吹抜。LVLの壁はファミリークローゼットと床下収納を内包。家族で過ごすパブリックエリアと個室の並ぶプライベートエリアを緩やかに仕切る。
リビング。長さ15mに及ぶLVLの有機的な木目は、空間全体に方向性を与えてくれた。
小林和生・小林利佳 / PLUS CASAが設計した、鳥取県智頭町の既存倉庫をリノベーションした自邸「HOME BASE」です。
これは私たちの自邸である。
これまでは実家に両親と同居していた。しかしライフスタイルや価値観のまるで違う父が建てたその家は、私たちにとっていつまで経っても暮らしにくく愛着の持てるものではなかった。また事務所と家が離れていたことも不規則不定休な仕事と家事育児を両立する支障となっていた。さらに、豊かな暮らしを提唱し、人の住空間を考える立場にありながら、このような現状に甘んじていることを常に後ろめたく感じていたことも事実である。数年にわたり考えた末、事務所に併設する資材置き場として使っていた倉庫を、私たちの居住スペースにリノベーションするという結論に至った。