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井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioによる、神奈川・相模原市の「環状リビングの家」。商業地に建つ“完全分離型”の二世帯住宅。将来的な周辺の変化も想定した建築として、南側隣地との間に“空隙”を作る断面構成を考案。子世帯は在宅勤務のある生活に応える為に居場所が連なる“環状の空間”とする
井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioによる、神奈川・相模原市の「環状リビングの家」。商業地に建つ“完全分離型”の二世帯住宅。将来的な周辺の変化も想定した建築として、南側隣地との間に“空隙”を作る断面構成を考案。子世帯は在宅勤務のある生活に応える為に居場所が連なる“環状の空間”とする外観、北側の道路より見る、夜景 photo©渡邊聖爾
井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioによる、神奈川・相模原市の「環状リビングの家」。商業地に建つ“完全分離型”の二世帯住宅。将来的な周辺の変化も想定した建築として、南側隣地との間に“空隙”を作る断面構成を考案。子世帯は在宅勤務のある生活に応える為に居場所が連なる“環状の空間”とする子世帯、2階、「食堂」から3階側を見る。 photo©渡邊聖爾
井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioによる、神奈川・相模原市の「環状リビングの家」。商業地に建つ“完全分離型”の二世帯住宅。将来的な周辺の変化も想定した建築として、南側隣地との間に“空隙”を作る断面構成を考案。子世帯は在宅勤務のある生活に応える為に居場所が連なる“環状の空間”とする子世帯、2階、居間から「食堂」と台所を見る。 photo©渡邊聖爾

井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioが設計した、神奈川・相模原市の「環状リビングの家」です。
商業地に建つ“完全分離型”の二世帯住宅の計画です。建築家は、将来的な周辺の変化も想定した建築として、南側隣地との間に“空隙”を作る断面構成を考案しました。また、子世帯は在宅勤務のある生活に応える為に居場所が連なる“環状の空間”としました。

住宅の建て替え計画である。依頼主の両親が住んでいる古家を取り壊し、息子夫妻と両親が同居する完全分離型(後述する)の2世帯住宅をつくる計画だ。

計画地は、駅前の商業地である。古家は、商店街に面している立地で元々はクリーニング店を営んでいたので、店舗としての役割を主につくられており、採光面や通風面が考慮されておらず、居住空間であるダイニングや居間に関しては、暗く風通しが悪い状態であった。

一方で南側は現状駐車場となっており、良好な日射が現時点では得られそうであることが確認できた。ただ、現状では南側は旧クリーニング店での作業場となっており、居住空間となっておらず、せっかくの採光を生かし切れていない状態だった。

建築家によるテキストより

将来的な南側の採光への考慮から、本計画では、2階と3階の建物ボリュームと南側隣地の間に一定の空隙を設けることで、仮に南側に高い建物が建ったとしても1階にも2, 3階にも良好な採光が得られるようにと考えた。空隙は、想定建物が目いっぱいに建ったとしても4mは取れるので、ある程度の明るさは確保できる状態だ。

また、道路側は、2, 3階が逆に突き出たような形となり、1階は大きな軒ができ雨を避ける計画となっている。この軒下部分は駐車場としても利用され、両親の仕事柄荷物の出し入れが頻繁に行われることから、大きな軒が大活躍している。

建築家によるテキストより

2階と3階の子世帯エリアに関しては、採光面でも面積的にも比較的自由度の高い計画とすることができた。

子世帯夫妻は、在宅での仕事も多く居住スペースとワークスペースが同居する生活スタイルであった。実際に生活するのは夫妻2人のため、このような性格の生活スタイルの場合は、大きな1つの空間をつくるというよりは、それぞれ1人でいても、2人でいても心地よく過ごせるくらいの中くらいの空間がいくつもあるような、空間をつくることを考えた。

具体的には2階をメインの居住エリアとして、階段を中心に、キッチン、ダイニング、ワークスペース、ラウンジ的な空間、水回りを配置している。

住宅によくあるリビングというようなTVとソファがセットになっているような場所はなく、ラウンジと称したちょっとお酒を飲みながら歓談できるような場所をワークスペースの横に設けている。各スペースは、6畳から10畳程度のこじんまりとした空間が壁を隔てるのではなく、収納家具や階段を隔てながら緩やかに繋がり、環状にぐるぐると回遊できる構成となっている。

建築家によるテキストより
高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureによる、東京・台東区の店舗「花重リノベーション」。歴史ある花店を改修した文化的拠点。文化を未来に繋ぐ為の“動的な保存”として、“核となる基本的な骨格”と“変化し続けるもの”が同時にある建築を志向。新旧や内外の対立がない“連鎖的に繋がる”空間も意図
高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureによる、東京・台東区の店舗「花重リノベーション」。歴史ある花店を改修した文化的拠点。文化を未来に繋ぐ為の“動的な保存”として、“核となる基本的な骨格”と“変化し続けるもの”が同時にある建築を志向。新旧や内外の対立がない“連鎖的に繋がる”空間も意図外観、東側道路より見る。左:江戸長屋、右:明治棟(登録有形文化財) photo©関拓弥
高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureによる、東京・台東区の店舗「花重リノベーション」。歴史ある花店を改修した文化的拠点。文化を未来に繋ぐ為の“動的な保存”として、“核となる基本的な骨格”と“変化し続けるもの”が同時にある建築を志向。新旧や内外の対立がない“連鎖的に繋がる”空間も意図戦前棟、1階、カフェから庭を見る。(建築家による解説:現わしになった既存柱の列が屋外の鉄骨柱まで連続して見える) photo©関拓弥
高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureによる、東京・台東区の店舗「花重リノベーション」。歴史ある花店を改修した文化的拠点。文化を未来に繋ぐ為の“動的な保存”として、“核となる基本的な骨格”と“変化し続けるもの”が同時にある建築を志向。新旧や内外の対立がない“連鎖的に繋がる”空間も意図2階、テラス。(建築家による解説:既存から延長した形状の立体的なフレームに植物やカフェ席、日除け布などが絡まる) photo©関拓弥
高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureによる、東京・台東区の店舗「花重リノベーション」。歴史ある花店を改修した文化的拠点。文化を未来に繋ぐ為の“動的な保存”として、“核となる基本的な骨格”と“変化し続けるもの”が同時にある建築を志向。新旧や内外の対立がない“連鎖的に繋がる”空間も意図俯瞰、西側より見る。(建築家による解説:谷中霊園の緑に囲まれた地域に開かれた庭) photo©関拓弥

高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureが設計した、東京・台東区の店舗「花重リノベーション」です。
歴史ある花店を改修した文化的拠点の計画です。建築家は、文化を未来に繋ぐ為の“動的な保存”として、“核となる基本的な骨格”と“変化し続けるもの”が同時にある建築を志向しました。また、新旧や内外の対立がない“連鎖的に繋がる”空間も意図されました。店舗の場所はこちら(Google Map)。
また、本プロジェクトについての書籍『note。 花重リノベーション』の情報も末尾に掲載します。

谷中霊園の入口にある150年の歴史をもつ老舗花屋の改修計画。
経営難に直面していた歴史ある花屋を地元企業が運営ごと買取り、地域に開いた文化的拠点として蘇らせた。
登録有形文化財を含め、歴史的な佇まいや履歴を残しながら、これからも変化し続けることを許容する「動的な保存」によって、地域の文化を未来につなぐことを目指した。

建築家によるテキストより

「花重」は、営みと建物がともに残る数少ない事例である。計画にあたっては、何を残し何を変えるのかを概念的に整理した。
建築を生きた状態のまま保存するために、新旧という概念ではなく時間軸で構成を捉え直し、「核となる基本的な骨格」と「変化し続けるもの」が同時にある状態を目指した。

建築家によるテキストより

これまでの保存再生はオリジナルな状態を最上として復原・再現をする手法や、これまでの履歴を含んだ今の状態を維持する凍結保存などが多く行われてきた。特に石積みの文化においては、石のもつ時間軸の長さ故、対立的な表現を用いて新しく手を加える部分を明快にする手法が多く取られる。一方木造軸組建築は、木という材料の耐久性や加工のしやすさから、その時々のニーズに合わせて変わっていくことが出来る。

「花重」は江戸から昭和にかけての増改築の中で、古いものと新しいものが二項対立ではなく、オーバーラップしながら共存している状態を常に続けてきた。古くなった建築を壊して昔の姿のまま復元するでもなく、真新しい建築につくり変えるでもなく、その間の状態をキープしながら営みと建築が動き続けてきた。今回の改修計画も、これまでの動きの中の一つの段階であり、これからも生き続けていく状態を目指して「動的な保存」として計画した。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 子ども施設を中心に高い評価を得て、様々なアワードでの受賞歴もある「相坂研介設計アトリエ」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)を募集中
【ap job更新】 子ども施設を中心に高い評価を得て、様々なアワードでの受賞歴もある「相坂研介設計アトリエ」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)を募集中
【ap job更新】 子ども施設を中心に高い評価を得て、様々なアワードでの受賞歴もある「相坂研介設計アトリエ」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)を募集中東立石保育園(水害に備える地域の砦)

子ども施設を中心に高い評価を得て、様々なアワードでの受賞歴もある「相坂研介設計アトリエ」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

相坂研介設計アトリエは、都心の皇居脇、半蔵門~麹町エリアの設計事務所です。
このたび経験者および新卒の正社員を募集します。

【代表者・事務所概要】
相坂研介は安藤忠雄に師事後独立、大学講師やJIA幹事を務めつつ公共自治体の発注支援など建築士の職能普及にも尽力し、「これからの建築士賞」を頂きました。

事務所は近年特に子ども施設の建築設計を中心に多数の評価を頂いており、昨年、日本建築士事務所協会連合会の最優秀賞(国土交通大臣賞)や東京都知事賞他を受賞した「東立石保育園(GA JAPAN 171掲載)」をはじめ、「てぞーろ保育園(domus 1050掲載)」はJIA東北建築大賞や福島県建築文化賞、「あまねの杜保育園(新建築2016年5月号掲載)」は、「こども環境学会賞」「JIA環境建築賞」「Architecture Asia Award」など国内外を受賞し、NHKみんなのうた「パプリカ」のMVにもロケで使われました。

(今年発売の「KJ 2024.4」が相坂アトリエの特集号となっておりますので、詳しい作品群や考え方について是非ご覧下さい。)

【業務内容・職場環境】
近年は幼保施設以外にも、学校施設などの大規模教育施設(7000~10000㎡)から、商業ビル(GA JAPAN 177掲載)などの中規模施設(1500~3000㎡)、住宅などの小規模施設(100~300㎡)、さらに家具や遊具まで設計し、公共コンペにも定期的に参加するなど、設計対象が一分野に偏ることなく、毎年幅広い経験を積む機会を確保し、所員全員が設計を楽しめる意欲を保てるよう工夫するとともに、BIMや3Dプリンタ等も導入した作業の効率化で、快適に働きやすい環境を整えています。

建築家 永山祐子とプロダクトデザイナー 倉本仁によるトークイベント「未来のために、建築・デザインにできること」が開催。リビングデザインセンターOZONEの30周年を記念して企画
建築家 永山祐子とプロダクトデザイナー 倉本仁によるトークイベント「未来のために、建築・デザインにできること」が開催。リビングデザインセンターOZONEの30周年を記念して企画左:永山 祐子(永山祐子建築設計代表 / 建築家)、右:倉本 仁(JIN KURAMOTO STUDIO代表 / プロダクトデザイナー) photo courtesy of リビングデザインセンターOZONE

建築家 永山祐子とプロダクトデザイナー 倉本仁によるトークイベント「未来のために、建築・デザインにできること」が開催されます。モデレーターは、佐藤久美子(みなとラボディレクター)。リビングデザインセンターOZONEの30周年を記念して企画されたものです。
開催日時は、2024年10月6日(日)14:00~15:30参加費無料こちらから要事前申込です。【ap・ad】

2024年7月9日、リビングデザインセンターOZONEは30周年を迎えました。
これからのリビングデザインとはどういうものになっていくのか、【What’s Living Design?】という問いを念頭に、時代や社会の移り変わりとともに変化してきた「リビングデザイン」について、あらためて発信していきます
家づくりをはじめ、暮らし方・ライフスタイルまで視野を広げ、目に見えるものだけでなく、光・音・空気・温度・香りや風土や習慣まで、トータルに捉えて提案します。

30年の歴史とこれからの未来に向けて、現在「What’s Living Design?」をテーマに多彩なゲストによるトークイベントをシリーズで開催しています。

今回は建築家の永山祐子氏と、プロダクトデザイナーの倉本仁氏を迎えます。

社会から日常の暮らしまで、サスティナブルな素材を採り入れる意識は刻々と高まっています。
建築やデザインの世界ももちろん例に漏れず、設計やデザインを介して社会問題への意識が問われ、ソーシャルグッドなデザインモデルが強く求められています。再生可能素材など、多様化する建材・素材は現在どのように進化しているのか、また、私たちはそれをどう活用していくべきなのか。

建築・デザインの第一線を走り続けるお二人が、私たちの生活をとりまく自然環境の未来と、そこに建築やデザインが果たしていくべき役割についてを語り合います

トークイベント会場では、お二人がそれぞれ手掛けたプロダクトと、その素材となった「廃漁網」などの海に捨てられた廃棄物を特別展示します。

リリーステキストより
トラフ建築設計事務所による、台湾の店舗「Aesop Taichung」。緑道沿いの既存建物の内外を改修。人々の日常の延長にある“親しみのある空間”を目指し、街中を観察して発見した素材や意匠を“再解釈”する設計を志向。市場の陳列棚や照明に加えて屋台の仕上げ等も参照して作る
トラフ建築設計事務所による、台湾の店舗「Aesop Taichung」。緑道沿いの既存建物の内外を改修。人々の日常の延長にある“親しみのある空間”を目指し、街中を観察して発見した素材や意匠を“再解釈”する設計を志向。市場の陳列棚や照明に加えて屋台の仕上げ等も参照して作る外観、東側の道路から建物全体を見る、夜景 photo courtesy of Aesop
トラフ建築設計事務所による、台湾の店舗「Aesop Taichung」。緑道沿いの既存建物の内外を改修。人々の日常の延長にある“親しみのある空間”を目指し、街中を観察して発見した素材や意匠を“再解釈”する設計を志向。市場の陳列棚や照明に加えて屋台の仕上げ等も参照して作る1階、中央の什器越しに壁側の商品棚を見る。 photo courtesy of Aesop
トラフ建築設計事務所による、台湾の店舗「Aesop Taichung」。緑道沿いの既存建物の内外を改修。人々の日常の延長にある“親しみのある空間”を目指し、街中を観察して発見した素材や意匠を“再解釈”する設計を志向。市場の陳列棚や照明に加えて屋台の仕上げ等も参照して作る1階、窓側より壁面の商品棚を見る。 photo courtesy of Aesop

トラフ建築設計事務所が設計した、台湾の店舗「Aesop Taichung」です。
緑道沿いの建物の内外を改修する計画です。建築家は、日常の延長にある“親しみのある空間”を目指し、街中を観察して発見した素材や意匠を“再解釈”する設計を志向しました。そして、市場の陳列棚や照明に加えて屋台の仕上げ等も参照して空間を作りました。店舗の場所はこちら(Google Map)。

オーストラリアのスキンケアブランドであるイソップの、新しく台中にオープンする路面店の内外装計画。
大きな緑道沿いにある2階建ての建物の1階を売り場、2階をスタッフのためのスペースとする。1階の売り場は間口8.6m、奥行き13.8mの空間である。



建築家によるテキストより

台湾の人々の生活を支えるマーケットで日常的に見られるディテールにインスピレーションを得て、商品の陳列方法や店内を回遊する体験を考えた。レイアウトは、中央にある既存の柱に巻き付くようにレイアウトされた大きなシンクを中心に、回遊できるプランとした。

建築家によるテキストより

マーケットで見られる陳列棚のように雛壇状に構成された壁側の商品棚が、店内を包み込む。これら什器の木部には梱包材などにも使われるハードボードを用いた。商品棚の上に伸びる特注の照明器具はマーケットで商品を煌々と照らす照明をモチーフにした。

床及びシンク天面には台中の路上にも多く見られた洗い出しの仕上げを採用することで、屋外のような雰囲気を演出した。商品棚と同じハードボードで仕上げられたフレグランス専用の棚“FRAGNRANCE ARMOIRE”は、扉を開くと台中の黄昏時を思わせる色彩が驚きをあたえる。ファサードは、既存店舗のガラス面のファサードをそのまま活かし、ゆったりとしたVMスペースが人々を出迎える。

建築家によるテキストより
桑原淳司建築設計事務所による、大阪の「南堀江の眼科」。繁華街に近い地域での医院の新築計画。同業他者との差別化も目指し、煉瓦を透積して光を当てる“人々を優しく照らし出す行灯”の様な外観の建築を考案。内装では患者や来訪者が“落ち着ける雰囲気”も意識
桑原淳司建築設計事務所による、大阪の「南堀江の眼科」。繁華街に近い地域での医院の新築計画。同業他者との差別化も目指し、煉瓦を透積して光を当てる“人々を優しく照らし出す行灯”の様な外観の建築を考案。内装では患者や来訪者が“落ち着ける雰囲気”も意識外観、北側の道路より建物全体を見る、夜景 photo©大竹央祐
桑原淳司建築設計事務所による、大阪の「南堀江の眼科」。繁華街に近い地域での医院の新築計画。同業他者との差別化も目指し、煉瓦を透積して光を当てる“人々を優しく照らし出す行灯”の様な外観の建築を考案。内装では患者や来訪者が“落ち着ける雰囲気”も意識1階、エントランス側から待合と受付を見る、夜景 photo©大竹央祐
桑原淳司建築設計事務所による、大阪の「南堀江の眼科」。繁華街に近い地域での医院の新築計画。同業他者との差別化も目指し、煉瓦を透積して光を当てる“人々を優しく照らし出す行灯”の様な外観の建築を考案。内装では患者や来訪者が“落ち着ける雰囲気”も意識3階、診察室 photo©大竹央祐

桑原淳司建築設計事務所が設計した、大阪の「南堀江の眼科」です。
繁華街に近い地域での医院の新築計画です。建築家は、同業他者との差別化も目指し、煉瓦を透積して光を当てる“人々を優しく照らし出す行灯”の様な外観の建築を考案しました。また、内装では患者や来訪者が“落ち着ける雰囲気”も意識されました。

眼科クリニックの移転新築工事です。

敷地は、大阪を代表する繁華街「心斎橋」や「アメリカ村」にほど近い立地でありながら落ち着いた雰囲気で住みやすく、最寄り駅からは徒歩2分の利便性の高い場所にあります。

間口5.4m×奥行16mの敷地形状を最大限活用できるよう間口一杯に計画した建物は、外壁面から隣の敷地境界線まで30cmしかなく、11階建てマンションと3階建て事務所が隣接している状況で、技術的な観点から施工業者探しが難航しました。

建築家によるテキストより

建築には他のクリニックと差別化できるような上質さや美しさ、また患者さんやスタッフの皆さんが落ち着いた雰囲気を感じられるような空間が求められました。

建築家によるテキストより

1階の天井には外部から建物内部に連続したルーバーが取り付けられています。73本のルーバーの形状はすべて異なり、それぞれの頂点同士を結ぶと内部へと誘うような斜めのラインが見えてきます。ルーバーの上には換気や空調、照明、音響などの設備機器が隠れていて、メンテナンスができるように1本1本全て取り外しできるようになっています。

ファサードには、支持方法を詳細に検討し構造計算により安全を確認した上で、385mm幅のレンガを隙間を空けながら積み上げ、背面に照明を設置しました。この街に帰ってくる人々を優しく照らし出す行灯のような存在になっていってほしいと思います。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2024/9/9-9/15]
最も注目を集めたトピックス[期間:2024/9/9-9/15]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2024/9/9-9/15)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 藤本壮介事務所が受注候補者に選定された、仙台の「(仮称)国際センター駅北地区複合施設」の最終審査公開プレゼンの動画。最終候補者には、北澤伸浩事務所、山田紗子事務所+BPDL+佐藤慎也研究室、昭和tデYetB、日建設計も名を連ねる。審査員は、青木淳、西沢立衛、冨永祥子、岩間友希、髙橋新悦。2024年9月に行われたもの
  2. 藤本壮介事務所が受注候補者に選定された、仙台の「(仮称)国際センター駅北地区複合施設」の提案書が公開。最終候補者の、北澤伸浩事務所、山田紗子事務所+BPDL+佐藤慎也研究室、昭和tデYetB、日建設計のものも公開。審査員は、青木淳、西沢立衛、冨永祥子、岩間友希、髙橋新悦
  3. SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(前編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
  4. SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
  5. 平山健太建築設計事務所による、東京・文京区の住戸改修「白山の住宅」。大きな緑地に面した角の区画。大きな柱や梁がない“RC壁式構造”の躯体に着目し、構造体と内装に“丁寧な関係”をつくる設計を志向。工事の簡素化も意図し“造作家具と建具”を用いて間仕切る計画を考案
  6. 境原桃太+境原彩香 / 境原建築設計事務所による、愛知・半田市の「間の家」。北側接道の三方を囲まれた敷地。“外との親密さ”と“囲まれた落ち着く場”の両極端な要望に対し、環境のポジティブな要素の収集から計画を開始。片側に寄せた母屋から細長い“間の空間”を突出させる構成を考案
  7. 森清敏+川村奈津子 / MDSによる、埼玉・北葛飾郡の「鷲巣の走馬棟」。増築を重ねた歴史ある禅寺の改修。一期工事では住まいである“庫裏”を対象とし、公私の動線の整理と視線の抜けを意識した計画を志向。既存の瓦屋根が連なる佇まいを“継承”しながらの“進化”も意図
  8. teamSTARによる、神奈川・横須賀市の「Villa A」。眼前に海が広がる敷地。海底を思わせるホールから“貝殻をイメージした螺旋階段”を登り、富士山と海に向けた“アーチ屋根”に覆われた主要階に到達する構成を考案。屋根の形は土地の高低差に合わせ階段状とする
  9. 山口誠デザインによる、東京・台東区の、オフィスビル「MONOSPINAL」(竣工前)。ゲーム制作会社の本社。従業員の“集中力”と“リラックス”のバランス確保を目指し、環境要素も向上をさせる“斜壁”を持つ建築を考案。小スケールの素材を集積をさせる仕上げで“あらたな風景”を作る
  10. 青木淳・西沢立衛・冨永祥子らが審査する、仙台市の「(仮称)国際センター駅北地区複合施設」設計プロポの実施要領が公開。応募要件は比較的低めに設定
  11. オンデザインの内装デザインによる、大阪市の「QUINTBRIDGE」。交流と共創を促すオープンイノベーション施設。協働の場に必要な“オープンでフレキシブル”に応えつつ、集団の中でも“緊張せず過ごせる”場を志向。距離や視線を什器等で細かく“チューニング”して空間を作る
  12. ファラによる、ポルトガルの美術館“MAAT”での、アート展の会場構成「cesariny」。現地のシュルレアリズムを代表する画家の展覧会の為に計画。作品群が“関係性と挑発”の中で並ぶように、“過度に形式的な部屋”に“非形式的な二つの面”を配置。構造体は“軽やかでありながら無限”を意図
  13. 大西麻貴+百田有希 / o+hによる、TOTOギャラリー・間での建築展「生きた全体――A Living Whole」。“生きた全体”を思索して創作する建築家の展覧会。建築を“生き物”と捉え、機能や性能を越えて“愛しみ、育てていく”存在として造り上げた作品群を紹介
  14. トラフ建築設計事務所による、東京・墨田区の店舗「塩をまぜる店『ぐるぐるしゃかしゃか』」。商業施設の中の角の区画での計画。与件を活かし、“二方向から出入り”を可能として“大きなL字のカウンター”を設置する構成を考案。壁面への600個の塩の陳列は対応の効率化と視覚的な充実感の向上を意図
  15. OpenAとケース・リアルによる、佐賀・嬉野市の「UPLIFT SHIMOJYUKU+MILKBREW COFFEE URESHIO ONSEN」。新設駅の駅前広場に建つカフェ兼ラボ。どの方向からも目に入る敷地の特性に着目し、四方をガラス窓とした回遊性のある“正方形平面”の建築を考案。建設費の高騰などに対応する為に“システム建築”を流用して造る
  16. 西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築
  17. 宮崎晃吉 / HAGISOによる、東京・台東区の飲食店「noie」。住宅の一部を改修したワインバー。地域住民の“もうひとつの家”を目指し、厨房を多角形のカウンターで取り囲んで“自然と会話が生まれるような”距離感を創出。空間演出や店の在り方を考慮して様々な色も用いる
  18. ダービット・ビーランダーによる、金で出来ているのに、段ボール製にしか見えないブレスレットシリーズ「cardboard」の写真
  19. 山口誠デザインによる、東京・台東区のオフィスビル「MONOSPINAL」。ゲーム制作会社の本社。従業員の“集中力”と“リラックス”のバランス確保を目指し、環境要素も向上をさせる“斜壁”を持つ建築を考案。小スケールの素材を集積をさせる仕上げで“あらたな風景”を作る
  20. 平田晃久建築設計事務所による、東京の、住宅・ギャラリーからなる複合ビル「Tree-ness House」

坂茂へのインタビュー動画。高松宮殿下記念世界文化賞の受賞を記念して2024年9月に公式で公開されたもの SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる左奥:「時代のポシェ」鈴木淳平、中央:「溝口一丁目のテナントビル」上野辰太朗+篠原勲、右手前:「小さな森の図書館」高池葉子+尾野克矩+佐藤緋里+浜田英明、 photo©architecturephoto
SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる左手前:「房総の別荘」寺本健一、右手前:「Soil Tent 2024」秋田亮平+金田充弘+伊藤優+関田重太郎+Fang Sitao+南昂希+糸数海音+細田晃太+八木新平、左奥:「corners いくつもの世界をすごす家」板谷優志+石井優希、右奥:「森のなかの幸せ工場 ―250mの屋根がつくりだす風景と居場所―」柿木佑介+廣岡周平+中尾壮宏+岩岡孝太郎 photo©architecturephoto

SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(後編)です。
“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペティションで、若手建築家の登竜門としても知られています。本記事では展覧会の様子を前編・後編に分けて紹介します。会期は2024年9月13日~22日。SDレビュー2024の審査を務めたのは、青木淳中山英之山田憲明金野千恵でした。展覧会の公式サイトはこちら

SDレビューとは

SDレビューは、実際に「建てる」という厳しい現実の中で、設計者がひとつの明確なコンセプトを導き出す思考の過程を、ドローイングと模型によって示そうというものです。
実現見込みのないイメージやアイデアではなく、実現作を募集します。
1982年、建築家・槇文彦氏の発案のもとに第1回目が開催され、以降毎年「建築・環境・インテリアのドローイングと模型」の展覧会とその誌上発表を行っております。

以下、入選作品を展示順に掲載します。

【ap job更新】 ハイエンドな住宅や商業施設を対象とし、建築やインテリアからアートまでも手掛ける「株式会社アイケイジー」が、建築設計とバックオフィスのスタッフを募集中
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ハイエンドな住宅や商業施設を対象とし、建築やインテリアからアートまでも手掛ける「株式会社アイケイジー」の、建築設計とバックオフィスのスタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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私たちは、チームでプロジェクトを進めていきクライアントとだけではなくスタッフ間のコミュニケーションを大切にしています。
様々なことを一緒に楽しみながら業務ができる、明るく前向きな人材を求めています。
向上心と責任感をもって建築設計に向き合っていける方、長く一緒に働いて信頼関係を築ける方を歓迎いたします。

SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(前編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(前編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる左手前:「あおいさんかく屋根」砂越陽介、右手前:ヒルサイドテラス+ヒルサイドウエストの模型、左奥:「収集と組み合わせのポイエティーク」三輪和誠+普川陽菜+山田伸希、右奥:「みどりまちの群像劇」横井創馬 photo©architecturephoto
SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(前編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる左:「TOOLHUT」大澤さほり、右:「模様の混交」澤伸彦+吉海早瑛+市江龍之介、奥:「Adaptive Design & Assembly System Utilizing Reclaimed Timbers」木内俊克+バルナ・ゲルゲイ・ペーター+戸村陽+岩見遙果+近藤誠之介+西村穏 photo©architecturephoto

SDレビュー2024の入選作品の展覧会レポート(前編)です。
“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペティションで、若手建築家の登竜門としても知られています。本記事では展覧会の様子を前編と後編に分けて紹介します。会期は2024年9月13日~22日。
SDレビュー2024の審査を務めたのは、青木淳中山英之山田憲明金野千恵でした。展覧会の公式サイトはこちら

SDレビューとは

SDレビューは、実際に「建てる」という厳しい現実の中で、設計者がひとつの明確なコンセプトを導き出す思考の過程を、ドローイングと模型によって示そうというものです。
実現見込みのないイメージやアイデアではなく、実現作を募集します。
1982年、建築家・槇文彦氏の発案のもとに第1回目が開催され、以降毎年「建築・環境・インテリアのドローイングと模型」の展覧会とその誌上発表を行っております。

以下、入選作品を展示順に掲載します。

【ap job更新】 山﨑健太郎デザインワークショップが、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中
【ap job更新】 山﨑健太郎デザインワークショップが、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中
【ap job更新】 山﨑健太郎デザインワークショップが、設計スタッフ(経験者・既卒)を募集中52間の縁側 ©黒住直臣 / 新建築2023年1月号 / GA JAPAN180 2023年1月号

山﨑健太郎デザインワークショップの、設計スタッフ(経験者・既卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

一緒に働く設計スタッフを募集しています。

山﨑健太郎デザインワークショップでは、これまでに沖縄の地域住民と一緒に琉球石灰岩を積んで建設した「糸満漁民食堂」をはじめ、斜面を活かした階段上の「はくすい保育園」、視覚障害者の支援施設「ビジョンパーク」、日常を感じられるコモン型の「新富士のホスピス」、地域みんなの居場所である「52間の縁側」など、刺激的な建築であることよりも子供から高齢者まで様々な人に受け入れられ、人生の一部となっていくような建築を目指してきました。

現在は、チャペル(東京・港区)、ワイナリーとオーベルジュ(三重・伊賀)、地形の中の文化交流施設(静岡・熱海)、就労支援作業所とお菓子工場(沖縄)など、用途や規模、場所もさまざまな設計業務が進行しています。

プロジェクト規模が大きくなるにつれ、それぞれの役割でチームとして取り組む体制に移行しつつありますが、能力や熱意に応じ1年目からプロジェクトの担当者として、基本・実施設計から現場監理まで一貫して携わることも可能です。また経験年数によらず、能力に応じて昇給や担当を変更していくため、各々の実力を発揮しやすく、やりがいや成長を実感できる環境を用意しています。

ご応募お待ちしております。

西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築
西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、南側より見る。 photo©大木宏之
西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、北東側より見る。 photo©大木宏之
西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築外観、北東側より見る。 photo©大木宏之
西島光輔 / Inrestudioによる、ベトナムの「The Gamelle」。海沿いに建つ製品検査を行う実験棟。用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案。視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築正面:オフィス、右:インスペクションA photo©大木宏之

西島光輔 / Inrestudioが設計した、ベトナム・クアンビン省の「The Gamelle」です。
海沿いに建つ製品検査を行う実験棟です。建築家は、用途に必要な“潮風や砂塵”からの保護も意図し、現地の煉瓦を用いた“飯ごう形の外郭”の建築を考案しました。また、視線が建物を通り抜けるように“大小の開口”を設けて環境との関係も構築しました。

ベトナム中部の工場内にある、製品検査を行う小さな実験棟である。
敷地末端の海沿いに立地し、見晴らしの良い建物が想定される一方、プログラムの性質上むやみに潮風を引き入れるわけにもいかない。外郭は機能的な部屋と外部空間を取り囲み、ポーラスな構成は内外環境の調停を図っている。
パヴィリオンのように目を引くと同時に、反対側の風景に視線が通る曖昧な建物を目指した。

建築家によるテキストより

飯盒形の外郭で建物を包み込み、潮風や砂塵から身を守る。外郭の閉曲線は内外の境界を明確に規定するが、凹曲面が海岸を向いていることで、内部からは海に開かれているように感じる。半割にした現地の煉瓦を並べることで独特の表情を持った外装は、潮風への耐久性を高めるとともに、周囲の蔦を絡めとれば建物を緑で彩るだろう。

建築家によるテキストより

建物の外周にぐるりと配置された大小様々な開口部は、外から眺める視点の移動によって、互いに重なっては反対側の景色を透過したり、離れては景色を遮断したりを繰り返す。ガラスのある窓は室内の活動を映し出し、ない窓は中庭の風景を露わにする。椰子の並木が中庭を横断し、ソリッドな実体は断片的な透明性を獲得する。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 人々が交流する“居場所”の設計を得意とし、建築賞の受賞歴も多い「アイダアトリエ」が、設計スタッフ(既卒・2025年新卒)を募集中
【ap job更新】 人々が交流する“居場所”の設計を得意とし、建築賞の受賞歴も多い「アイダアトリエ」が、設計スタッフ(既卒・2025年新卒)を募集中
【ap job更新】 人々が交流する“居場所”の設計を得意とし、建築賞の受賞歴も多い「アイダアトリエ」が、設計スタッフ(既卒・2025年新卒)を募集中コードマーク御代田

人々が交流する“居場所”の設計を得意とし、建築賞の受賞歴も多い「アイダアトリエ」の、設計スタッフ(既卒・2025年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

第50回東京建築賞において、東京都建築士事務所協会会長賞(コードマーク御代田)と戸建住宅部門 奨励賞(Ten Pillars House)をダブル受賞した、株式会社アイダアトリエが業務拡大のため、「設計スタッフ(正社員または契約社員)」を募集します。

私たちは、公共図書館や宿泊施設、民間による地域拠点施設等、人々が集まり交流する新しい居場所の設計を得意としています。
アトリエや組織設計を問わず協働での設計や、家具デザイナーや照明デザイナー等、他分野の専門家とのコラボレーションの機会も多くあります。また、スタッフと一緒にアイディアを出し合って設計を進めるなど、プロジェクトを通して、多くのことを吸収し成長できる多様なアトリエ環境の創出にも努めています。

現在、静岡県立中央図書館(新築)の実施設計(C+A・アイダアトリエ・日建設計(エンジニアリング)設計企業体)、軽井沢のクリニック(新築)や御代田町をはじめ複数の住宅(新築)の基本設計および実施設計、温浴施設(改修)の監理など、大小のプロジェクトが進行中です。

アトリエは、路地裏の雰囲気を残す街、東京・神楽坂の坂の上、赤城神社すぐ横の坂道に面する1階に位置しています。
神社からのお囃子の音や街の往来の雰囲気を直に感じながら、風通しのよい環境で日々設計に取り組んでいます。徒歩5分圏内に設計したホステル&カフェ「UNPLAN Kagurazaka」(スタッフと一緒に度々ランチにいきます)があり、アトリエと地域とのつながりを大切にしたいと考えています。

また、15年以上継続して、長野県の軽井沢・御代田エリアでの仕事が多いのも特徴です。「コードマーク御代田」に代表される民間による活動拠点や、多くの移住者の方々の住宅等の設計を手がけており、現在もプロジェクトが進行中です。スタッフやインターン生をつれ、東京を抜け出してリフレッシュも兼ねて田植えに参加、見学会を開催するなどしています。

経験者は能力に応じて優遇しますが、未経験者も含め、これまでのアイダアトリエの仕事に共感し、楽しんで設計に取り組めそうだと感じた方、好奇心と向上心にあふれる方の応募をお待ちしています。

【ap job更新】 研究所やオフィス等の“イノベーション”に特化した「プラナス株式会社」が、意匠設計・内装設計・設備設計の正社員(既卒・経験者・新卒)を募集中
【ap job更新】 研究所やオフィス等の“イノベーション”に特化した「プラナス株式会社」が、意匠設計・内装設計・設備設計の正社員(既卒・経験者・新卒)を募集中
【ap job更新】 研究所やオフィス等の“イノベーション”に特化した「プラナス株式会社」が、意匠設計・内装設計・設備設計の正社員(既卒・経験者・新卒)を募集中

研究所やオフィス等の“イノベーション”に特化した「プラナス株式会社」の、意匠設計・内装設計・設備設計の正社員(既卒・経験者・新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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『ひらめきの瞬間』をつくる仲間募集!

あなたのチカラで日本のイノベーションを促進させませんか?

町工場の再生から日本を代表する企業の本社や研究所、ノーベル賞を生み出す国の研究機関など、日本の未来に価値のあるプロジェクトがあなたをお待ちしております。

私たちは研究所やオフィスなどの「イノベーション」に特化した日本唯一の建築設計事務所(※当社調べ)です。
従来のラボのイメージを覆すような「発見が生まれる場」=『ひらめきの瞬間』を創り続け、圧倒的な実績を有します。

研究所をプラナスの力で、もっと快適でクリエイティブな場所にすることで、革新的な研究結果が生まれ、健康的で理想的な未来社会が創出されることを信じています。

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■働き方のイメージ
社内のプランナー、エンジニアとチームを組み、プロジェクトに参画。ワークショップやヒアリングを通じてクライアントの研究所で実現したい「未来」を見据えた、設計を行います。企業、研究所のトップと直接話し合いながら、あるべき研究開発のカタチを問い、プログラミングから建築設計のみならずブランディング戦略まで研究所をゼロから創り上げていきます。自然と建築のみならずコンサル、CI・VI デザインの領域まで相談を受けることが多いです。単なる「箱」づくりではなくソフトの領域まで、専門設計事務所だからこそ、深い提案ができます。

teamSTARによる、神奈川・横須賀市の「Villa A」。眼前に海が広がる敷地。海底を思わせるホールから“貝殻をイメージした螺旋階段”を登り、富士山と海に向けた“アーチ屋根”に覆われた主要階に到達する構成を考案。屋根の形は土地の高低差に合わせ階段状とする
teamSTARによる、神奈川・横須賀市の「Villa A」。眼前に海が広がる敷地。海底を思わせるホールから“貝殻をイメージした螺旋階段”を登り、富士山と海に向けた“アーチ屋根”に覆われた主要階に到達する構成を考案。屋根の形は土地の高低差に合わせ階段状とする俯瞰、西側より見る。 photo©千葉顕弥
teamSTARによる、神奈川・横須賀市の「Villa A」。眼前に海が広がる敷地。海底を思わせるホールから“貝殻をイメージした螺旋階段”を登り、富士山と海に向けた“アーチ屋根”に覆われた主要階に到達する構成を考案。屋根の形は土地の高低差に合わせ階段状とする地下1階、エントランスホールと螺旋階段。 photo©千葉顕弥
teamSTARによる、神奈川・横須賀市の「Villa A」。眼前に海が広がる敷地。海底を思わせるホールから“貝殻をイメージした螺旋階段”を登り、富士山と海に向けた“アーチ屋根”に覆われた主要階に到達する構成を考案。屋根の形は土地の高低差に合わせ階段状とする1階、テラスとエントランスドアを見る。 photo©千葉顕弥
teamSTARによる、神奈川・横須賀市の「Villa A」。眼前に海が広がる敷地。海底を思わせるホールから“貝殻をイメージした螺旋階段”を登り、富士山と海に向けた“アーチ屋根”に覆われた主要階に到達する構成を考案。屋根の形は土地の高低差に合わせ階段状とする1階、リビングからテラスとプール越しに海を見る。 photo©千葉顕弥

佐竹永太郎+奥野幹 / teamSTARが設計した、神奈川・横須賀市の「Villa A」です。
眼前に海が広がる敷地での計画です。建築家は、海底を思わせるホールから“貝殻をイメージした螺旋階段”を登り、富士山と海に向けた“アーチ屋根”に覆われた主要階に到達する構成を考案しました。また、屋根の形は土地の高低差に合わせ階段状としました。

秋谷海岸に位置することから名づけられたこのヴィラからは、日本のヨット文化発祥の地である葉山町近郊の太平洋を一望できる。
敷地は南西向きの丘の斜面にあるが、屋根は富士山に向かって西向きに配置されている。

建築家によるテキストより

地下1階のエントランスホールは海底を思わせ、白い螺旋階段は深海から海面に向かって上昇する螺旋状の貝殻をイメージしている。
階段の最上階からは、太平洋の印象的な眺望が広がる。建物の構成は、敷地特有の高低差に合わせたもので、アーチ型の屋根の階段状のグラデーションがそれを物語っている。

建築家によるテキストより

環境への影響を最小限に抑えるため、床面は敷地の自然勾配に沿った高さとし、搬出・搬入する土の量を減らしている。エントランス、リビングルーム、ダイニングルーム、ロフトエリア、設備の整ったキッチンからは、それぞれ独自のオーシャンビューを楽しむことができる。また、エメラルドグリーンの床はサンゴ礁や浅瀬の海を連想させ、メインフロアの配色はヨットに乗っているような印象を与える。

建築家によるテキストより

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