architecturephoto展覧会レポート”ひとへやの森 インタラクティブな風景”

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architecturephoto展覧会レポート”ひとへやの森 インタラクティブな風景”

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(C)成瀬・猪熊建築設計事務所

東京・代官山のヒルサイドウエストで、成瀬・猪熊建築設計事務所による展覧会"ひとへやの森 インタラクティブな風景"が行われた。
ヒルサイドウエストのミニマムにデザインされた廊下を抜けた先にある展覧会場は、驚くほどの豊かさとにぎやかさが満ち溢れていた。


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(C)成瀬・猪熊建築設計事務所
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事前に発表されていた展覧会のドローイングを見たときに感じたミニマムな印象とは異なり、ヒルサイドウエストの展覧会場は、非常に豊かで色彩が溢れていた。(展示の案内などに使われたドローイングはモノクロであった)
様々な生活用品があふれ、生活空間が再現され、実際に人が住んでいるかのような雰囲気が漂っている。また会場内には多くの訪問者が滞在しており、仲間内のたまり場になっている部屋にいるような居心地の良さを感じた。
今までにこれほど、生活感を表現した建築の展覧会があっただろうか。この部屋にいると都築響一の"Tokyo Style"に収められた部屋にいるような気分になる。
展示会場には、ひとつの幹から4本の枝が伸びる木が何本も配置されている。これらの木は、一見ランダムに配置されているような印象を受けるが、部屋の中を歩き回るとその位置は注意深く決められていることがわかる。木の配置により、部屋の中には、見通しのいいところ、密度の高い閉鎖的な所、など各々の場所に特徴が生まれている。そして、その特徴を分かりやすく説明するかのように家具が配置されている。これらの家具は木の配置が生み出した空間を理解するヒントとも見ることができる。
またこの木の配置は、部屋を訪れる者が感じる"にぎやかさ"・"豊かさ"といった感覚にも影響を与えている。木の配置は直行グリッドを注意深く外して決められている。その結果としてこの部屋では、一般的に居住者が行う”家具を壁に平行に配置すること”ができなくなっている。(もし強引に家具を壁に平行に配置しようとしても、木の配置が壁を基準としていないため、壁と家具を平行にすることによって得られる整然とした印象が生まれることはない。)結果として、全ての生活用品は壁の呪縛から解き放たれ自由な方向性・配置を獲得しているのである。そして、この部屋を訪れる者は、置かれた生活用品の自由さから、この部屋独特の"にぎやかさ"・"豊かさ"・"居心地の良さ"を感じるのである。
また、数本の木の配置で空間を構成するという秩序・ルールを部屋に与えることが、部屋自体の印象が"汚い"・"散漫"といった悪い方向の印象になるのを防いでいる。
最後に、このような生活感を取り入れた建築展を行った意義について触れたい。当り前の事だが建物とは人が住み、生活を送る場所である。そこには様々な生活用品が置かれる、モノが溢れる。建築家はそれを避けることはできない。
そのような状況の中、成瀬・猪熊の二人は、"あふれるモノ"を汚いと見なし排除するのではなく、"楽しさ"や"豊かさ"を生み出すツールに生まれ変わらせるという新しい建築の方法を提案したと言えるのではないだろうか。
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(C)成瀬・猪熊建築設計事務所
生活用品の入っていない状態。上の写真と見比べてみてください。


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