


MVRDVによる、メキシコの「ティファニー・ファサード・カンクン」です。
バリアリーフに近い海岸の商業施設内の店舗の為に計画されました。建築家は、“サンゴ”の網目形状から着想し、外から内に向けてブランドカラーから砂の色に変化する3Dプリント製のファサードを考案しました。また、内装は現地のバルマセダ(Balmaceda)が手掛けています。
こちらはリリーステキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)
2024年にオープンした、メキシコのカンクン海岸にあるティファニーの店舗は、ロッテルダムを拠点とする建築家MVRDVによって設計された特別なファサードを特徴としています。地元のサンゴ種に触発され、3Dプリントされたこのカンクンのファサードは、MVRDVがティファニーのために制作した一連のデザインの中で2番目のものであり、2023年にオープンしたシンガポール・チャンギ空港の店舗の3Dプリントファサードと多くの特徴を共有しています。この2回目の試みにおいては、シンガポールで開発された技術がさらに洗練されており、構造的な革新によって、テーマに地元の要素を取り入れたひねりが可能になっています。
その店舗は、カンクンのホテルゾーンにあるオープンエアのショッピングセンターのラ・イスラ・ショッピング・ビレッジ(La Isla Shopping Village)に位置しています。店舗がビーチに近いことは、店舗のインテリアデザイナーであるバルマセダ(Balmaceda)にとって明確なインスピレーションとなり、バルマセダは地元の素材や工芸品に加えて海のモチーフを取り入れ、素朴なカリブの美学をエレガントに解釈したデザインを創り出しました。MVRDVのデザインチームはこれを出発点とし、内装を引き立てる自然主義的なファサードを作り上げました。
カンクンは、世界で2番目に大きいバリアリーフであるメソアメリカン・バリアリーフのすぐそばに位置しているため、デザインチームは、カリブ海原産でシーファン(※ウミウチワ)として一般に知られるゴルゴニア属のサンゴの枝分かれした網目状の形状からインスピレーションを得ました。このサンゴ模様は、ビーチから着想を得たカラ―グラデーションで3Dプリントされており、ファサードの長さ全体にわたって、またその奥行き75ミリメートルを通じて変化し、ティファニーのシグネチャーカラーであるブルーから、カンクンのビーチを思わせる明るい砂色へと移り変わっていきます。