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BIGによる、新しいハンガリー自然史博物館。何世紀もの歴史がある大森林の中での計画。地域の教育と文化に貢献する施設として、3本の緑化された帯が重なり合う建築を考案。全方位からのアクセスも可能で都市構造と自然景観の両方に溶け込む
BIGによる、新しいハンガリー自然史博物館。何世紀もの歴史がある大森林の中での計画。地域の教育と文化に貢献する施設として、3本の緑化された帯が重なり合う建築を考案。全方位からのアクセスも可能で都市構造と自然景観の両方に溶け込む俯瞰 image©BIG
BIGによる、新しいハンガリー自然史博物館。何世紀もの歴史がある大森林の中での計画。地域の教育と文化に貢献する施設として、3本の緑化された帯が重なり合う建築を考案。全方位からのアクセスも可能で都市構造と自然景観の両方に溶け込む外観 image©BIG
BIGによる、新しいハンガリー自然史博物館。何世紀もの歴史がある大森林の中での計画。地域の教育と文化に貢献する施設として、3本の緑化された帯が重なり合う建築を考案。全方位からのアクセスも可能で都市構造と自然景観の両方に溶け込む常設展示スペース image©BIG

BIGによる、新しいハンガリー自然史博物館です。
何世紀もの歴史がある大森林の中での計画です。建築家は、地域の教育と文化に貢献する施設として、3本の緑化された帯が重なり合う建築を考案しました。また、全方位からのアクセスも可能で都市構造と自然景観の両方に溶け込みます。BIGはVikar es Lukacs Epites StudioMuseum StudioTYPSAと協働して国際コンペに勝利しました。


こちらはリリーステキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)

BIGが、新しいハンガリー自然史博物館の設計に関する国際コンペで勝利しました。

BIG(ビャルケ・インゲルス・グループ)が、ハンガリー第2の都市デブレツェンにある新しいハンガリー自然史博物館の本拠の設計者として選ばれました。この23,000㎡の博物館は、市の北部にある何世紀もの歴史を持つ大森林の中に位置し、新たな公共かつ科学的な目的地を形作るために、森の床から緩やかに立ち上がる3本の重なり合う造園された帯が提案されました。

デブレツェンの大森林ナジュエルデーの縁にある旧スポーツグラウンドに位置する新しいハンガリー自然史博物館は、Vikar es Lukacs Epites Studio、Museum Studio、TYPSAとの協働で設計されています。この博物館はブダペストにある既存の施設に代わるものであり、2030年までにデブレツェンを教育と文化の主要な地域拠点として確立するという政府の構想を支援します。博物館および文化・イノベーション省によって委託されたこの新しい博物館には、常設および企画展示ホール、教育・研究施設、公共設備、そしてバックヤードスペースが設けられます。

「自然史は私にとってとても大切な分野です。あまりにも大切なので、長男にダーウィンと名付けたほどです。デブレツェンの大森林にあるハンガリー自然史博物館の設計を委ねられたことは、大変光栄です。私たちの設計は、道筋と系統の交差点として構想されています。交差する造園された帯が重なり合い、一連のニッチや生息環境、ホールやギャラリーを生み出し、内と外、親密さと巨大さとをシームレスに融合させます。その結果は、森の開けた場所にある人工の丘です。幾何学的に明快でありながら、柔らかく有機的でもあり、自然界の驚異にふさわしい場所となっています」ビャルケ・インゲルス、BIG創設者兼クリエイティブディレクター

新しい博物館は、景観に合わせて起伏する3つの重なり合うヴォリュームによって形作られています。中大断面木造の構造体と焼杉のファサードを備えたこの博物館は、地面に部分的に埋め込まれ、森の床から立ち上がって公園の風景に視覚的に溶け込んでいます。一方で、その傾斜した屋根は一般の人々のアクセスを促し、市街を一望できる広大な景色を提供します。

「私たちはハンガリー自然史博物館を、その環境と一体として構想しました。それは周囲の景観によって形作られると同時に、その景観を形作るものでもあります。中大断面木造で建てられたこの建物は、地面から立ち上がる地元産の焼杉パネルを用いたファサードを特徴とし、建築と自然の境界をあいまいにしています。この博物館は地中の熱容量を活用し、地熱ループや太陽光パネルを含む現地のエネルギーシステムを統合することで、年間を通じて安定した屋内環境を確保しています。この建物は単にその場所を保存するのではなく、それを回復・強化し、生物多様性を再生させながら、静かに周囲の環境に適応します。」ハンナ・ヨハンソン、BIGパートナー

どの方向から訪れても、来館者は開かれた広場や曲がりくねった森の小道、そして建物越しや建物上からの切り取られた眺望に出会います。この博物館は全方向からアクセス可能で、都市の構造と周囲の自然景観の両方に溶け込んでいます。到着地点には広々とした南側の広場があり、地域の暮らしと博物館の活動が交わる交流の場となっています。

館内では、レセプションホールが中心の方位点として機能し、周囲に広がる展示ウイングを垣間見ることができます。展示ウイングは放射状に配置されており、5つが常設ギャラリー用、1つが企画展示や一般向けプログラム用となっています。上階には図書館とレストランがあり、森の樹冠を望むことができます。一方、下階には学習ハブがあり、学生や家族、スタッフのためのワークショップ、遊びの空間、研究ラボが設けられています。

建築面積を最小限に抑えることで、博物館は地形の中に部分的に埋もれるように存在しています。傾斜した緑化屋根には在来種が植えられており、地域の動植物の生息地を提供すると同時に、公園が博物館の上に視覚的に広がっていくように見せています。植生は敷地内を通って建物内部まで続いており、年間を通じて一般の人々が休憩や集まりに利用できるエリアを提供しています。

島根・隠岐の島の「海の見える交流施設」設計コンペで、河内建築設計事務所の提案が最優秀作品に選定。提案書も公開。優秀作品は、アトリエ・シムサの提案。その他の2次審査の候補者は、y&M+Tai Furuzawa+秋山怜央 JV、KAMIJIMA Architects、SAI・HiMa JV
島根・隠岐の島の「海の見える交流施設」設計コンペで、河内建築設計事務所の提案が最優秀作品に選定。提案書も公開。優秀作品は、アトリエ・シムサの提案。その他の2次審査の候補者は、y&M+Tai Furuzawa+秋山怜央 JV、KAMIJIMA Architects、SAI・HiMa JV

島根・隠岐の島の「海の見える交流施設」設計コンペティションで、河内建築設計事務所の提案が最優秀作品に選定されています。
提案書も公開されています。また、優秀作品は、アトリエ・シムサの提案。その他の2次審査の候補者は、y&M design officeTai Furuzawa Design Office秋山怜央建築設計事務所共同体、KAMIJIMA Architects、SAI・HiMa設計共同体でした。

最優秀作品
河内建築設計事務所

優秀作品
アトリエ・シムサ

令和7年3月29日(土)に開催された2次審査委員会において、同日の公開プレゼンテーションや審査委員との質疑応答、意見交換を経て、以下の通り最優秀作品、優秀作品を決定いたしました。なお、講評は後日発表いたします。

OMA / AMOの会場デザインによる、東京・原宿での展覧会「ロエベ クラフテッド・ワールド」。マドリードで創業したブランドの為に計画。創造性・革新性・技術の歴史の伝達を意図し、1300㎡の空間の中に様々なコンセプトの部屋を創出する計画を考案
OMA / AMOの会場デザインによる、東京・原宿での展覧会「ロエベ クラフテッド・ワールド」。マドリードで創業したブランドの為に計画。創造性・革新性・技術の歴史の伝達を意図し、1300㎡の空間の中に様々なコンセプトの部屋を創出する計画を考案展覧会が行われている施設の外観、ガラス越しに見えるオブジェもOMA / AMOによるもの。
OMA / AMOの会場デザインによる、東京・原宿での展覧会「ロエベ クラフテッド・ワールド」。マドリードで創業したブランドの為に計画。創造性・革新性・技術の歴史の伝達を意図し、1300㎡の空間の中に様々なコンセプトの部屋を創出する計画を考案展示空間へのアプローチ
OMA / AMOの会場デザインによる、東京・原宿での展覧会「ロエベ クラフテッド・ワールド」。マドリードで創業したブランドの為に計画。創造性・革新性・技術の歴史の伝達を意図し、1300㎡の空間の中に様々なコンセプトの部屋を創出する計画を考案「限界なきファッション」の部屋
OMA / AMOの会場デザインによる、東京・原宿での展覧会「ロエベ クラフテッド・ワールド」。マドリードで創業したブランドの為に計画。創造性・革新性・技術の歴史の伝達を意図し、1300㎡の空間の中に様々なコンセプトの部屋を創出する計画を考案ショップ

OMA / AMOの会場デザインによる、東京・原宿での展覧会「ロエベ クラフテッド・ワールド展 クラフトが紡ぐ世界」です。
マドリードで創業したブランドの為に計画されました。建築家は、創造性・革新性・技術の歴史の伝達を意図し、1300㎡の空間の中に様々なコンセプトの部屋を創出する計画を考案しました。会期は、2025年5月11日まで。入場無料(要事前予約)。記事の末尾には本展の為にOMA / AMOが制作した模型の写真も掲載します。

時間、空間、素材、作ることの技術をめぐるインタラクティブな旅。ロエベの特異な遊び心を織り交ぜて。「ロエベ クラフテッド・ワールド展 クラフトが紡ぐ世界」は、ファッションに対するロエベの前衛的なアプローチと、世代を超えて受け継がれるクラフトの文化を紹介します。本展覧会は、世界を旅する巡回展として2024年に上海で初めて開かれました。そして2025年3月、「ロエベ クラフテッド・ワールド」展を東京・原宿にて開催します。日本はロエベがヨーロッパ圏外に初めて出店した国であり、1973年に日本橋三越本店にて一号店をオープンしています。以来ロエベと日本は豊かな文化的対話を続けてきました。

本展覧会は21世紀におけるもっとも革新的な建築の数々を手がけた建築設計事務所であるOMAとのコラボレーションによりデザインされ、1846年にレザー職人が集う工房としてマドリードで創業してから世界有数のファッションブランドに成長するまでのロエベの進化を彩ってきた、アイコニックなデザインや文化的なコラボレーションの数々をめぐる旅に誘います。アートとカルチャーに満ちた「ロエベ クラフテッド・ワールド」展は、179年にわたるロエベの創造性、革新性、そして卓越した技術の歴史をたどる展覧会です。19世紀にスペイン王室の公認を受け、20世紀には日本初の店舗をオープンし、LVMH傘下に参入。そしてクリエイティブ ディレクターのジョナサン・アンダーソンが主導したルネッサンスに至るまで、ロエベの軌跡を紐解きます。

そして何よりも本展覧会は、クラフトおよび長年継承された芸術的技法への称賛です。ロエベはそれらを、LOEWE FOUNDATION(ロエベ財団)、毎年開催されるLOEWE FOUNDATION Craft Prize(ロエベ財団 クラフトプライズ)、そして世界中の職人との多彩なコラボレーションを通じて幾年にもわたり支援してきました。本展は手でものを作りだす喜びについての物語であるとともに、スペインの風景と音を感じ、パリのランウェイの最前列を体験することができます。また、魅惑的でインタラクティブな部屋の数々では、スタジオジブリや京都を拠点とする陶芸ユニットのスナ・フジタをはじめ、ロエベの近年のコレクションを触発したコラボレーターたちの想像力の世界へと没入することができます。

リリーステキストより
国の登録有形文化財に選ばれた、長崎の「弓張岳展望所」(1965年) を紹介する動画。代々木競技場の構造を手掛けた坪井善勝が意匠と構造を担当。文化庁の制作で2025年3月に公開されたもの

国の登録有形文化財に選ばれた、長崎の「弓張岳展望所」(1965年) を紹介する動画です。代々木競技場の構造を手掛けた坪井善勝が意匠と構造を担当しています。文化庁の制作で2025年3月に公開されたもの。

安藤忠雄による大阪での展覧会「青春」の様子を伝えるニュース番組の動画。安藤のコメントも収録。2025年3月に公開されたもの

安藤忠雄による大阪での展覧会「青春」の様子を伝えるニュース番組の動画です。安藤のコメントも収録されています。2025年3月に公開されたもの。展覧会の情報はこちらのページに掲載しています。

リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・成都の「鹿野苑石刻芸術博物館」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2002年に完成。仏教彫刻などを収蔵する施設として、荒いコンクリートの量塊を“ヴォイド”で分割する建築を考案。自然と人工のランドスケープの融合も意図
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・成都の「鹿野苑石刻芸術博物館」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2002年に完成。仏教彫刻などを収蔵する施設として、荒いコンクリートの量塊を“ヴォイド”で分割する建築を考案。自然と人工のランドスケープの融合も意図Luyeyuan Stone Sculpture Art Museum, 2002 (Chengdu, People's Republic of China) photo courtesy of Bi Kejian
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・成都の「鹿野苑石刻芸術博物館」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2002年に完成。仏教彫刻などを収蔵する施設として、荒いコンクリートの量塊を“ヴォイド”で分割する建築を考案。自然と人工のランドスケープの融合も意図Luyeyuan Stone Sculpture Art Museum, 2002 (Chengdu, People's Republic of China) photo courtesy of Bi Kejian
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・成都の「鹿野苑石刻芸術博物館」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2002年に完成。仏教彫刻などを収蔵する施設として、荒いコンクリートの量塊を“ヴォイド”で分割する建築を考案。自然と人工のランドスケープの融合も意図Luyeyuan Stone Sculpture Art Museum, 2002 (Chengdu, People's Republic of China) photo courtesy of Bi Kejian

リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・成都の「鹿野苑石刻芸術博物館(Luyeyuan Stone Sculpture Art Museum)」です。
プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2002年に完成した建築です。建築家は、仏教彫刻などを収蔵する施設として、荒いコンクリートの量塊を“ヴォイド”で分割する建築を考案しました。また、自然と人工のランドスケープの融合も意図されました。施設の場所はこちら(Google Map)。
アーキテクチャーフォトでは、リュウの2025年のプリツカー賞受賞を特集記事として紹介しています。


こちらはプロジェクトに関するテキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)

仏教彫刻や遺物を収蔵する鹿野苑石刻芸術博物館は、展示空間の通路全体に伝統的な中国庭園を織り交ぜています。

この窓のない建物のヴォリュームはヴォイドによって分けられており、その隙間を通して自然光がろ過されながら博物館の開放的な空間へと届きます。

自然の景観と人工のランドスケープが融合し、石や地元の川の小石が水や緑と調和することで、自然な風景を映し出しています。

荒い打ち放しのコンクリート壁が石の遺物の背景として機能し、レンガ壁は配管を隠すために刻まれています。床と屋根には中空のチューブが層状に配置され、断熱性を高め、重量を最小限に抑えています。

リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・成都の「水井坊博物館」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2013年に完成。酒文化を伝える施設として、酒造遺構を取り囲むように新たな建築を配置する構成を考案。様々な素材を用いて歴史を追体験する“没入型の旅”を提供
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・成都の「水井坊博物館」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2013年に完成。酒文化を伝える施設として、酒造遺構を取り囲むように新たな建築を配置する構成を考案。様々な素材を用いて歴史を追体験する“没入型の旅”を提供Shuijingfang Museum, 2013 (Chengdu, People's Republic of China) photo courtesy of Jiakun Architects
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・成都の「水井坊博物館」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2013年に完成。酒文化を伝える施設として、酒造遺構を取り囲むように新たな建築を配置する構成を考案。様々な素材を用いて歴史を追体験する“没入型の旅”を提供Shuijingfang Museum, 2013 (Chengdu, People's Republic of China) photo courtesy of Arch-Exist
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・成都の「水井坊博物館」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2013年に完成。酒文化を伝える施設として、酒造遺構を取り囲むように新たな建築を配置する構成を考案。様々な素材を用いて歴史を追体験する“没入型の旅”を提供Shuijingfang Museum, 2013 (Chengdu, People's Republic of China) photo courtesy of Chin Hyosook
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・成都の「水井坊博物館」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2013年に完成。酒文化を伝える施設として、酒造遺構を取り囲むように新たな建築を配置する構成を考案。様々な素材を用いて歴史を追体験する“没入型の旅”を提供Shuijingfang Museum, 2013 (Chengdu, People's Republic of China) photo courtesy of Arch-Exist

リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・成都の「水井坊博物館(Shuijingfang Museum)」です。
プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2013年に完成した建築です。建築家は、酒文化を伝える施設として、酒造遺構を取り囲むように新たな建築を配置する構成を考案しました。そして、様々な素材を用いて歴史を追体験する“没入型の旅”を提供します。施設の場所はこちら(Google Map)。
アーキテクチャーフォトでは、リュウの2025年のプリツカー賞受賞を特集記事として紹介しています。


こちらはプロジェクトに関するテキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)

新たに建設されたコンクリート構造物が、既存の木造建築を取り囲んでいます。これらの木造建築は、それぞれ現代のワイン醸造技術と古代の発酵技法を示しており、比喩的にも文字通りにも生きた文化遺産を保護しています。

広々とした中庭には、新たな2層の建物が生み出され、その上には二重勾配屋根が施されています。この屋根は細い光の筋を放ち、かつてのセラーが持っていた換気性や採光を再現しています。もともとこのセラーには、窯、発酵技法、明と清時代の遺物が収められていました。

オリジナルの木材から、2008年のウェンチュアン地震に由来する環境配慮型の「リバースブリック」まで、さまざまな素材を取り入れたこの博物館は、訪問者に古代から現代までの時代を追体験できる没入型の旅を提供します。

フォスター+パートナーズが手掛ける、イギリスの、マンチェスター・ユナイテッドの新スタジアムを紹介する動画。周辺地域のマスタープランも同事務所が手掛ける

フォスター+パートナーズが手掛ける、イギリスの、マンチェスター・ユナイテッドの新スタジアムを紹介する動画。周辺地域のマスタープランも同事務所が手掛けます。こちらのページにプレスリリースのテキストが掲載されています。

プレスリリースの一部を翻訳(文責:アーキテクチャーフォト)

フォスター・アンド・パートナーズの創設者兼会長であるノーマン・フォスター卿は次のように語っています。
「これは、現在世界で最もエキサイティングなプロジェクトの一つであり、地域的にも国家的にも計り知れない意義を持っています。すべてはファンの体験から始まり、彼らをこれまで以上にピッチに近づけ、音響的にも大歓声を生み出せるよう設計されています。スタジアムは巨大な傘に覆われ、エネルギーと雨水を収集し、トラファルガー広場の2倍の広さを持つ新しい公共広場を保護しています。この外向きのスタジアムは、新しい持続可能な地区の中心となるでしょう。この地区は、徒歩で移動でき、公共交通機関が利用でき、自然に恵まれています。それは未来の複合用途型ミニチュア都市であり、新たな成長の波を牽引し、マンチェスター市民が誇れる世界的な目的地を創出します」

リリーステキストより

以下に、ノーマン・フォスター自身がプロジェクトについて解説している動画も掲載します。

リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国の、オフィスビル「ノバルティス(上海)- ブロックC6」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2014年に完成。国の古典建築の現代的解釈と言えるベランダを備え、必然と偶発の出会いを生み出す柔軟な構成の建築を考案。伝統家屋を参照したルーバーで日照も調整
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国の、オフィスビル「ノバルティス(上海)- ブロックC6」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2014年に完成。国の古典建築の現代的解釈と言えるベランダを備え、必然と偶発の出会いを生み出す柔軟な構成の建築を考案。伝統家屋を参照したルーバーで日照も調整Novartis (Shanghai) Block - C6, 2014 (Shanghai, People's Republic of China) photo courtesy of Arch-Exist
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国の、オフィスビル「ノバルティス(上海)- ブロックC6」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2014年に完成。国の古典建築の現代的解釈と言えるベランダを備え、必然と偶発の出会いを生み出す柔軟な構成の建築を考案。伝統家屋を参照したルーバーで日照も調整Novartis (Shanghai) Block - C6, 2014 (Shanghai, People's Republic of China) photo courtesy of Arch-Exist
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国の、オフィスビル「ノバルティス(上海)- ブロックC6」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2014年に完成。国の古典建築の現代的解釈と言えるベランダを備え、必然と偶発の出会いを生み出す柔軟な構成の建築を考案。伝統家屋を参照したルーバーで日照も調整Novartis (Shanghai) Block - C6, 2014 (Shanghai, People's Republic of China) photo courtesy of Arch-Exist
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国の、オフィスビル「ノバルティス(上海)- ブロックC6」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2014年に完成。国の古典建築の現代的解釈と言えるベランダを備え、必然と偶発の出会いを生み出す柔軟な構成の建築を考案。伝統家屋を参照したルーバーで日照も調整Novartis (Shanghai) Block - C6, 2014 (Shanghai, People's Republic of China) photo courtesy of Arch-Exist

リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国の、オフィスビル「ノバルティス(上海)- ブロックC6(Novartis (Shanghai) Block – C6)」です。
プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2014年に完成した建築です。建築家は、国の古典建築の現代的解釈と言えるベランダを備え、必然と偶発の出会いを生み出す柔軟な構成の建築を考案しました。また、伝統家屋を参照したルーバーで日照も調整しています。
アーキテクチャーフォトでは、リュウの2025年のプリツカー賞受賞を特集記事として紹介しています。


こちらはプロジェクトに関するテキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)

ノバルティス(上海)- ブロックC6の張り出した軒やカンチレバー構造のベランダは、中国の古典建築に見られる楼閣を彷彿とさせ、現代的な解釈としての役割を果たしています。

中央の庭園、内部の中庭、屋内レジャースペースを含む開放的なレイアウトと非規定的なエリアは、計画的な出会いと偶発的な出会いの両方に対応する柔軟なオフィス空間を提供します。

縦型アトリウム内の階段の側面にはリビングウォールが設けられており、地上階から6層の建物の天井まで伸び、その高さは31m以上に達します。さらに、地下には2層のフロアが追加されています。

地上階の各フロアには周囲を囲むベランダが設けられ、中国の伝統的な家屋の上吊り式窓に着想を得た回転式の積層竹ルーバーが備えられています。これにより、一日を通して必要に応じた自然光を柔軟に調整することができます。

光はまた、建物を構成する3つのボリュームの隙間や上部からも差し込みます。これらのボリュームは、「リバースブリック」(2008年のウェンチュアン地震の瓦礫を再利用したレンガ)と、高効率の低放射(Low-E)ガラスで構成されています。

リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・麗水の「Songyang Culture Neighborhood」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2020年に完成。地域の精神的中心地の再生として、既存建物を活かしつつ周囲の小道とも繋がる“鉄製の回廊”等を挿入する計画を考案。人口と自然の環境の対話も意図
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・麗水の「Songyang Culture Neighborhood」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2020年に完成。地域の精神的中心地の再生として、既存建物を活かしつつ周囲の小道とも繋がる“鉄製の回廊”等を挿入する計画を考案。人口と自然の環境の対話も意図Songyang Culture Neighborhood, 2020 (Lishui, People's Republic of China) photo courtesy of Arch-Exist
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・麗水の「Songyang Culture Neighborhood」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2020年に完成。地域の精神的中心地の再生として、既存建物を活かしつつ周囲の小道とも繋がる“鉄製の回廊”等を挿入する計画を考案。人口と自然の環境の対話も意図Songyang Culture Neighborhood, 2020 (Lishui, People's Republic of China) photo courtesy of Arch-Exist
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・麗水の「Songyang Culture Neighborhood」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2020年に完成。地域の精神的中心地の再生として、既存建物を活かしつつ周囲の小道とも繋がる“鉄製の回廊”等を挿入する計画を考案。人口と自然の環境の対話も意図Songyang Culture Neighborhood, 2020 (Lishui, People's Republic of China) photo courtesy of Arch-Exist
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・麗水の「Songyang Culture Neighborhood」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2020年に完成。地域の精神的中心地の再生として、既存建物を活かしつつ周囲の小道とも繋がる“鉄製の回廊”等を挿入する計画を考案。人口と自然の環境の対話も意図Songyang Culture Neighborhood, 2020 (Lishui, People's Republic of China) photo courtesy of Wang Ting

リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・麗水の「Songyang Culture Neighborhood」です。
プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2020年に完成した建築です。建築家は、地域の精神的中心地の再生として、既存建物を活かしつつ周囲の小道とも繋がる“鉄製の回廊”等を挿入する計画を考案しました。また、人口と自然の環境の対話も意図されました。
アーキテクチャーフォトでは、リュウの2025年のプリツカー賞受賞を特集記事として紹介しています。


こちらはプロジェクトに関するテキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)

松陽のにぎやかな通りの入口を抜けた先には、古きものと新しきものが調和する静寂の空間があります。二つの寺院から成るかつての精神的・文化的中心地が、博物館、ホテル、カフェ、そして書店を備え、新たな活力を与えられました。

以前の小道は、新たに設けられた幅広で耐候性のある鉄製の回廊と交差しながら絡み合い、遺構やもともとあった樹木を縫うように曲がりくねっています。そして、それらは広場や文化的な公共プログラムのための柔軟な空間へとつながっています。

開放的なパヴィリオンやガラス張りのテラスは、周囲の景観を望むことができる透明性を確保し、人工環境と自然環境の対話を生み出します。

屋根や軒に設けられた開口部によって、木々は成長を続けることができ、自然への敬意を表しています。

妹島和世+西沢立衛 / SANAAが、国際文化会館の新西館に常設される「ロスコ・ルーム」の設計者に。DICと国際文化会館の協業が決まり、千葉のDIC川村記念美術館から絵画全7点が移設へ
妹島和世+西沢立衛 / SANAAが、国際文化会館の新西館に常設される「ロスコ・ルーム」の設計者に。DICと国際文化会館の協業が決まり、千葉のDIC川村記念美術館から絵画全7点が移設へ左:西沢立衛、右:妹島和世 photo©architecturephoto

妹島和世+西沢立衛 / SANAAが、国際文化会館の新西館に常設される「ロスコ・ルーム」の設計者になることが発表されました。
DICと国際文化会館の協業が決まり、千葉のDIC川村記念美術館が所蔵する、戦後アメリカ美術を中心とする20世紀美術品のコレクションを中核に、東京の国際文化会館に移転するとのこと。その一環として、DIC川村記念美術館からマーク・ロスコの絵画全7点も移設されます。なお、施設の竣工の予定時期などは発表されていません。

SANAAによるコメント

国際文化会館は日本モダニズム建築の代表作である本館と、七代目小川治兵衛による名勝の庭園が見事に調和した空間となっています。私どもが新西館を設計する上では、自然と建築の融合、歴史の継承と新しい風景、知的対話・文化交流を生み出す空間という3 つのコンセプトを建築として具現化できるよう設計してまいりました。この度、世界的な文化財である<シーグラム壁画>の「ロスコ・ルーム」を設計するという機会に巡り合う事ができ大変光栄に思います。

リリーステキストより

マーク・ロスコご遺族によるコメント

DIC 川村記念美術館とその象徴的なコレクションは、アート愛好家に長年愛されてきましたが、新たに東京に拠点を移しても、その価値観は受け継がれ、さらに多くの来館者が美を堪能できることでしょう。
なかでも、ロスコを象徴する<シーグラム壁画>7 点を展示するためのロスコ・ルームは魅力的な瞑想空間であり、新しい美術館で再現されることをとても喜んでおります。

リリーステキストより

DIC 株式会社 社長執行役員 池田尚志からのコメント

当社にとって美術館運営は、より多くの人々の心に「彩りと快適」を届ける機会として、また企業と社会の共生の在り方を体現するものとして、大切にしてきたものです。この度、国際社会において文化交流と知的協力の中心的な役割を担われてきた国際文化会館様と、より大きな理念の下でこの活動を発展させていく機会をいただけたことに、心から感謝しております。それぞれに培ってきた伝統を大切にしながら、民間企業と公益財団による新たな価値の創造に向けて鋭意努力してまいります。

リリーステキストより

公益財団法人国際文化会館 理事長 近藤正晃ジェームスによるコメント

国際秩序が揺らぎ、国家間の対立が深まる中で、民間外交や国際文化交流の重要性は一層高まります。
SANAA が設計する常設展示室「ロスコ・ルーム」が、対立する人々の心に静かな内省をもたらし、共感の輪を広げ、相互理解を深めることで、平和を生み出す場となるならば、それはまさに歴史的な意義を持つことでしょう。このような公益プログラムを DIC 様と共同運営できることに、心から感謝しています。

リリーステキストより
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国の「蘇州御窯金煉瓦博物館」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2016年に完成。後期帝国時代を想起させる建築で、歴史的建築の床に用いられた特殊な煉瓦の製造過程を展示。物語的な体験を生み出す為にも煉瓦を用いる
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国の「蘇州御窯金煉瓦博物館」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2016年に完成。後期帝国時代を想起させる建築で、歴史的建築の床に用いられた特殊な煉瓦の製造過程を展示。物語的な体験を生み出す為にも煉瓦を用いるSuzhou Museum of Imperial Kiln Brick, 2016 (Suzhou, People's Republic of China) photo courtesy of Liu Jian
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国の「蘇州御窯金煉瓦博物館」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2016年に完成。後期帝国時代を想起させる建築で、歴史的建築の床に用いられた特殊な煉瓦の製造過程を展示。物語的な体験を生み出す為にも煉瓦を用いるSuzhou Museum of Imperial Kiln Brick, 2016 (Suzhou, People's Republic of China) photo courtesy of Liu Jian
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国の「蘇州御窯金煉瓦博物館」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2016年に完成。後期帝国時代を想起させる建築で、歴史的建築の床に用いられた特殊な煉瓦の製造過程を展示。物語的な体験を生み出す為にも煉瓦を用いるSuzhou Museum of Imperial Kiln Brick, 2016 (Suzhou, People's Republic of China) photo courtesy of Arch-Exist
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国の「蘇州御窯金煉瓦博物館」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2016年に完成。後期帝国時代を想起させる建築で、歴史的建築の床に用いられた特殊な煉瓦の製造過程を展示。物語的な体験を生み出す為にも煉瓦を用いるSuzhou Museum of Imperial Kiln Brick, 2016 (Suzhou, People's Republic of China) photo courtesy of Arch-Exist

リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国の「蘇州御窯金煉瓦博物館(Suzhou Museum of Imperial Kiln Brick)」です。
プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2016年に完成した建築です。後期帝国時代を想起させる建築で、歴史的建築の床に用いられた特殊な煉瓦の製造過程を展示しています。また、物語的な体験を生み出す為にも煉瓦を用いています。施設の場所はこちら(Google Map)。
アーキテクチャーフォトでは、リュウの2025年のプリツカー賞受賞を特集記事として紹介しています。


こちらはプロジェクトに関するテキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)

相城区に位置する蘇州御窯金煉瓦博物館は、明と清の時代に遡る歴史的遺跡を保護しつつ、後期帝国時代を想起させます。

博物館の建物にある巨大な柱が三階建ての構造を支え、スロープによって六つの区画へと通じています。そこでは、遺物や古代の窯、そして紫禁城、い和園、明十三陵の床を飾った「ゴールデンブリック」の製造過程が展示されています。

何千年にもわたるレンガが物語的な体験全体に使用されており、その体験は、開放された天井からの自然光に照らされた螺旋階段で最高潮に達します。この階段は、特別展や公共プログラム、ワークショップが行われる屋上へと訪問者を導きます。

リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・ルージョウの「The Renovation of Tianbao Cave District of Erlang Town」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2021年に完成。地域の遺産保全と酒造文化を伝える為の施設として、緑豊かな崖の風景の中に様々な用途の建築を分散配置。数千年を遡る伝統的な東屋も再解釈して造る
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・ルージョウの「The Renovation of Tianbao Cave District of Erlang Town」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2021年に完成。地域の遺産保全と酒造文化を伝える為の施設として、緑豊かな崖の風景の中に様々な用途の建築を分散配置。数千年を遡る伝統的な東屋も再解釈して造るThe Renovation of Tianbao Cave District of Erlang Town, 2021 (Luzhou, People's Republic of China) photo courtesy of Arch-Exist
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・ルージョウの「The Renovation of Tianbao Cave District of Erlang Town」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2021年に完成。地域の遺産保全と酒造文化を伝える為の施設として、緑豊かな崖の風景の中に様々な用途の建築を分散配置。数千年を遡る伝統的な東屋も再解釈して造るThe Renovation of Tianbao Cave District of Erlang Town, 2021 (Luzhou, People's Republic of China) photo courtesy of Arch-Exist
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・ルージョウの「The Renovation of Tianbao Cave District of Erlang Town」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2021年に完成。地域の遺産保全と酒造文化を伝える為の施設として、緑豊かな崖の風景の中に様々な用途の建築を分散配置。数千年を遡る伝統的な東屋も再解釈して造るThe Renovation of Tianbao Cave District of Erlang Town, 2021 (Luzhou, People's Republic of China) photo courtesy of Arch-Exist
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・ルージョウの「The Renovation of Tianbao Cave District of Erlang Town」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2021年に完成。地域の遺産保全と酒造文化を伝える為の施設として、緑豊かな崖の風景の中に様々な用途の建築を分散配置。数千年を遡る伝統的な東屋も再解釈して造るThe Renovation of Tianbao Cave District of Erlang Town, 2021 (Luzhou, People's Republic of China) photo courtesy of Arch-Exist

リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsが設計した、中国・ルージョウの「The Renovation of Tianbao Cave District of Erlang Town」です。
プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2021年に完成した建築です。建築家は、地域の遺産保全と酒造文化を伝える為の施設として、緑豊かな崖の風景の中に様々な用途の建築を分散配置しました。また、数千年を遡る伝統的な東屋も再解釈して造りました。
アーキテクチャーフォトでは、リュウの2025年のプリツカー賞受賞を特集記事として紹介しています。


こちらはプロジェクトに関するテキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)

天宝峰の緑豊かな崖の風景に寄り添う二郎鎮天宝洞は、周囲の環境の中に現れ、そして溶け込むことで、人間と自然の相互関係を体現しています。

平らに広がる深い軒は、数千年前にさかのぼる亭(※中国の伝統的な東屋)の形を再解釈し、スチールと竹で作られた出入口のパーゴラがスケールを確立しています。

受付ホールは片持ち梁構造になっており、空中からの眺望を促しつつ、訪問者を周囲の緑豊かな環境に没入させます。一方、鏡張りの展示ホールはその広大さを際立たせています。

在来種の桜がテラスを縁取り、ラウンジブリッジが屋外へと誘う通路となっています。

リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・成都の複合施設「West Village」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2015年に完成。建物・インフラ・ランドスケープ・公共スペースをひとつの環境内に内包。歩行者等の為のスロープが開放的でありながらも囲まれた境界を形成
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・成都の複合施設「West Village」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2015年に完成。建物・インフラ・ランドスケープ・公共スペースをひとつの環境内に内包。歩行者等の為のスロープが開放的でありながらも囲まれた境界を形成West Village, 2015 (Chengdu, People's Republic of China) photo courtesy of Chen Chen
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・成都の複合施設「West Village」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2015年に完成。建物・インフラ・ランドスケープ・公共スペースをひとつの環境内に内包。歩行者等の為のスロープが開放的でありながらも囲まれた境界を形成West Village, 2015 (Chengdu, People's Republic of China) photo courtesy of Arch-Exist
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・成都の複合施設「West Village」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2015年に完成。建物・インフラ・ランドスケープ・公共スペースをひとつの環境内に内包。歩行者等の為のスロープが開放的でありながらも囲まれた境界を形成West Village, 2015 (Chengdu, People's Republic of China) photo courtesy of Qian Shen Photography
リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・成都の複合施設「West Village」。プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2015年に完成。建物・インフラ・ランドスケープ・公共スペースをひとつの環境内に内包。歩行者等の為のスロープが開放的でありながらも囲まれた境界を形成West Village, 2015 (Chengdu, People's Republic of China) photo courtesy of Arch-Exist

リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsが設計した、中国・成都の複合施設「West Village」です。
プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2015年に完成した建築です。建物・インフラ・ランドスケープ・公共スペースをひとつの環境内に内包しています。また、歩行者等の為のスロープが開放的でありながらも囲まれた境界を形成しています。
アーキテクチャーフォトでは、リュウの2025年のプリツカー賞受賞を特集記事として紹介しています。


こちらはプロジェクトに関するテキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)

ウェスト・ヴィレッジは、建物、インフラ、ランドスケープ、公共スペースなど、さまざまなタイポロジーをひとつの環境内に示しています。
密度と開放空間は対立するものではなく、その建築家は多様な社会の幅広い要件を支えるために公共空間の役割を再考しています。

この5層のプロジェクトは一つの区画全体にわたり、視覚的にも文脈的にも、特徴的な中高層建築が並ぶ周辺の街並みと対照をなしています。

サイクリストや歩行者のための傾斜した通路が開かれていながらも囲まれた境界を形成し、その内側に文化、スポーツ、レクリエーション、ビジネス活動が活気づく独自の都市を包み込んでいます。一方で、周囲の自然環境や建築環境を公衆が見通せるようになっています。

地元の植物や野生の草花が取り入れられており、レンガは縦向きに敷かれて中心の穴から草が生い茂るようになっています。また、自生する竹林が日陰を作り、憩いの場を提供しています。

BIGによる、ブータンの「ゲレフ国際空港」。同建築家たちが手掛けるマスタープランの一環として計画。国の文化も体現する存在を目指し、地域の柱から着想を得て“彫刻と彩色”を構造体に施す建築を考案。山並みを想起させる木造フレームは将来の拡張性も考慮
BIGによる、ブータンの「ゲレフ国際空港」。同建築家たちが手掛けるマスタープランの一環として計画。国の文化も体現する存在を目指し、地域の柱から着想を得て“彫刻と彩色”を構造体に施す建築を考案。山並みを想起させる木造フレームは将来の拡張性も考慮上空から見下ろす、夕景 image©BIG
BIGによる、ブータンの「ゲレフ国際空港」。同建築家たちが手掛けるマスタープランの一環として計画。国の文化も体現する存在を目指し、地域の柱から着想を得て“彫刻と彩色”を構造体に施す建築を考案。山並みを想起させる木造フレームは将来の拡張性も考慮駐機場から見る。 image©BIG
BIGによる、ブータンの「ゲレフ国際空港」。同建築家たちが手掛けるマスタープランの一環として計画。国の文化も体現する存在を目指し、地域の柱から着想を得て“彫刻と彩色”を構造体に施す建築を考案。山並みを想起させる木造フレームは将来の拡張性も考慮チェックインスペース image©BIG
BIGによる、ブータンの「ゲレフ国際空港」。同建築家たちが手掛けるマスタープランの一環として計画。国の文化も体現する存在を目指し、地域の柱から着想を得て“彫刻と彩色”を構造体に施す建築を考案。山並みを想起させる木造フレームは将来の拡張性も考慮到着用ホール image©BIG

BIGによる、ブータンの「ゲレフ国際空港」です。
同建築家たちが手掛けるマスタープランの一環として計画されました。建築家は、国の文化も体現する存在を目指し、地域の柱から着想を得て“彫刻と彩色”を構造体に施す建築を考案しました。また、山並みを想起させる木造フレームは将来の拡張性も考慮されています。本空港は、2029年の開業を予定しています。アーキテクチャーフォトでは、マスタープラン「マインドフルネス・シティ」も特集記事として紹介しています。


こちらはリリーステキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)

BIGは、ブータンのマインドフルネス・シティにあるゲレフ国際空港において、革新と職人技の伝統を融合させる

ブータンの伝統的な職人技と現代の革新を融合させたゲレフ国際空港は、マインドフルな旅と将来の拡張を念頭に設計されており、彩色と彫刻が施された集成材のモジュール式ダイアグリッド構造を特徴としています。このデザインは、2025年5月に開催されるヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展「Ancient Future」で公開され、9月まで展示される予定です。

ブータンの第2国際空港であるゲレフ国際空港は、ブータンとインドの国境とパイタ川の近くに戦略的に位置しており、ブータンの豊かな亜熱帯の森林、山々、川に囲まれています。68,000㎡にわたるこの空港は、航空エンジニアリング企業NACOとのコラボレーションであり、BIG、Arup、Cistriが設計したゲレフ・マインドフルネス・シティ(GMC)マスタープランの重要な一部です。一日あたり123便の運航能力を持つこの空港は、2040年までに年間130万人の乗客を迎える見込みであり、2065年には550万人に増加すると予測されています。2025年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展では、空港のファサードを反映した木材ダイヤモンドの作品が披露される予定です。ブータンのアーティストと機械が半分ずつリアルタイムで彫刻したこの展示は、伝統と革新を融合させ、ブータンの木彫りの遺産を称えるとともに、その技術を保存し、発展させるうえでのテクノロジーの役割を探求しています。

「今後5年間の最優先事項はゲレフに大規模な国際空港を建設することであり、これによりGMCを主要な航空ハブとして確立します。この空港は、GMCをビジネスハブとして成功させるために不可欠であると同時に、特に内陸国であるブータンにとって、国家安全保障の重要な生命線でもあります」ブータン国王 ジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王

ヒマラヤを背景にしたこの空港のダイアグリッド構造は、地元で持続可能に調達された木材を使用して作られ、地元の職人による伝統的なブータンの木彫りで装飾されています。彩色されたファサードは、構造上の重要性と精緻なデザインで尊ばれる木製の柱「カチェン」から着想を得ており、ブータンの建築遺産と精神的象徴性を体現しています。

GMCの成長予測に対応できるよう設計された空港の木造フレームは、構造的に独立しており、解体や拡張が容易に行えるようになっています。ブータンがカーボンマイナス国家であるという立場に沿って、空港の屋根には太陽光発電パネルが導入されています。

「空港は、訪れた場所の第一印象と最後の印象を決めるものです。ゲレフ国際空港では、ブータンの自然と文化、そしてマインドフルネス・シティを体現することを目指しました。高地を覆う森が、到着プラザから空港内を通り、滑走路まで流れるように広がっています。熱帯樹が旅行者に日陰を提供し、森林の中庭が入国審査、保安検査、手荷物エリアの主要機能を囲むように配置されています。

空港の建築は、柔軟性と拡張性を提供するモジュール式の集成材フレームで構成されており、遠くから見ると、様式化された山並みにように見えます。よく見ると、すべての集成材の部材は伝統工芸に従って彫刻と彩色がなされており、ブータンの過去、現在、未来を表す3種類の龍があしらわれています。その結果、伝統的でありながら前衛的であり、未来志向でありつつも深く根ざしたデザインとなっています。

私にとって、伝統工芸と色彩の独特な受容は、ブータンという国、その文化、そして人々との出会いが私にどれほど影響を与えたかを示す真の証です」ビャルケ・インゲルス、BIG 創設者兼クリエイティブ・ディレクター

2025年のプリツカー賞を、中国人建築家のリュウ・ジャークンが受賞
2025年のプリツカー賞を、中国人建築家のリュウ・ジャークンが受賞リュウ・ジャークン photo courtesy of The Hyatt Foundation/The Pritzker Architecture Prize

2025年のプリツカー賞を、中国人建築家のリュウ・ジャークン(Liu Jiakun)が受賞しています。

リュウは、1956年成都生まれの建築家で、現在も成都を拠点に活動しています。その建築キャリアは40年にわたり、教育・文化施設から市民空間、商業建築、都市計画に至るまで30以上のプロジェクトを手がけています。

1978年から1982年に(現)重慶大学にて建築を学んだ後、国有の成都市建築設計研究院で経験を積み、1999年に自身の設計事務所「Jiakun Architects」を設立しました。また、子供の頃から絵画や文学にも関心を持ち、現在は作家としても著作を発表しています。リュウはそれについてこう述べています。「小説を書くことと建築を実践することは異なる芸術形態であり、両者を意図的に結びつけたわけではありません。しかし、おそらく私の二重のバックグラウンドによって、作品には本質的なつながりが生まれています。例えば、物語性や詩的な表現の追求が、私の建築デザインには含まれています」。

2008年と2016年のヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展への国際的な建築展への出展などに加えて、マサチューセッツ工科大学やロイヤル・アカデミー・オブ・アーツなどでも講義を行ってきました。

2025年プリツカー賞審査員長のアレハンドロ・アラヴェナは次のように述べています。「都市は往々にして機能を分断しますが、リュウ・ジャークン氏はその逆のアプローチを取り、都市生活のすべての要素を統合するという繊細なバランスを保っています」「無秩序に広がる単調な郊外が増え続ける世界において、彼は建築、インフラ、景観、公共空間が一体となった場所を作り出す方法を見出しました。急成長する都市が抱える課題に立ち向かう上で、彼の作品は有益なヒントをもたらすでしょう」。

また、審査講評では次のように評されています。「一貫性があり、継続的に高い品質を保つ優れた作品群を通じて、リュウ・ジャークン氏は特定の美的または様式的制約にとらわれることなく、新しい世界を想像し、構築しています。彼は特定のスタイルに依拠するのではなく、繰り返し用いる手法に頼ることなく、プロジェクトごとに異なる特性や要件を評価し、それに応じた戦略を築いています。つまり、リュウ・ジャークン氏は現実を受け入れ、それを扱いながら、ときにまったく新しい日常生活のシナリオを提示します。知識や技術を超えて、常識と知恵こそが、彼がデザイナーの道具箱に加える最も強力なツールなのです」。

審査委員長をアレハンドロ・アラヴェナが務め、審査員には妹島和世やアンヌ・ラカトンなども名を連ねています。

以下に、リュウ・ジャークンの代表作品の写真などを掲載します。

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