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2025年大阪・関西万博会場内の、休憩所とトイレ等20施設の設計コンペが開催。平田晃久・藤本壮介・吉村靖孝が審査員を務める
2025年大阪・関西万博会場内の、休憩所とトイレ等20施設の設計コンペが開催。平田晃久・藤本壮介・吉村靖孝が審査員を務める藤本壮介が会場デザインプロデューサーを務める。

2025年大阪・関西万博会場内の、休憩所とトイレ等20施設の設計コンペが開催されます。平田晃久藤本壮介吉村靖孝が審査員を務めます。応募資格は「応募者となる若手建築家は1980年1月1日以降生まれの一級建築士事務所の開設者であり、建築士法に基づく一級建築士の資格取得者であること」。万博会場全体の基本計画はこちらのページにて公開されています。

公益社団法人2025年日本国際博覧会協会は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)会場内の「休憩所」「展示施設」「ギャラリー」「ポップアップステージ」「サテライトスタジオ」「トイレ」計20施設の設計業務を行う若手建築家20名を募集します。
今後の活躍が期待される若手建築家に、「多様でありながら、ひとつ」という会場デザインコンセプトに沿い、SDGs(持続可能な開発目標)達成につながる、意欲的かつ大胆な提案をしてもらい、個性豊かで魅力的な博覧会施設を創出することを目的としています。
また、本公募の審査を行う評価委員には、建築やデザインなどの各分野に精通した専門家が就任し、ご協力いただきます。
多くの若手建築家からの積極的な応募をお待ちしています。

リリーステキストより

〇スケジュール
2022年3月16日(水) 公募開始
2022年4月13日(水) 応募申込書類提出締切
2022年6月3日(金) 一次審査書類提出締切
2022年6月中旬 一次審査(書面審査)
2022年7月上旬 二次審査(ヒアリング及び評価委員会)
2022年7月下旬 審査結果発表・契約締結

リリーステキストより
建築写真家のヘレネ・ビネットが、バワ財団の主催で行った講演の動画。ズントー建築等の撮影でも知られる

建築写真家のヘレネ・ビネットが、ジェフリー・バワ財団の主催で行った講演の動画です。ピーター・ズントーの建築等の撮影でも世界的に知られています。

(翻訳)
ジェフリー・バワ・トラストにて、著名な建築写真家であるヘレネ・ビネとの対談を開催します。ジェフリー・バワの作品を撮影してきたビネは、バワの庭園「ルヌガンガ」との出会いを、自身のキャリアにおいて極めて重要な瞬間であったと述べています。この特別イベントでは、ビネが自身のアーカイブからルヌガンガとエナ・デ・シルヴァ邸の写真(その多くは初公開)を紹介し、その実践について語ります。

(原文)
Join us at the Geoffrey Bawa Trust for a conversation with acclaimed architectural photographer Hélène Binet. A fervent advocate of analogue photography, working exclusively with film, and a firm believer that ‘the soul of photography is its relationship with the instant,’ Binet has photographed Geoffrey Bawa’s work and describes her encounter with Bawa’s garden Lunuganga, as a pivotal moment in her career. In this special event Binet will share photographs of Lunuganga and the Ena de Silva house from her archives, many of which have not been shown previously, and speak about her practice.

デイビッド・チッパーフィールドが、自身が修復を手掛けたミースの国立新美術館について語っている動画

デイビッド・チッパーフィールドが、自身が修復を手掛けたミースの新国立美術館について語っている動画です。アーキテクチャーフォトでは本建築を特集記事として紹介しています。2022年2月のThe World Around Summit 2022で公開されたものです。

(翻訳)
デイヴィッド・チッパーフィールド卿は、1985年にデイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツを設立し、以来、世界で最も称賛される建築事務所のひとつとなり、数々の国際コンペティションを勝ち抜き、100以上の建築作品を完成させました。

ベルリンのクルトゥルフォーラムにある新国立美術館は、20世紀建築のアイコンの一つです。ミース・ファン・デル・ローエがアメリカに渡った後、ヨーロッパで実現した唯一の建物である新国立美術館は、1968年のオープン以来、20世紀の美術に捧げられてきました。約50年の歳月を経て、集中的な使用による損傷、欠陥、欠損は、この建物が記念建造物に指定されていることによる制約の中で、慎重かつ持続的に対処されることになりました。改修と近代化のプロセスは、建物の元の外観を損なうことなく、既存の構造を最大限に保存することを目的としています。

(原文)
Sir David Chipperfield founded David Chipperfield Architects in 1985 and has since become one of the world’s most admired architecture firms, having won several international competitions and completed more than 100 built works.

The Neue Nationalgalerie in Berlin’s Kulturforum is one of the icons of twentieth-century architecture. The only building realized by Mies van der Rohe in Europe after his emigration to the USA, the Neue Nationalgalerie has been dedicated to the art of the twentieth century since its opening in 1968. After almost 50 years, the damage, deficiencies, and deficits of intensive use are to be carefully and sustainably addressed, within the restrictions imposed by the building’s status as a listed monument. The process of refurbishment and modernisation aims for maximum preservation of the existing fabric, with a minimum visual compromise to the building’s original appearance.

MVRDVのヴィニー・マースが、自身が設計した芸術収蔵庫「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン」を案内している動画

MVRDVのヴィニー・マースが、自身が設計した、ロッテルダムの芸術収蔵庫「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン」を案内している動画です。世界初の一般公開された美術品保管施設で、サイズと気候区分で作品を分類し、数多の美術品等の保管・維持管理の裏にある世界を公開しています。アーキテクチャーフォトでも同施設を特集記事として紹介しています。

MVRDVの “M”は、創設パートナーでありプリンシパル・アーキテクトのヴィニー・マースで、その幅広い都市計画や建築プロジェクトで国際的に高い評価を受けています。MVRDVの驚くべき新プロジェクト「デポ・ヴァン・ボーニンゲン」は、ロッテルダム中心部のミュージアムパークに位置する世界初の完全アクセス可能な芸術収蔵庫です。この建物は、オープンな芸術品保管庫という根本的かつ革命的なアプローチをとっており、大きな関心を集めています。

(原文)
The “M” of MVRDV, Founding Partner and Principal Architect Winy Maas, has received international acclaim for his broad range of urban planning and building projects. MVRDV’s extraordinary new project Depot Van Beuningen is the world’s first fully accessible art depot, located at Museum Park in the center of Rotterdam. The building has drawn huge interest for its radical and potentially revolutionary approach to open arts storage.

安藤忠雄が、自身が2021年に完成させたパリの美術館「ブルス・ドゥ・コメルス/コレクション・ピノー」を解説している動画

安藤忠雄が、自身が2021年に完成させたパリの美術館「ブルス・ドゥ・コメルス/コレクション・ピノー」を解説している動画です。2022年2月のThe World Around Summit 2022で公開されたものです。日本語で視聴可能です。18世紀に小麦市場として建てられた建物が19世紀後半に商品取引所に改築、それを美術館に転用した建築になります。こちらのページでも写真が多数見られます

(翻訳)
プリツカー賞を受賞した日本人建築家の安藤忠雄は、現在このフィールドで最も有名なデザイナーの一人です。コンクリート打ち放しの大空間と、太陽光や水、風といった自然の要素を情緒的に取り入れた彼の作品は、日本の現代建築を代表するものですが、その影響は世界中に及んでいます。最近のプロジェクトでは、パリの中心部にある新古典主義のランドマーク的な建物に、現代アートのための新しい展示スペースを埋め込んでいます。18世紀末に穀物商のための「ハール・オ・ブレ」として建てられ、19世紀にアンリ・ブロンデルによって商業取引所に改築された既存の建物に呼応し、パリの豊かな建築の過去と現在、未来をつなぐ空間を創造しているのです。

(原文)
Pritzker Prize-winning Japanese architect Tadao Ando is one of the most renowned designers in the field today. His work, defined by large expanses of unadorned concrete and emotive use of natural elements like sunlight, water, and wind, has become definitive of contemporary Japanese architecture, but his influence extends the world around. His most recent project embeds a new exhibition space for contemporary art into a neoclassical landmark building in the center of Paris. Responding to the existing structure, which was built at the end of the 18th century as the Halle aux blés for use by grain traders and converted in the 19th century into the Bourse de commerce by Henri Blondel, Ando has created a space that connects Paris’s rich architectural past with the present and future.

萬代基介建築設計事務所による、京都の、築100年の住宅の改修増築「椎葉邸」の写真と図面

萬代基介建築設計事務所が設計した、京都の、築100年の住宅の改修増築「椎葉邸」の写真と図面が29枚、archdailyに掲載されています。

以下は、建築家によるテキストです。

古い家が纏う公共性

京都で代々住み継がれてきた築100年ほどの住宅の改修計画である。敷地には年月をかけて手入れされてきた豊かな庭があり、中央には可愛らしい2階建ての日本家屋が建っていた。家というのは個人の所有物であるが、長い時間この場所に建ち続けてきたことで、さまざまな人間の中で生きていて、どれだけ開放的につくられた家よりも開かれた不思議な公共性のようなものを獲得していた。街の中で愛されてきたこの環境を残しながら、新しい暮らしをつくることを目指した。

新しい繋がりを生み出す構造

定年後の夫婦ふたりの住まいだが、人の集まる家にしたいということであった。もともとの家は生活の変化に合わせて下屋が増改築されていたので、中心にある2階建ての既存母屋だけを残し、5つの木造の下屋を増築することにした。それぞれの下屋は庭の環境に合わせてつくる。金木犀に囲まれた居間、陽の光の入る天井の高い台所、モミジの隣に離れのように配置される茶室、光が降ってくる階段室と星空の見える書斎、柔らかい光の入る風呂。この5つの下屋は、古い母屋と庭を繋ぐ接点となると同時に、既存母屋をフライングバットレスのように支える新しい構造体でもあり、既存母屋の1階は耐震壁から解放されることになる。付加的な形式の下屋増築が、建築全体に新しい開放性を作り出すような構造形式である。

敷地全体に散らばるイメージの断片

全体は既存母屋/新しい下屋/古い庭という構成ではあるが、その構成を溶かしていくような小さな操作を重ねた。既存と新築の境界を横断するように、古い階段、昔の縁側、家具を配置する。さらに新築部には、古い建具、床柱、照明など既存の素材を転用し、新しく生まれた庭には既存庭石や庭木を植えていく。庭も建築も家具も等価に扱いながら、がらんどうとなった母屋を中心に敷地全体に展開する環境の断片を再編集し、幾重にも重なったレイヤーを家中に張り巡らせていく。たとえば「既存の門から入った新築の下屋にある昔の子供部屋の木製建具越しに新しい庭を眺めた先に昔のツツジの木がある」というような関係である。そうすることでさまざまな人がこの家に対してもっていたイメージに対する接点が生まれ、新しい「開かれた家」が生まれると信じている。

スカルパが1978年に完成させた「ブリオン=ヴェガ墓地」の7年に渡る修復が完了間近で写真等が公開

カルロ・スカルパが1978年に完成させた「ブリオン=ヴェガ墓地」の7年に渡る修復が完了間近で写真等が19枚、architectural recordに掲載されています。実際にスカルパとも協同したことのある76歳の建築家グイド・ピエトロポリ(Guido Pietropoli)が指揮を執り、100万ユーロ(約1億3千万 ※2022/2時点)の費用がかけられているとのこと。

ファラを共同主宰するフィリップ・マガリャインシュへのインタビュー。長谷川逸子の「柿生の住宅」を通してファラの思想に迫る内容
ファラを共同主宰するフィリップ・マガリャインシュへのインタビュー。長谷川逸子の「柿生の住宅」を通してファラの思想に迫る内容左:フィリップ・マガリャインシュ / 中央:アナ・ルイサ・ソアレス / 右:アーメッド・ベルホジャ photo©paulocatrica4

ファラを共同主宰するフィリップ・マガリャインシュへのインタビューが、whatisahousefor.comに掲載されています。長谷川逸子の「柿生の住宅」を通してファラの思想に迫る内容です。日本語で閲覧可能です。

妹島和世と西沢立衛が、自身のギャラリー・間での建築展「環境と建築」について解説している動画

妹島和世と西沢立衛が、自身のギャラリー・間での建築展「環境と建築」について紹介している動画です。展覧会の会期は2022年3月20日まで。アーキテクチャーフォトではこの展覧会の様子をいち早くレポートしています。展示の公式サイトはこちら

以下は、展覧会公式の概要です。

TOTOギャラリー・間では、妹島和世+西沢立衛/SANAA展 「環境と建築」を開催いたします。
本展覧会は、妹島和世氏と西沢立衛氏が日本および世界各地で取り組んでいる最新プロジェクトを中心に構成したものです。
SANAAは、「環境と建築」というテーマに長年取り組んできました。「金沢21世紀美術館」(石川県、2004年)、「ROLEXラーニングセンター」(スイス、2009年)、「ルーヴル・ランス」(フランス、2012年)に代表されるように、内と外を緩やかにつなぎ回遊性を高めることで、人びとの豊かで自由な交流と、周辺地域との新たな関係の可能性を提示しています。建物が媒介となり、人びとの暮らしと環境が織り混ざりひとつの風景となる、そんな建築のあり方を実現しています。こうした活動により、妹島氏と西沢氏はプリツカー賞(2010年)など、数多くの賞を受賞しています。
本展覧会は、当ギャラリーでは2003年以来2回目の個展となります。SANAAだけでなく、妹島氏、西沢氏それぞれの事務所のプロジェクトも併せて展示することで、その後の両氏の活動の軌跡を紹介します。 常に進化をつづける妹島和世+西沢立衛/SANAAの現在進行形が見られる、貴重な機会となることでしょう。

宇野友明が2006年に完成させた、愛知・犬山市の住宅「羽黒の家」の見学会が開催
宇野友明が2006年に完成させた、愛知・犬山市の住宅「羽黒の家」の見学会が開催 photo courtesy of 宇野友明建築事務所
宇野友明が2006年に完成させた、愛知・犬山市の住宅「羽黒の家」の見学会が開催 photo courtesy of 宇野友明建築事務所
宇野友明が2006年に完成させた、愛知・犬山市の住宅「羽黒の家」の見学会が開催 photo courtesy of 宇野友明建築事務所

宇野友明が2006年に完成させた、愛知・犬山市の住宅「羽黒の家」の見学会が開催されます。開催日は2022年2月17日14時~。この住宅が売りに出されることになり開催されるものです。詳細はメール( unotomoakiarchtects@gmail.com )での問い合わせから案内されるとのこと。アーキテクチャーフォトでは2009年に本建築を特集記事として紹介しています。

以下に、竣工写真を掲載します。

杉山幸一郎の建築展「スイスのかたち、日本のかたち」が開催。ピーター・ズントー事務所出身でスイスを拠点とする建築家で、ドローイングやオブジェが公開される
杉山幸一郎の建築展「スイスのかたち、日本のかたち」が開催。ピーター・ズントー事務所出身でスイスを拠点とする建築家で、ドローイングやオブジェが公開されるTemple 02
杉山幸一郎の建築展「スイスのかたち、日本のかたち」が開催。ピーター・ズントー事務所出身でスイスを拠点とする建築家で、ドローイングやオブジェが公開されるFill 43

杉山幸一郎の建築展「スイスのかたち、日本のかたち」が、東京・本駒込のギャラリー ときの忘れもので開催されます。杉山は、ピーター・ズントー事務所出身でスイスを拠点とする建築家で、ドローイングやオブジェが公開されます。会期は2022年1月20日(木)~1月29日(土)11:00-19:00(※会期中無休)。会場の場所はこちら(Google Map)。杉山は、アーキテクチャーフォトでの連載エッセイ「For The Architectural Innocent」の執筆でも知られています。

スイス・クールに在住する若手建築家・杉山幸一郎(b. 1984)の初個展を開催します。杉山は建築設計をする傍ら、ドローイングやオブジェクトを制作しています。
日本大学、東京藝術大学大学院にて建築を学び、在学中に世界屈指の大学、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ピーターメルクリ スタジオ)に留学。
2013年に若手建築家の登竜門と言われるUnder 30 Architects exhibitionに選出されて出展しました。2014年文化庁新進芸術家海外研修制度により、スイスの建築家ピーター・ズントーのアトリエで研修。2015年から2021年5月までアトリエ ピーター ズントーに勤務し、ワークショップチーフを経て、プロジェクトリーダーとして活躍。現在はスイスと日本でフリーランスの建築家として活動している。
本展では、建物の表層を抽象化して線や色の面に置き換えて表現しようと試みた水彩ドローイングシリーズ〈Line & Fill〉や、ドローイングを立体化したオブジェクト、また、小さな建築のようで家具としても使える作品群をご覧いただきます。

リリーステキストより
妹島和世と西沢立衛が、自身の作品集『KAZUYO SEJIMA RYUE NISHIZAWA SANAA』について解説している動画

妹島和世と西沢立衛が、自身の作品集『KAZUYO SEJIMA RYUE NISHIZAWA SANAA』について解説している動画です。こちらの作品集についてはアーキテクチャーフォトで中身のプレビューを行っています。また、動画が収録されたSANAA展の会場の様子もレポートしています。

倉俣史朗が1988年に完成させた作品で、香港の美術館“M+”がコレクションした寿司店「きよ友」の移築過程を収録した動画。磯崎新など関係者のコメントも紹介される

倉俣史朗が1988年に完成させた作品で、香港の美術館“M+”がコレクションした寿司店「きよ友」の移築過程を収録した動画です。磯崎新など関係者のコメントも紹介されています。

How does a sushi bar find itself in a museum?

Built during a time of economic expansion in the economic boom of the 1980s and closed in 2004, Kiyotomo sushi bar is one of the few remaining intact interiors conceived by Japanese designer Kuramata Shiro. Part of the vanguard of post-1960s Japanese design, Kuramata designed hundreds of furniture objects and interior spaces during his lifetime; this space stands out for its playful accents, subtle craftsmanship, and precise attention to detail.

In this video, curators, conservators, and craftsmen recall the challenges and surprises of acquiring, dismantling, and relocating an entire building from Tokyo to Hong Kong.

SANAAの設計で2022年末の完成を目指す、オーストラリアの、美術館の増築計画「シドニー・モダン・プロジェクト」の2021年11月までの建設の様子を伝えるタイムラプス動画
SANAAの設計で2022年末の完成を目指す、オーストラリアの、美術館の増築計画「シドニー・モダン・プロジェクト」の2021年11月までの建設の様子を伝えるタイムラプス動画Image of the Sydney Modern Project as produced by Kazuyo Sejima + Ryue Nishizawa / SANAA © Art Gallery of New South Wales, 2021

SANAAの設計で2022年末の完成を目指す、オーストラリアの、美術館の増築計画「シドニー・モダン・プロジェクト」の2019年11月から2021年11月までの建設の様子を伝えるタイムラプス動画です。

こちらは、建築家によるステートメントの翻訳です

ニューサウスウェールズ美術館は、シドニーのドメインパークランドの緩やかな斜面に位置し、王立植物園に隣接してシドニー湾を見渡せる素晴らしい場所にあります。アートギャラリーは、過去100年の間に徐々に成長し、多様化するアートコレクションに対応するために、何度も増築を重ねてきました。シドニー・モダン・プロジェクトは、既存のギャラリーの建物の北側、いくつかの重要な経路が交差する場所に、独立した新しい建物を建設します。歩行者はこの場所を通って街を行き来し、車は眼下の高速道路を走っています。

敷地内の地形は多様です。港からアートギャラリーロードまでは20メートルほどの高さがあり、そこにギャラリーの正面玄関があります。ギャラリーに隣接しているのは、ギャラリーとボタニック・ガーデンをつなぐ陸橋、敷地の最下層には、第二次世界大戦中に使用されていた2つの廃油タンクがあります。これらのタンク、道路、そして陸橋は、すべてシドニーの歴史の一部です。

新しい建物は、様々なサイズのパヴィリオンとギャラリーのボリュームで構成されており、これらの要素を軽やかに乗り越えています。低い屋根は、既存の重要な樹木、視線、そして敷地の輪郭を維持するために、この地形に沿って緩やかに変化しています。

既存のギャラリー棟と新しいギャラリー棟をつなぐのは、市民のための広場である「ウェルカムプラザ」です。この広場は、多くの活動が同時に展開できる大きなオープンスペースです。来場者や学校のグループが気軽に集まり、新しい人と出会い、ギャラリーを訪れる準備ができる空間をイメージしています。エントランスパヴィリオンの中からは、アトリウムを見下ろすことができ、その先にはアートやアクティビティ、ランドスケープが垣間見えます。

展示スペースは、建物のさまざまなレベルに広がっています。エントランス階には、アボリジニとトレス海峡諸島民のギャラリーがあり、既存の建物に面したガラス張りの壁と、港の景色が見える窓があります。最下層には、南側の石油タンクが保存されており、主要なアート作品を収めることができます。来場者は、敷地内をゆっくりと下っていき、港に近づいていきます。

中央の3つの屋根はアクセス可能で、テラスを繋ぎ、周囲を見渡せるようになっています。屋内外の回遊性は、既存の地形と共鳴する有機的な経路に沿っています。アートと敷地の地形、そして周囲の景観を融合させることで、シドニーならではのギャラリー体験を実現したいと考えています。

藤本壮介の設計で完成した、ハンガリー・ブダペストの音楽施設「ハンガリー音楽の家」の動画

藤本壮介の設計で完成した、ハンガリー・ブダペストの音楽施設「ハンガリー音楽の家(House of Hungarian Music)」の動画です。アーキテクチャーフォトでは2021年1月に建設現場の様子を特集記事として紹介しています。

岸和郎+K.ASSOCIATESが2021年9月に完成させた、奈良の住宅「西ノ京丘陵の家」の写真

岸和郎+K.ASSOCIATESのウェブサイトに、奈良の住宅「西ノ京丘陵の家」の写真が12枚掲載されています。

夫婦二人+子供という核家族のための住宅であり、奈良の郊外に建つ。

日常的に使用する自動車や趣味のための二輪車などの台数が多いため、前面道路に面しては駐車用のスペースが間口一杯まで必要になる。そのためファサードはその分だけセットバックし、1階の趣味室が大きく開放している以外は閉じた表情としている。

北西隅に中庭を持つL型平面の1階の東側には主寝室、南側には子供室、和室など、プライベートな色合いの強い空間を配し、北西に配置した中庭にそれぞれの部屋が面する。中庭へと向かう視線が他の部屋からの視線と交わることの無いよう、中庭に向かう開口部はどちらかというと小さく計画し、中庭の独立性を確保するように計画した。

それと対比的に、2階に配置したリビング・ダイニング・スペースは南に寄せて配置し、北側に向けて大きな開口部を設ける。天井高は3.2mを確保し南側壁面上部にはスカイライトを設けることで天井面の高さを強調し、また北側の光の安定した風景を主寝室上部のウッドデッキのテラス越しに見ることで、ほとんど外部空間に暮らすかのようなリビング・ダイニング・スペースを実現した。北側の風景は水平方向に展開し、太陽光は南側のスカイライトから垂直に差し込むことになる。 禅宗の書院では北側に一日中東から西へ移動する太陽の光を常に受ける緑の庭を楽しみ、南庭は石庭などの抽象的な素材による光と影の庭とし、さらにその地面からの太陽光の反射と拡散を暗い屋根裏の空間が受けることで内部の空間に光の陰影が出現するという空間構成であるということ、それを現代の都市住宅で実現したいと考えて試行した建築である。

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