安藤忠雄による大阪での展覧会「青春」の様子を伝えるニュース番組の動画です。安藤のコメントも収録されています。2025年3月に公開されたもの。展覧会の情報はこちらのページに掲載しています。
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注目のベンチャー企業等との協業が多く、多様なアワードの受賞歴を持つ「山路哲生建築設計事務所」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)、業務委託、パート 募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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山路哲生建築設計事務所では設計スタッフを募集しています。
【株式会社山路哲生建築設計事務所について】
隈研吾建築都市設計事務所を経て2015年に設立した山路哲生が主宰する建築設計事務所です。渋谷駅スクランブルスクエアや、中国を中心とした海外の大規模な開発に携わってきた一方、住宅やホテルの内装・家具、また小さな屋台の設計など幅広いスケールで設計をしております。徐々に活動規模が広がるこの過渡期に、一緒に計画に参加してくれる仲間を募集しています。都市部では今注目されるベンチャー企業やディベロッパーとの協業が弊社のひとつの特徴となっています。昨年5月にオープンし、380年ぶりに東寺の五重塔を超え56mの高さをもつ複合木造ビル「銀座髙木ビル」(新建築2023,12月号掲載、株式会社髙木ビル)では林野庁長官賞、ウッドデザイン賞、一連の活動において、これからの建築士賞、を受賞しています。
また、デザインコードによる新しい設計手法「ASOLIE」を株式会社ミラタップと協働開発し、リリース。現在全国約50社の施工者に参画頂いています。また弊社設計による情報発信と交流拠点「MONNAKA COFFEE」(株式会社biplane、株式会社三菱地所レジデンス)、食の体験をつくる市場「YOKOSUKA PORT MARKET」(横須賀市、いちご株式会社)、有楽町マルイにて「ORIENTAL BLUE」(株式会社biplane)などが近年オープンしました。その他「THE KNOT HOTEL」「IKE-SUN PARK」など注目の都市施設の設計に携わっています。
今まさに大きく変わろうとしている産業構造の中で、建築によって実現されるものも建築が担う枠組みも変わり続けています。建築を軸にまちづくりから家具デザインまでスケールを横断して設計に携わることで業種間における障壁を乗り越え、都市の創造と編集に挑戦しています。達成すべき目的の為に同業、異業種関わらず、様々なスペシャリストとチームをつくり協働し、既成の設計の枠組みを超えた設計手法を模索しています。
建築士としての経験・技術の習得ができるとともに、幅広い職種の方々と協働することで幅広い視点を学ぶことができます。大小様々な計画が同時進行しており、成長段階に応じた規模の計画を段階的にご担当頂きます。各人の個性を存分に発揮し、その挑戦と成長を共に楽しんでくれるベンチャー気質の明るい性格の方をお待ちしております。
代表の山路は大学講師を兼務しており、人材育成や研究・開発にも力を注いでいます。リサーチやスタディなどインプットの時間を大切にし、建築を周遊する研修旅行も毎年行っています。風通しが良く、同年代のスタッフ同士で互いに切磋琢磨できる職場環境にあります。


工房や職人たちと連携し、建築家が構想する家具等を特注制作する「ubushina / 株式会社t.c.k.w」の、スタッフ(設計経験者・新卒も歓迎)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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ubushinaは株式会社t.c.k.wが運営する、伝統工芸や現代の技術を用いる工房・職人たちと連携しながら、建築家やデザイナーが思い描く家具、照明、アートワークを特注制作する事業です。
日本には、漆や竹細工など手仕事による伝統的技法から、最先端の加工技術まで、実に多様な技術が日本各地に息づいています。また、卓越した技術力に加えて高いモラルを持った職人たちが生み出す製品は、世界でもトップクラスの品質を誇るものです。
そうした豊かな背景を生かし、ubushinaは職人たちと一丸となり、時に新しい技術を用いながら伝統を現代に生かすものづくりを2003年から続けてきました。建築家やデザイナーが思い描く家具、照明、アートワーク、内装材などのインテリアエレメントを具現化し、フルオーダーで誂えることに加え、現在は事業主となるクライアントからの依頼を受け、包括的なコンセプトを提案するなど、プロジェクトとの関わり方はより深くなってきており、設計やデザイン業務の中で培われた経験を求めております。
日本の工芸には、その地域にしかできないこと、その職人にしかできない技術があります。今日まで、ubushinaはさまざまな産地や職人の個性を見い出し、つくり手と信頼関係を築いてきました。私たちが取り組むのは、歴史に敬意を払い、職人と創意工夫しながらものづくりの文化を次の世代につないでいくこと。
ubushinaは、「伝統の行方を創造すること」を使命に、これからの社会にとって希望のあるものづくりを続けていきます。
素材や制作現場に興味のある方、空間を構成する一つ一つをさらに深く追求したいという想いをお持ちの方、ぜひお待ちしております。


“日本建築を世界へ!”を掲げ、ワークライフバランスも重視する「素朴屋株式会社」の、設計施工管理のスタッフ(経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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「日本建築を世界へ」私たちと一緒にやりませんか。
「多様なスタッフと独自の編集力を活かす」一緒にやりませんか。
「夕方、家に帰れる生活」一緒にやりませんか。日本が誇る木造伝統建築を世界へ発信する「素朴屋(SOBOKUYA)」は、山梨県北杜市で2006年に創業し、設計・建築・内装・インテリア事業、飲食・物販事業なども手がけています。
北杜市、東京、ハノイに拠点を構えるほか、今年はドバイにも進出予定。
日本の木材を中心に、地域の素材を活かした建築をつくり上げる集団です。
自然素材に知恵と技術で息吹を注ぎ、日本建築や大工の伝統技術だけでなく、多様なメンバーによる独自の編集力で海外事業を拡大しています。ワークライフバランスやスタッフの生活スタイルを尊重し、定時で帰るのが日常です。
建築業界では信じられないかもしれませんが本当です。
※プロジェクトの進捗に応じて定時を超える場合もあります【日本建築だけでなく多様な建築に携われる環境】
素朴屋では、企画から基本設計・実施設計、現場管理まで主体的に関わることができます。
10名から成る大工のほとんどが社員として在籍していて、日本だけでなく海外のプロジェクトでも活躍中。現在、ベトナムでは温泉関連のプロジェクトや富裕層向けのインテリアなどの事業が活発に進んでいます。
国内外で設計施工管理者と大工が日々連携してシームレスに業務を遂行することができます。また、パートナー企業の設計事務所とAI研究会を立ち上げるなど、学びの幅が広がる機会を作っていて、国際的な視野を広げながら常に成長できる環境です。



高田彩実 / ayami takada architectsが設計した、東京・港区の住戸改修「room T」です。
人が行き交う街に建つ集合住宅内での計画です。建築家は、“都市のオアシス”の様な場を求め、既存柱をリブウォールで包囲し天井を折り上げて“白い巨樹”に見立てる計画を考案しました。また、造作類への天然素材の使用で空間に質感も付与することも意図されました。
築15年のマンションの改修の計画である。
自然の中にいるような感覚に浸れる都市の中のオアシスのような場をつくろうと考えた。ビジネスや観光などで沢山の人が行き交う街の中であっても、一歩入り込めば、伸びやかな草原のような場が広がる。
既存の黒いサッシを踏襲し、建具と造作家具を黒いフレームとマットなグレーとし、機能的に必要な要素をオブジェに見立ててモノトーンのフレームとボリュームの連続体とした。
壁と天井に凹凸を持たせて、粘土で塗り固めた彫刻のような空間の中に、モルタルや石、木など、天然素材に近い要素を用いて、奥行きと質感を与えた。
建物の制約上、リビングの真ん中に柱が出てくることを免れないが、柱の周りをリブウォールで囲み梁を避けて天井を段上に折り上げることで、白い巨樹に見立て、天井段差と柱リブの幅をそろえて一体的に見せた。ペンダントライトはオーガンジーを熱加工した生地を用いて製作した。天井になじませつつ、サイズ感を持たせることでアイストップとし、部屋の印象が単調にならないようアクセントを加えた。


創業65年の歴史があり、チームで協力し多様な用途の建築に取組む「高橋茂弥建築設計事務所」の、意匠設計者(2026年新卒・既卒・経験者)と 構造設計者(経験者) 募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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静岡&東京を拠点に進化を続ける、創業65年の「正統派」
“社員幸福度120%”を目指す 高橋茂弥建築設計事務所 で、キャリアアップのチャンスを掴みませんか?【組織の特徴】
・世襲制に頼らず、実力でキャリアアップできる設計事務所
創業65年、静岡で3世代にわたり続いてきた事務所ですが、次代からは世襲制を撤廃。現在、新卒入社の大橋常務をはじめ、キャリア採用のメンバーが経営幹部として活躍しています。評価制度に基づいた実力主義の環境で、着実にキャリアを築くことができます。・地域に根ざしながら、東京でも実績を拡大
静岡県や各市町村の公共建築で築いた信頼と実績をもとに、東京事務所でも事業を拡大中です。近年では民間建築の依頼も増え、学校・保育施設・高齢者・障害者施設、オフィスビル、道の駅、共同住宅など、多様なプロジェクトに携わる機会があります。・設計の自由度が高く、自主性を尊重
社長や上司からデザインを押し付けられることはなく、チームで協力しながら計画を進めるボトムアップ型のスタイルを採用しています。地域の風土と調和し、時間の経過を乗り越えられる美しい風景を生み出すことを使命に、数多くの受賞歴を誇る設計を手掛けています。・挑戦できる環境が整っている
コンペやプロポーザルの勝率も高く、単独設計、アトリエ事務所・組織事務所・ゼネコンとの共同事業(JV)、PFI・BPOなど、さまざまな形態での受注を行っています。多様なプロジェクトを通じて、設計者としての成長の幅を広げることができます。

イーストロンドン大学の講師陣らによる「建築・空間デザインワークショップ」が、東京と大阪で開催されます。
実寸大のドローイングや小さな建築の制作を通じて、同大学独自の“手でつくりながら考える”デザインプロセスを体験する内容です。また、無償でのポートフォリオレビューや留学相談会も実施されます。
東京での開催期間は、2025年4月26日(土)~4月29日(火)の4日間。大阪での開催期間は、2025年5月3日(土)~5月6日(火)の4日間。ワークショップの参加費は、15,000円(材料費込)です。【ap・ad】
ワークショップについて
イギリスのイーストロンドン大学の講師による建築・空間デザインワークショップを行います。
このワークショップでは、実寸大(1:1)のドローイングや小さな建築(ルーム)を制作します。実際のマテリアルに触れながら空間をつくることによって、素材の特徴、空間の質、場所との関係性を直観的に捉え、イーストロンドン大学の特徴である「手でつくりながら考える」デザインプロセスを体験していただきます。
ワークショップ最終日にはゲストを招き、完成作品の展示・講評会を実施する予定です。
イーストロンドン大学(UEL)について
イーストロンドン大学 University of East London(UEL)は、近代的かつ躍進的な大学で、幅広い学科において卓越した教育・研究水準の質で評判をあげています。
UELの建築・デザインプログラムでは建築、インテリアデザイン、ランドスケープデザイン、プロダクトデザインの分野における学部および大学院のコースが設置されています。各コースは質、独創性の点で国内外より高く評価を受け、国際色豊かな留学生を多数迎えています。当学部は専用スタジオ、ワークショップほか、展示スペースなど充実した施設を保有しており、最新の政府機関(NSS)による学生の満足度調査において英国で二番目に高い評価を受けました。
当学部の建築学士、修士課程はRoyal Institute of British Architects(RIBA)とArchitecture Registration Board(ARB)により共同で承認されています。イーストロンドン大学 建築学部は建築に対する実践的なアプローチを特長とし、マテリアルの探究、場所やコンテクストの理解力において高く評価されています。
以下に、詳細な情報と昨年のワークショップ開催時の写真を掲載します。



リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・成都の「鹿野苑石刻芸術博物館(Luyeyuan Stone Sculpture Art Museum)」です。
プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2002年に完成した建築です。建築家は、仏教彫刻などを収蔵する施設として、荒いコンクリートの量塊を“ヴォイド”で分割する建築を考案しました。また、自然と人工のランドスケープの融合も意図されました。施設の場所はこちら(Google Map)。
アーキテクチャーフォトでは、リュウの2025年のプリツカー賞受賞を特集記事として紹介しています。
こちらはプロジェクトに関するテキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)
仏教彫刻や遺物を収蔵する鹿野苑石刻芸術博物館は、展示空間の通路全体に伝統的な中国庭園を織り交ぜています。
この窓のない建物のヴォリュームはヴォイドによって分けられており、その隙間を通して自然光がろ過されながら博物館の開放的な空間へと届きます。
自然の景観と人工のランドスケープが融合し、石や地元の川の小石が水や緑と調和することで、自然な風景を映し出しています。
荒い打ち放しのコンクリート壁が石の遺物の背景として機能し、レンガ壁は配管を隠すために刻まれています。床と屋根には中空のチューブが層状に配置され、断熱性を高め、重量を最小限に抑えています。




国立新美術館での建築展「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s–1970s」です。
岸和郎が監修、ケン・タダシ・オオシマがゲスト・キュレーター、佐々木啓がアソシエイト・キュレーター、長田直之が会場構成、田中義久がアート・ディレクションを担っています。コルビュジエ、アアルト、菊竹清訓、カーン、ゲーリーらによる14邸の住宅を中心に、20世紀の住宅の実験を豊富な資料で検証する内容です。また、ミースの未完のプロジェクトも実寸大模型で実現されました。会期は、2025年3月19日~2025年6月30日まで。展覧会の公式サイトはこちら。
本展覧会では、20世紀にはじまった住宅をめぐる革新的な試みを、衛生、素材、窓、キッチン、調度、メディア、ランドスケープという、モダン・ハウスを特徴づける7つの観点から再考します。そして、特に力を入れてご紹介する傑作14邸を中心に、20世紀の住まいの実験を、写真や図面、スケッチ、模型、家具、テキスタイル、食器、雑誌やグラフィックなどを通じて多角的に検証します。
1920年代以降、ル・コルビュジエ(1887–1965年)やルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ(1886–1969年)といった多くの建築家が、時代とともに普及した新たな技術を用いて、機能的で快適な住まいを探求しました。その実験的なヴィジョンと革新的なアイデアは、やがて日常へと波及し、人々の暮らしを大きく変えていきました。
本展覧会は、当代の暮らしを根本から問い直し、快適性や機能性、そして芸術性の向上を目指した建築家たちが設計した、戸建ての住宅をご紹介するものです。1920年代から70年代にかけて建てられたそれらのモダン・ハウスは、国際的に隆盛したモダニズム建築の造形に呼応しつつも、時代や地域、気候風土、社会とも密接につながり、家族の属性や住まい手の個性をも色濃く反映しています。理想の生活を追い求めた建築家たちによる暮らしの革新は、それぞれの住宅に固有の文脈と切り離せない関係にあるのです。
一方、それらの住宅は、近代において浮上してきた普遍的な課題を解決するものでもありました。身体を清潔に保つための衛生設備、光や風を取り込む開放的なガラス窓、家事労働を軽減するキッチン、暮らしを彩る椅子や照明などの調度、そして住まいに取り込まれた豊かなランドスケープは、20世紀に入り、住宅建築のあり方を決定づける重要な要素となったのです。そして、こうした新しい住まいのイメージは、住宅展示や雑誌などを通じて視覚的に流布していきました。
今から100年ほど前、実験的な試みとして始まった住まいのモダニティは、人々の日常へと浸透し、今なお、かたちを変えて息づいています。本展覧会は、今日の私たちの暮らしそのものを見つめ直す機会にもなるでしょう。


平田晃久建築設計事務所の、設計スタッフ(2025年新卒・既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
平田晃久建築設計事務所では設計スタッフを募集します
Design staff recruitment建築は今大きな転換期を迎えています。建築はこれまでのように形や素材にだけ関わるものではなく、その周りにダイナミックに展開する様々な人々の活動や移り変わる様相に関わる、生命的なものになりつつあります。情報技術の発達に伴い、これまで以上に多数の人々が多様な仕方で建築をつくり、育てる出来事に関わるようになってきました。
こうした新しい状況を、どのように強い建築に繋げることができるかが、建築家に問われています。私たちはこのような問いに正面から向き合い、その答えに関する端緒を掴みつつあります。
とはいえ、それは未だ完全には成し遂げられていません。まさに今後展開する様々なプロジェクトにおいて、それを行うことが私たちの目標です。
このような目標を共有し、それぞれの特技を活かしながら、チャレンジ精神を持って共に仕事に取り組む仲間を、私たちは求めています。Architecture is in a period of great transition. Architecture is no longer just about form or materials, but is becoming a living thing, connected to the dynamic activities of a variety of people and the changing circumstances around it. With the development of IT, people are more involved than ever in the development of architecture.
Architects are asked how to connect these new realities into a strong architecture. We are tackling this question head on, and we are getting the hang of it.
But we are not there yet. Our goal is to realize this in every single project we work on in the future. We look for colleagues who share this goal. We respect their specialities and work together in a challenging way.




小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツと髙松めい が設計した、東京・世田谷区の住戸改修「砧の部屋」です。
“普通の2LDK”をリノベした設計者の自邸です。建築家は、仕事と家事育児を両立する生活像に対し、“暮らしの動作とシーンが連続的に展開する”半ワンルーム的空間を志向しました。そして、回遊性を確保しながら18mmの壁で空間を間仕切りました。
都内の集合住宅の一室を改修した自邸である。
もともとは2LDKのごく普通の間取りであった。そのまま住み始めることも可能であったが、壁で隔離された個室が生活動線を制限し家族の空間を切り離しすぎるような感覚をもち、自分たちの生活像に合わせて最低限の手を加えることにした。
家族構成は夫婦と幼い子ども、猫が一匹である。夫婦ともに仕事をしながら家事や育児を分担していくことを想定すると、nLDKの機能別に仕切られた空間よりも、生活の場は仕切られつつもぐるぐる動き回ることができ、暮らしの動作とシーンが連続的に展開される半ワンルーム的空間が立ち上げられないかと考えた。
そこで既存の個室を解体し、t=18mmの薄い壁を配置しながら間をつくるという単純な方法を考えた。
食事や休息の場となる「東の間」と、作業空間となる「西の間」を住戸の両端に設け、薄壁のウチ側には寝間・納戸を配置した。壁が薄いことによって、限られた間口寸法の住戸内でも南北に回廊を通すことができ、自由に動き回れる空間となった。
壁には、場所に応じて変化やつながりが生まれるようにいくつかの開口を設けた。ウチ側は空間ごとにラフに個性を出して使用することを想定し素地が見えるクリア塗装で仕上げる一方、ソト側は白い塗装で仕上げ、抽象性と生活感を対峙させた。さらに、各空間を横断するように置き式のモジュール家具を設置した。これらは各空間をつなぎながらも収納されるモノによって空間に個性や変化を与える。

ジオ・ポンティの展覧会が、21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3で開催されます。
20世紀イタリアのモダニズムを代表する建築家を紹介する内容です。ドローイングやドキュメンタリー映像等に加え、自邸を再解釈したインスタレーションも公開されます。会場デザインは“トラフ建築設計事務所”が手掛けています。開催期間は、2025年3月19日~3月31日。入場無料です。展覧会の公式サイトはこちら。
2025年3月19日(水)~31日(月)21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3 にて、展覧会『ジオ・ポンティの眼:軽やかに越境せよ。』を開催します。
20世紀イタリアのモダニズムを代表する建築家、ジオ・ポンティ(1891-1979)は、スプーン1本から高層ビルまでデザインし、部分から全体を統合的に捉える「眼」を備えていました。1960年竣工の<ピレリ高層ビル>、そして1957年の発表の超軽量の椅子<スーパーレジェーラ>は、薄さ、軽やかさを表現した名作です。さらに近年、知られざる名作家具やプロダクトの数々が復刻され、巨匠の多面的な魅力が浮き彫りになってきました。
本展では、ジオ・ポンティ・アーカイヴスの協力のもと、主にポンティがミラノ、デッツァ通りの自宅のためにデザインした家具から、モルテーニにより復刻されたアームチェア、コーヒーテーブル、ブックシェルフと、床に大胆に導入されていたセラミックタイルの再現を通して、ポンティ独自の空間世界をインスタレーションします。また、およそ60年にわたる巨匠の仕事を振り返る大パネルには、1920年代のジノリの磁器製品やオリジナルドローイングの展示のほか、フランチェスカ・モルテーニ監督によるドキュメンタリー映像『Amare Gio Ponti』を上映し、ジオ・ポンティの視線の先にある私たちの未来を考えます。
以下に、詳細な情報を掲載します。


コンラン卿の展覧会「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」の入場チケットを抽選でプレゼントいたします。
福岡市美術館で開催されます。生活空間から社会までを視野に入れて“デザインによる変革”に取り組んだ人物。300点以上の作品や資料などを通して実像に迫る内容です。会期は、2025年4月19日~6月8日まで。入場チケットプレゼント企画の応募締切は、2025年4月14日(月)9時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。
「Plain, Simple, Useful(無駄なくシンプルで機能的)」なデザインが生活の質を向上させると信じ、個人の生活空間から都市、社会までを広く視野に入れ、デザインによる変革に突き進んだサー・テレンス・コンラン(1931-2020)。本展は、イギリスの生活文化に大きな変化をもたらし、デザインブームの火付け役にもなったコンランの人物像に迫る展覧会です。
戦後まもなくテキスタイルや食器のパターン・デザイナーとして活動を始めたコンランは、1960年代、ホームスタイリングを提案する画期的なショップ「ハビタ」をチェーン化して成功を収め、起業家としての手腕を発揮します。そして、1970年代から展開した「ザ・コンランショップ」におけるセレクトショップの概念は、日本を含む世界のデザイン市場を激変させました。 このほか、家具などのプロダクト開発、廃れていたロンドンの倉庫街を一新させた都市の再開発、書籍の出版など、関わった事業は多岐にわたります。いっぽう、1950年代からレストラン事業にも乗り出し、高級レストランからカジュアルなカフェまで50店舗以上を手がけ、モダン・ブリティッシュと称される新しい料理スタイルをイギリスの食文化に定着させました。 長年あたためていたデザイン・ミュージアムの設立構想を1989年、世界に先駆け実現させたことも大きな功績のひとつです。
本展は、パターン・デザインした食器やテキスタイルなどの初期プロダクト、家具デザインのためのマケット、ショップやレストランのアイテム、発想の源でもあった愛用品、著書、写真、映像など300点以上の作品や資料に加え、彼から影響を受けた人々のインタビューを交えながらさまざまなコンラン像を浮かびあがらせます。
以下に、詳細な情報を掲載します。



リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・成都の「時計博物館、建川博物館群(Museum of Clocks, Jianchuan Museum Cluster)」です。
プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2007年に完成した建築です。建築家は、文化大革命時代の時計を展示する施設として、正方形・円・十字の形の展示ホールを備えた建築を考案しました。そして、日時計を想起させる円形の中庭で時間の感受も促します。施設の場所はこちら(Google Map)。
アーキテクチャーフォトでは、リュウの2025年のプリツカー賞受賞を特集記事として紹介しています。
こちらはプロジェクトに関するテキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)
建川博物館群の一部である静寂な時計博物館は、にぎやかな商業施設に囲まれており、伝統的な中国の都市における寺院とその周囲の商業や住居との明確な関係を模倣しています。
赤レンガは当時の石造建築と共鳴し、露出したコンクリートが3つの展示ホールを形成しています。それらは幾何学的な形状(正方形、円、十字)で構成されており、空間全体を通じてテーマとなっています。
広大なスケールが没入感を高め、曲線の壁が床の直線的な縁と対比をなし、奥まった長方形のニッチには数多くの歴史的な時計が展示されています。
正方形の展示空間は、訪問者が周囲を巡るにつれて四角い動線をたどるよう促します。
最後の円形のレンガ壁に囲まれた中庭では、天井の円形の開口部を通して日光と影が移ろい、日時計を想起させるとともに、響き渡る効果を生み出し、訪問者に「音、光と影、そして時間を感じる」よう促します。




トラフ建築設計事務所が設計した、東京・渋谷区の店舗「ROTOTO STORE」です。
ソックスブランドの旗艦店の計画です。建築家は、地域に根付いた“居場所”も目指し、ソックス型のテーブルのある多目的スペースを備えた空間を考案しました。そして、靴下を履いた様なオリジナルのスツールは試着時のみならずイベント時の活用も可能となっています。店舗の場所はこちら(Google Map)。
奈良発のソックスブランドROTOTO初の旗艦店「ROTOTO STORE」の内装計画。
敷地となった幡ヶ谷の商店街は、個性豊かな飲食店やショップが集まり、昔ながらの温かみと新しいカルチャーが融合する魅力的なエリアへと進化している。そうした地域に根付いた店舗になるために、物販機能にとどまらず、人々が自然と集い、交流が生まれる「居場所」となることが求められた。
L字の空間(ソックスの形)に対して、手前の空間を売り場、奥は多目的なスペースとし、床の色を手前と奥で変えることで空間にコントラストを生み出している。売り場では、カラフルなソックスが映えるように、商品が見やすいニュートラルな什器やディスプレイツールを取り入れた。
売り場の中央には、ROTOTOのためにリデザインされた“ROTOTO AAスツール”を設置した。ソックスを履いたような丸い足先のデザインが特徴で、試着用ベンチとしての機能を持ちながら、イベント時にはスツールとしても活用できる柔軟性を備えている。
ソックスの形をモチーフにしたテーブルは左官材で仕上げた滑らかな質感の天板が特徴で、POSとしての機能だけでなく、ソックスを包む作業やお茶を楽しむ時間、ワークショップなど、多様なアクティビティを受け入れる。テーブル上のペンダント照明は、使用されなくなった靴下の金板を使うことでROTOTOのものづくりの背景をディテールに取り込んだ。
店内に2箇所あるウォールディスプレイは、ブランドのバックボーンであるファッションやカルチャーを表現する、コンセプチュアルなインスタレーションの場として空間を彩る。




リュウ・ジャークン / Jiakun Architectsによる、中国・成都の「水井坊博物館(Shuijingfang Museum)」です。
プリツカー賞受賞建築家の代表作のひとつで2013年に完成した建築です。建築家は、酒文化を伝える施設として、酒造遺構を取り囲むように新たな建築を配置する構成を考案しました。そして、様々な素材を用いて歴史を追体験する“没入型の旅”を提供します。施設の場所はこちら(Google Map)。
アーキテクチャーフォトでは、リュウの2025年のプリツカー賞受賞を特集記事として紹介しています。
こちらはプロジェクトに関するテキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)
新たに建設されたコンクリート構造物が、既存の木造建築を取り囲んでいます。これらの木造建築は、それぞれ現代のワイン醸造技術と古代の発酵技法を示しており、比喩的にも文字通りにも生きた文化遺産を保護しています。
広々とした中庭には、新たな2層の建物が生み出され、その上には二重勾配屋根が施されています。この屋根は細い光の筋を放ち、かつてのセラーが持っていた換気性や採光を再現しています。もともとこのセラーには、窯、発酵技法、明と清時代の遺物が収められていました。
オリジナルの木材から、2008年のウェンチュアン地震に由来する環境配慮型の「リバースブリック」まで、さまざまな素材を取り入れたこの博物館は、訪問者に古代から現代までの時代を追体験できる没入型の旅を提供します。