を分断しない建築の在り方を求め、内外が緩やかに繋がり“敷地全体がカフェに感じられる”空間を志向。小屋の集積からなり外周部に中間領域の軒下を配する構成を考案
  • 2024.9.23Mon
    O.F.D.A.とSpicy Architectsによる、東京・千代田区の店舗「わかやま紀州館」。都心のアンテナショップ。多様な商品に起因する“大量の視覚情報”という前提に対し、全体に“橙色”を用いて“統一感を与える背景”となる空間を構築。地場の木材も多用し“豊かな香り”で通行人を店内へと誘う
  • 2024.8.28Wed
    長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・世田谷区のオフィス「JAKUETS TOKYO MATSUBARA」。全国に支店のある企業の東京事務所の改修。会社全体の未来を考慮し、本社と全支店の関係を“双方向かつネットワーク型”とし“交流を繋ぐ”設計を志向。各地の職場同士を巨大モニターで常時接続する労働空間を考案
  • 2024.7.19Fri
    長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・港区の「TOKYO NODE CAFE / TOKYO NODE LAB」。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでの計画。人々の活動を支援するリラックスした創作の場を目指し、“常に変化を受け入れられる様な”場を志向。既存仕上げの剥離等で周囲と対比的な“おおらかな”空間を作る
  • 2024.7.12Fri
    長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・渋谷区の飲食店「FAMiRES」。ファミレスの“リブランディング”を趣旨とする飲食店の計画。コンセプトの具現化を求め、ファミレス“らしさ”と“新規性”を併せ持つ空間を志向。タイルカーペットの上に“丸いボックスシート”が並ぶ空間を作る
  • 2024.4.19Fri
    二俣公一 / ケース・リアルによる、福岡市の「ブルーボトルコーヒー 福岡天神カフェ」。“大通り”と“神社の境内”に面する区画。街と神社を繋ぐ“結節点”となる存在を目指し、機能を中央集約して通りから参道へと“視線が抜ける”構成を考案。既存レベル差も活かして其々の側で客席の雰囲気を変える
  • 2024.1.23Tue
    長坂常 / スキーマ建築計画による、東京の店舗「カリモク60 自由ヶ丘店」。施主企業の初期開発の家具シリーズ全型を扱う店。展示機能に加え“人を引寄せ購入に繋げる”存在を目指し、“企画やイベント”も行える空間を志向。可動する什器で“要望に合わせて配置が変えられる”仕組みを実装
  • 2023.10.31Tue
    坂本拓也 / ATELIER WRITEによる、京都・下京区の店舗「HUNTING WORLD × DESCENTE.LAB」。老舗百貨店内の期間限定の店。ブランドの代名詞の“バッグ”から着想を得て、荷物を保護する“エアー緩衝材”を主要素材とした什器を考案。45°振ったラックの配置は滞留の促進と区画の内外の繋がりを意図
  • 2023.10.16Mon
    中村竜治・花房紗也香・安東陽子による「ほそくて、ふくらんだ柱の群れ」。異分野の作家3人が協働して制作。誰一人欠けても成立しない関係性を目指し、お互いを遠ざけない様に“エンタシス柱”での空間構成を考案。安東の制作のクッションが柱を固定し、花房の絵画は分割され柱に巻きつく
  • view all
view all

#ニューヨークの関連記事

  • 2026.5.16Sat
    H&deMのジャック・ヘルツォークによるレクチャーの動画。自身が手掛けたニューヨークの建築などについて語る内容。コロンビア大学で2026年4月に行われたもの
  • 2026.5.14Thu
    SO-ILの設計で、ニューヨークにイッセイミヤケの新旗艦店がオープン。ファッションブランドの1200㎡の店舗。大型ガラスを精密加工した“透明の階段”を備え、歴史的な構造を金属素材で引き立てる空間を構築。店内にはフランク・ゲーリーとの友情を象徴するチタンパネルも展示
  • 2026.3.23Mon
    OMAによる、アメリカ・ニューヨークの、ニューミュージアムの増築。SANAAの美術館の増築計画。拡張した活動と公共的な志向に応える存在として、相乗効果を生む“一対”であると同時に“異なる個性”も主張する建築を志向。新たな“ギャラリー・垂直動線・集いの場”を追加する
  • 2026.2.15Sun
    フォスター+パートナーズによる、ニューヨークの「270パーク・アベニュー」を紹介する動画。ノーマン・フォスターのコメントも収録。公式動画として2026年4月に公開されたもの
  • 2025.11.15Sat
    フォスター+パートナーズによる、ニューヨークの「270パーク・アベニュー」の動画。2025年11月に公開されたもの
  • 2025.10.30Thu
    BIGなどが設計に参加した、ニューヨークの「ソーラー・ワン環境教育センター」。水害対策として計画された公園群の一角にある施設。子供の為の教室も備えた災害時に電力を供給する避難所として、浸水時を想定した仕様に加えて太陽光パネルや蓄電システムも配備した建築を考案
  • 2025.10.30Thu
    BIGなどが設計に参加した、ニューヨークの「イーストサイド・コースタル・レジリエンシー・プロジェクト」。河岸からの水害対策として計画。都市を水際から切り離さない在り方を目指し、土地のかさ上げや防護システムの設置と同時に様々な用途を備えた公園の連続とする“パーキペラゴ”を考案
  • 2025.7.22Tue
    黒川紀章の“中銀カプセルタワー”をテーマとしたMoMAでの展覧会の会場写真。同建築の50年間の寿命に捧げる展示。タイトルは「中銀カプセルタワーの多様な人生」
  • 2025.2.28Fri
    OMA / 重松象平+レム・コールハースによる、ニューヨークの、ニューミュージアムの拡張棟が2025年秋にオープン。SANAA設計の既存棟を増築する計画。歴史を作る“未来志向の美術館”の為に、集い・交流・創造を促進する透明性と開放性のある建築を志向。協働者としてクーパー・ロバートソンも参画
  • 2025.1.25Sat
    ビャルケ・インゲルスが率いるBIGの、ニューヨークオフィスの様子を紹介している動画。2025年1月に公開されたもの
  • view all
view all

建築求人情報

Loading...

 

    公式アカウントをフォローして、見逃せない建築情報を受け取ろう。

    62,026
    • Follow
    87,374
    • Follow
    • Follow
    • Add Friends
    • Subscribe
    • 情報募集/建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
      More
    • メールマガジン/ メールマガジンで最新の情報を配信しています。
      More
    2026.5.18Mon
    • パナソニックEWが「オルガテック東京 2026」に出展。東京ビッグサイトで行われる国際家具見本市での展示。ゲンスラーのデザイン監修のもと、“Well-Beingなオフィス空間”を公開。ゲンスラーの天野大地らが登壇するセミナーも開催
    • 水谷元建築都市設計室による、福岡市の「郊外の家 001」。工場が建つ地域のハウスメーカーの住宅を改修。“街に暮らす喜び”の創出も意図し、周辺風景に馴染むような空間を志向。解体後に露出される軽量鉄骨などに寄り添って“シルバー塗装”などを施した新たな要素を追加

    Subscribe and Follow

    公式アカウントをフォローして、
    見逃せない建築情報を受け取ろう。

    「建築と社会の関係を視覚化する」メディア、アーキテクチャーフォトの公式アカウントです。
    様々な切り口による複眼的視点で建築に関する情報を最速でお届けします。

    62,026
    • Follow
    87,374
    • Follow
    • Follow
    • Add Friends
    • Subscribe
    • 情報募集/建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
      More
    • メールマガジン/ メールマガジンで最新の情報を配信しています。
      More

    architecturephoto® News Letter

    メールマガジンでも最新の更新情報を配信中

    • ホーム
    • アーキテクチャーフォトについて
    • アーキテクチャーフォト規約
    • プライバシーポリシー
    • 特定商取引法に関する表記
    • 利用者情報の外部送信について
    • 広告掲載について
    • お問い合わせ/作品投稿

    Copyright © architecturephoto.net.

    • 建築
    • アート
    • カルチャー
    • デザイン
    • ファッション
    • 動画
    • 展覧会
    • コンペ
    • 書籍
    • 建築求人
    • 特集記事
    • 注目情報
    • タグ
    • アーキテクチャーフォト ジョブボード
    • アーキテクチャーフォト・ブック
    • ホーム
    • アーキテクチャーフォトについて
    • アーキテクチャーフォト規約
    • プライバシーポリシー
    • 特定商取引法に関する表記
    • 利用者情報の外部送信について
    • 広告掲載について
    • お問い合わせ/作品投稿

    メールマガジンで最新の情報を配信しています

    この記事をシェア
    タイトルタイトルタイトルタイトルタイトル
    https://architecturephoto.net/permalink

    記事について#architecturephotonetでつぶやいてみましょう。
    有益なコメントは拡散や、サイトでも紹介させていただくこともございます。

    architecturephoto®
    • black
    • gray
    • white

    建築求人情報紹介

    Loading...