
藤本壮介による講演「Between Nature and Architecture」の記録が東西アスファルト事業協同組合のウェブサイトで公開されています。2024年2月に行われたもの。
藤本壮介による講演「Between Nature and Architecture」の記録が東西アスファルト事業協同組合のウェブサイトで公開されています。2024年2月に行われたもの。
坂茂による講演「作品づくりと社会貢献の両立を目指して」の記録が、東西アスファルト事業協同組合のウェブサイトで公開されています。2024年2月に行われたもの。
MVRDVによる「SOMBRAパヴィリオン」です。
ヴェネツィアでの展覧会“Time Space Existence”の為の作品です。建築家は、環境と調和する新しい建築の実例として、モーター無しでパネルが開閉して遮光する“動的建築要素”を考案しました。企業とのコラボでソフトロボティクスの原理に着想を得た機構を実装しています。展覧会の公式サイトはこちら。会期は、2025年の晩秋まで。
こちらはリリーステキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)
太陽への賛歌:ヴェネツィアのSOMBRAパヴィリオンの動的遮光システムは、電子機器やモーターを必要としません。
ヴェネツィアで開催される「タイム・スペース・エグジスタンス(Time Space Existence)」展のために、MVRDVはMetadecor、Airshade、Alumetなどと協力して、SOMBRAパヴィリオンを制作しました。その形状はヘリオドン装置に着想を得ており、今後6か月間にわたり、この「太陽への賛歌」はヨーロピアン・カルチュラル・センターのジャルディーニ・マリナレッサで動的な遮光構造を提供します。SOMBRAパヴィリオンは、その名称がラテン語の「太陽(sol)」と「影(umbra)」を組み合わせた混成語であるように、革新的な技術のデモンストレーション手段として機能します。それは、電子機器やモーターを使用せず、完全に受動的な物理原理のみに基づいて動作する動的建築要素です。
このパヴィリオンの6本の金属製リブは太陽の方向に傾けられており、上部と下部のアーチはそれぞれ夏至と冬至の太陽の角度に対応しています。これらのアーチは、以前のプロジェクトから再利用された梁で作られており、三角形のパネルを支えています。そして、そのパネルは、MetadecorのMD Formaturaによる穴あきスクリーンのおかげで、斑(まだら)状の日陰を生み出します。これらのパネルには蝶番が取り付けられており、太陽の動きに応じて開閉します。静止状態では、遮光スクリーン越しの眺望を最大限に確保するために、パネルは開いた状態になっています。しかし、強い直射日光が当たると、各パネルは閉じて最大限の日陰を提供します。その印象はまるで生きている有機体のようで、太陽が空を移動するにつれて姿勢を変え、曇りの時にはため息をつくかのようです。
これらすべては、Airshadeのおかげで、自然の物理原理のみを用いて実現されています。この構造のアーチ状のリブには、一連の小型エアキャニスターが内蔵されています。構造の一部が太陽によって加熱されると、キャニスター内の圧力が上昇し、空気が構造体とパネルをつなぐ小さなエアバッグに送り込まれます。ソフトロボティクスの原理に着想を得た機構を用い、エアバッグが膨らむと筋肉のように収縮し、蝶番にあるバネの力に対抗してパネルを閉じます。したがって、このパヴィリオンは、光・熱・換気を動的に制御する建築実験であり、運用時の炭素排出量はゼロです。
「気候危機が加速する中で、より環境と調和した新しい建築が必要であることは明らかです」と、MVRDVのパートナーであるベルトラン・シッパン(Bertrand Schippan)は語ります。「SOMBRAは、この哲学に対する数あるアプローチの一つを示す実例です。その建築は環境を感知し、植物がそうするのとほぼ同じ方法でそれに反応します」
教育や福祉の施設を中心とし、多数の受賞歴で建築界と依頼者に評価される「アプルデザインワークショップ」の、設計スタッフ(経験者・既卒・新卒)と アルバイト 募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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【急募】株式会社アプルデザインワークショップ(APLdw)では、設計スタッフおよびアルバイトを募集します。
私たちは、組織設立以来三十数年にわたり、業務施設や福祉施設、教育施設を中心に、建築からリノベーション、インテリアまで幅広く設計に取り組んできました。また、工場やキャンパスなどのマスタープランなど広域計画も手がけています(当社のウエブサイトに主要な作品を掲載しています)。
我々が手がけた多くの設計プロジェクトは、権威ある建築賞を多数受賞するなど建築界から高い評価を得ています。また、依頼者にも高い満足をいただき継続的に発注を頂いています。大野秀敏・江口英樹・山本真也
革新的な暮らしとアップデートを目指し、“次世代スマート住宅”の開発に取組む「株式会社MW」の、建築設計(経験者・既卒)と 3DCG制作のスタッフ 募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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私たちMWは「世界で最も革新的に暮らしをアップデートする企業」を目指し、意匠性に優れた次世代スマート住宅「MW」シリーズの開発を進めているスタートアップです。
起業家の成田修造とクリエイティブディレクター、設計事務所代表の3名で2024年に共同創業し、現在は東京・横浜・福岡でプロトタイプ5棟の建設を進めています。
10年後には、建築とソフトウェア、ロボティクスが完全に融合した次世代の住宅を国内外で年間700棟以上建設する野心的な挑戦を掲げており、その最前線で創業メンバーとしてこれからのMWを一緒に作り上げていく設計メンバーを募集しています。
【代表メッセージ】
私たちは、人々の暮らしを飛躍的に進化させる革新的なプロダクトを創り続けることを目指しており、現在は「住宅」をテーマに、革新的な製品を生み出していきたいと考えています。住宅は〈衣食住〉の要であり、一日の大半を過ごす、人類にとってかけがえのない場所です。
本来、建築・テクノロジー・サービスの進化に呼応して住宅体験も大きく向上すべきところですが、長きにわたり巨大なプレーヤーが市場を確立し、テクノロジーの活用は限定的で、変革の速度は残念ながら他の業界に比べ著しく緩慢です。
Google、iPhone、ChatGPT――こうしたプロダクトが暮らしを非線形に刷新したように、私たちもそれに比肩するイノベーションを住宅領域にもたらすスタートアップカルチャーを育み、最先端の技術と思想で生活体験をアップデートし続ける企業となります。
我々が現在取り組んでいるのは、美しく豊かな空間と独自に開発したスマートホームソフトウェアが結合した新しい住宅製品の開発です。空間の豊かさの追求とともに、音声AIやセンサー技術を活用し、住宅内の家電を動的に、自律的に制御することで、今までにないような生活体験を提供します。
また、中長期では世界から家事をなくすため、AIロボットを開発しており、建築空間とAI、ロボットを結合したこれまでにない全く新しい住宅製品を作ることで、生活体験を根本から変えることを目指しています。
会社とは、個人の欲求を超え、ひとりでは成し得ない壮大なビジョンを実現する装置です。「トヨタの自動車」「ソニーのウォークマン」「AppleのiPhone」「TeslaのEV」がチームゆえに誕生したように、私たちも時代の才能が集まることで「MWの家」を創りあげ、暮らしと社会をアップデートしていきます。
このビジョンに共感し、既存の住宅概念を根底から問い直し、技術とデザインの最前線で未来の暮らしを形にしたい――そんな野心を抱く設計士の皆さまのご応募を、心よりお待ちしています。
トラフ建築設計事務所の会場構成による「士郎正宗の世界展~『攻殻機動隊』と創造の軌跡~」です。
“攻殻機動隊”などで知られる漫画家の展示です。建築家は、未来を描く世界への時間の層の追加を意図し、経年変化のあるパネルを壁面に用いる計画を考案しました。また、単管パイプを組んだ展示壁で作品の主題と呼応する透過性と浮遊感も創出しました。展覧会の公式サイトはこちら。
世田谷文学館で開催された「士郎正宗の世界展~『攻殻機動隊』と創造の軌跡~」の会場構成を担当。
『アップルシード』『攻殻機動隊』『ドミニオン』『仙術超攻殻ORION』など、情報と構造が交差する作品群を、「アナログ原稿」「デジタル出力原稿」、蔵書やコメントとともに多層的に体感できる空間を目指した。SFや漫画に注力してきた同館の30周年を飾る展示である。
観客が物語に段階的に没入できるよう、入口に大きな暖簾を設置。くぐる行為が現実から作品世界への移行となる。冒頭には作家の活動年表を配し、展示への導入とした。
経年変化の残るパネルを壁面に用い、剥がし跡を活かして記憶の堆積を感じさせる静かな空間を構成。蛍光の黄色い紙に出力されたサインを貼り、荒れた壁との強いコントラストが動線を導く。過去の痕跡が未来を描く世界に時間の層を加える。
中央には『攻殻機動隊』を象徴的に配置し、単管パイプの構造体で展示壁を構成。透過性と浮遊感が、テクノロジーと身体、都市とネットワークといった主題を建築的に表現する。
企業の研究施設や離島での開拓プロジェクトなどに取組む「植原雄一建築設計事務所」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)と アルバイト 募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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業務拡大に伴い、設計スタッフおよびアルバイトを募集します。
当事務所は、グラフィックデザイン事務所、アーティストのスタジオと空間をシェアしており、日々異なる分野のものづくりと交差する、刺激的な環境となっています。
建築・インテリアの設計を軸に、企業の研究施設や住宅新築、離島での開拓プロジェクトなど、幅広い案件が進行中です。多様なスケールで、建築の可能性に真摯に向き合える方のご応募をお待ちしております。
ヘザウィック・スタジオによる「スペースガーデン」の大型模型です。
ベネチアビエンナーレ国際建築展で公開されました。スペースガーデンは、宇宙を“人間らしい空間”にする実験として、宇宙での自律型園芸を探求するプロジェクトです。デザイナーは、異なる植物種が収められた30個のポッドが群となる形態を考案しました。展覧会の公式ページはこちら。
こちらはリリーステキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)
スペースガーデン:地球の課題への解決策としての宇宙探査(ベネチアビエンナーレ国際建築展2025にて)
・ヘザウィック・スタジオとオーレリア研究所が提携し、宇宙における自律型園芸を探求する近地球軌道プロジェクト「スペースガーデン」を創設
・スペースガーデンの大型模型が、第19回ベネチアビエンナーレ国際建築展に展示されます
・スペースガーデンの開発は進行中であり、近い将来に実世界でのコンセプト実証を行う計画があります
今年のベネチアビエンナーレ国際建築展は、宇宙と持続可能性に対する私たちの認識に挑戦する先駆的な新プロジェクトを紹介します。スペースガーデン、地球外の居住空間を人間らしくし、地球上の生活を向上させるようにデザインされた革新的なコンセプトです。ヘザウィック・スタジオとオーレリア研究所の協力により生まれたこのプロジェクトは、宇宙環境における自然の役割についての私たちの考え方を再定義します。
建築と人間中心のデザインに対する革新的なアプローチで知られるヘザウィック・スタジオは、MIT卒業生で宇宙建築家、そしてオーレリア研究所のCEOであるアリエル・エクブロー博士(Dr. Ariel Ekblaw)との対話を経て、この野心的な道のりに乗り出しました。スペースガーデンは、宇宙建築における抜本的な変革を提案します――それは、人間の幸福、持続可能性、そして極限環境においてさえ自然とのより深いつながりを優先するものです。
「私は宇宙に魅了されています。でも、意外かもしれませんが、それ自体にではありません。むしろ、宇宙が人類の地球での生活をより良くする可能性に惹かれているのです」とトーマス・ヘザウィックは語りました。「多くの種類のマイクロチップ、生体組織、そして医薬品は、低重力環境の方がより良く製造できることが研究によって示されています。宇宙技術が進歩するにつれて、宇宙で働き生活する人々の数が増えていくのは必然です。しかし、宇宙居住空間の設計は常に生き延びることを目的としており、豊かに生きることが考慮されたことはありませんでした。スペースガーデンは、限られた空間でも精神的な健康に良い影響を与える植物種を育てることで、宇宙を人間らしい空間にするという実験として始まりました。しかし最終的には、地球低軌道という独自の“裏庭”を活用して、地球上の生命に利益をもたらすことにもつながっています」
ミリメーター社が製作した4メートル四方の大型スペースガーデン模型がアルセナーレに展示されており、来場者にそのヴィジョンをより具体的に体感させています。その有機的な形状は、30個のポッドが群となった構成をしています。それぞれのポッドには、地球上のコミュニティガーデンで育てられた異なる植物種が収められています。また、成長用ポッドの一つの断面模型が、オーレリアがオートデスク・リサーチ・レジデンシー・プログラムに参加する一環として、ボストンのオートデスク・テクノロジー・センターで製作されました。中央のチャンバーには、特に魅力的または文化的に重要とされる代表的な植物種が配置されています。それは、ザクロの木であり、人類が最も早く栽培した植物の一つです。
これらのチャンバーは開閉可能で、宇宙のデブリからの防護や最適な日光の取り込みを可能にし、有機的で機能的な形状を形成しています。外側の表面には太陽光発電セルが備えられています。
浜田晶則建築設計事務所が設計した、大阪・関西万博の「土の峡谷(トイレ4)」です。
トイレと休憩所の機能を持つ施設の計画です。建築家は、“現代の人間の巣のような未来の建築像と社会”の提示を意図し、土を出力可能な3Dプリンターを用いた“峡谷”の様な建築を考案しました。また、国内で入手可能で全て自然に還せる素材で作りました。施設の場所はこちら(万博公式PDF)。
多くの建築や都市は水平垂直のエレメントで構成されている。
しかし、自然界でみられるかたちは有機的で、それらで構成される環境とのインタラクションによって、生物は身体の感覚を頼りにして生きている。もし今人間が建築をつくるための新たな合理性を発見したとすると、それはどんな形になるだろうかと考えた。例えば3Dプリンターなどのロボティクスによって、形の作り方が加算的になり、形の複雑性によるコスト要因が時間のみになったなら。そして本当に身体に必要な形を身の回りの素材をかき集めてつくる、現代の人間のための巣ができるとするならば、それは新しいバナキュラー建築になり得るのではないだろうか。
私たちは、土を出力することが可能なWASP社の建設用3Dプリンターを用いて、峡谷のような建築とランドスケープを計画した。
身の回りの素材であり、プリミティブな素材である土を用いている。重く、弱く、現代の素材とはかけ離れて扱いづらい素材であるが、大地に還すことができる素材を用いて、新たな建築材料として利用する。それを通して、各地域の土地からとれる土を使った、現代の人間の巣のような未来の建築像と社会を提示したいと考えた。
プリント素材には土、粘土、硬化剤、藁、顔料、海藻糊を用いており、日本の伝統構法である土壁から学び材料を選定している。それらは強度やプリントのしやすさだけでなく、全て日本国内で入手できることや、会期後の解体時に全て自然に還せることを条件に選ばれている。
硬化剤に採用した酸化マグネシウムは、水と土とを混ぜることで硬化反応を起こす物質であり、プリント後に3日間湿潤養生した後に乾燥させることで高い強度を発揮する。ここで3Dプリントされた形状は、自然界に存在する有機的な曲線をベースとしており、日本全国で採取した石を3Dスキャンしてサンプリングした形状データを複数融合して作られている。
さらに土が自立するための構造的な合理性を実験により算出し、オーバーハングの制約条件に基づき形態最適化を行い、最終的な形状を決定した。
藤本壮介による、森美術館での展覧会「藤本壮介の建築:原初・未来・森」の入場チケットを抽選でプレゼントいたします。
活動初期から進行中の計画まで網羅的に紹介する大規模個展です。模型・図面・写真に加え、インスタレーションや空間を体験できる大型模型なども公開されます。展示会期は、2025年7月2日~11月9日まで。展覧会の公式ページはこちら。入場チケットプレゼント企画の応募締切は、2025年7月4日(金)13時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。
藤本壮介(1971年、北海道生まれ)は東京とパリ、深センに設計事務所を構え、個人住宅から大学、商業施設、ホテル、複合施設まで、世界各地でさまざまなプロジェクトを展開しています。
2000年の《青森県立美術館設計競技案》で注目を集めたのち、《武蔵野美術大学美術館・図書館》(2010年、東京)、《サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン2013》(ロンドン)、近年では集合住宅《ラルブル・ブラン(白い樹)》(2019年、フランス、モンペリエ)や音楽複合施設《ハンガリー音楽の家》(2021年、ブダペスト)などのプロジェクトを次々と完成させ、高い評価を得てきました。現在は「2025年大阪・関西万博」の会場デザインプロデューサーを務めるなど、いま、最も注目される日本の建築家の一人です。
本展は、藤本にとって初の大規模個展です。活動初期から世界各地で現在進行中のプロジェクトまで網羅的に紹介し、四半世紀にわたる歩みや建築的特徴、思想を概観します。展示では、模型や設計図面、竣工写真に加え、インスタレーションや空間を体験できる大型模型、プロトタイプ(試作モデル)なども含まれ、建築に携わる人だけでなく、だれもが藤本建築のエッセンスを体感できる、現代美術館ならではの展覧会となります。さらに、藤本による未来の都市像の提案を通し、建築の存在意義や可能性についての考察も試みます。
環境への配慮、人と人との変わりゆく関係性、分断されたコミュニティをつなぐ機能、テクノロジーの発展に影響される生活など、今日、建築や都市には従来以上の役割を担うことが求められています。そのような時代に、建築は私たちの暮らしをどう変えうるのか。藤本の実践をとおしてみなさんとともに考えます。
以下に、詳細な情報を掲載します。
ザハ・ハディド・アーキテクツが設計している、アラブ首長国連邦の複合開発「Oystra」です。
集合住宅を中心に商業とレジャーの施設も内包する計画です。建築家は、海と空の自然のエネルギーに着想源とし、バルコニーやテラスのデザインは“波が砂に刻むさざ波の模様”も反映しました。また、環境予測で日射遮蔽の最適化と自然換気の強化も実施します。
こちらはリリーステキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)
ZHAがアラブ首長国連邦におけるオイストラ複合用途開発のデザインを公開
アラブ首長国連邦のラス・アル・ハイマにあるアル・マルジャン島に位置するオイストラは、12万8,000㎡の海沿いの開発で、1~4ベッドルームのアパート、デュプレックス、ペントハウス、ウォーターフロントヴィラ950戸に加え、充実したショッピング、飲食、レジャー施設を備えています。
ラス・アル・ハイマはアラブ首長国連邦で最も急成長している首長国の一つであり、その人口は2030年までに55%増加すると予測されており、将来の需要を満たすために追加で45,000戸の住宅が必要とされています。ラス・アル・ハイマの観光部門も記録的な成長を遂げており、2013年の来訪者数10万人から増加し、2030年までには年間350万人の観光客を迎えると予測されています。
アラビア海に4.5キロメートル突き出し、7.8キロメートルの白砂のビーチを含む全長23キロメートルの海岸線のあるアル・マルジャン島は、アラブ首長国連邦内の主要な観光地としてそのインフラが開発されています。公園、マリーナ、ウェルネスセンター、エンターテインメント拠点を備えるこの島は、ラス・アル・ハイマ空港から25分、ドバイ国際空港から45分の場所に位置しています。
全体の75%以上のアパートメントに遮るもののない海の眺望を提供するようにザハ・ハディド・アーキテクツにより設計された、この開発の流動的なジオメトリーは、波が砂に刻むさざ波の模様を反映するように形作られた大きなバルコニーやテラスを含んでいます。これらのバルコニーは、それぞれのアパートメントの居住空間の継ぎ目のない延長部として機能すると同時に、室内を直射日光から遮る役割も果たしています。
オイストラの彫刻的な20階建てのウォーターフロントタワーは、湾を見渡す美しく整備された庭園、中庭、スイミングプール、ビーチクラブを備えた4万2,000㎡の敷地内に建てられており、屋上のレストランと360度のインフィニティプールからは、アル・マルジャン島とアラビア海の全景を望むことができます。
この開発は、アル・マルジャン島の街路樹の並ぶ海沿いの遊歩道と直接つながっており、そして、海から内陸に吹く北西風によって冷やされる屋根付きの海岸沿いのこの歩道を通じて、住民は島内を徒歩で移動することができます。
環境シミュレーションによって、敷地条件、構造、方位における効率が最大化され、また、デジタルマッピング分析により、デザインの外部日射遮蔽が最適化され、自然換気が強化されました。この開発では、海水を利用した冷却システムと、建物の外皮と直射日光にさらされるファサードの間に断熱層が取り入れられる予定です。これらの戦略は、ラス・アル・ハイマの乾燥した気候において、冷却のためのエネルギー需要を削減しつつ、室内の快適性を高めることになります。
ザハ・ハディド・アーキテクツのディレクターであるクリストス・パッサス(Christos Passas)は次のように述べています「私たちのリッチマインドとの協業は、共通の志と創造的な対話の成果です。オイストラの彫刻的なデザインは、海と空の自然のエネルギーに着想を得ており、ダイナミズムと開放感をもってその環境に応答しています」
井川充司+今田夕稀+廣瀬彩子 / IKAWAYA建築設計が設計した、東日本の住宅「Strolling Gardens & House」です。
住宅街の不定形な敷地に計画されました。建築家は、自然と暮らしが一体となる住まいを求め、大小の庭を“多方向に積み上げる”建築を考案しました。また、周辺のスケールとの調和を意図した“小さな箱”を組合わせる構成は多様な居場所の創出にも寄与しました。
回遊庭園を室内に引き込み、自然環境と暮らしが一体となる住空間を目指した。
大小の庭を多方向に積み上げ、日常の中で自然を感じ、心安らぐ環境を享受できるようにした。回遊性の中に多様なスケールの居場所を設け、開放性と居心地の良さを両立させている。
居場所の多様性は建物形状にも影響を受けている。不整形な敷地だったため、建物を大きな一塊にせず、小さな箱に分解し、敷地形状に沿わせてずらしながら配置した。これにより、街に威圧感を与えず、周囲の住宅スケールに自然に馴染む建築を実現している。
各所に配置された庭や開口部、手仕事で作り出された素材が、自然の気配を生活に取り込み、私たちの暮らしが自然の一部であることを実感できる住まいとなっている。
アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2025/5/12-5/18)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。
アーティストの李禹煥へのインタビュー動画です。生立ちから自身の作品まで語る内容。ルイジアナ美術館の制作で2025年5月に公開されたもの。日本語で視聴可能です。収録は2022年9月に兵庫県立美術館で行われました。
axonometricが設計した、東京・中央区のオフィス「Creation Palette YAE」です。
約1,300㎡のワンフロアでの計画です。建築家は、多様と一体感を両立する“共創”の場として、皆で共有できる“象徴的な風景”がある空間を志向しました。そして、間仕切り壁やデスク等の役割も担う“1本の帯”を全体に配する構成を考案しました。
東京駅前の八重洲ミッドタウン内にある約1,300㎡の大きなワンフロアの内装計画。
クライアントは100年以上の歴史をもつ三井化学株式会社。社員同士でも互いにどのような事業やプロダクトが社内で開発されているのかうまく共有できていない状態であった。それを束ねる社員が自分の担当以外の幅広い事業や製品・技術にも精通することで、連携を強化して事業創出と拡大につなげられる、一体感を生みだせるような共創の空間が求められた。
様々な人々やアイデアが集まるための多様な場所が与件として求められたが、それをそのまま並べてもバラバラな空間の寄せ集めにしかならず、同じ場所に集まる意味がない。多様でありながら、一体感がある空間はどのようなものかということがテーマとなった。
そこで、皆で共有できる一つの象徴的な風景をつくろうと考えた。
1本の浮遊する帯を、全体の意識を統合する媒体として位置づけている。白い帯が、フロア内を有機的に巡り、多様な空間を緩やかに区切りながら、キッチンカウンターになり、デスクになり、ベンチになり、イベントステージになって、人々の活動を誘発する装置となる。一つの大きな川がその周りに多様な文化を育みながらも、ある共通の景観や物語を紡ぐことができるように、一つの大きな風景をインテリア空間に持ち込むことで、分断された空間がその個性を保ちながらも、緩やかに統合されたような状態をつくれないかと考えた。
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