宮城島崇人建築設計事務所による、神奈川の「森のホワイエ/横浜国立大学ローカル実践コア拠点」です。
横浜国立大学における、地域に根ざした教育研究活動を推進する「地域実践教育研究センター」の新たな活動拠点である。物置同然となっていたエントランスロビーを、地域実践の成果を発信し、グループワークやプレゼンテーションなどができる空間に改修した。
改修にあたり、南足柄の林業家杉山精一氏より杉、桧、朴の丸太の寄付を受けた。健全な水系を保つために欠かせない林業を、空間を通して広く伝えたいとの思いからであった。それら〜黒味の強い杉と比較的白い杉の二種類の丸太、桧の小径丸太十数本、一本の朴〜を有効に使って、いかに地域の教育・交流スペースをつくるかが課題となった。また、改修する建物は、キャンパスと外部を結ぶバス通り沿いに建ち、その反対側は、木洩れ陽が美しい森に南面する。ゴルフ場跡地をキャンパスにした名残である。既存ロビーはうす暗く陰鬱な印象であったので、改修にあたっては森とのつながりをより感じられる明るい空間をつくりたいと考えた。