
宮晶子 / miya akiko architecture atelierが設計した、埼玉・深谷の食堂「食堂の壁|wall behavior」です。店舗の情報ページはこちらにあります。
「森の中、大きな倒木の中に分け入ったような包まれた安心感、奥へ奥へと進むと差し込む緑の光。倒木の周りには光が注ぎ若木の芽が育ち始める。」
埼玉県深谷市のロードサイドに設計した20席ほどの小さな食堂。「那須の山荘」を見て依頼してくださったオーナーシェフは、田園風景の残るその場所に山荘のイメージを重ねて上述のように語ってくださいました。
食堂ではしかし、住宅(山荘)のように自由に動きまわりながら自分の居場所を探すことができません。そこで、ここではテーブルごとに違った時間が流れるように、壁を異なる角度と大きさとし、内部では日中の直射をテーブルに落とさず、外部では車で通りすぎる際に建物を通して北側の田園風景へ視線が抜ける位置を探していきました。
壁の端部は在来工法の910mmグリッドにのせ、1スパンまたはその対角スパンの2種類の隙間を保つルールを隠しもち、わずかに傾斜させた屋根がパースを内外に揺らがせながら、簇生する壁をつかみどころない固まりとしていきます。バウムクーヘンに蜂蜜をコーティングしたように、ラーチ合板にFRP防水を施した木の固まりは道端に無造作に佇み、中に分け入れば、人々のざわめきに包まれて、席につけば木立のような風景が壁の先に見えてきます。





