スヴェーレ・フェーン(Sverre Fehn)が設計した、ノルウェーの「ヘドマル大司教博物館(Hedmark Archeological Museum)」(1979年) の現在の様子を紹介する動画です。2025年2月に公開されたもの。フェーンは1997年にプリツカー賞も受賞しています。施設の場所はこちら(Google Map)。

アーキテクチャーフォトで、2025年1月に注目を集めた記事をランキング形式でご紹介します。(※広告とチケットプレゼント企画の記事は除きます)
- 坂茂へのインタビュー動画「私は建築家に失望しています」。国内外の代表作品も紹介。ルイジアナ美術館の制作で2025年1月に公開されたもの
- 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」(maison owl) がレストランとしての一般予約受付を開始
- 馬場正尊+平岩祐季 / OpenAによる、広島・福山市の「iti SETOUCHI」。解体にも莫大な費用が掛かる元百貨店を改修した複合施設。放置状態からの転換を目指し、地上階のみを再生する等の“大きく割り切った”計画を考案。街の巨大なヴォイドを“セミパブリックスペース”へと変える
- 妹島和世+西沢立衛 / SANAAによる、東京・渋谷区の店舗「無印良品 代官山」。商品そのものが“クローズアップ”され“インテリア”となるスペースを志向
- 山口誠デザインによる、東京・台東区の、オフィスビル「MONOSPINAL」(竣工前)。ゲーム制作会社の本社。従業員の“集中力”と“リラックス”のバランス確保を目指し、環境要素も向上をさせる“斜壁”を持つ建築を考案。小スケールの素材を集積をさせる仕上げで“あらたな風景”を作る
- ゲンスラーと竹中工務店による、愛知の「MARUWA 瀬戸工場」。郊外に建つセラミック素材メーカーの新工場。目指すべき企業像の表現も目指し、企業と世界・敷地と地域・伝統と未来を繋ぐ“架け橋”となる存在を志向。水平方向に伸びるテラスと屋根を特徴とする建築を考案
- 山之内淡 / AWGLによる、東京・新宿区の住戸改修「Tokyo Clubhouse」。新宿御苑に近い集合住宅での計画。友人が頻繁に訪れる施主の生活に着目し、御苑の在り方と重なる“半プライベート / 半パブリック”な場を志向。天井の凹凸等で“居場所のグラデーション”がある一室空間を作る
- 2024年にアーキテクチャーフォトで注目された作品トップ10(第11回 ap賞 発表)
- ツバメアーキテクツによる、さいたま市の「北向きに建つ保育園」。向かいに生垣のある北側接道の三方を囲まれた敷地。“北向き”等の与条件を活かし、プライバシーを確保しつつ緑や光を導入する建築を志向。道側に大開口を設けた上で気積のある“中間領域”を配置する構成を考案
- 2024年にアーキテクチャーフォトで注目された記事トップ100
- 佐藤総合計画・青森建築家集団による「青森市新市庁舎」。既存庁舎の建替計画。機能の拡張性と市民協働の持続性の両立を求め、改修を想定した仕様の執務空間を持ち上げて地上部分を市民の為の広場とする建築を考案。外観の“ポツ窓”は気候への対応と増築時の施工性を考慮
- HYG ARCHITECTSと櫻井春美による、東京・日野市の「高幡山の家」。山の尾根近くの住宅地に建つ設計者の自邸。“多様な居心地の良い場所”のある住宅を求め、“敷地までの自然豊かなシークエンス”を引き込むような設計を志向。各々の空間と庭が呼応する凸凹の平面形状の建築を考案
- 鎌倉市の新庁舎等基本設計プロポーザルで、日建設計が最優秀者に選定。コンセプトは「ひとつながりの未来の庁舎『鎌倉ONE』」。提案のイメージも公開
- 鈴木亜生 / ASEI建築設計事務所による、静岡・浜松市の住宅「BIOCHAR」。水質等に課題がある湖の畔の敷地。建築と環境の新たな関係を求め、負荷軽減ではなく回復させる“リジェネラティブ”な設計を志向。地域の廃材から“水質浄化機能”をもつ“バイオ炭ブロック”を開発して内外に使う
- 秋山隆浩と磯田和明による、東京・杉並区の「高井戸の保育園」。住宅街の中の公園に隣接する敷地での計画。“園児の遊びの場”などを凝縮した建築を目指し、中央に据えた“ネット遊具”の周りに保育室を配置する構成を考案。擁壁を崩した斜面のある園庭は公園との繋がりも意図
- 鈴木雅也建築設計事務所による、千葉・松戸市の「仲井町の家」。景観と採光や通風に恵まれた土地での計画。“心地よい原初的な”住まいを目指し、間口や棟間隔の調整などで母屋・中庭・離れが一体となる建築を考案。状況に応じて各々が居場所を見つけられる“寛容な空間”も意図
- 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
- MuFF・文化工学研究所・クラウドアーキテクツによる、兵庫・神戸市の「KITASUZUHAUS」。市営住宅の建替えの一環で計画された“暮らし賑わい施設”。地域活性化とコミュニティの創出を求め、施設に集う様子が外側にも滲み出ていく状況を志向。“風通しの良い”木架構の空間に切妻屋根が載る建築を考案
- 吉村靖孝による、TOTOギャラリー・間での建築展「マンガアーキテクチャ――建築家の不在」。建築家の作家性を“不在”にして、7人の漫画家が吉村作品を主題に描いた“建築から発想される世界”を展示。コルシカ・川勝徳重・徳永葵・三池画丈・宇曽川正和・メグマイルランド・座二郎が手掛ける
- 元木大輔 / DDAAによる、東京・千代田区のオフィス「HAKUHODO Gravity」。新築ビルの二つの階での計画。現代の労働環境に求められる“複雑な状況”に応える為、多様な選択肢が“相互に関係しながら機能”する空間を志向。合理性も考慮して既存のフロア材を転用した家具等で場を作り上げる
- 空間構想と風景研究所による、神奈川の「湘南工科大学附属高校図書館」。図書館と教室が入るコロナ禍以降の新しい学びの場。皆での図書館と教室の意味の議論を経て、閉鎖的な壁を“緩やかに解体”して両者を表裏一体に配置する構成を考案。立地と呼応する五角形平面で多方向への顔も作る
- 小野良輔と五十嵐理人による、鹿児島・奄美大島の「母子の家」。施主と母の二人家族の為の住まい。生活スタイルと呼応する在り方を求め、リビングに加え個室も中心になる“多中心な”建築を志向。大小の空間をずらして配置し“生活の中心と空間の機能の主従関係”を反転させる
- 原広司さんが亡くなりました
- 大阪・関西万博の、若手建築家が設計を手掛ける全20施設のパース画像とコンセプト(前編)。前編では、休憩所・ギャラリー・展示施設・ポップアップステージの10施設を紹介
- ザハ・ハディド・アーキテクツとビューロー・キューブ・パートナーズによる、セルビアの「ニコラ・テスラ博物館」。歴史ある工場建築を改修して発明家の博物館にする計画。施設に必要な循環性と機能性の向上を意図し、既存の壁や床を切り欠いて“三次元球形のヴォイド”空間をつくる
- 吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・岡崎市の店舗「ENCとしば太」。外装を触れない木造平屋テナントでの計画。内装だけで環境と接続する方法を模索し、“店舗空間の外部化”と“風景の内部化”のアプローチを考案。客席を部分的にテラス化して周囲と呼応する素材を仕上げに取入れる
- 石上純也建築設計事務所による、中国・山東省の「水の美術館」。湖の上の約“1km”の建築。中国の“茫漠とした風景”という前提に対して、環境と建築を近付け“対等な存在”となる設計を志向。湖の端から端まで延びる“新しい陸地”を“水面にそっと触れる”様にしてつくる
- 「ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965」展の会場写真。パナソニック汐留美術館で開催。円熟期の創作に注目した内容で、絵画・彫刻・素描に加えて建築作品も紹介。会場構成は“ウルトラスタジオ”が手掛ける
- 武田慎太良+篠元貴之+住野裕樹 / MYSTによる、愛知・名古屋市の店舗「ESSENCE」。アロマ等の香りを扱うカフェバーの内装計画。様々な表情を見せる“魅惑的な煙”を参照し、強弱や緩急があり“奥へと誘なう”空間を志向。平安時代から使われる深みのある色を用いて動きのある場に落ち着きも与える
- 岡田一樹 / R.E.A.D. & Architectsによる、東京の「House “H”」。都心の四方が建て込む旗竿地での計画。周囲を気にせず空と庭を眺められる建築を求め、複数の庭の確保を可能にする“H”型平面の建築を考案。家族の暮らしを想像して其々の庭に異なる性質と意味合いを持たせる
- 湯谷紘介+湯谷麻衣 / 湯谷建築設計による、三重・多気郡の「明星の家」。風を伴う雨の多い地域の緑豊かな敷地。無柱のLDKを住居の中心とし、個室群との緩衝帯になり季節毎に表情も変える“L型の廊下を周囲に配置する構成を考案。風土に応える為に適切に軒を伸ばして地域材も使用する
- Atelier Tsuyoshi Tane Architectsによる、東京の住宅「Todoroki House in Valley」
- 竹山聖 / 設計組織アモルフによる、長野の「Villa-M in Karuizawa」。豊かな緑に恵まれた地域に建つ別荘。敷地の“道路の軸”と“地形の傾斜の軸”に着目し、其々に合せた二つの平面系を重ねる計画を考案。軸と呼応させ“未完結な形”とした屋根で建築に“余白と余韻”をもたらす
- 藤原・室 建築設計事務所による、大阪の住宅改修「吹田のリノベーション」。施主が生まれ育った建売住宅を刷新するプロジェクト。“土の質感に囲まれた”感覚を求める施主の為に、内部の床・壁・天井の質感を統一して外壁の一部も作り変える計画を考案。隣接する住宅との視線の関係も考慮
- 伊瀬和裕 / テトラワークスによる、広島・福山市の住宅「駅家の平屋」。長閑な田園も望める住宅街の敷地。日々の生活に潤いを与える存在を求め、“豊かな自然”を暮らしの中に取込む住まいを志向。視線の抜けを最大化する平面形状で風景と対峙するように構える建築を考案
- 長坂常 / スキーマ建築計画による、京都左京区南禅寺草川町の「ブルーボトルコーヒー京都カフェ」
- ザハ・ハディド・アーキテクツによる、中国・深センの「Marisfrolg ショールーム」。ファッション企業の施設内の約3,000㎡のスペース。本社建物で特徴的な“蝶の羽”構造との呼応も意図し、“ダイナミズム”という建築言語を体現する空間を志向。施主が手掛ける製品の特徴“タイムレス”も参照
- 荒尾宗平 / SIDES COREによる、奈良市の店舗「GIGI VERDE Nara」。イベントでのフラワーアレンジも行う生花店。小売・アトリエ・打合せの場を共存させる為に、床の“隆起”で用途に応えると共にスペースを緩やかに分節もする計画を考案。滑らかなカーブは周辺の“地形”もイメージ
- 今津康夫 / ninkipen!による、愛知の店舗「guji名古屋」。出入口が手前に1つしかない600㎡超のL型の区画。奥まで“いかに引き込むか”を課題とし、空間の折れ点に“島状のレジスペース”を据えて中継点とする構成を考案。床材の角度をつけた配置でも人の流れを誘う
- 吉村靖孝による、TOTOギャラリー・間での展覧会の概要が公開。タイトルは「マンガアーキテクチャ――建築家の不在」。吉村の建築作品をテーマに、漫画家のコルシカ・川勝徳重・徳永葵・三池画丈・宇曽川正和・メグマイルランド・座二郎が描き下ろす


スキーマ建築計画 / 長坂常の、設計スタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
中途設計スタッフ、新卒設計スタッフの募集(2025春採用)
私たちスキーマ建築計画では、既存の建築の枠を超え、新しい視点や価値観を発見することを目指しています。
そのために、「引き算」「誤用」「知の更新」「見えない開発」「半建築」といった独自のアプローチを用い、これまでにない建築を生み出す挑戦を続けています。短期的な効率性や利益追求を目的とした計画ではなく、持続可能な日常を探求し、人や自然を中心としたコミュニティづくりに貢献することを目指しています。
クライアントと共に未来を想像し、住宅から公共施設まで、地域に根ざした設計から国際的なプロジェクトまで、ジャンルやスケール、エリアを超えた多様な活動を展開しています。そんな挑戦に心躍る方をお待ちしています。一緒に活動しましょう。(長坂常)
【組織体制について】
スキーマでは独立までの成長のプロセスを考え、独自の体制でプロジェクトを進めています。設計スタッフは「ルーキー」と「メジャー」に別れ、ルーキーは、初年度から自立しプロジェクトを遂行できるまでの期間、代表である長坂が密に指導し、プロジェクトを進行からデザインまで一緒に進めます。
ルーキーは、他のメンバーと互いに協力・意見交換を行いながらチームビルディングを体験する段階でもあります。経験を積んだスタッフはメジャーとなり、長坂の管理範囲はデザインに絞られ、それ以外の進行などは経験豊富なプロジェクトマネージャー陣がサポートします。メジャーは自立への一歩とし、自由と責任を持ってプロジェクトを進行していくことを目標として取り組みます。
このような体制を敷いたのは、一人一人が長坂とダイレクトにコミュニケーションを取り、個性を持った建築家に成長してもらうことで、組織全体の底上げを図りたいという思いからです。
【プロジェクト内容】
街のコミュニティスペース、美術館、ショップ、レストラン、住宅、工場、ホテル、銭湯、学校、神社など、多種多様なプロジェクトに日々取り組んでいます。それは、日本国内も北から南までさまざまで、国外も韓国、中国、台湾などのアジアから、アメリカやヨーロッパなど、幅広く案件をいただいています。
スケールとしても建築、内装、家具といった枠の中にとどまらず、まちづくりなども考え、プロジェクトを進めています。




楠元彩乃 / ayarchitectsが設計した、東京・新宿区のオフィス「Path of the wind」です。
両端に開口部のある5階の区画での計画です。建築家は、“気持ちの良い風”が抜ける様子に着目し、空間を貫くように“風道”を配置する構成を考案しました。そして、床材の切替でエリア分けを行うと同時に用途に沿った床材の選択も意識されました。
東京・新宿区高田馬場にある不動産業を営むオフィスの改修である。
駅前から続く通りを抜けると、専門学校や、雑居ビルなどが立ち並ぶ多様な要素が混在するエリアに敷地はある。少し高台に位置する公園と、川に挟まれた敷地はちょうど緩やかな盆地のような格好になっていて、5階に位置することもあり、気持ちの良い風が抜ける。
そこで既存のビルが持つ南北に大きく取られた開口をきっかけとして、フロア全体に風や光、人が抜けるような“風道(かぜみち)”を中心に通した。
オフィス部分と、コア部分(キッチン、トイレなどの水回り、EV、非常階段出入り口、物置などの諸室)に風道からそれぞれアプローチする。風道には使用頻度を考慮し、リノリウムという耐久性が高い天然素材を採用した。オフィス部分には、ゆったりと過ごしてもらえる落ち着いた色味のカーペットを使用している。
また既存のサッシの腰下には、木やフレキシブルボードなどを回し、空間のアクセントとした。

妹島和世+西沢立衛 / SANAAが、2025年の王立英国建築家協会ロイヤル・ゴールド・メダルを受賞しています。
1848年から続く歴史ある賞です。過去の日本人受賞者としては、丹下健三・磯崎新・安藤忠雄・伊東豊雄が名を連ねています。歴代の受賞者には、ピーター・ズントー、ヘルツォーク&ド・ムーロン、アルヴァロ・シザ、レム・コールハース、ザハ・ハディドも含まれています。記事の後半では、SANAAの代表作品の写真も掲載します。
王立英国建築家協会(RIBA)の会長で、2025年RIBA栄誉賞委員会の委員長を務めるMuyiwa Okiのコメント
(アーキテクチャーフォトが翻訳)進化する建築の理論と実践において、控えめながらもインパクトのあるリーダーシップを発揮しているSANAAのデザインは、建築が機能性と深い優雅さを両立できることを示しています。この分野における真の先駆者である彼らは、持続可能でユーザー中心のデザインに対する揺るぎない献身により、他の人々のために静かに道を切り開き、私たちの建築環境の未来にインスピレーションを与える基準を打ち立てました。
数十年にわたって際立った明快さと一貫性を示してきた彼らの作品は、建築の変容力を示す永続的な証となっています。それは、喜びを鼓舞し、帰属意識を生み出し、私たちを私たちが暮らす環境と結びつけるものです。
以下に、SANAAの代表作品の写真も掲載します




堤由匡建築設計工作室が設計した、中国・上海市の店舗「slide」です。
中華民国時代の建築家の自邸を改修したセレクトショップです。建築家は、改修が繰り返された既存に対し、原設計者の“思想を引き戻す”と同時に“利用者の記憶も残す”設計を志向しました。そして、独自の“軸回転什器”をメインとする計画を考案しました。
上海の旧フランス租界、永福路のセレクトショップ。
テナントとして入る建築は、中華民国時代の建築家であり土木エンジニアでもあった過養黙が設計した旧自邸である。抑制された装飾、中央の垂直線、丸窓など、ウィーン分離派の影響や、モダニズムの萌芽も感じられる建築である。
過養黙自身がここで過ごした時間は短く、その後は度重なる改修がなされたようである。そこで我々は改修により付け足された余分なものを削ぎ落として過養黙の思想を引き戻し、同時にこれまで利用してきた人々の記憶を残すことを意識した。
要求されたプログラムはカフェを併設した服飾のセレクトショップであると同時に、イベントスペースとしても使うことが想定されている。そこで、支柱を軸に180度回転する什器を考えた。イベント時は180度回転させ、商品を背板の後ろに隠し、また90度回転させれば閉店のサインともなる。
什器はメープル合板とステンレスパイプを用いてインダストリアルな作りとしている。床は土間コンクリートにステンレスのレールを埋め込み、表面を軽く洗い出している。天井は複雑な増改築の跡が見えるが、木造部分のみ現しとし、その他の構造は白く塗りつぶした。入口から突き当たりに見える壁は、以前の仕上げを剥がしただけのRC壁を現しにし、時代の積層をデザインとして見せている。


連勇太朗が代表理事を務め、“新たな住環境モデル”の発明を目指す「CHAr」の、設計スタッフ(2025年新卒・既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
【CHArについて】
NPO法人CHAr一級建築士事務所は、「つながりを育む、まちをつくる」をビジョンに掲げ、デザイン・建築設計・まちづくりを軸としながら、自社サービスの運営を通じて多様なアクターと協働しながらプロジェクトを進めている組織です。
人/時間/空間を再び繋ぎ合わせ、新たな価値観と想像力によって、21世紀の社会に求められるネットワークを創造することを目指しています。現代における住環境には住宅や家といったビルディングタイプに限定されず、地域社会やコミュニティまで含めた包括的な視点から住環境モデルの大胆な構想と再編が求められています。CHArは小さな手すりの改修から、大きな都市の計画まで、スケールや領域を横断しながら次の時代に求められる新たな住環境モデルを発明し、実装することをミッションとします。
これまでは改修設計や利活用提案・コンサルティング・自社事業の運営が中心でしたが、それぞれの事業・協働者が成長し、これまでよりも規模の大きい設計案件や地方の案件・ユニークな案件が増えてきています。一方でほんの小さな変化で空間の質が変容するようなミクロなデザインのクオリティも追求しています。
また建築設計だけにとどまらず、企画提案・プログラム提案・プログラム開発・事業モデル開発など、多岐にわたる業務を横断しながらプロジェクトを進めています。
建築・まちづくり・クリエイティブへの情熱があり、建築設計を軸足としながらさまざまなチャレンジをしたい方のご応募お待ちしています!




岩元真明+小嶋雪乃+屋宜祐李佳+渡邉雪乃 / 九州大学岩元真明研究室が設計した、福岡市の「九州大学オープンイノベーションプラットフォーム(OIP)」です。
産学官連携を先導する組織の新拠点です。建築家は、大学の活動の伝達も意図し、演習林の1本の杉を素材に選んで内装から家具にまで“無駄なく使い切る”計画を考案しました。また、学内の什器類の再利用も積み重ねてサーキュラーデザインも実践されました。組織の公式サイトはこちら。
九州大学の産学連携を司る九大OIP株式会社の新拠点「九州大学オープンイノベーションプラットフォーム(OIP)」の内装計画。研究の事業化支援や産官学連携の仲介などを行うオフィスであり、学外者の来訪も多い。
そこで、大学の多様な活動を垣間見せることをコンセプトとして設計を行った。
全体は約21x22mのワンルーム空間であり、大中小3つの会議室を島状に配置し、3つの部署とエントランスラウンジをゆるやかに分節した。各々の会議室とオフィスの各所では、大学演習林で育った木材や、戦前から使われてきた歴史的什器、学内研究者が開発した新建材など、学内の教育研究資産が積極的に活用している。
大学全体をいわば鉱山と捉えて材料をかき集め、教育研究活動の魅力を空間として表現する、大学ならではのサーキュラーデザインの実践である。
九大福岡演習林から樹齢約60年の杉を1本選び、内装材および家具材として使用した。
コンセプトは大径木の魅力を活かしつつ、無駄なく使い切ること。そのために材料調達プロセスを精緻にデザインし、伐採・製材・乾燥・加工の各段階において関連業者と緊密な連携を行った。具体的には、まず樹高約30mの立ち木を選び、そこから長さ2.8mの丸太10本を取る。次に、これらの丸太を短冊状に製材し、45mm厚の板材61枚と年輪材1枚を得る。このうち41枚の板材は小会議室の自立壁に使用。室内外に木の自然な曲線が表れる「杉板挽き放し」の壁である。
続いて、残った板材からオフィス各所のテーブルやスツール、デスク脚を制作。最後に、それでも余った端材をかき集めてエントランスのカウンターを造作した。これは将来のための木材ストックを兼ねた家具である。




山田優+小阿瀬直+大嶋励 / SNARK Inc.が設計した、京都市の「n’estate Kyoto-Arashiyama」です。
古民家を改修したカフェと民泊施設の計画です。建築家は、元の佇まいを尊重して既存を再利用すると共に、現代的な用途を“歴史ある地域の空気感と共に再構築”する設計を志向しました。そして、開口や素材のトーンを揃えて一体的な施設として作り上げました。施設の場所はこちら(Google Map)。
三井不動産グループが多種多様なくらしのあり方を提案する “n’estate” の拠点として、京都嵐山に四半世紀以上前に建てられた古民家を一棟貸しの民泊とカフェにリノベーションするプロジェクトである。
時代や住まい手の変化への対応で何度も改装が重ねられ、地層のようになった壁床天井を剥がしながら間取りを整えた。
民泊とカフェの事業主体が異なることから内部での行き来はできない構成となっているが、両エリアの気配を感じさせる内部の開口やマテリアルのトーンを揃えることで一体的な施設として設計をしている。民泊の3つの宿泊室はキーカラーを定め、それぞれの部屋の形状や環境に合わせてトーンを変えることで、共通の素材を使用しながらもそれぞれの部屋の特徴を引き立てている。浴室に計画したサウナは茶室の炉のようにストーブを囲む構成とし京都の文化との接点を持たせた。
カフェは人通りの多い前面道路から手入れが行き届いた立派な庭へ通り抜けるように動線を計画した。庭に面した縁側はタイルで仕上げ直し、ディスプレーや補助的な客席、イベント時のステージなど多目的な使い方ができる余地を残した。
縁側のカフェと民泊の境界に設けた開口は両エリアの視線の抜けと広がりを確保し、民泊とカフェの分断を和らげている。立派な古民家の佇まいを尊重し既存部分を再利用しながら、現代的な用途を歴史ある地域の空気感と共に再構築した。


地域や都市に繋がる建築をつくる「須藤剛建築設計事務所」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)と バックオフィス職 募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
株式会社須藤剛建築設計事務所は、設計スタッフ、バックオフィススタッフを募集しています。
【私たちの事務所について】
「ビジョン」
私たちは、地域文化を大切にし、「建築を通して、暮らしや社会に新しい価値をつくること」を目指して建築設計を行っています。「現在のプロジェクト」
住宅、集合住宅、地域拠点施設、宿泊施設、商業施設(飲食店、複合施設など)など、多岐に渡っています。どのプロジェクトも用途や慣習などの既製概念にとらわれず、これからの建築のあり方を考えながら建築設計を行っていることが特徴です。「多様なプロジェクト、多様なチームとの協働」
クリエイティブ企業やマネジメント組織など、建築だけでなく様々な分野とチームを組みながら設計を行っていることも特徴です。 設計の実績が増え、建築の規模も大きくなる一方、住宅や小規模な店舗など、様々な規模の建築に深く取り組める体制を整えています。「建築設計の前後の活動」
企画提案やリサーチなど建築がつくられる前提条件や運営など、建築設計の前後の活動にも取り組んでいます。不確実なこれからの時代に、より良い建築を実現していくためにも設計以前の建築企画や事業提案には近年さらに力を入れています。「自社施設の運営」
昨年、事務所を移転し、事務所に併設して、設計活動を通してつながった人や店舗との関係を活かし、店舗や飲食店を複合した小さな地域拠点施設「CaD(カド)」をオープンしました。自社施設の運営や自主企画を通し、能動的に都市にアクションを起こし、関わる人々を増やしながら都市や地域とつながる建築のあり方とカタチについて考えながら建築設計を行っています。【私たちが求める人物像】
・建築に熱意を持って取り組める方。
・前向きでコミュニケーションをしっかりとることができる方。
・独立志望の方も、長く働いていきたい方も共に歓迎しています。ご応募お待ちしています。



ツバメアーキテクツが設計した、東京の「分岐の家」です。
コロナ禍が落ち着いた時期に計画を開始したプロジェクトです。建築家は、先々の変化の想定が難しい社会状況において、様々な選択を可能にする“未来の分岐点”が多数ある建築を志向しました。そして、母屋と離れの二棟を切断も可能な“ブリッジ”で繋ぐ構成を考案しました。
コロナ禍が落ち着いた頃に設計を開始した家である。
社会の想定がこの先もどう変わるか分からない時に、家の未来に分岐点を増やすことを主題として設計に取り掛かった。最終的に、切り離し可能なブリッジをもつ2棟の家というアイデアに至った。
比較的ゆったりしていて南北に2面接道している敷地に対し、母屋と離れの2棟のヴォリュームを建て、空中をブリッジで繋いだ構成をしている。それぞれの棟からキャンティレバーで成立しているブリッジは真ん中で切断することができる。そのブリッジを起点にし、閉じる、階段を付ける、切り離す、あるいはブリッジごと切り落とすなどといった一手を加えることで、家を残す/壊すの間が押し広げられる。
将来的に子供が家を出たら片方の棟を地域の若者に貸す、老後に自分たちが運営する店やクリニックをつくる、2棟をそれぞれ別の人に貸す、片方を庭にしてコンパクトに暮らす、相続などで止むを得ず片方の土地を売るなど分岐点の多さが描けると、建築が一気に壊され、街並みが細切れになるといった住宅地における新陳代謝の傾向をもシフトさせられるのではないだろうか。


大型3Dプリンタでの建築部材の製造を通じて、建築の新たな可能性を探求する「株式会社DigitalArchi」の、デザインリード(設計経験者 歓迎)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
【未来をつくる建築に挑戦しませんか?】
私たちDigitalArchiは、大型3Dプリンタを活用し、サスティナブルな建築部材を製造・販売することで、新しい時代にふさわしい建築を創造しています。デジタル時代の技術を駆使しながら、建築の醍醐味を仲間と分かち合い、未来のスタンダードを築くことを目指しています。
新しい技術や建築の可能性に挑戦したい方、ぜひ私たちと一緒に未来を形にしましょう。
【Message】
建築空間の新しい可能性を探求することに本気で取り組んでいます。建築用大型3Dプリンタを用いてコンピュテーショナルファブリケーションを実践し世界に発信するスタートアップ「DigitalArchi」の設計部門を統括する挑戦者・冒険家を求めています。

SHARE 日本橋高島屋での「ヒュッゲな暮らしをデザイン 北欧のあかり展」の入場チケットをプレゼント。北欧で誕生した約100点の名作照明器具とそのデザイナーを紹介。照明と家具をコーディネートし、あかりを体験できる場も用意
- 日程
- 2025年3月5日(水)–3月24日(月)

日本橋高島屋での「ヒュッゲな暮らしをデザイン 北欧のあかり展」の入場チケットを抽選でプレゼントいたします。
北欧で誕生した約100点の名作照明器具とそのデザイナーを紹介する内容です。また、照明と家具をコーディネートし、あかりを体験できる場も用意されます。会期は、2025年3月5日~2025年3月24日まで。展覧会の公式サイトはこちら。
入場チケットプレゼント企画の応募締切は、2025年2月25日(火)9時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。
居心地の良い時間や空間を意味する「ヒュッゲ」というデンマークの言葉があります。
北欧の人々は、照明器具やキャンドルの「あかり」をうまく用いながら、「ヒュッゲな暮らし」を楽しんでいます。本展覧会では、北欧の人々の住まいで使われているあかりや建築と調和しているあかり、そして北欧からどのようにして質の高い照明器具が生まれたのかを捉えながら、この100年の間に北欧で誕生した約100点の名作照明器具とそのデザイナーを4章に分けてご紹介します。また北欧のあかりを体験できる場や北欧のあかりと日本について考える場もご用意しました。
以下に、展示作品の写真なども掲載します。


多岐にわたる建築物を手掛ける総合不動産デベロッパー「シマダアセットパートナーズ」の、意匠設計・インテリアデザイン・構造設計のスタッフ 募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
【会社概要】
シマダアセットパートナーズは、戸建て・集合住宅、ホテル、介護施設、事務所、保育園など、多岐にわたる建築物を手掛ける総合不動産デベロッパーです。
11年連続でグッドデザイン賞を受賞し、デザイン性を活かした独自の建物づくりに注力しています。
私たちは、土地の仕入れから設計、建築、その後の運営まで、一貫して取り組んでいます。建物は「建てて終わり」ではなく、そこで過ごす人々に「いい時間」が流れることを目指し、地域や暮らしに根ざした建物をデザインしています。【仕事内容】
自社で取得した用地に対し、企画・設計・現場監理を一貫して担当していただきます。
プロジェクトは多岐にわたり、新築の木造・RC等の集合住宅、介護施設、オフィス、ホテル、住宅の主担当として、設計監理や各セクションの取りまとめを行っていただきます。【弊社の強み】
企画から設計、現場管理まで主体的に関わることができ、柔軟な発想で建物づくりに取り組む会社です。各プロジェクトにおいて、地域や建物に合わせた「オンリーワン」の設計・企画をすることができます。
また、グループ内でホテルや介護施設、飲食業などの運営も手掛けているため、設計段階から運営部門と密接に連携してプロジェクトを進行させることが可能です。これにより迅速な対応ができるだけでなく、一連の事業の流れを深く理解することができ、設計業務にとどまらず、運営と一体となって事業を推進するための多様なスキルを習得する機会を得ることが出来ます。市況に合わせてフレキシブルに事業を変化させることができるのもシマダアセットパートナーズの強みです。
※グループ内ですべての事業を行っているため、プロジェクトが途中で止まることは少ないです。




nendoが設計した、長野・軽井沢町の「手をつなぐ家」です。
生い茂る木々や眺望も楽しめる敷地での計画です。デザイナーは、土地の特徴と家族の暮らしを考慮し、機能を割当てた“6つの小屋”を点在させて“柔らかく繋ぐ”構成を考案しました。そして、各自の時間が尊重されつつ皆で生活する一体感も感じられる住まいとなりました。
軽井沢町に位置する約5,800㎡の傾斜地に建つ、2人の子供を持つ4人家族のためのウィークエンドハウス。
生い茂る木々や浅間山への眺望など、心地良い多様な景観が楽しめる地形を活かすよう、まずは大きなテラスを斜面にせり出すように配置。そして、その上に20㎡程度の「小屋」を6個点在させた。
それぞれの小屋はわずかに異なる方向を向くようにし、屋根の高さは景色に合わせて変えた。
キッチンやダイニング、寝室などの機能をひとつひとつの小屋に割り当て、まるで屋根がそれぞれ「手をつなぐ」ように、最後に小屋を柔らかくつなぎ合わせた。
こうすることで、特徴や快適さの異なる小さな居場所が複数生まれると同時に、ひとつの屋根の下で暮らしている一体感も感じられるようになった。
それは、まるで適度な距離感でひとりひとりの時間や個性が尊重されつつ、そこで暮らす家族の一体感やつながりを感じることができる、まさに「手をつなぎあっている家族」の様子をそのまま体現したかのような住まいとなった。