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2017.4.14Fri
2017.4.13Thu
2017.4.17Mon
村上建築工舎による、京都市上京区の、カフェと学習塾のシェア空間「出町柳の会所」
サムネイル:村上建築工舎による、京都市上京区の、カフェと学習塾のシェア空間「出町柳の会所」

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architecture|feature
店舗京都村上建築工舎むかのけんじ

demachi-0空間全体
all photos©むかのけんじ

村上建築工舎が設計・施工を手掛けた、京都市上京区の、カフェと学習塾のシェア空間「出町柳の会所」です。

 通学する学生が往来し、鴨川の三角州では住人達が憩い、下鴨神社を目的とした観光客も訪れ、様々な人々が行き交う京都市内北東の町、出町柳。
 クライアントは、異業種の二人。コーヒーの持っている個性を多くの人々に楽しんでもらいたいカフェオーナー。もう一人は、誰もが自由に学ぶスペースを提供したい学習塾経営者。世代を問わず人々が行き交う出町柳は、2人のクライアントにとって魅力的であった。
 この町の魅力を引き出し、クライアントの想いを実現するカフェと学習塾のシェア空間をつくるために、路地裏のように人々が自然に集い会話を楽しんだかつての「会所」のような場を設計のコンセプトとした。

※以下の写真はクリックで拡大します

demachi-1エントランス

demachi-2テラス

demachi-3エントランス引き手

demachi-4

demachi-6

demachi-7

demachi-8

demachi-9小上がり

demachi-10ベンチ

demachi-11照明

demachi-12ペンダントライト

demachi-15学習スペース

demachi-16クリ建具

demachi-17手仕事

demachi-18工事風景

demachi-19現場風景

以下、建築家によるテキストです。


 通学する学生が往来し、鴨川の三角州では住人達が憩い、下鴨神社を目的とした観光客も訪れ、様々な人々が行き交う京都市内北東の町、出町柳。
 クライアントは、異業種の二人。コーヒーの持っている個性を多くの人々に楽しんでもらいたいカフェオーナー。もう一人は、誰もが自由に学ぶスペースを提供したい学習塾経営者。世代を問わず人々が行き交う出町柳は、2人のクライアントにとって魅力的であった。
 この町の魅力を引き出し、クライアントの想いを実現するカフェと学習塾のシェア空間をつくるために、路地裏のように人々が自然に集い会話を楽しんだかつての「会所」のような場を設計のコンセプトとした。

 敷地は、鰻の寝床と例えられる狭い間口と深い奥行きを持った、京町家の趣がのこる敷地である。この特徴的な空間を活かし人々が自然に憩う場になるよう心がけた。
 人々が行き交う通りに対して開かれた空間にするために出入り口はセットバックし、そこに生まれたスペースに杉を使用した椅子とテーブルを人々が囲むテラスを設けた。真鍮の取手を持つ建具を開けると、手前側にはカフェを奥には学習塾を配置し利用者は石畳の路地のような奥へと続く通路を通る。カフェと学習塾の間には桧の床板が敷かれた小上がりを設け、性別・世代を問わずコーヒーを楽しみ、寺子屋のように子供達が自由に勉強する場とした。小上がりから通路を挟んだベンチは、縁側のように腰掛けて小上がりの様子を見ながら談笑できる配置とした。ペンダントライトやコーヒーを乗せるお盆など利用者の目にとまる物・手に取る物からも素材の違いを楽しめるよう試みた。
 今後この場所は、イベントやワークショップ・企業と学生とのマッチング・世代を問わない学びの場といった様々な人々が集う場として運用される。そのようなシーンの中で、人々が自然に言葉を交わす居場所や距離感、利用者の見る・触れる・聞くといった体感を刺激するしつらえは、会話を生み出すきっかけとしての役割を担うと考えた。

 一つの空間を性質の異なる業種がシェアすることは業務上難しい部分もあるが、この場所にあるコーヒー・学び・体感するしつらえをきっかけに、個々の活動をこえた相乗効果を生み出す可能性を持った「会所」となる事を期待している。

■建築概要
所在地:京都府京都市上京区
用途:カフェ+学習塾
面積:30坪
竣工:2016年10月
設計・施工:村上建築工舎
協力:岩井木工舎(施工)
   tanakaconstruct(施工)
   川田 えりま(ペンダントライト製作)
   株式会社 共栄壁産(左官)
   株式会社 竹中建具店(建具)
撮影:むかのけんじ

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店舗京都村上建築工舎むかのけんじ
2017.04.14 Fri 11:13
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    ap job 【ap job】 アーキテクチャーフォトジョブボードに掲載されている求人情報一覧 (2017/4/14)

    architecture|job
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    2017.04.14 Fri 17:18
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    建築展「日本、家の列島 ―フランス人建築家が驚くニッポンの住宅デザイン―」の会場写真

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    architecture|exhibition
    住宅建築展

    建築展「日本、家の列島 ―フランス人建築家が驚くニッポンの住宅デザイン―」の会場写真が、japan-architects.comに掲載されています

    建築展「日本、家の列島 ―フランス人建築家が驚くニッポンの住宅デザイン―」の会場写真が23枚、japan-architects.comに掲載されています。
    以下は、展覧会公式の概要です。

    あなたは今をときめく、日本で注目の建築家に家を建ててもらいたいと思ったことはありますか?厳しい制約や難しい条件のもとでも、必ず答えをかたちにしてくれるのが建築家。しかもユニークで新鮮な造形のなかには、日本ならではの感性と住まいの伝統が息づき、あなたの理想の生活を実現してくれるでしょう─そんなメッセージをひそませて、パリやブリュッセル、アムステルダムなどの各都市でヨーロッパの人々を驚かせた、注目の展覧会の巡回帰国展です。企画を実現させたのは写真家のジェレミ・ステラに加え、建築家のヴェロニック・ウルスとファビアン・モデュイ、日本在住30年のマニュエル・タルディッツの4人のフランス人。彼らは日本の近現代の住宅建築から優れた作品を複眼的な視点で独自に選定し、提示しました。

    戦後社会の成長の一翼を担ってきた日本の住宅建築─この展覧会は多数の魅力的な写真や映像、ドローイング、スケッチ、模型を展示し、それら歴史的な名作住宅から最近の秀作まで約70作品をご紹介します。またゲストアーティストに坂口恭平が加わり、彼の頭の中に建ち拡がる街と家のイメージを、極細ペンで表したドローイングが展示されます。

    日本、家の列島─ここには、家の数だけ新しい生活と幸せがあります。ぜひごらんください。

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    住宅建築展
    2017.04.14 Fri 17:12
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    創造系不動産・高橋寿太郎のインタビュー記事「有識者に聞く、建築と不動産業界 なぜ分断?」

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    architecture
    高橋寿太郎創造系不動産インタビュー

    創造系不動産・高橋寿太郎のインタビュー記事「有識者に聞く、建築と不動産業界 なぜ分断?」が、リフォーム産業新聞に掲載されています

    創造系不動産の高橋寿太郎のインタビュー記事「有識者に聞く、建築と不動産業界 なぜ分断?」が、リフォーム産業新聞に掲載されています。

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    高橋寿太郎創造系不動産インタビュー
    2017.04.14 Fri 17:04
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    日本建築学会が、2017年各賞受賞者を発表。作品賞は小堀哲夫の「ROKI Global Innovation Center – ROGIC -」と三分一博志の「直島ホール」。

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    日本建築学会小堀哲夫三分一博志

    日本建築学会が、2017年各賞受賞者を発表していて、作品賞は小堀哲夫の「ROKI Global Innovation Center – ROGIC -」と三分一博志の「直島ホール」が選ばれています

    日本建築学会が、2017年各賞受賞者を発表していて、作品賞は小堀哲夫の「ROKI Global Innovation Center – ROGIC -」と三分一博志の「直島ホール」が選ばれています。
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    日本建築学会小堀哲夫三分一博志
    2017.04.14 Fri 16:30
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    隈研吾による、トルコ・エスキシェヒルの現代美術館「The Odunpazari Modern Art Museum」の画像

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    architecture|remarkable
    美術館・博物館トルコ隈研吾

    隈研吾のウェブサイトに、トルコ・エスキシェヒルの現代美術館「The Odunpazari Modern Art Museum」の画像が掲載されています

    隈研吾のウェブサイトに、トルコ・エスキシェヒルの現代美術館「The Odunpazari Modern Art Museum」の画像が5枚掲載されています。

    トルコのエスキシェヒル市に計画されているOdunpazari Modern Art Museumはクライアントでオーナーのトルコ現代美術のコレクションを展示するための美術館。生まれ育ったエスキシェヒルで美術館をつくり、トルコの現代美術と市に貢献する事がオーナーの長年の夢であった。エスキシェヒルは学園都市として知られていて学生や若い世代が多い活気のある町である。
    美術館が計画されている敷地はOdunpazariというエリアの中のアーバンスケールとオスマン帝国時代に見られた伝統的な形式の木造住宅エリアの間に位置する。2階部分がはねだしている構造が特徴的な住宅は曲がりくねった細いでこぼこした道沿いに建ち並び、ユニークなストリートスケープを形成している。
    新しい美術館は住宅の小さいスケールを反映させつつ、アーバンスケールに埋もれないような設計を試みた。大きさの異なる箱を積み上げて中央に向けて高くなる構成とし、ストリートスケープの連続性を保つようにした。大きさの異なるボリュームは展示室に多様性を持たせている。地上階の展示室はラージスケールインスタレーションやイベント、企画展に対応できるようにゆったりとした空間とし、上階はオーナーのコレクションに合わせたスケールの展示室になっている。建物の一番高い中央にアトリウムを設け、スカイライトから自然光を各階へ取り込んでいる。
    “Odunpazari” という地名はトルコ語でウッドマーケットという意味があり過去に木材を売り買いしていた事から由来している。この土地の歴史とリンクするように美術館の外壁は全面木材で構成している。
    (文責:池口由紀)

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    美術館・博物館トルコ隈研吾
    2017.04.14 Fri 16:21
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    渡辺隆建築設計事務所による、静岡・磐田の公民館「豊岡中央交流センター」
    サムネイル:渡辺隆建築設計事務所による、静岡・磐田の公民館「豊岡中央交流センター」

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    architecture|feature
    コミュニティ施設静岡磐田渡辺隆長谷川健太

    000_tyosks_03※
    写真提供:渡辺隆建築設計事務所

    01_tyosks_01※
    写真提供:渡辺隆建築設計事務所

    渡辺隆建築設計事務所が設計した、静岡・磐田の公民館「豊岡中央交流センター」です。

    <入札方式による地方公共建築への取り組み>

     私たちは日頃から継続的に地元磐田市の設計入札に参加しています。この「豊岡中央交流センター」以前には、高齢者福祉の窓口施設「磐田市北部地域包括支援センター」や、地域の消防団の詰所(7棟)「磐田市消防コミュニティセンター」などの新築案件、学校の耐震補強や図書館の天井耐震化や定期調査などその他様々な性格の案件を受注しています。この交流センターが竣工した後の現在は、卓球専用の屋内練習場「(仮称)磐田市卓球場」を手掛けています。
     
     設計者を設計料の安さによって選ぶ入札制度はクリエイティブな設計行為に合わない側面もありますが、私たちはこの制度に参加することによって、より多くの公共建築に関わる機会を得てきました。これらの行為の繰り返しによって、行政や地域住民や施工者との信頼関係を少しずつ築いています。
     地方で何気なく生み出され続けている大多数派の「名もなき公共建築」に関わりながら、街全体が変わっていくきっかけづくりをしていけたらと考えています。

     入札に継続的に参加し公共建築に多く関わる設計活動の副産物として、コンペやプロポーザルへの参加の可能性も徐々にではありますが広がってきていると感じています(先日公表された「(仮称)Jubilo Clubhouse・Athlete Center」は、この交流センター竣工直後に開催されたプロポーザルに参加し受注した建築です)。

    <豊岡中央交流センターについて>
     
     豊岡中央交流センターは、全長約100m、子育て支援施設を併設した市民活動やイベントのための多目的ホール・会議室・調理室・健診室を持つ交流センターです。

     建設地は磐田市北部の豊岡地区、緑豊かな広い公園の一画です。公園内には、野球場や体育館、児童公園や運動場、テニスコートなど既存施設があり、普段から街の人々が様々な目的で散歩や通り抜けでも行き交う、とても明るくアクティブな場所です。
     
     ここに、以前からあるアクティブな人々の動きを妨げず、交流センターを利用しない公園来場者を自然と受け入れる包容力のある建築を作りたいと思いました。
     
     そこで考えたのは、深い軒下空間のある全長100mのシンプルな切妻屋根と、鉄筋コンクリート造の多孔質なボックスによる構成です。通り抜け通路が何本も貫通し、常に人々が外から中へ中から外へ行き交いにぎわいます。

     また、この豊岡中央交流センターの設計の手がかりは、直接的な要望や上記のような周辺環境などに留まらず、過去に私たちが入札で手掛けた設計業務から得た様々な要素にも及んでいます。
     例えば、雨や日差しを避ける深い軒や直線的な平面計画は、同じ地区内に建つ建築物の「定期調査」を請け負った際に利用者から聞こえてきた声を意識したものですし、吊り天井の無い屋根裏空間と剥き出しの設備機器配置は、図書館の天井耐震化設計の際に行政側と共にコスト面や改修手順で苦労した経験から生まれた断面構成です。シンプルで取り扱いやすい折板屋根を採用したのは、無理のないコスト設定と、ほとんどの施工者が抵抗なく扱うことのできる工法として、工事入札の不調や辞退という状況を回避するためのものでもありました。

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    コミュニティ施設静岡磐田渡辺隆長谷川健太
    2017.04.14 Fri 15:53
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    池田泰朗建築設計事務所による、埼玉県さいたま市の住宅「ymgc -浦和の家-」
    サムネイル:池田泰朗建築設計事務所による、埼玉県さいたま市の住宅「ymgc -浦和の家-」

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    architecture|feature
    住宅埼玉池田泰朗西川公朗

    0_ymgc_yasuroikeda_0019
    all photos©西川公朗

    池田泰朗建築設計事務所が設計した、埼玉県さいたま市の住宅「ymgc -浦和の家-」です。

    新旧の住宅が建ち並ぶ住宅街の中にある、夫婦二人の家です。
    主な要望は、「アルヴァ・アアルトの住宅のような」「ポテンス(ジャン・プルーヴェの照明)を設置したい」「ワンボックスの外観」「木製の外部建具」というものでした。

    隣にはご両親と愛猫の住む家(母屋)があり、その庭だったところを分筆して本計画の敷地となっています。
    敷地には、みかんやはっさく、枝垂れ梅の木があり、それを残すように計画した結果、前面道路から十分な引きをとる配置となりました。
    また、前面道路から1メートルほど高くなっており、通行する人たちの視線などが気にならないほどの距離感が確保できています。
    プランは、敷地奥(北東)側にプライベート性の高い、寝室(1階)とLDK(2階)、階段と吹き抜けを挟み、前面道路(南西)側にバイク(自転車)ガレージを兼ねた広いエントランス(1階)と二つ目のリビングとなるインナーバルコニー(2階)を計画。
    母屋側(北西)には、コミュニケーションのための縁側スペースを計画しています。

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    住宅埼玉池田泰朗西川公朗
    2017.04.14 Fri 14:26
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    2017.4.13Thu
    • 世界的に著名な建築家 BIGのビャルケ・インゲルスが、日本滞在中に撮影した、日本の風景
    • nendoが、ファッションブランドのジル・サンダーのために考案したテキスタイル用のグラフィックの写真
    • アーティストのオラファー・エリアソンが、モローゾ社のためにデザインした、家具シリーズの写真
    • アーティストのジェフ・クーンズが、ルイヴィトンのためにデザインした、歴史的名画をテーマにしたバッグシリーズの写真
    • 永井一正への、ほぼ日刊イトイ新聞のインタビュー「オリジナリティはどこに芽生えるか。」
    • ほか
    2017.4.17Mon
    • リナ・ボ・バルジによる、ブラジルの、1951年に完成した住宅「ガラスの家」の360°VR動画
    • サージソン・ベイツのジョナサン・サージソンが、2017年4月にEPFLで行った講演「古典主義者とのトラブル」の動画
    • 谷口吉生が、基本設計・外装デザインを担当して、内部の店舗内装などで、トラフ・田根剛・二俣公一らが関わっている、銀座の商業施設「GINZA SIX」の写真など
    • 修道士で建築家だった、ドム・ハンス・ファン・デル・ラーンの財団のサイトで、作品写真の閲覧やグッズ購入可能
    • 山田誠一建築設計事務所による、静岡・菊川の住宅「加茂の家」の写真
    • ほか

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