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大野力 / sinatoによる、東京・新宿区の、JR新宿駅前のロータリーを再整備した広場「Shinjuku Station East Square」。アーティスト松山智一の彫刻と円形テーブル等の関係性でこの場所固有の体験や居心地をつくる
大野力 / sinatoによる、東京・新宿区の、JR新宿駅前のロータリーを再整備した広場「Shinjuku Station East Square」。アーティスト松山智一の彫刻と円形テーブル等の関係性でこの場所固有の体験や居心地をつくる photo©太田拓実
大野力 / sinatoによる、東京・新宿区の、JR新宿駅前のロータリーを再整備した広場「Shinjuku Station East Square」。アーティスト松山智一の彫刻と円形テーブル等の関係性でこの場所固有の体験や居心地をつくる photo©太田拓実
大野力 / sinatoによる、東京・新宿区の、JR新宿駅前のロータリーを再整備した広場「Shinjuku Station East Square」。アーティスト松山智一の彫刻と円形テーブル等の関係性でこの場所固有の体験や居心地をつくる photo©太田拓実

大野力 / sinatoが設計した、東京・新宿区の、JR新宿駅前のロータリーを再整備した広場「Shinjuku Station East Square」です。アーティスト松山智一の彫刻と円形テーブル等の関係性でこの場所固有の体験や居心地をつくることを目指しました。

ニューヨークを拠点に活動するアーティストの松山智一氏と共に、JR新宿駅前のロータリーをパブリックアートのある広場として再整備した。

元々ロータリーには直下にある地下街の為の排煙塔が設置されており、通行人が立ち入らぬよう柵で囲われていたが、その排煙性能を損なわずに、道路交通上の安全性や地域の方の要望を満たす新たな居場所をどうつくるか、またそこにアートをどう共存させるかが主題となった。

建築家によるテキストより

僕らは既存の排煙塔を解体し、松山氏による高さ7mを超える彫刻の台座を兼ねた巨大な円形テーブルを設置することにした。テーブルには新たな排煙機構を設け、彫刻を支持するのに必要な構造を備えた。

建築家によるテキストより

テーブルの席に着く人々は、自ずと中央に立つ彫刻と至近距離で向き合うこととなる。また座る位置によって彫刻は姿を変え、その日の天気や時間帯によっても異なる表情を見せる。つまりテーブルは人々の滞留を促すストリートファニチャーであると同時に、人々と彫刻を繋ぐ体験装置でもあるのだ。

建築家によるテキストより
富永哲史+小野里紗+名畑碧哉 / n o t architects studioによる、東京・品川区の住宅「天気とくらすイエ」。散歩道を建築内に引き込むことで、季節や時間によってうつろい続ける公園的な環境を意図
富永哲史+小野里紗+名畑碧哉 / n o t architects studioによる、東京・品川区の住宅「天気とくらすイエ」。散歩道を建築内に引き込むことで、季節や時間によってうつろい続ける公園的な環境を意図 photo©高木康広(yasuhiro takagi)
富永哲史+小野里紗+名畑碧哉 / n o t architects studioによる、東京・品川区の住宅「天気とくらすイエ」。散歩道を建築内に引き込むことで、季節や時間によってうつろい続ける公園的な環境を意図 photo©高木康広(yasuhiro takagi)
富永哲史+小野里紗+名畑碧哉 / n o t architects studioによる、東京・品川区の住宅「天気とくらすイエ」。散歩道を建築内に引き込むことで、季節や時間によってうつろい続ける公園的な環境を意図 photo©高木康広(yasuhiro takagi)

富永哲史+小野里紗+名畑碧哉 / n o t architects studioが設計した、東京・品川区の住宅「天気とくらすイエ」です。散歩道を建築内に引き込むことで、季節や時間によってうつろい続ける公園的な環境を意図しました。

公園を散歩していると、その日の天気、季節、時間によってうつろい続けていく空間を感じながら、その時々に応じて居場所をみつけ、過ごし方を変えていく。そんな公園と散歩道のような住宅の提案。

建築家によるテキストより

敷地は東京の小さな住宅街の一角。周りには大きな公園と小さな公園、それを結ぶ長い散歩道がある。この公園と散歩道は周りの住宅街に溶け込みながら、ここにしかない環境をつくり出していた。
そこで、目の前にある散歩道をゆるやかに建物全体へと引き込んでゆくことにした。

建築家によるテキストより

この道は、周辺環境と家をつなぎながら、どこまでが都市で、どこまでが家なのかを曖昧にしてゆく。散歩をしていると現れる坂道や広場のように、形と勾配が全て違う階段と様々な大きさの空間を配置することで建物全体の空間をゆるやかにつなげている。

建築家によるテキストより
設計者・施工者を対象とした“無料”オンラインセミナー「『今』中大規模木造に取り組むべき理由と、その『取り組み方』」が、木構造デザインの主催で開催
設計者・施工者を対象とした“無料”オンラインセミナー「『今』中大規模木造に取り組むべき理由と、その『取り組み方』」が、木構造デザインの主催で開催

設計者・施工者を対象とした“無料”オンラインセミナー「『今』中大規模木造に取り組むべき理由と、その『取り組み方』」が、木構造デザインの主催で開催されます。開催日時は2021年8月4日(水)13:00~14:00です。こちらのページからの事前申し込みが必要です。【ap・ad】

年々低下する新築住宅着工戸数。

低迷する住宅業界とは対照的に、政策の後押しや木造技術の発展によって広がりを見せる非住宅の中大規模木造建築業界。

今まで住宅やRC造・鉄骨造を主に取り組んでいた設計事務所・建築会社は、今選択を迫られています。

しかし、大規模木造建築への取り組み方が分からないというのも事実です。

本セミナーでは、中大規模木造建築業界を取り巻く現状から、その具体的に取り組む際のポイントまで解説します。

内容の一部を紹介すると・・・

■なぜ、中大規模木造が注目されているのか?
■500㎡を超えると一気に木造化率が低下
■非住宅で失敗しない5つのポイントとは?
■戸建住宅以外の事業へ参入するには?

以上は、セミナーのほんの一部の内容です。
ぜひ、奮ってお申込みください。

トラフ建築設計事務所による、愛知の、商業施設内のスキンケアブランドの店舗「Aesop 名古屋高島屋ゲートタワーモール」
トラフ建築設計事務所による、愛知の、商業施設内のスキンケアブランドの店舗「Aesop 名古屋高島屋ゲートタワーモール」 photo courtesy of Aesop
トラフ建築設計事務所による、愛知の、商業施設内のスキンケアブランドの店舗「Aesop 名古屋高島屋ゲートタワーモール」 photo courtesy of Aesop
トラフ建築設計事務所による、愛知の、商業施設内のスキンケアブランドの店舗「Aesop 名古屋高島屋ゲートタワーモール」 photo courtesy of Aesop

トラフ建築設計事務所が設計した、愛知の、商業施設内のスキンケアブランドの店舗「Aesop 名古屋高島屋ゲートタワーモール」です。店舗の公式ページはこちら

オーストラリアのスキンケアブランド イソップの、名古屋高島屋ゲートタワーモール店の内装計画。同フロアの既存店舗が、より大きな区画へとリロケーションする。

建築家によるテキストより

木の無垢材としての量感と撫でたくなるような質感を表出する、温かみのあるマテリアルを選択し、愛知県を拠点とする日本最大の木製家具メーカー、カリモク家具との協業を検討した。カリモクにはAesop 渋谷店(2018)、Aesop ニュウマン横浜店(2020)でも木での製作を依頼しているが、本計画では木の量感を表現するという新たな取り組みで協働している。

建築家によるテキストより

中央のシンク、ポスカウンター、大小のベンチ、ペンダントライトや商品棚には国産クルミの集成材を使い、無垢の木を削り出したような丸みを帯びた彫刻的なボリュームを感じさせる。くすんだピンク色の壁面は木と調和し、ステンレスのシンクが中央で輝いている。足元に敷かれたコーヒー色のカシミアカーペットが訪れた人を柔らかく迎え入れる。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 写真家Gottinghamの撮影・制作マネジメント等を行う「Studio Xxingham株式会社」が、プロダクションマネジャー(正社員)を募集中
【ap job更新】 写真家Gottinghamの撮影・制作マネジメント等を行う「Studio Xxingham株式会社」が、プロダクションマネジャー(正社員)を募集中
【ap job更新】 写真家Gottinghamの撮影・制作マネジメント等を行う「Studio Xxingham株式会社」が、プロダクションマネジャー(正社員)を募集中Installation view, Public Collection, The Campus, Tokyo, Japan, 2021. Artwork︎️s © ︎Gottingham. Photo: Studio Xxtingham

写真家Gottinghamの撮影・制作マネジメント等を行う「Studio Xxingham株式会社」の、プロダクションマネジャー(正社員)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

Studio Xxingham株式会社は、写真家Gottinghamの撮影・制作マネジメントと著作権の管理・運用を行う法人です。2021年に10期目を迎え、新たなフェーズへと前進するため商号を株式会社ゴッティンガムから変更しました。

写真家Gottinghamは、これまで美術館、博物館、行政、学会、研究開発機関、メーカー、ファッションブランド、建築設計事務所、デザイン事務所、広告代理店、出版社等との協働のもとに撮影を行ってきました。様々な分野に画像のライセンスを提供する一方で、そのプリントはコレクションへ。その協働の仕組みは、写真家Gottinghamの表現と不可分です。協働=「コラボレーション/コミッション」のあり方を提示する写真家の実践は、Studio Xxingham株式会社の活動に支えられています。

この度、Studio Xxingham株式会社は、写真家Gottinghamによるオリジナルプリントの展示機会の増加に伴い、以下の職種で正社員を募集いたします。

募集する職種は、多岐にわたる業務をサポートいただくポジションです。プロトタイピングを志向するチーム環境なので、マネジメントやレタッチの実務未経験者でも会社と個人の成長を意識しながら業務に取り組んでいただけます。美術、写真、デザインの領域境界に関心の高い方や、作家と伴走するのが好きな方、第一線の専門家たちと現場でコミュニケーションを取りたい方、感性と論理性を大切にしたい方、知識と技術を両方磨きたい方などにおすすめです。

業務内容には、写真作品に関するフレームや展示の設計なども含まれます。ですので、建築学科等でで学んだり、設計事務所等に勤務経験がある方で、写真を含むその他のクリエ―ション分野に飛び込んでみたい方も適していると思います。

Gottinghamの建築に関わる作品はこちらでも閲覧できます。
https://architecturephoto.net/tag/gottingham/

皆様のご応募をお待ちしております。

クリスチャン・ケレツが計画を進めている、バーレーン・ムハッラクの、4つの駐車場「Multistory Parking for the Pearl Path」。柱と曲面スラブで構成された建築で、駐車機能に加え都市の公共空間としての役割も担う
クリスチャン・ケレツが計画を進めている、バーレーン・ムハッラクの、4つの駐車場「Multistory Parking for the Pearl Path」。柱と曲面スラブで構成された建築で、駐車機能に加え都市の公共空間としての役割も担う image©Christian Kerez
クリスチャン・ケレツが計画を進めている、バーレーン・ムハッラクの、4つの駐車場「Multistory Parking for the Pearl Path」。柱と曲面スラブで構成された建築で、駐車機能に加え都市の公共空間としての役割も担うPLOT D / 東立面図。 photo©Christian Kerez
クリスチャン・ケレツが計画を進めている、バーレーン・ムハッラクの、4つの駐車場「Multistory Parking for the Pearl Path」。柱と曲面スラブで構成された建築で、駐車機能に加え都市の公共空間としての役割も担うPLOT D / 模型1:200。 photo©Christian Kerez

スイスの建築家のクリスチャン・ケレツが計画を進めている、バーレーン・ムハッラクの、4つの駐車場「Multistory Parking for the Pearl Path」です。柱と曲面スラブで構成された建築で、駐車機能に加え都市の公共空間としての役割も担います。2022年の完成を予定。

こちらは建築家によるテキストの翻訳

このプロジェクトは、柱とスラブの非常に基本的な構造で構成されています。スラブは1つまたは複数のシェルの形に作られています。床と天井は、凹面から凸面へと変化する一連の空間を作り出しています。建物全体でスラブは互いに接しており、スロープの追加要素なしに、あるレベルから別のレベルへと連続的に到達できるようになっています。スラブの幾何学的な変化は、駐車場を上り下りする際に、スラブが高いところから低いところへ、凹面から凸面へ、そして内部に広がる空間から外部に広がる空間へと、常に変化する空間体験を提供します。
駐車場は、都市の中のパブリックスペースとして理解されています。ムハッラクの旧市街にある4つの構造物は、バーレーンの文化・国家遺産省による「パール・パス・プロジェクト」の一部です。このインフラプロジェクトは、既存の密集した都市構造の中に大きなオープンスペースを作り出すものです。その大きなスケールと刻々と変化するフォルムは、歴史的な街の中心部に新たな空間の質を与えています。異なる場所に配置された4つの構造体は、それぞれの立地条件に応じて、同じ空間コンセプトを異なる方法で踏襲しています。パーキングは車のための隠れ家的な倉庫ではなく、街の上下にあるドライブウェイを開放的に体験できる場所です。パーキングは、可能性と有用なものを持つ現代から、国家遺産である住宅群の修復・保存へとつながるものです。

富永哲史+小野里紗+名畑碧哉 / n o t architects studioによる、東京・千代田区の「神保町の古書店」
富永哲史+小野里紗+名畑碧哉 / n o t architects studioによる、東京・千代田区の「神保町の古書店」 photo©名畑碧哉
富永哲史+小野里紗+名畑碧哉 / n o t architects studioによる、東京・千代田区の「神保町の古書店」 photo©名畑碧哉
富永哲史+小野里紗+名畑碧哉 / n o t architects studioによる、東京・千代田区の「神保町の古書店」 photo©名畑碧哉

富永哲史+小野里紗+名畑碧哉 / n o t architects studioが設計した、東京・千代田区の「神保町の古書店」です。

神保町靖国通りに面したビルの1階に入る古書店である。

建築家によるテキストより

クライアントは元々このビルで洋書の古書店を営んでいたが、他4人の共同オーナーと古書のセレクトショップとしてリニューアルオープンする事となった。それぞれのオーナーが取り扱う古書は洋書から和本、浮世絵や掛け軸、巻物など様々な種類があるためそれらの古書が自由に配置できる空間が求められた。

建築家によるテキストより

提案は一枚の長い壁である。
この長い壁は曲線を描き店内にさまざまな居場所を生み出しながら外へ伸び、ビルをくるんでいる。壁には小さなホゾ穴が等間隔に設けられており、その穴を利用してその時々に合わせて棚を設置し商品を配置してゆく。パラパラと棚を置き洋書と和本を混ぜ合わせながら置いたり、棚を繋げることで巻物を置ける長い棚になったり、棚を取り払うことで壁一面に掛け軸を掛けられたりする。

建築家によるテキストより
井原正揮+井原佳代 / ihrmkによる、長野・東御市の、既存の農業用プレハブ倉庫を改修した美容室「miike」。安定した地域コミュニティの中に新たなプログラムを計画する際の方法として再利用を選択
井原正揮+井原佳代 / ihrmkによる、長野・東御市の、既存の農業用プレハブ倉庫を改修した美容室「miike」。安定した地域コミュニティの中に新たなプログラムを計画する際の方法として再利用を選択 photo©千葉顕弥
井原正揮+井原佳代 / ihrmkによる、長野・東御市の、既存の農業用プレハブ倉庫を改修した美容室「miike」。安定した地域コミュニティの中に新たなプログラムを計画する際の方法として再利用を選択 photo©千葉顕弥
井原正揮+井原佳代 / ihrmkによる、長野・東御市の、既存の農業用プレハブ倉庫を改修した美容室「miike」。安定した地域コミュニティの中に新たなプログラムを計画する際の方法として再利用を選択既存建物。 photo©千葉顕弥
井原正揮+井原佳代 / ihrmkによる、長野・東御市の、既存の農業用プレハブ倉庫を改修した美容室「miike」。安定した地域コミュニティの中に新たなプログラムを計画する際の方法として再利用を選択既存建物。 photo©千葉顕弥

井原正揮+井原佳代 / ihrmkが設計した、長野・東御市の、既存の農業用プレハブ倉庫を改修した美容室「miike」です。安定した地域コミュニティの中に新たなプログラムを計画する際の方法として再利用を選択しています。店舗の公式サイトはこちら

浅間山麓の田園に建てられた農業用のプレハブ倉庫を、東京で美容師として15年以上の経験のあるクライアント夫婦がUターンで新しく開店する(写真スタジオを併設した)美容院へと再利用する計画である。

建築家によるテキストより

敷地は小さな鳥居から持ち主の居なくなった古い神社へ上る細い参道を兼ねた農道の途中で、東御の町や八ヶ岳連峰を見下ろす豊かな眺望の中にあった。周囲には同じようなプレハブ倉庫が点々と建ち田園の風景を形作っていた。
ある程度安定した地域コミュニティの中に新たなプログラムを計画する際、地域の文脈へどのように滑り込ませるか。プレハブ倉庫はこの地域の人々にとっては日常であるが、私たちはこの風景を田園の建築様式の一つと捉え、25年以上建ち続けるこの建物を再利用することとした。

建築家によるテキストより

既存のプレハブ倉庫は間口10m 奥行6m ほどの平面で、シャッターによって全開放できる開口部は目の前に広がる南側農地に面し、他の3面は鋼製胴縁下地にガルバリウムの角波鋼板で覆われ、床は土間コンクリートで、農業用の倉庫という機能のために設えられた簡素な建物であった。
ここでは単に外壁を支える下地であった胴縁を窓や壁、家具のデザインコードとした。窓は胴縁や柱の間隔によって寸法を決めて外壁をくり抜き、壁や家具には胴縁と同じ高さや幅を持つ白いラインで構成することで、既存の胴縁に新たな意味を与えていった。

建築家によるテキストより
小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOによる、京都市の、集合住宅の一住戸を改修した自邸「北白川のフラット」。京都から想起された“時間の分厚さ”をもつ生活空間を古建具等を混在させることで実現
小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOによる、京都市の、集合住宅の一住戸を改修した自邸「北白川のフラット」。京都から想起された“時間の分厚さ”をもつ生活空間を古建具等を混在させることで実現 photo©Takeru Koroda
小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOによる、京都市の、集合住宅の一住戸を改修した自邸「北白川のフラット」。京都から想起された“時間の分厚さ”をもつ生活空間を古建具等を混在させることで実現 photo©Takeru Koroda
小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOによる、京都市の、集合住宅の一住戸を改修した自邸「北白川のフラット」。京都から想起された“時間の分厚さ”をもつ生活空間を古建具等を混在させることで実現 photo©Takeru Koroda

小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOが設計した、京都市の、集合住宅の一住戸を改修した自邸「北白川のフラット」です。京都から想起された“時間の分厚さ”をもつ生活空間を古建具等を混在させることで実現しています。

東京を離れて京都に住むことになった。住むからには、住むことについて考えようと思った。

建築家によるテキストより

京都は古代からある山々に囲まれた都市である。都市は経済規模を制限して建築物の高さと容積率が抑えられたことから、ほぼどこからでも周囲の山々が見える。都市のなかには近代までに整備された鴨川・御所・府立植物園などの大きな水と緑があり、また中近世の寺社・町家がいたるところに残されたうえで、現代の生活と経済のための建築物が広がっている。つまり、古代の地形を基盤にして、中世にできて近代まで更新された都市構造に、中世からの現代に至るまでの建築物が累々とオーバーレイしたのが京都の都市の実際であり、複数の厚みのある時間の重なりが空間化したものである。いわずもがな全ての都市は堆積した時間を備えているが、特に京都はそれが著しい。

建築家によるテキストより

改修にあたって、全てを新しいものに作り変えることは考えられなかった。新品の建材に囲まれては、都市の時間と切り離された感じがしてしまう。かといって、徹底して古いものにするのも現代的な生活にそぐわず、生活がノスタルジーに固定されるような気がする。もっとも、旅行で一時滞在するにはよいのだが。やはり京都に持続的に住むには、京都の都市のように古いものと新しいものが並置された空間が良いと考えた。古いものがもつ時間の永続性と、新しいものがもつ時間の今日性が並置された、時間の分厚さのある空間に住んでみたい。

建築家によるテキストより
【締切間近】分野を問わない“学生対象”のエリア別アイデアコンペ 「+ミライプロジェクト」が開催。三菱地所設計の主催で、藤本壮介ら建築家が審査し、入選者には建築ツアーや賞金が贈呈
【締切間近】分野を問わない“学生対象”のエリア別アイデアコンペ 「+ミライプロジェクト」が開催。三菱地所設計の主催で、藤本壮介ら建築家が審査し、入選者には建築ツアーや賞金が贈呈
【締切間近】分野を問わない“学生対象”のエリア別アイデアコンペ 「+ミライプロジェクト」が開催。三菱地所設計の主催で、藤本壮介ら建築家が審査し、入選者には建築ツアーや賞金が贈呈

意匠設計に限らず、土木・都市計画から、構造・設備、アートなど分野を問わず、将来「まち」に関わる全ての学生対象のエリア別アイデアコンペ 「+ミライプロジェクト」が開催されます。三菱地所設計が設立20周年として行う学生向け特別企画で、藤本壮介ら全国の建築家がエリア審査を実施。入選者を対象に日本全国を縦断する建築ツアーが行われ、賞金(最優秀者100万円)も贈呈されます。応募締め切りは2021年7月30日必着で、応募事前登録はこちらから。【ap・ad】

締め切りは「2021年7月30日必着」です。当初31日と誤って表記しておりましたお詫びして訂正いたします。

※当コンペ、ツアーの開催においては新型コロナ感染症対策への対応を十分に行います(会場の換気、三密回避、消毒等)。また、新型コロナ感染症等の社会情勢の変化でコンペ、ツアーの開催、時期、方法等を変更する可能性があります。ご了承ください。

株式会社三菱地所設計は、2021年の設立20周年を記念し、今夏~秋にかけて、学生向け特別企画「+ミライプロジェクト」を開催します。
これは、日本全国の学生を対象とする、
①全国を6つの地域に分けて実施する、エリア別のアイデア・コンペティション
②その上位入選者を対象とする全国縦断ツアー

の連携企画です。将来、「まち」との関わりを持ちながら活動したいと考えている学生の方々に向けて、「日本のさまざまな都市やそこにたつ建物を体験し、見聞を広めること」や、「同じ志を持つ全国の仲間たちとの交流によって、同世代間でのつながりが生まれること」によって、将来の夢への糧としていただきたいと考えています。本企画は、こうした想いを持つ社内有志による企画からスタートした、学生応援イベントです。

リリーステキストより

テーマ:『目抜き通り ─ そして、そこにたつ建物』

多くの街には、その街の中心となる「目抜き通り」が存在します。
街において目抜き通りは人々の日々の活動の中心となり、我々がその街で生活していくうえでなくてはならない通りです。

日本で「目抜き通り」といえば、とある歌にもあるように「銀座中央通り」をイメージする人も多いでしょう。パリでは「シャンゼリゼ通り」、マンハッタンでは「ブロードウェイ」など、海外ではダイナミックで劇場的な目抜き通りも存在します。
人々の生活の中心という視点に立てば、ヴェネツィアの「カナル・グランデ」も目抜き通りと捉えられます。

私たちも丸の内において、約130年の年月をかけまちづくりを行ってきました。
その中で、もともとは裏通りであった「丸の内仲通り」が人々の活動の中心となるように、通りと一つひとつの建物の関係について考えてきました。
その一つひとつが歴史となり、今では丸の内を代表する目抜き通りとなりました。

では、みなさんの街における「目抜き通り」はこれからどのようになってゆくでしょうか。
みなさんの過ごす街の歴史や文化、地域の特性を紐解き、『目抜き通りと、そこにたつ建物』について考えてみてください。
通りと一つひとつの建物の関係を考えることで、すでにある目抜き通りをもっと魅力的にすることも、新たな目抜き通りを生み出すこともできるはずです。
みなさんの提案もまた歴史の一部となり、その街を形作ってゆきます。

建築設計のみならず、アーバンデザイン・ストラクチャー・環境・インフラエンジニアリング・デジタルテクノロジー・アートなど様々な視点に立ち、提案してください。 みなさんの自由な発想、提案をお待ちしております。

リリーステキストより
最も注目を集めたトピックス [期間:2021/7/19-7/25]
最も注目を集めたトピックス [期間:2021/7/19-7/25]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2021/7/19-7/25)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 武田清明建築設計事務所による、東京・練馬区の住宅「鶴岡邸」のレポート。周辺環境の自然と対話する建築の在り方を躯体のもつ質感で実現
  2. 小山光+KEY OPERATION INC. / ARCHITECTSによる、東京・杉並区の、アニメーション制作会社のスタジオ「MAPPAスタジオ分室」。職場環境の向上も意識しデスク素材の選定やラウンジ空間を重視
  3. 間田真矢+間田央 / MAMM DESIGNによる、東京・文京区の、築33年のビルを改修した設計者自身の事務所兼住宅「MAMM HOUSE」
  4. ザハ・ハディドが、新国立競技場に関して、日本語で公開した、プレゼンテーションとレポート
  5. アイリーン・グレイが1929年に完成させたヴィラ「E-1027」の修復が完了して公開。7年の歳月と約7億円の費用が投じられオリジナルに近い形で修復
  6. ザハ・ハディド・アーキテクツ、ETHZ、incremental3Dによる、3Dプリントコンクリートで作られたアーチ型の組積造の橋「Striatus」。テクノロジーによってサステナブル性が追求された本作の、図面や施工プロセス写真も豊富に掲載
  7. 御手洗龍建築設計事務所による、伊勢丹新宿店でのエルメスの店舗「HERMÈS IN MOTION – WALK -」と「HERMÈS IN MOTION – GALLOP -」
  8. 武田清明建築設計事務所による、東京の住宅「鶴岡邸」の現場写真。“竣工時という建築の時間の重心をすこしずらす試み”として現場段階での建築が公開
  9. 伊藤維建築設計事務所による、大丸京都店でのアートフェア会場内につくられた居場所「サードプレイス by mui Lab / ART@DAIMARU」
  10. 東京建築士会主催の「住宅建築賞2021入賞作品展」をフォトレポート。受賞者は渡邊大志(金賞)、青木弘司+岡澤創太+角川雄太+高橋優太、井原正揮+井原佳代、三井嶺、大石雅之
  11. 妹島和世による、東京・中央区の、浜離宮恩賜庭園でのパヴィリオン「水明」。歴史的庭園と現代的景観を繋ぎ新たな風景を創出
  12. 青木茂建築工房による、山口・防府市の、既存の蔵と木造家屋の一部を残し再生された「松崎幼稚園遊戯室棟」
  13. 岡田一樹 / R.E.A.D. & Architectsによる、神奈川・川崎市の住宅「HAUS_M」
  14. 藤森照信・妹島和世・藤本壮介・平田晃久・石上純也・藤原徹平・会田誠・草間彌生によるパヴィリオンが都内8か所に設置された「パビリオン・トウキョウ 2021」のシンポジウム等の動画
  15. 青木淳と品川雅俊のASと昭和設計による、長野の「松本平広域公園陸上競技場」の基本設計が公開
  16. 高橋勝建築設計事務所による、大阪市の花店「花舎 結いはな」。店内什器の架構デザインを統一することで、まとまりある空間づくりを意図
  17. 静岡・伊東市の新図書館設計プロポで、高野洋平+森田祥子 / MARU。architectureが特定事業者に選定。提案書も公開
  18. 中村拓志 & NAP建築設計事務所と大和ハウス工業による、広島市の「畑の下のラボラトリー(IROHA village)」
  19. 石本建築事務所・石上純也JVが、神奈川の「厚木市複合施設基本設計」プロポで受注候補者に選定。提案書も公開
  20. アルヴァロ・シザが1966年に完成させた初期代表作のひとつ「レサのスイミングプール」が2年間の改修を終え公開

石上純也による、東京・千代田区の、20世紀初頭に建てられた邸宅の庭にたつパヴィリオン「木陰雲」のレポート。敷地のもつ空間の質を、建築によって増幅
石上純也による、東京・千代田区の、20世紀初頭に建てられた邸宅の庭にたつパヴィリオン「木陰雲」のレポート。敷地のもつ空間の質を、建築によって増幅門をくぐり敷地内に入ると、1927年に建てられた古い邸宅がある。 photo©architecturephoto
石上純也による、東京・千代田区の、20世紀初頭に建てられた邸宅の庭にたつパヴィリオン「木陰雲」のレポート。敷地のもつ空間の質を、建築によって増幅庭園への入り口。パヴィリオンの一部が出迎えてくれる。 photo©architecturephoto
石上純也による、東京・千代田区の、20世紀初頭に建てられた邸宅の庭にたつパヴィリオン「木陰雲」のレポート。敷地のもつ空間の質を、建築によって増幅 photo©architecturephoto
石上純也による、東京・千代田区の、20世紀初頭に建てられた邸宅の庭にたつパヴィリオン「木陰雲」のレポート。敷地のもつ空間の質を、建築によって増幅 photo©architecturephoto
石上純也による、東京・千代田区の、20世紀初頭に建てられた邸宅の庭にたつパヴィリオン「木陰雲」のレポート。敷地のもつ空間の質を、建築によって増幅 photo©architecturephoto

石上純也が設計した、東京・千代田区の、20世紀初頭に建てられた邸宅の庭にたつパヴィリオン「木陰雲」のレポートです。敷地のもつ空間の質を、建築によって増幅させています。“パビリオン・トウキョウ2021”の一環として制作された作品です。作品の設置場所はこちら(Google Map)。開催期間は2021年9月5日(日)まで。鑑賞時間や休館日はこちらに掲載されています。

こちらはアーキテクチャーフォトによるレポート

石上純也によるパヴィリオン「木陰雲」の敷地は、東京・千代田区の「kudan house 庭園」である。敷地内には1927年に実業家の山口萬吉によって建てられた古い邸宅がありその庭園内のパヴィリオンを石上が手掛けた。

石上は自身の解説文の中で、このパヴィリオンを「日差しを柔らかく遮る日除け」と表現する。また、この日除けは焼き杉の技術を用いて制作され表面が炭化され黒くなった木材による柱・梁・屋根で構成されている。実際にパヴィリオン内部に足を踏み入れると、言葉にしがたい心地良さを感じる。元々この庭には様々な樹木や植物が植えられており、それによって既に心地よい空間であったことが想起されるが、石上によるパヴィリオンは、元々この庭が持っていたこの心地よさを更に増幅させる方向に作用していると感じた。それは、木々の隙間からの木漏れ日であったり、木々が立ち並ぶことで生まれる安心感であったりするのだが、その感覚をこのパヴィリオンの存在がより鮮明にし増幅させているように思えた。

黒い焼杉の素材感は、ヴォリュームはしっかりしているものの、その加工による色の効果もあり、既存の植栽の中にあって違和感を感じることはない。そして、そのテクスチャーは光や天候によってもその見え方を変える。光が強く当たった部分は明るくなり木目等が確認でき、自然素材の豊かな表情を見せ「図」として認識される。また日が陰った場所や雨天時等には、暗くなり物質感が消え「地」として振舞うように感じられる。天候の変化によって存在感を強く感じさせたり、既存の樹木の背景となったりとその表情が刻一刻と変わるのである。様々な天候の日の訪れると、その空間の変化に驚かされるだろう(筆者は晴天の日、雨の日の2回訪問している)。それは季節によってその表情を変える京都の寺を思い起こさせた。

天井の穴は既存の樹木の位置を配慮した上で設計されており、それは穴を貫通して木々が育っていったかのようにも感じさせてくれる。そして、この穴が、太陽光を適度に遮ることで、その光を実に美しいものとして感じさせてくれる。建築には古来より借景という設計技法がある。それは建具などの建築要素によって風景を切り取ることで、その景色を実物以上に美しく見せる手法である。このパヴィリオンにおいては、屋根に開けられた穴が都市の中で空とその光を借景し、その美しさを増幅させているようだ。

また、既存の庭園がもつ動線や広場など空気感にも、屋根の穴は関連付けられて設計されている。それによって場所場所によって取り入れられる光の量が変化し、その場所固有の空気感を明確にしているようにも感じた。例えば、エントランスを入って歩いていくと、タイルの敷き詰められた小さな広場があるのだが、この場所では屋根の穴が最も疎になるように設計されている。それによってこの場所が最も明るく、からっとした空気感となり、木々の植えられたエリアとの違いが明確になっている。逆にここが明るいことで、木々の下はより暗く親密な空気感を持った場所として感じられるのである。

石上によるパヴィリオンは、この場所だからこその、この場所の持つ意味に真摯に向き合った作品だと言える。
それは、これまでに紹介してきたパビリオン・トウキョウ2021の他の作品にも共通する。各々の建築家が、与えられた場所が持つ固有の特徴に真摯に向き合い、この場だからこそのデザインのパヴィリオンを考案し実現しているのである。そういった意味でもこれらの作品は建築なのだと感じた。

アイリーン・グレイが1929年に完成させたヴィラ「E-1027」の修復が完了して公開。7年の歳月と約7億円の費用が投じられオリジナルに近い形で修復
アイリーン・グレイが1929年に完成させたヴィラ「E-1027」の修復が完了して公開。7年の歳月と約7億円の費用が投じられオリジナルに近い形で修復 photo©Manuel Bougot
アイリーン・グレイが1929年に完成させたヴィラ「E-1027」の修復が完了して公開。7年の歳月と約7億円の費用が投じられオリジナルに近い形で修復 photo©Manuel Bougot
アイリーン・グレイが1929年に完成させたヴィラ「E-1027」の修復が完了して公開。7年の歳月と約7億円の費用が投じられオリジナルに近い形で修復 photo©Manuel Bougot

アイリーン・グレイが1929年に完成させたヴィラ「E-1027」の修復が完了して公開されました。7年の歳月と約7億円(※2021年7月現在 / 550万ユーロ)の費用が投じられオリジナルに近い形で修復が行われました。

こちらはリリーステキストの翻訳

アイリーン・グレイのモダニズム作品の修復が完了
傑作が完成

550万ユーロをかけて行われたヴィラE-1027の修復が完了し、現在は一般公開されています。

アソシエーション・キャップ・モデルンは、アイリーン・グレイのVilla E-1027の修復が完了したことを発表しました。この別荘は、ル・コルビュジエの「カバノン(カップ・マルタンの休暇小屋)」や「キャンピング・ユニット(ユニテ・ド・キャンピング)」、隣接する「エトワール・ド・メール(ヒトデ軒)」とともに、2021年6月11日から一般公開され、見学ができるようになりました。また、研究者や学者のためのスタディセンターとしての開発も計画されています。

「このヴィラを1929年当時の状態に復元することは、このプロジェクトに携わった私たち全員の愛の結晶であり、その効果はアイリーン・グレイの天才ぶりを如実に示すものであり、すぐそばにあるル・コルビュジエの驚くほど親密な建物との驚くべきダイナミックなコントラストを生み出しています。魔法のようにユニークなこの作品を、ぜひご自身の目で確かめてみてください…」

ヴィラE-1027の修復は完了し、ル・コルビュジエの「カバノン」や「ユニテス・ド・キャンピング」、レストラン「エトワール・ド・メール」を含むキャップ・モデルンの敷地全体と、近くのロックブリュン・キャップ・マルタン駅にあるビジターセンターも完成しました。

リトラル美術館が所有するキャップ・モデルンは、マイケル・リキエルマン氏が会長を務めるキャップ・モデルン協会の主導により、ロックブリュン・キャップ・マルタン市、アルプ・マリティーム県、プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地方、リトラル美術館、DRACを通じた文化省の支援を受けて、2015年に一般公開されました。

歴史的建造物として登録されているキャップ・モデルンは、アルプ=マリティーム地方で唯一のユネスコ世界遺産に登録されています。この地域で必見の場所のひとつであり、年間1万人以上の訪問者を迎えています。

MVRDVとmorePlatzの設計で完成した、ドイツ・マインツのオフィスビル「ZigZag」。フォールドスキンと呼ばれるアルミを折り曲げたファサードが彫刻的な存在感を示す
MVRDVとmorePlatzの設計で完成した、ドイツ・マインツのオフィスビル「ZigZag」。フォールドスキンと呼ばれるアルミを折り曲げたファサードが彫刻的な存在感を示す photo©Ossip
MVRDVとmorePlatzの設計で完成した、ドイツ・マインツのオフィスビル「ZigZag」。フォールドスキンと呼ばれるアルミを折り曲げたファサードが彫刻的な存在感を示す photo©Ossip
MVRDVとmorePlatzの設計で完成した、ドイツ・マインツのオフィスビル「ZigZag」。フォールドスキンと呼ばれるアルミを折り曲げたファサードが彫刻的な存在感を示す photo©Ossip

MVRDVmorePlatzの設計で完成した、ドイツ・マインツのオフィスビル「ZigZag」です。フォールドスキンと呼ばれるアルミを折り曲げたファサードが彫刻的な存在感を示しています。

こちらはリリーステキストの翻訳

MVRDV、マインツのツォルハーフェンにフレキシブルなオフィスビル「ZigZag」を発表

MVRDVとベルリンのmorePlatzが設計したオフィスビル「ZigZag」が竣工しました。このビルは、マインツのツォルハーフェン地区を工業地帯から活気ある市街地へと変貌させる先駆けとなるものです。6階建てのこのビルは、アルミパネルをジグザグに折り曲げた「折り畳んだ皮膚(フォールドスキン)」を採用し、ツォルハーフェン地区のポートの先端のランドマークとなっており、港の辺り全体を見渡すことができます。MVRDVとmorePlatzは、不動産会社CA Immoのために「ZigZag」を設計しました。

マインツのツォルハーフェンは、かつて工業地帯だったヨーロッパの多くの港湾地域と同様に、近代的な市街地へと変貌を遂げつつあります。マインツのノイシュタット地区の北東、ライン川の西岸に位置し、かつての輸送用コンテナ港は、生活、仕事、レジャー施設が混在する都市に生まれ変わる予定です。ZigZagは、この大規模な変革の先駆けとなるプロジェクトの一つです。

この4,600m2のビルは、港の北端に位置し、新たにロッテルダム広場と呼ばれるようになった場所にあり、新しいウォーターフロント広場に面していると同時に、新市街地と北側に残る工業地帯との間の騒音緩衝の役割も果たしています。新興住宅地への騒音の影響をさらに軽減するために、ZigZagと隣接する住宅地の間には、スチールフレームにガラスパネルをはめ込んだ防音壁が設置されています。

6階建ての建物のファサードは、マットシルバーコーティングされたアルミパネルの「フォールドスキン」を採用し、ツォルハーフェン地区の都市計画に対応しています。このパネルの深さは、外部のサンシェードを組み込むことを可能にし、まぶしさを軽減しています。銀色の金属被覆材からの光の反射は、3Dの視覚効果を強調し、建物の彫刻的な印象を強めています。1階では、ジグザグに配置されたファサードが内側に向かって細くなることで、屋外スペースが確保され、通りから水辺までの広々とした視線と通路が確保されています。

アイリーン・グレイが1929年に完成させたフランスの住宅「E-1027」の修復が完了。日本円で約7億円の費用が投じられる

アイリーン・グレイが1929年に完成させたフランスの住宅「E-1027」の修復が完了したそうです。日本円で約7億円(550万ユーロ)の費用が投じられ1929年当時の状況に復元されたとの事。施設の公式サイトはこちらです。

アルヴァロ・シザが1966年に完成させた初期代表作のひとつ「レサのスイミングプール」が2年間の改修を終え公開

アルヴァロ・シザが1966年に完成させた初期代表作のひとつ「レサのスイミングプール」が2年間の改修を終え公開されたようです。
以下に、それを伝えるツイートを紹介します。こちらのページで写真を18枚閲覧可能です(撮影時期不明)。

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