

all photos©長谷川健太
403architecture [dajiba]による、近隣施設の使用されなくなった家具等を、再構成して作られた、山口情報芸術センターでの展覧会の会場デザイン「プレゼント・シングス」です。
(「プレゼント・シングス」は403によって名付けられた作品名で、展覧会の名称は『Think Things -「もの」と「あそび」の生態系-』でした。)
山口情報芸術センター[YCAM]の研究開発チーム、インターラボと共同した展覧会の会場構成。「もの」と「あそび」を考えるということがメインのコンセプトであった。見慣れた日用品から、簡単な電子回路やプログラムが組み込まれたガジェットなど、「ツール」と呼ばれるさまざまな「もの」が用意されており、それらは「あそび」を開発するきっかけとして貸し出された。また、「あそび」を専用フォーマットにログとして保存し、その「あそび」自体も貸し出され、ルールが改変されまた別の「あそび」が生まれる、といった様子を「生態系」として観測し、アーカイブが展示された。
われわれはそのような「あそびの生態系」が豊かに育っていくことを支えるような、フィールドとしての「環境」を用意した。使用したのは、近隣の廃校となった小中学校や、使用されなくなった公民館の、机や椅子、棚、ロッカー、建具などである。人口減少や建物の老朽化による、公共施設の再編は全国的な課題であるが、施設のみならず、その中にある備品などの「もの」も、余剰として「あそび」となっていることに着目した。集められた備品は、それぞれ反復して結合され、山や川、森や洞窟などの自然そのままの状況と、公園に設置してあるような、特定の遊び方が決まっている遊具の、中間のような「環境」となることを意図して構成している。展示室というホワイトキューブに近い空間において、まったくフラットで取り留めのない場所を用意するのではなく、消費的な、あるいは常に再現可能な体験を準備するのでもない、「環境」それ自体は際立って意識されることなく、「あそび」を誘発するものとなることをめざした。
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