art archive



OMA / 重松象平+レム・コールハースによる、アメリカ・ニューヨークの、ニューミュージアムの拡張棟が2025年秋にオープンすることが発表されました。
SANAA設計の既存棟(2007年竣工)を増築する計画です。建築家は、歴史を作る“未来志向の美術館”の為に、集い・交流・創造を促進する透明性と開放性のある建築を志向しました。また、協働者としてクーパー・ロバートソンも参画しています。
こちらはリリーステキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)
OMAによるニューミュージアムの拡張部分、2025年秋にオープン
2025年2月27日 – ニューヨーク、米国 – 本日、ニューミュージアムは、OMAがクーパー・ロバートソンと共同で設計した60,000平方フィート(※約約 5,574.2㎡)の建物拡張部分が2025年秋にオープンすると発表しました。
この発表では、開幕展「New Humans: Memories of the Future」についても明らかにされました。この展覧会は、新たに拡張・接続された美術館全体にわたり、150人以上のアーティストを紹介します。歴史の重要な節目にその足跡を拡大し、アーティストと一般の人々により良いサービスを提供してきました。OMAが設計したその拡張部分は、プリンス・ストリート沿いのバワリーにある、SANAAが設計したニュー・ミュージアムの既存の旗艦館を補完しながら、美術館のギャラリースペースを2倍にします。
OMAが設計したその拡張部分は、プリンス・ストリート沿いのバワリーにある、SANAAが設計したニュー・ミュージアムの既存の旗艦館を補完しながら、美術館のギャラリースペースを2倍にします。また、3基のエレベーター、アトリウム階段、エントランスプラザの追加によって訪問者の流れを改善し、アーティストのレジデンシーや公開プログラムのための新たな会場を創出し、美術館の文化的インキュベーターであるNEW INCのために目的に応じて建設された拠点を設立するなど、多くの新機能と拡張要素を備え、美術館と都市にとって変革の瞬間を示すこととなります。
「ニューミュージアムは、常に未来志向の美術館であり、歴史を保存し記録する場所ではなく、歴史が作られる場所です」と、ニュー・ミュージアムのトビー・デヴァン・ルイス館長であるリサ・フィリップスは述べました。「私たちは、ニューヨーク市におけるOMAの最初の公共建築となるこのプロジェクトで、重松象平氏とレム・コールハース氏と共に取り組めることを大変嬉しく思います。これにより、ニュー・ミュージアムはニューヨーカーや世界のアートコミュニティにとって重要な市民資源として、新たな可能性の時代を迎えることになります」
「ニューミュージアムは、新しい文化的な視点や制作のためのインキュベーターであり、その拡張は、その開放的な姿勢を体現することを目的としています」と、OMAのパートナーである重松象平は述べました。「既存の美術館の垂直性と堅牢さに高度に接続されつつも、それとは異なる特徴を持つ建物として構想された新館は、キュレーションの多様性に対応する横に広がるギャラリー、開かれた垂直動線、そして集い、交流、創造のための多様な空間を提供します。この建物は、活気ある公共の顔を創出するようさらに形作られています。 これには、地上の屋外広場、中央アトリウム全体にわたる透明性のある空間、最上部の段状の開口部が含まれており、周囲のコミュニティやその先の人々と開かれた関わりを持つことができます」


安藤忠雄建築研究所が設計した、香川の「直島新美術館」の新しいパースが公開されています。
開館は、2025年5月31日に決定されています。開館記念として、国内外のアーティスト12組の展覧会が開催されます。施設の公式ページはこちら。
ベネッセアートサイト直島で10番目となる安藤建築
直島新美術館の建築は、1992年開館のベネッセハウス ミュージアム以降、30年以上にわたり直島の数々の建物を手掛けてきた安藤忠雄氏が設計を担当します。丘の稜線をゆるやかにつなぐような大きな屋根が特徴的な建物は地下2階、地上1階建てです。トップライトから自然光が入る階段室は地上から地下まで直線状に続いており、階段の両側に4つのギャラリーが配置されています。地上フロアの北側にはカフェを併設し、瀬戸内海を臨むテラスから、豊島や行き交う漁船など、瀬戸内海らしい景観を眺めることができます。
外観は本村の集落の景観になじむよう、焼杉のイメージに合わせた黒漆喰の外壁や小石が積まれた塀などを予定しており、美術館までのアプローチや建築からも直島の歴史や人々の営みと体験が緩やかに繋がるようデザインされています。
以下に、その他のパースを掲載します。



「ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965」展の会場写真です。
パナソニック汐留美術館で開催されています。円熟期の創作に注目した内容で、絵画・彫刻・素描に加えて建築作品も紹介します。会場構成は“ウルトラスタジオ”が手掛けています。会期は、2025年3月23日まで。展覧会の公式ページはこちら。
建築家ル・コルビュジエ(1887‒1965)は活動の後期において、建築の指揮のもとで絵画や彫刻をつなぐ試みを「諸芸術の綜合」と言い表しました。そしてそれ以上に、「諸芸術の綜合」とは統一、調和、普遍的法則の理想主義に導かれた彼の芸術観全体を示すスローガンでもありました。
ル・コルビュジエは近代建築の巨匠として世界的に知られていますが、視覚芸術の他分野においても革新をもたらしました。本展は1930年代以降に彼が手がけた絵画、彫刻、素描、タペストリーをご覧いただき、さらに彼が求め続けた新しい技術の芸術的利用にもスポットをあてます。そして後期の建築作品も併せて紹介することで、はるかに伝統的な枠組みを超えたル・コルビュジエの円熟期の芸術観を明らかにします。
楽観的で歓喜に満ちたこれらの作品は、「住宅は住む機械」という彼のよく知られた言葉に集約される機能主義者のイメージを超えた、あらたな像を結びます。また、レジェ、アルプ、カンディンスキーといった同時代を生きた先駆的な芸術家たちの作品を対峙させることで、当時の芸術潮流における彼の立ち位置も浮かび上がらせます。
本展はゲスト・キュレイターにドイツ人美術史家ロバート・ヴォイチュツケ氏を迎え、20世紀の革新的頭脳の創造の源泉に迫ります。



マ・ヤンソン / MADが設計した、中国・広東省の「The Never Hut」です。
歴史ある村で行われる芸術祭での計画です。建築家は、かつての小学校の遊び場を敷地とし、集合的記憶に敬意を表しながら周囲に“新たな生命と目的”を与える存在を志向しました。そして、地域の遺構や地形も参照した“円盤状”の建築を考案しました。
こちらはリリーステキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)
マ・ヤンソン/MADアーキテクツが、広東省南海ランドアートフェスティバル2024で「The Never Hut」を公開
マ・ヤンソン/MADアーキテクツは、佛山市南海区の燕僑村で開催される広東南海ランドアートフェスティバル2024にて、最新のインスタレーション「The Never Hut」を発表しました。文化的な物語と遊び心のある想像力を調和させながら、そのデザインは内省を促し、共有されたつながりを促す空間を創り出します。
マ・ヤンソンは次のように説明しています。「このプロジェクトは、子どもの頃の自由と驚きを捉えながら、コミュニティが集い、内省し、そして未来を思い描くための空間をテーマにしています」
600年以上の歴史を持つ村の中心に佇むこのプロジェクトは、かつて地元の小学校の子どもたちが愛した遊び場だった場所を一変させます。このスペースを再創造することで、MADはコミュニティの集合的な幼少期の思い出に敬意を表しながら、その周辺に新たな生命と目的を与えています。
燕橋村の象徴である清朝時代の建築物、蛇行する河川の体系、そして入口にある雄大なたたずまいのガジュマルの木が、インスタレーションのインスピレーションの源となりました。The Never Hutは、地元の漁網でできた3本の「触手」で支えられた、印象的な円盤状の構造物です。風に反応して環境と関わり合い、動きと静寂の間の活気のあふれる相互作用を生み出します。
The Never Hutは、その広くてカラフルな軒の下に、日陰の円形の休憩・交流・つながりのスペースを提供しています。その明るく遊び心のある色調は歴史的な背景と対照的であり、過去と現在との鮮やかな対話を構築しています。




佐藤研吾による展覧会「くぐり間くぐり」です。
東京・本駒込のギャラリー“ときの忘れもの”を会場に開催されています。建築家が一貫して作り続ける“ピンホールカメラ”を中心とした展示です。また、“カメラ”でもあり“被写体”でもある作品で互いを撮り合い、自身でプリントした“銀塩写真”なども公開されています。
会期は2024年11月22日~12月1日。展覧会の公式ページはこちら。
2018年に初個展「佐藤研吾展―囲いこみとお節介」、2022年に「佐藤研吾展 群空洞と囲い」、2023年のアートフェア東京ではピンホールカメラのインスタレーション《仮面と連担》 を披露した建築家・佐藤研吾は、一貫してピンホールカメラを制作しています。3回目となる本展では、新作のピンホールカメラや、撮影に使うミラーのオブジェなどの立体を中心に、ドローイング、コラージュのほか、カメラでもあり被写体でもあるピンホールカメラで互いに撮り合い、自身でプリントした銀塩写真もご覧いただきます。
佐藤研吾によるステートメント
リアルを確かめるために、向こう側を見つめる、向こう側を作る。ひょっとすると矛盾しているが、そんな感覚な気がしてきた。過去を視て、未来を探す。遠くの世界に思いを馳せながら、日頃の生活に取り組む。限定的な自己についてを探求し、大きな世界の構造を掴み取る。もしかすると世界はどこかで領域付けられ分断しているのかもしれないが、分断された向こう側を必死に覗き込む努力をする。その試みはおそらく、見るという光の速さでなし得るものではなく、潜る(もぐる)、あるいは潜る(くぐる)と言い表すくらいのある種の困難さもあるだろう。
ピンホールカメラの撮影にはとても時間がかかる。これが本当に光の所業なのかと思うほどに遅い。光は穴の中をズルズルとくぐり抜けているようだ。今回の制作では、カメラの前に鏡を据え置く。カメラのシャッターを開き、鏡の向こう側へとくぐり、世界を覗き込む。そうして撮影された写真もまたその世界の鏡像であるに違いない。あるいは向こう側なのか。イマージュからイマージュへ、少々の時間をかけて、くぐり抜けていく。

ヘルツォーグ&ド・ムーロンが、アメリカ・ニューヨークの、マルセル・ブロイヤー設計の旧ホイットニー美術館(1966年竣工)を改修するとのことです。オークションハウスのサザビーズが建物を取得して計画を発表しています。詳細は、上記リンク先のプレスリリースからどうぞ(PDF)。

SHARE 府中市美術館での展覧会「小西真奈 Wherever」の入場チケットをプレゼント。現代日本において“風景画の可能性を拡張する”画家の展示。2000年代の代表作から新作まで絵画約100点を公開
- 日程
- 2024年12月14日(土)–2025年2月24日(月)

府中市美術館での展覧会「小西真奈 Wherever」の入場チケットを抽選でプレゼントいたします。
現代日本において“風景画の可能性を拡張する”画家の展示です。2000年代の代表作から新作まで絵画約100点を公開します。
会期は、2024年12月14日~2025年2月24日まで。展覧会の公式サイトはこちら。
入場チケットプレゼント企画の応募締切は、2024年11月29日(金)13時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。
小西真奈は、現代の日本において、風景画の可能性を拡張しているひとりです。アメリカの美術大学で学んだ後、帰国して描いた作品が、2006年のVOCA賞を受賞します。雄大な景観を大画面に収め、隈までしっかりと描きこんだ理知的な絵画は、広く人気を得ました。写真にも似た客観的描写は、個人的な思い入れなど感じさせず、穏やかに人々の記憶に語りかけます。
2010年代に生じた変化は、2020年代頭コロナ禍の時期に決定的になります。隔離生活を余儀なくされた時期に小西真奈は、自宅から歩いて行ける都立公園や付属の温室、あるいは近所を流れる小川を訪れ、それらの風景を描きました。対象との距離は縮まり、筆運びは即興的でおおらかになり、色は感覚的に選ばれます。絵を見るわたしたちの緊張を解くような、軽やかさとやさしさが魅力です。
本展は、小西真奈の美術館での初の大規模個展となります。2000年代の代表作を精選し、また近作と新作をたっぷりと展示します。どこででもあり、どこででもないような場所を描いた風景画を、どうぞご堪能ください。
以下に、詳細な情報を掲載します。

SHARE 大阪中之島美術館での展覧会「Space In-Between:吉川静子とヨゼフ・ミューラー=ブロックマン」の入場チケットをプレゼント。スイスを拠点とした芸術家と、同国を代表し“グリッドシステム”でも知られるグラフィックデザイナーの展覧会。初の大規模回顧展として開催される
- 日程
- 2024年12月21日(土)–2025年3月2日(日)

大阪中之島美術館での展覧会「Space In-Between:吉川静子とヨゼフ・ミューラー=ブロックマン」の入場チケットを抽選でプレゼントいたします。
スイスを拠点とした芸術家と、同国を代表し“グリッドシステム”でも知られるグラフィックデザイナーの展覧会です。初の大規模回顧展として開催されます。会期は、2024年12月21日~2025年3月2日まで。展覧会の公式サイトはこちら。
入場チケットプレゼント企画の応募締切は、2024年11月25日(月)13時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。
本展はスイスを代表するグラフィックデザイナー、タイポグラファーであるヨゼフ・ミューラー=ブロックマン(1914–1996)と、そのパートナーであり芸術家の吉川静子(1934–2019)の二人の活動と作品を紹介するものです。吉川とミューラー=ブロックマン双方にとって初となる大規模な回顧展として開催されます。
二人はチューリッヒを拠点として芸術活動、教育活動に従事した芸術家でした。ミューラー=ブロックマンが亡くなった後も、吉川はチューリッヒで画家として晩年まで制作を続けます。二人の出会いは、1960年に東京で開催された世界デザイン会議においてでした。津田塾大学で英文学を学んだ吉川は、通訳としてこの会議に参加したのです。この世界的な会議に刺激を受けた吉川は、ドイツのウルム造形大学に留学しデザインを学んだ後、ミューラー=ブロックマンの事務所で働き始めます。信頼の絆で結ばれた二人は結婚し、生涯を共にしながら、芸術家としてそれぞれに進むべく道を開拓していきました。
吉川の芸術世界とミューラー=ブロックマンの卓越した構成的デザイン———アートとデザインという分野を超えた二人の活動の軌跡をどうぞご堪能ください。
以下に、詳細な情報を掲載します。

SHARE 森美術館での展覧会「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」の入場チケットをプレゼント。蜘蛛をモチーフとした作品で知られるアーティストの展覧会。彫刻・絵画・ドローイングに加え、日記や映像などのアーカイブ資料も公開
- 日程
- 2024年9月25日(水)–2025年1月19日(日)


森美術館での展覧会「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」の入場チケットを抽選でプレゼントいたします。
蜘蛛をモチーフとした作品で知られるアーティストの展覧会です。彫刻・絵画・ドローイングに加え、日記や映像などのアーカイブ資料も公開します。会期は、2024年9月25日~2025年1月19日まで。展覧会の公式サイトはこちら。
入場チケットプレゼント企画の応募締切は、2024年10月15日(火)13時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。
ルイーズ・ブルジョワ(1911年パリ生まれ、2010年ニューヨークにて没)は、20世紀を代表する最も重要なアーティストの一人です。彼女は70年にわたるキャリアの中で、インスタレーション、彫刻、ドローイング、絵画など、さまざまなメディアを用いながら、男性と女性、受動と能動、具象と抽象、意識と無意識といった二項対立に潜む緊張関係を探求しました。そして、対極にあるこれらの概念を比類なき造形力によって作品の中に共存させてきました。
ブルジョワの芸術は、彼女が幼少期に経験した、複雑で、ときにトラウマ的な出来事をインスピレーションの源としています。彼女は記憶や感情を呼び起こすことで普遍的なモチーフへと昇華させ、希望と恐怖、不安と安らぎ、罪悪感と償い、緊張と解放といった相反する感情や心理状態を表現しました。また、セクシュアリティやジェンダー、身体をモチーフにしたパフォーマンスや彫刻は、フェミニズムの文脈でも高く評価されてきました。
様々なアーティストに多大な影響を与えているブルジョワの芸術は、現在も世界の主要美術館で展示され続けています。日本では27年ぶり、また国内最大規模の個展となる本展では、約100点に及ぶ作品群を、3章構成で紹介し、その活動の全貌に迫ります。
本展の副題「地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」はハンカチに刺繍で言葉を綴った晩年の作品からの引用です。この言葉は、ブルジョワの感情のゆらぎや両義性を暗示しつつ、ブラックユーモアのセンスをも感じさせます。自らを逆境を生き抜いた「サバイバー」だと考えていたルイーズ・ブルジョワ。生きることへの強い意志を表現するその作品群は、戦争や自然災害、病気など、人類が直面する、ときに「地獄」のような苦しみを克服するヒントを与えてくれることでしょう。
以下に、詳細な情報を掲載します。

SHARE SOMPO美術館での展覧会「カナレットとヴェネツィアの輝き」の入場チケットをプレゼント。18世紀の“ヴェドゥータ(景観画)”の巨匠の展覧会。アルド・ロッシが自身の概念“類推的都市”を説明する為に言及した画家でもある
- 日程
- 2024年10月12日(土)–12月28日(土)


SOMPO美術館での展覧会「カナレットとヴェネツィアの輝き」の入場チケットを抽選でプレゼントいたします。
18世紀の“ヴェドゥータ(景観画)”の巨匠の展覧会です。また、アルド・ロッシが自身の概念“類推的都市”を説明する為に言及した画家でもあります。会期は、2024年10月12日~2024年12月28日まで。展覧会の公式ページはこちら。
入場チケットプレゼント企画の応募締切は、2024年10月4日(金)13時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。
18世紀、ヴェドゥータの巨匠 日本初の展覧会
ヴェドゥータ(景観画)の巨匠カナレット(1697-1768)の全貌を紹介する日本で初めての展覧会です。スコットランド国立美術館など英国コレクションを中心に、油彩、素描、版画など約60点で構成します。カナレットによる緻密かつ壮麗なヴェネツィアの描写を通じ、18世紀の景観画というジャンルの成立過程をたどるとともに、その伝統を継承し、ヴェネツィアの新たなイメージを開拓していった19世紀の画家たちの作品もあわせてご紹介します。
以下に、詳細な情報を掲載します。



MVRDVが設計した、中国・香港の「Sotheby’s Maison」です。
世界的なオークションハウス“サザビーズ”の新店舗の計画です。建築家は、伝統宗教“道教”の“二元性”に影響を受けて、上下階で空間の性質を対比させる構成を考案しました。そして、上階は開かれた活気ある場とし、下階は思索的で親密な空間としました。
こちらはリリーステキストの翻訳です
新しいサザビーズメゾンのインテリアデザインにより、香港に世界屈指のパブリックアートと文化の拠点が誕生
MVRDVは、香港の高級ショッピングスポットであるランドマーク・チャーターの賑やかな一角を一変させ、世界屈指のオークションハウスであるサザビーズの新しい店舗をデザインしました。道教の二元性とダイナミックな変化の原理から影響を受けたインテリアデザインのメゾンには、2つの明確な雰囲気が存在します。明るく開放的な上層階はギャラリースペースとなっており、サザビーズがキュレーションした商品体験で、アート作品や高級品をゆっくりとご覧いただけます。一方、下層階には、没入型の体験とアート作品との親密な出会いを楽しむためのドラマチックな空間が設けられています。
新しいサザビーズのメゾンは、香港の中心部、チャーター・ロードとペダー・ストリートの角に位置しています。香港の階層的な歩行者環境のおかげで、ランドマーク・チャーターのこのエリアを訪れる月間130万人の来客の大半は、通りからスカイブリッジやエスカレーターを使って2階から入店します。
ここでは、デザインによって、かつては7つの個別の小売店舗であったものを5つの「サロン」という一連のまとまったものに統合し、アート作品や高級品を即座に購入できる状態で展示しています。各サロンはそれぞれ異なるテーマに焦点を当てています。さらに、サザビーズの食品および飲料体験ができる店舗が1階に間もなくオープンし、サザビーズ・メゾンがより幅広い一般の人々にとってさらに利用しやすいことを確かなものにします。
サロンの柔軟な白いスペースはサザビーズのDNAからインスピレーションを得た素材パレットによって引き立てられています。ウォールナットや大理石などの自然で高貴な素材を使用し、シャンパンカラーのスティールやサザビーズの青みがかった色調がアクセントとして加えられています。このメゾンのフロアは、できる限り全体を自由に探検できるように、途切れのないバリアフリー空間を提供しています。このようにして、このデザインは、販売スペース内に一種のウォークスルー形式のギャラリーを形成し、メゾンを世界でも有数の公共のアートと文化の中心地のひとつにしています。
「私たちのサザビーズ・メゾンは長い時間をかけて作り上げてきました」と、サザビーズ・アジアのマネージング・ディレクター、ネイサン・ドラヒは語ります。「香港にあるこの最先端のスペースに対する私たちの目標は、世界中の訪問者にとって文化の中心地となることです。ここは、アートと文化を愛する多くの世代の人々が集まり、素晴らしい作品や体験に触れ、インスピレーションを受ける場所です。皆さまを香港の中心にあるサザビーズで、別世界へとご案内します」
「私たちは、有名なオークションハウスを、一般の人が訪れるような場所ではない、ある種『エリート』な空間だと考えることに慣れているかもしれません」と、MVRDVの共同設立者であるヤコブ・ファン・ライスは語ります。「私たちは、一般の人々と貴重なアートコレクションとの間の障壁が再び想像され、アートが新しく大胆な形でアクセス可能になる空間を構想しました。2階は、常に変化するショーケースとなり、一般公開される唯一の期間に、個人コレクションに保管されている貴重な品々を鑑賞する機会を提供します。一方、1階の落ち着いた思索的な雰囲気は、サザビーズのキュレーションにより厳選されたアート作品と来館者が1対1で向き合う体験ができる場所であり、2階の活気あふれる雰囲気とは完全な対照をなしています」
アーティストのシアスター・ゲイツによる講演の動画です。森美術館で2024年4月に行われたもの。日本語字幕付です。イベントの詳細はこちらに掲載されています。


アーティスト塩田千春の、大阪中之島美術館での展覧会「塩田千春 つながる私(アイ)」の入場チケットを抽選でプレゼントいたします。
新作のインスタレーションを中心に絵画・ドローイング・映像なども展示されます。また、出身地大阪での16年ぶりの大規模個展です。
会期は、2024年9月14日~2024年12月1日まで。展覧会の公式サイトはこちら。入場チケットプレゼント企画の応募締切は、2024年 9月6日(金)13時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。
塩田千春(1972年生まれ)の出身地・大阪で、16年ぶりに開催する大規模な個展です。
現在ベルリンを拠点として国際的に活躍する塩田は、「生と死」という人間の根源的な問題に向き合い、作品を通じて「生きることとは何か」、「存在とは何か」を問い続けています。本展は、全世界的な感染症の蔓延を経験した私たちが、否応なしに意識した他者との「つながり」に、3つの【アイ】-「私/I」、「目/EYE」、「愛/ai」を通じてアプローチしようというものです。それぞれの要素はさまざまに作用し合いながら、わたしたちと周縁の存在をつないでいると考えます。インスタレーションを中心に絵画、ドローイングや立体作品、映像など多様な手法を用いた作品を通じて、本展が 「つながる私」との親密な対話の時間となることでしょう。
以下に、詳細な情報を掲載します。
チョウ・ミンスクとハンス・ウルリッヒ・オブリストの対談の動画です。チョウが設計した2024年のサーペンタイン・パヴィリオンをテーマに開催されました。2024年6月7日に行われたものです。アーキテクチャーフォトでは、チョウが設計したサーペンタイン・パヴィリオンを特集記事として掲載しています。

2025年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館のキュレーターに、青木淳が決定しました。
テーマは「中立点-生成AIとの未来」です。キュラトリアルアドバイザーに家村珠代、出展作家に藤倉麻子+大村高広と砂木(木内俊克、砂山太一)が名を連らねています。展覧会の会期は2025年5月10日~11月23日。
キュレーターを務める青木淳によるステートメント
幾何級数的なデジタル技術の進化のなか、ごく近い将来、生成AIが私たちの社会、環境、あるいは私たちの内面をも、まったく異なる様相に変えてしまうのではないかという不安が、現在、全世界を覆っています。とくに日本は、SNSなどデジタル技術の普及のなかで、ポリティカルにコレクトで、ただミスや欠点がない、最大公約数的で凡庸な社会に向かって突き進んでいるように思われます。
たしかに生成AIから返ってくるのは、既存データの総合から導き出されたもっとも間違えの少ない回答で、私たちはついついそれを「正解」と捉えがちです。しかし、その先に待っているのは、人間が生成AIに従う、生成AIが人間に代わって主体となる社会でしょう。しかし、日本には、「間」という観念の歴史があります。「間」とは、古来、日常的な意味での「あいだ」である以上に、2つの事物の応答(対話)が孕むテンションであり、そのテンションのふるまいがひとつの虚なる主体として潜在するという観念でした。この伝統に倣うなら、主体を人間に置くのでも、生成AIに置くのでもなく、そのあいだの虚なる「中立点」つまり「対話」に主体を措定することに賭けてみる価値があると考えられますし、ここで提案するのもまさにその試みの実践です。人間も間違えるし、生成AIも間違える。その間違えと間違えとのやりとりのなかから、それらどちらにも属さない創造的な「つくること」が生まれるのではないか。まだ生成AIが揺籃期にあるうちに、生成AIとの生産的な付き合い方を確立し、それを今後の生成AIの進化の方向付けに役立てられないか、というのが狙いです。
今回は、「日本館」そのものをその試みの対象とします。生成AIを「日本館」を構成する複数の部位に憑依させ、それら生成AIとのギクシャクした対話のなかから、「日本館」をフィクショナルに、またアクチュアルに「改装」することを通して、人間と生成AIの「中立点」という主体を浮かび上がらせようとするものです。
以下に、出展作家による画像と、キュレーター指名コンペ参加者が作成した展示プランの資料へのリンクも掲載します。