妹島和世と原研哉が2022年3月に行った対話「コロナ禍におけるMUSEUM(箱物施設)の存在意義とは」の動画です。外務省が開設したJAPAN HOUSEの主催で行われたものです。
culture archive
中原崇志が会場構成を手掛けた、21_21 DESIGN SIGHTでの展覧会「2121年 Futures In-Sight」です(会期は既に終了しています)。
作家達の“視座”や“洞察”が展示されました。建築家は、言葉と物を等価に扱う事を目指して、雑誌が三次元に立ち上がった様な空間を構築しました。それは、言葉を立体化し鑑賞者が直感的に捉えられる空間体験を作る事を意図した為でした。展覧会の公式ページはこちら。
デザインを通じてさまざまなできごとやものごとについて考え、世界に向けて発信する活動を行う21_21 DESIGN SIGHTにて開催された「2121年 Futures In-Sight」展。展覧会ディレクターは編集者の松島倫明。国内外の多彩な分野で活躍する72組が作家として参加した。
参加作家は、まず、展覧会オリジナルツール「Future Compass」(未来の羅針盤)から選んだ「言葉」をつなげ、未来を考える上での自身の「問い」を導き出すことから始め、自身の専門領域や生活哲学に基づきながら形にした「インサイト(視座・洞察)」を、問いとともに展示した。作家により「インサイト」は言葉やモノと様々であった。
たったひとつの未来を予測するのではなく、「『未来を考える行為』を考えること」を目的とした本展では、展示作品として言葉もモノ(立体物としての作品)も等価に扱うという理念を掲げた。そのため会場では、言葉を立体的に表現し、鑑賞者が言葉を直感的に感じ、後にじっくりと読んでみる、という空間体験を作り出すことを試みた。
雑誌の誌面が三次元的に立ち上がるような空間を目指し、壁面や柱形の什器には大きく言葉をデザインし、言葉の立体感・重層感を表現した。
第18回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本館展示が、大西麻貴がキュレーターを務める「愛される建築を目指して」に決定しています。キュレーターのステートメントに加え提案書の内容も紹介します。
国際交流基金は、2023年5月20日(土)から11月26日(日)にかけて、イタリア・ヴェネチアにおいて開催される「第18回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」の日本館展示を主催します。このたび、展覧会概要が決定しましたので、 お知らせいたします。つきましては、貴媒体でのご紹介やご取材を何卒よろしくお願い申し上げます。
第18回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本館 概要
タイトル:愛される建築を目指して(英題:Architecture, a place of mind)
主催/コミッショナー: 国際交流基金
キュレーター:大西麻貴(建築家、一級建築士事務所 大西麻貴+百田有希 / o+h 共同主宰)
副キュレーター:百田有希(建築家、一級建築士事務所 大西麻貴+百田有希 / o+h 共同主宰)
出展メンバー:
森山茜(テキスタイルデザイナー・アーティスト)
水野太史(建築家、水野製陶園ラボ代表)
dot architects(建築家)
高野ユリカ(写真家)
原田祐馬(デザイナー、UMA/design farm代表)
多田智美(編集者、MUESUM代表)
指名コンペに参加していた6名と展覧会テーマはこちら。
- 大西麻貴による「愛される建築を目指して」
- 腰原幹雄による「大工と構造家」
- 杉本博司による「白井晟一 原爆堂」
- 田根剛による「LOST MODERN:近代の喪失 ―建築はこの先、生き残れるかー」
- 西牧厚子による「アーカイブを駆動せよ 建築雑誌100年から浮かび上がるコンステレーション」
- 原田真宏 / 原田麻魚による「大きさについて | m3:kg」
以下に、提案書の内容と計画案の画像、キュレーターステートメントを掲載します。
篠原一男が設計した「から傘の家」が、ドイツ ヴァイル・アム・ラインの「ヴィトラ キャンパス」に移築完了しています。
1961年に完成した日本の木造住宅を、スイスの家具メーカー“ヴィトラ”が継承しました。バックミンスター・フラーとジャン・プルーヴェの作品に続いて同敷地内に移設された歴史的建築物となりました。
※2022年7月5日に日本語のテキストを追加しました
こちらは日本語版のリリーステキスト
篠原一男(1925-2006)は、丹下健三並び、20世紀後半に活躍したもっとも重要な日本の建築家の一人です。伊東豊雄や妹島和世など次世代の建築家にも大きな影響を与えた存在であるにも関わらず、国際的な知名度は決して高くありません。1961年東京の地に建設された、篠原一男独自のスタイルが確立された最初の建築とも言われる初期の名作住宅「から傘の家」が、数奇な運命を経て、ドイツのヴァイル・アム・ラインに位置する「ヴィトラキャンパス」に移築・再建されました。
「から傘の家」はその名前の通り、まるで傘のような特徴的な屋根の下、小さな家族が生活するには十分な空間をもつ正方形平面の木造住宅です。篠原一男は、日本の伝統的な民家や寺院といったヴァナキュラー建築に見られる要素を住宅建築に応用しました。例えば、「から傘の家」のピラミッドのような屋根は、かつては寺院などの仏教建築でしか見られないものでした。同時に、立面を構成する「繊維セメント板」のように、シンプルかつ比較的安価な素材をあえて使用しています。から傘の家の出現は、日本建築史における1960年代の衝撃的なできごとのひとつでした。
から傘の家は、前居住者の移転と継承への希望、東京都計画道路に本住宅がかかること等の諸事情を背景に、一般社団法人住宅遺産トラストを介し、偶然の幸福なる出会いからスイスの家具メーカーであるヴィトラが継承し、移築・保存することになりました。柱と梁の構造による木造建造物は、2020年の夏に解体され、部材ごとに分割されました。使用されていた檜、杉、米松の木材は、その他の部品、材料とともに梱包され、海を渡りヴァイル・アム・ラインへと移送されました。解体、移送、移築、修復、再建まで、篠原一男のアーカイブを管理する東京工業大学の全面的な指示とサポートのもと、2021年9月に始まった再建工事は2022年6月、ついに完成を迎えました。
篠原一男は自身の作品をつの4様式に分類し、それぞれの様式において異なる問題に挑戦しました。1961年、東京都練馬区の住宅地に建設された「から傘の家」は、第1の様式における作品の中でもっとも小さく、現存する住宅作品の一つです。約55㎡の床面積に対して、キッチンとダイニング、リビングルーム、浴室・トイレ、そして寝室として使われた半畳の15枚を設置した伝統的な和室が納められています。畳の部屋の天井はフラットで、床はリビングよりも少し高くなっており、5枚の襖で仕切られていました。この襖に描かれた襖絵は、舞台芸術家・朝倉摂との共同によるものです。傘状の扇垂木の天井は空間をより大きく見せます。和室と屋根の間のロフトのような空間は収納スペースとして機能し、昇降のための梯子がかけられていました。また、オリジナルの家具は篠原一男と家具デザイナー・白石勝彦の共同によるものです。ヴィトラキャンパスでは、オリジナルの家具と復刻した家具の双方を組み合わせ、当時を再現しています。
建築家の妹島和世が、東京都庭園美術館の館長に2022年7月1日に就任します。西沢立衛と共にSANAAを主宰し、2010年にプリツカー賞を受賞、現在は横浜国立大学名誉教授を努めます。
以下は、公式の略歴です。
1987年 妹島和世建築設計事務所設立
1995年 西沢立衛氏とSANAA設立
2001年 慶應義塾大学教授(~2011年)
2004年 ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展金獅子賞受賞
2005年 ロルフショック賞ビジュアル・アーツ部門受賞
2010年 プリツカー賞受賞
2010年 藝術文化勲章オフィシエ受章
2010年 第12回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展ディレクターを務める
2015年 ミラノ工科大学教授
2016年 紫綬褒章受章
2017年 横浜国立大学大学院Y-GSA教授(~2022年)
2021年 東京芸術文化評議会評議員
2022年 横浜国立大学名誉教授
ファラのフィリップ・マガリャインシュとアナ・ルイサ・ソアレスによる、中銀カプセルタワーでの生活を回顧するエッセイ「Fala finds a home in Ginza: Remembering the Nakagin Capsule Tower」が、The Architects’s Newspaperに掲載されています。
ザハ・ハディド・アーキテクツがコンペで勝利した、中国の「精河新城文化芸術センター」の動画です。
科学技術ハブとして発展する都市に計画されました。建築家は、地域の蛇行する渓谷を想起させる形態を考案しました。建築が街を繕うように異なる用途の地区を結び付け人々を集める事も意図されました。アーキテクチャーフォトの特集ページに、画像や文章を掲載しています。
MVRDVによる、オランダ・アペルドールンのヘルマン・ヘルツベルガーの代表作を含むエリアの開発プロジェクトが始動。
構造主義の象徴“セントラル・ビヘーア”を含む一帯を開発します。建築家は、歴史的建築の保存と持続可能性を求めて、設計原理を踏襲してエリア全体に広げるヴィジョンを構想しています。また、既存建物自体にも新たな用途を与え再生する予定です。
こちらはリリーステキストの翻訳
MVRDV、構造主義の象徴であるヘルマン・ヘルツベルガーのセントラル・ビヘーア・ビルディングを新しい住宅地として再生へ
アペルドールンのヘルマン・ヘルツベルガーによるセントラル・ビヘーア・ビルディングは、世界中の建築家の間でよく知られたプロジェクトです。保険会社のために設計されたこのオフィスは、構造主義運動の最高峰の1つとして広く知られています。現在、MVRDVはヘルマン・ヘルツベルガーの事務所AHHとの協議の上、この有名な建物を変化させ、その構造を尊重しながら、既存建物の設計原理を反映した持続可能で環境に優しい住宅地の中心的存在にすることを目指しているのです。サーティトゥード・キャピタルの委託を受け、市内の駅に近い3ヘクタールの敷地に、大きなエリアヴィジョンの一部として行われるもので、MVRDVのデザインは遺産保存、緑化、イノベーションを優先させ、約650~800戸の住宅を新たに導入します。
セントラール・ベヘールビルは、1972年の開業当時、オフィスデザインに革命をもたらしました。ヘルツベルガーのデザインは、4つの象限で構成され、中央の2つの「通り」が建物の社会的な中心を形成しています。9メートルの立方体という基本要素を一貫して反復・調整することで、この建物は独特のフォルムと傑出したインテリアを獲得しました。半世紀を経た今、この建物は建築家や建築史家の間で世界的な名声を博しています。
2015年、サーティトゥード・キャピタルは、今は使われていないこの建物とその周辺の敷地を、多機能な住宅地にすることを目的に購入しました。MVRDVは、建物の構造主義的な原理を住宅地全体に広げるエリアビジョンを策定しました。建物内の中央通りの軸は、アペルドール市民の集いの場となるだけでなく、この地域を通る最も重要なルートの一部となり、建物と街や駅をより良く結びつけ、ヘルツバーガーの当初の設計ヴィジョンを強化することになります。
敷地の一部であるセントラル・ビヘーア・ビルディングとPakhoedtorensには、さまざまな住宅が入る予定です。オリジナルの構造体は可能な限り再利用し、サステイナブルな材料で再仕上げをする予定です。このプロジェクトの目標は、できるだけ多様な住宅供給を行うだけでなく、この建物を公共プログラムを完備した目的地に変え、公園を魅力的な場所にすることです。既存の建物を改造することは、オランダの建築遺産を保護するために重要なだけでなく、環境にとっても重要です。この住宅地の建設に伴うCO2排出量は、通常の住宅よりも大幅に少なくなっています。
MVRDVの設立パートナーであるヴィニー・マースは言います。
「超クールな仕事だ」
「ヘルマン・ヘルツベルガーは、私にとって重要なロールモデルです。デルフト工科大学で学んでいたとき、彼はアルド・ヴァン・アイク、レム・コールハースとともに私の教授のひとりでしたから、素晴らしいトリオです。彼が主催する国際デザインセミナー『InDeSem』でも、2度ほど一緒に仕事をしました。ハーマンが70年代前半にまったく新しいオフィス風景を作り出したように、MVRDVも90年代前半に『ヴィラ VPRO』で同じことをしました。私たちは、クライアントにセントラル・ビヘーア・ビルディングを案内し、彼らの心を開き、私たち自身の仕事のインスピレーションとしました。私たちは、変革の基盤として必ずや保持するつもりです」
スノヘッタが設計した、ノルウェー代表サッカーチームの競技場の改修「Ullevaal Stadion」です。
選手用ロッカールームと入場トンネルを刷新するプロジェクトです。建築家は、選手の感情面のサポートを目指して、強い一体感を生み出す為の平面計画や気持ちを高める空間演出を構想しました。また、様々な設備も備え活力を取り戻す為の機能性も考慮しています。
こちらはリリーステキストの翻訳
スノヘッタが、ノルウェー代表フットボールチームのホームを改修
スノヘッタは、ノルウェー最大のサッカースタジアムであり、サッカー代表チームのホームグラウンドであるウレヴォール・スタディオンのロッカー設備と選手用トンネルを改修し、ホームチームとビジターチームに、熱意とチームスピリットと回復を促進する環境を提供します。
1926年にオープンしたウレヴォール・スタディオンは、現在約2万8千人のファンを収容します。ナショナルチームのホームグラウンドとして、また歴史的に、首都のいくつかの地元クラブのホームグラウンドとして、このスタジアムはノルウェーのサッカーシーンにおける中心的存在となってきました。長年にわたって何度かアップグレードが行われたものの、スタジアムの荒れ果てたロッカールームや、窮屈で入り組んだ選手用トンネルはアップグレードが必要でした。
新しい施設は、サッカー選手の感情が旅をするように設計されています。選手がホワイエとプレスエリアに入ると、ノルウェーのサッカーの歴史を物語るトロフィーやアートワークが展示され、選手たちが過去の思い出を振り返ることができます。これは、ホームチームの自信を高めると同時に、ビジターチームに尊敬の念を抱かせるために考えられています。
選手たちがフィールドに近づくにつれ、アドレナリンが出てきます。ロッカールームは、機能的かつ視覚的にデザインされており、選手たちがこれから始まる試合に向けて準備するのに役立つようになっています。監督を中心としたアリーナをイメージした部屋は、チームスピリットを高め、強い一体感を生み出すために作られました。この一体感は、試合の後、勝利を祝う時も、悔しい敗戦から立ち直る時も、同様に重要です。また、シャワーや冷水槽、浴室、治療用ベンチなど、選手が回復し、活力を取り戻せるような設備がロッカールームには備わっています。
試合開始の数分前、チームは何千人ものファンが待つ緑のフィールドに行くために整列します。このインテリアの旅の最終段階である選手用トンネルは、短いながらも広々としていて、緊張と興奮の両方を味わうことができます。壁面には白樺の薄板を使用し、一部の薄板を引き出して壁と天井をつなぐ独特のアーチを作り、トンネルをモチーフにしながら天井に照明などのインスタレーションを隠せるようにしています。この薄板の端面はすべて磨き上げられたステンレスでコーティングされ、トンネル全体に日の光を反射させます。
クリストとジャンヌ=クロードの「包まれた凱旋門」に関する展覧会の会場写真です。
21_21 DESIGN SIGHTで行われている2021年9月にパリで実現した作品に関する展示です。本展「クリストとジャンヌ=クロード “包まれた凱旋門”」は、二人の作家の制作背景と実現に向けた長い道のりに焦点をあて企画されました。そして、豊富な記録画像や映像を用いて作品の“新たな体験”を生み出す事も意図されました。21_21 DESIGN SIGHTで開催され、会期は、2022年6月13日~2023年2月12日です。また、アーキテクチャーフォトでは、作品実現中の様子などを特集記事として掲載しています。クリストとジャンヌ=クロードの公式サイトはこちら。
2021年9月、パリのエトワール凱旋門が布で覆われると、周囲は人々の歓声に包まれました。現代美術作家クリストとジャンヌ=クロードが出会い、創造活動の一歩を踏み出したパリで1961年に構想し、悲願の夢でもあったプロジェクト「LʼArc de Triomphe, Wrapped, Paris, 1961–2021(包まれた凱旋門)」が現実のものとなった瞬間でした。
21_21 DESIGN SIGHTでは、2022年6月13日より2023年2月12日まで、企画展「クリストとジャンヌ=クロード “包まれた凱旋門”」を開催します。「包まれた凱旋門」とは、エトワール凱旋門が16日間にわたり、銀色のコーティングが施された再生可能な青い布25,000m2と、3,000mもの赤いロープで包まれたプロジェクトです。本展ではこの「包まれた凱旋門」の制作背景と実現に向けた長い道のりに焦点をあて、二人の人生において貫かれたものを紐解きます。
1935年6月13日、同じ年の同じ日に別々の場所で生まれたクリストとジャンヌ=クロードは、1958年秋のパリで運命的に出会い、アーティストとしての活動を始めます。その後1964年にニューヨークへ渡り、二人は世界中で驚きに満ち溢れたプロジェクトを実現させていきます。2009年にジャンヌ=クロードが逝去した後も、二人が夢見たプロジェクトの実現に向けて、クリストは創作活動を続けました。「包まれた凱旋門」のプロジェクトもそのひとつでした。当初2020年に実現予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大のため延期となり、クリストは完成を見ることなく同年5月に他界。その後、多くの賛同者の協力のもと、構想から60年という歳月をかけて、2021年9月に実現の日を迎えたのです。
本展は、ヴラディミール・ヤヴァチェフをはじめとするクリスト・アンド・ジャンヌ=クロード財団の協力を得て開催されます。多くの記録画像や映像を使って、本展ディレクターで映像作家でもあるパスカル・ルランのシネマティックな表現により「包まれた凱旋門」の構想から実現までを新たな体験としてつくり出します。
長い年月をかけ、さまざまな困難を乗り越えて実現へと向かう、ポジティブで力強い姿勢。また、そのような二人の強い思いの元に集まってきた仲間たちの存在があるからこそ、今までだれも見たことのない作品を生み続けることができるのです。夢の実現に向けたクリストとジャンヌ=クロードの姿勢は、アートやデザインのみならず日常におけるさまざまなチャレンジにも勇気を与えてくれるでしょう。
芦沢啓治・乾久美子・手塚貴晴+手塚由比・永山祐子・平田晃久・藤本壮介が参加した「ARCHITECTURE × SCENTING DESIGN 建築のための香り展」のレポートです。
柴田文江のプロデュースと芦沢啓治の会場構成で行われ、其々の建築作品の空間やコンセプトを調査して専門家が香りを調合、会場のみならず実際の建築でも香りを展開しています。主催はアットアロマ。会場は、東京・南青山のLIGHT BOX GALLERY AOYAMA。会期は2022年6月1日(水)~5日(日)まで(一般の方は、土・日のみ予約可能)。入場無料、予約制です。展覧会の公式サイトはこちら。
こちらは、アーキテクチャーフォトによるレポート
東京都港区南青山のギャラリーLIGHT BOX GALLERY AOYAMAにて、6組の建築家が参加する展覧会が行われている。
そのテーマは、建築と香り。この展示を主催するアットアロマは、全世界5000箇所以上で、香りによる空間演出を行っている企業である。
今回の展示では、6組の建築家とその作品がセレクトされ、センティングデザイナーと呼ばれる香りの調香師たちが、そこに相応しい香りをゼロから調合した。実際に会場を訪れると、作品の写真や建築家の紹介と並列する形で、作られた香りが展示されており、実際に楽しむことができる。また、香りに関するコンセプトも明記されており、どのような意図でつくられたかも知ることが出来る。
会場を回って、選ばれた建築作品を見ていると、公共的な施設や店舗などが選ばれていることに気づく。
芦沢啓治の作品は「MARIHA Showroom」、乾久美子の作品は「日比谷花壇 日比谷公園店」、手塚貴晴+手塚由比の作品は「PLAY! PARK」、永山祐子の作品は「YAMAGIWA OSAKA」、平田晃久の作品は「太田市美術館・図書館」、藤本壮介の作品は「白井屋ホテル」が選ばれている。
MVRDVが設計した、オランダ・ロッテルダムの仮設イベントスペース「ザ・ポディウム」が完成しました。
様々な催しにも使われる既存建物の屋上に作られた約600㎡の空間、足場構造とリサイクル可能なピンクの床材で構成され、都市の屋上活用の有効性を示すことも意図しています。アーキテクチャーフォトでも特集記事として紹介した「ロッテルダム・ルーフトップ・ウォーク」に続く、屋上の可能性を探求するプロジェクトです。
こちらはリリーステキストの翻訳
ヘット・ニュー・インスティテュートの屋上を一般公開する「ザ・ポディウム」がオープン
本日2022年6月1日、ロッテルダム市長のアフメド・アブタレブ氏が、ヘット・ニュー・インスティテュートでザ・ポディウムのオープニングセレモニーを開催しました。MVRDVが設計したこの高さ29mのプラットフォームは、143段の外部階段で美術館の屋上にアクセスできるようになっています。視認性を高めるために印象的なピンク色に塗られたMVRDVのデザインは、600m2のクリエイティブな仮設集会所を作り、6月中のロッテルダム建築月間の中心を形成することになります。7月と8月には、街の景色を眺めながらジャズコンサートやヨガ教室が開かれる予定です。また、ロッテルダムの子どもたちのために、サマーキャンプなどのさまざまな活動も行われます。
仮設インスタレーションのデザイン依頼は、現在ヘット・ニュー・インスティテュートの最上階で開催中のMVRDVの作品展「MVRDVHNI: The Living Archive of a Studio」にさらに注目を集めたいとの思いから生まれました。美術館の外のパブリック・スペースの工事により、ヘット・ニュー・インスティテュートのメイン・エントランスが現在見えにくく、アクセスしにくくなっているため、MVRDVのデザインチームは、屋外の大きな階段を使って別のアクセス経路を作るというアイデアを思いつきました。
設計者は、ヘット・ニュー・インスティテュートの屋上からのパノラマビューと、特徴的なパーゴラを持つヨー・クーネンによる建物のデザインからインスピレーションを得ました。ザ・ポディウムを可能な限りサステナブルに製作するために、足場材とリサイクル可能な床仕上げ材を材料として選択しました。ザ・ポディウムは、外階段から、また下の階の展示室からアクセスすることができます。階段を利用できない訪問者のために、ザ・ポディウムはエレベーターまたはヘット・ニュー・インスティテュートの内部アクセスでアクセスできます。
2022年6月のロッテルダム建築月間では、ザ・ポディウムはその中心を形成しています。MVRDVが設計したデポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲンを含むロッテルダムのさまざまな象徴的な建物を見渡すことができ、建築都市としてのロッテルダムの特質が表現されています。7月と8月には、モーテルモザイク、ノース・シー・ジャズ・フェスティバル、オペレーター、Roffa Mon Amour、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団など、さまざまなパートナーがザ・ポディウムでイベントを開催する予定です。
MVRDVのアソシエイトデザインディレクターである建築家のヘイス・リッケンは言います。
「このインスタレーションは、ルーフトップ・ランドスケープのプログラミングにおいてMVRDVが築き上げた伝統に合致しています」
「ロッテルダムでは、2006年の青い屋上拡張工事『ディデン・ヴィレッジ』に始まり、2016年の『クリテリオンへの階段』に続いています。今年は、オレンジの『ルーフトップ・ウォーク』とピンクの『ザ・ポディウム』で屋上を強化します。色彩と特別なインスタレーションで、この街の第二のレイヤーにもっと注目を集めたいのです。より環境に優しく、より持続可能で、よりつながったものにすれば、街は誰にとってもより住みやすいものになるはずです」
SHARE 様々な家具・プロダクト・建築部材が集まる見本市「インテリア ライフスタイル 2022」が、東京ビッグサイトで開催。芦沢啓治・トラフ・寺田尚樹らが参加する「アップサイクルって何? 02」展等の展示やイベントも多数行われる
- 日程
- 2022年6月1日(水)–6月3日(金)
様々な家具・プロダクト・建築部材が集まる見本市「インテリア ライフスタイル 2022」が、東京ビッグサイトで開催されます。見本市の中では、芦沢啓治・トラフ・寺田尚樹らが参加する「アップサイクルって何? 02」展等の展示やイベントも多数開催されます。開催期間は、2022年6月1日(水)~3日(金)。参加費無料(要事前申し込み)。来場事前登録はこちらから。
メッセフランクフルト ジャパン株式会社(代表取締役社長:梶原靖志)は、2022年6月1日(水)-3日(金)の3日間、第30 回「インテリア ライフスタイル」を東京ビッグサイト西展示棟にて開催します。
衣・食・住のすべてとインテリア・デザイン市場をつなぐ本見本市は、商材やデザインを探す小売店バイヤー、インテリアデザイナー、建築や設計に携わる来場者に「リアル」でのコミュニケーションの場、商談の場を提供します。新型コロナウィルス感染拡大の影響により3 年ぶりの開催となる本見本市には、4 月22 日現在で12ヵ国・地域から501社が出展します。
商材カテゴリーやテーマに合わせたプロダクツがゾーンごとに展示
デザイン性、機能性に優れた衣食住に関連するインテリア雑貨や生活用品を中心に、人権や環境、社会に配慮されて作られた持続可能なプロダクツ、新しい生活様式や空間を演出するさまざまな商材や素材たちがカテゴリーごとにゾーニング、展示されます。
「アップサイクルって何? 02」展(見本市内で展示)
環境意識の高まりの中、プロダクト開発においてサステナブル視点のない商品開発はもはや存在し得ないと言ってもいいほどです。
その中において、アップサイクル、創造的再利用は、まだまだその可能性を謳歌できていない分野であると同時に、成功の秘訣にはデザイナーやアーキテクトの豊かな発想が不可欠です。今回、建築家6名と、完了に配慮したものづくりメーカー2社が協業し、アップサイクルの新たな可能性を提案します。
ディレクター/会場構成
芦沢啓治参加建築家
インターオフィス 寺田尚樹 / SAKUMAESHIMA / トラフ・アーキテクツ / 芦沢啓治
MVRDVとロッテルダム・ルーフトップ・デイズによる、オランダの「ロッテルダム・ルーフトップ・ウォーク」です。
都心部のビル屋上を繋ぐ約600mのインスタレーション、街に対する新しい視点の提供を目指して街で最も重要な街路を跨ぐように設計、屋上活用の有効性や都市貢献の可能性を伝える事も意図されました。
こちらはプレスリリースの翻訳
ロッテルダム・ルーフトップ・ウォークがオープンしました。高さ30mのオレンジ色の絨毯で、街の様々な表情を楽しむことができます。
昇天祭の今日、ロッテルダム・ルーフトップ・ウォークがオープンし、来場者は高さ30メートルのさまざまな屋根の上を冒険しました。ロッテルダム・ルーフトップ・デイズとMVRDVがデザインしたこのインスタレーションのハイライトは、ロッテルダムで最も重要な通りの一つであるクールシンゲルに架かる橋です。ルーフトップ・ウォークは、一般の人々に街に対する新しい視点を提供することを目的としています。屋根は、都市をより住みやすく、生物多様性に富み、持続可能で、健康的なものにする「第二の層」となり得るのです。
鮮やかなオレンジ色の「ロッテルダム・ルーフトップ・ウォーク」は全長600mで、1ヶ月間、市民に街の素晴らしい眺めを提供します。アーティスト、デザイナー、建築家が、屋上を緑化、貯水、食糧生産、エネルギー生成のために効率的に利用すれば、どれだけのことが可能になるかを示す屋上展示です。オランダのステイガー社によって作られたインスタレーションの上に、バーチャルヴィレッジからバイエンコルフ百貨店の屋上のグリーンデザインまで、あらゆるメーカーが屋根がいかに持続可能で健康的、そして住みやすい都市に貢献できるかを示しています。
この仮設展示は、ロッテルダム・ルーフトップ・デイズの取り組みで、コンセプトとデザインはMVRDVと共同で開発されました。MVRDVはオフィスとして、長年にわたり都市部のスペース不足の解決に積極的に取り組んでおり、地方の都市化が進むのを防ぎたいと考えています。屋上緑化は、気候変動、住宅危機、再生可能エネルギーへの移行といった大きな問題の解決に役立ちます。ルーフトップ・ウォークは、こうした問題に注目し、特に18.5km2の平屋根部分が使われていないロッテルダムで、その可能性をより多くの人に認識してもらうためのものです。
MVRDVの設立パートナーであるヴィニー・マースは言います。
「2006年、ロッテルダム復興75周年を記念して、『クリテリオンへの階段』をデザインし、約37万人の来訪者を集めました。そのとき、このプロジェクトの続編を作ったらどうかというアイデアが生まれました」
「ユーロビジョン・ソング・コンテストの時は、優勝者を称える高いステージを作るというアイデアもありましたが、パンデミックのために中止されました。屋根を占拠して緑を増やすだけでなく、屋根をつなげて、ロッテルダム市民に新しい屋上公園を実現したことを嬉しく思うとともに、さらなる続編を主張したいと思います! そのためには、オレンジ色のカーペットとクールシンゲルの橋が最初の良いテストケースとなるでしょう」
ミナ ペルホネンの皆川明が監修した遊具です。
幼児の使用を想定したFRP製の遊具で、動物や自然からインスピレーションを得て形態等を構想、有機的な形態や抑制された色遣いが特徴的な製品となっています。ジャクエツから販売されます。
鳥が大空を舞うように羽を広げた姿に見立てています。鳥の羽や胴体に腰掛けて、羽ばたく鳥に乗って空を飛ぶような気持ちを想起させてくれます。
これは浜辺で見つけた石の形からヒントを得た遊具です。有機的で多様な局面で構成された造形の中で、子供たちは自然と身体の動きや重量との関係性を体感することができます。
これは鳥が巣の中で休んでいる姿をイメージした滑り台です。ステップを登る代わりに凹凸を自由なルートで登ることで、“滑るために登る”のではなく登る体験そのものが子供たちの自由な発想や感覚を養います。
ピーター・ズントーとアーティストのオトボン・ンカンガ(Otobong Nkanga)が、2022年4月に行ったトークの動画です。ブレゲンツ美術館の主催で行われたものです。
(翻訳)
2022年夏、ブレゲンツ美術館は創立25周年を迎え、ヴェネチア・ビエンナーレの期間中にヴェネチアで展覧会を開催しています。
オープニング後の数日間、選ばれたアーティストとゲストによる一連のトークイベントが開催されました。初日の夜は、サン・フランチェスコ・デラ・ヴィーニャの回廊で、オトボン・ンカンガとブレゲンツ美術館を設計した建築家ピーター・ズントーが対談を行いました。(原文)
In the summer of 2022, Kunsthaus Bregenz is celebrating its 25th anniversary and with an exhibition in Venice during the Biennale di Venezia.
In the days after the opening, a series of talks with selected artists and guests took place. On the first evening, Otobong Nkanga and KUB architect Peter Zumthor were talking in the cloister of San Francesco della Vigna.