SHARE 白子秀隆/白子秀隆建築設計事務所+横尾真/OUVIによる”ミタカのイエ”
photo©上田宏
白子秀隆/白子秀隆建築設計事務所+横尾真/OUVIが設計した東京都三鷹市の住宅”ミタカのイエ”です。
photo©上田宏
以下、建築家によるテキストです。
「ミタカのイエ」
ミタカ駅よりすこし離れた住宅地に建つ、夫婦と車いすを使用する母親の3人が暮らす2世帯住宅である。計画当初より、住まい手がお互い適度な距離を保ち生活できる空間をつくりたいと考えた。
建物外形は、軒の低く抑えられたイエ型で、隣にある背の高いマンションに引きよせられる様に、切妻屋根の頂点が伸ばされた平屋のヴォリューム。さらに、敷地に対しては可能な限りフラットな床面を配置している。こうして計画された広いワンルーム空間の中に、屋根面を支えるための柱と耐風梁としての方杖を、十字に、木の幹のように2本立ち上げた。この方杖を起点に雑壁をグリット状に配置し、各部屋を均質な空間に分割した。部屋と部屋が接する面には扉が、部屋と外部が接する面には窓が、同じ大きさ・位置に設けられ、それぞれの部屋は自立しながらも全方位に繋がる。
構造壁でない袖壁に扉を引きこみ全てを開け放つと、鏡のなかに鏡が無限に映り込む「合わせ鏡」のように、開口の先に開口が連続し、奥行き感を増幅させる。均質に分割されたワンルームの図式が、生活のシーンを次々に映し出す、拡がりのある空間へとシフトする瞬間である。
■建築概要
所在地:東京都三鷹市
主要用途:住宅
敷地面積:296.13m2
建築面積:92.74m2
延床面積:109.99m2
規模:地上1階+小屋裏
主体構造:木造
竣工:2008年11月
設計:白子秀隆/白子秀隆建築設計事務所+横尾真/OUVI
施工:高橋建築