SHARE 志岐豊+雨宮知彦、中川大起によるリビングデザインセンターOZONEでの「超郊外の新しい住まい」展の会場写真[-2012/10/2]
志岐豊+雨宮知彦、中川大起によるリビングデザインセンターOZONEでの「超郊外の新しい住まい」展の会場写真です。展示は、2012年10月2日まで開催中。
日本全体で人口が減少し、少子高齢化が進んでいます。人口流入の増え続けている都心部ではシェアなどの新しい住まい方が模索されていますが、郊外ではどのような住まい方があるのでしょう。戦前、戦後からバブル期まで無秩序に拡大していった宅地造成により出現した超郊外(*1)と呼ばれる地域はいま、過疎化、高齢化の波が押し寄せ、治安の悪化など、その存在価値が問われています。一方、IT技術によってモビリティの高い社会が構築されつつあり、都心に比べて安価で良好な住環境が手に入ることは、あらためて評価の対象となり得ます。
2拠点居住への関心や、震災後、改めてその重要性が語られている地域コミュニティの復活への意識が高まる中、本展では、私たちが現在取り組んでいる8棟の戸建住宅プロジェクト「富里の平屋」を紹介しながら、超郊外に集まって住むことの可能性を提示したいと思います。
以下、この展覧会に関するテキストです。
■展覧会概要
名称:超郊外の新しい住まい
会期:2012年9月20日(木)〜2012年10月2日(火)
時間:10:30〜19:00
会場:リビングデザインギャラリー/リビングデザインセンターOZONE
〒163-1062 東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー7F
主催:志岐豊、雨宮知彦、中川大起
協力:リビングデザインセンターOZONE
協賛:総武建設
問い合せ先:03-5322-6500
http://www.ozone.co.jp/
■連動シンポジウム
日程:9/29(sat) 13:00-17:00 (開場12:30-)
会場:リビングセンターOZONE 8F セミナールームA
事前申込制、定員60名(先着順)/参加費1000円
※申込:氏名、返信先のメールアドレスを daiki@hacocoto.com(中川大起)宛までお知らせください。
□第一部 13:00-15:00 「郊外の未来」
人口減少及び高齢化が進む郊外の未来について
ゲストコメンテーター :岡部明子、篠原雅武
プレゼンター :志岐豊、雨宮知彦
モデレーター :中川大起
□第二部 15:00-17:00 「二拠点居住という選択肢」
二拠点居住などを通した都心と郊外を繋ぐ活動について
ゲストコメンテーター :岡部明子、山代悟
プレゼンター :志岐豊、雨宮知彦
モデレーター :中川大起
・講師プロフィール
岡部明子
建築家。千葉大学大学院工学研究科准教授。環境学博士。
東京大学工学部建築学科卒業後、磯崎新アトリエ(バルセロナ)に勤務。その後、日本に戻り、東京大学大学院建築学専攻修士課程 を修了し、再びバルセロナへ。堀正人とHori & Okabe, architectsを設立、建築などのデザインを手がける。1996年より東京。
著書に、『バルセロナ』(中公新書、2010)、『サステイナブルシティ-EUの地域・環境戦略』(学芸出版社、2003)、『ユーロアーキテクツ』(学芸出版社、1998)、ほか
篠原雅武
大阪大学大学院国際公共政策研究科特任准教授。京都大学博士(人間・環境学)
京都大学総合人間学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程単位認定退学。日本学術振興会特別研究員などを経て、現在に至る。著書に、『公共空間の政治理論』(人文書院、2007年)『空間のために』(以文社、2011年)『全-生活論』(以文社、 2012年)。 共訳書に、M・デイヴィス『スラムの惑星:都市貧困のグローバル化』(明石書店、2010年)、J・ホロウェイ『革命:資本主義に亀裂を入れる』(河出書房新社、2011年)ほか。
山代悟
ビルディングランドスケープ共同主宰、大連理工大学 客員教授、CitySwitch Japan代表、NPO南房総リパブリック 副理事長、東京理科大学・日本女子大学 非常勤講師、博士(工学)
島根県生まれ。1993年、東京大学工学部建築学科卒業、Responsive Environment共同主宰。1995年、東京大学大学院修士課程 修了。1995~2002年、槇総合計画事務所。2002年、ビルディングランドスケープ設立共同主宰。2002年~2007年、東京大学大学院建築学専攻助手。2007年~2009年、東京大学大学院建築学専攻助教。2010年より大連理工大学建築与芸術学院客員教授
■展覧会内容
「超郊外の新しい住まい」
住宅地の「あたりまえ」の慣習を見直し、郊外住宅地の新たな可能性を切り開く。
「超郊外」の可能性
日本全体で人口が減少し、少子高齢化が進んでいます。人口流入の増え続けている都心部ではシェアなどの新しい住まい方が模索されていますが、郊外ではどのような住まい方があるのでしょう。戦前、戦後からバブル期まで無秩序に拡大していった宅地造成により出現した超郊外(*1)と呼ばれる地域はいま、過疎化、高齢化の波が押し寄せ、治安の悪化など、その存在価値が問われています。一方、IT技術によってモビリティの高い社会が構築されつつあり、都心に比べて安価で良好な住環境が手に入ることは、あらためて評価の対象となり得ます。
2拠点居住への関心や、震災後、改めてその重要性が語られている地域コミュニティの復活への意識が高まる中、本展では、私たちが現在取り組んでいる8棟の戸建住宅プロジェクト「富里の平屋」を紹介しながら、超郊外に集まって住むことの可能性を提示したいと思います。
敷地境界線を「消す」
戸建住宅同士をいかに結びつけ、地域に開くか。私たちは、分譲住宅地の敷地境界線に注目しました。境界線からセットバックして住宅を建て、周囲を塀や生垣、カーテンで閉じるのではなく、建物の配置を工夫することで、プライベートな庭を最大限確保しつつ、8戸の居住者が自由に使える共用庭を提案しています。
分譲と賃貸の融合
各住宅は、分譲戸建住宅でありながら、その1部屋を賃貸することができるようになっています。8戸の住宅が、それぞれ賃貸用の部屋を備えていることで、定住する居住者と、比較的短期間滞在する居住者が混ざり合います。住宅という社会ストックを形成しつつ、ある一定期間で居住者が入れ替わることで、地域にとってもプラスとなる風通しの良い住宅地となることを目指しています。
*1…都心から鉄道で75分以上かかる地域。45分以上の地域を近郊外、60分以上の地域を遠郊外と呼ぶ。
■展示プロジェクト「富里の平屋」
プロジェクト名:富里の平屋
建築用途:住宅
企画:総武建設 + ハココト
建築設計:志岐豊+雨宮知彦
構造:鈴木啓/ASA
設備:遠藤和広/EOS plus
ランドスケープ:鈴木裕治/オンサイト計画設計事務所
構造・構法:主体構造/木造在来工法
基礎/べた基礎
主要外部仕上げ:屋根/FRP防水+トップコート仕上げ、ガルバリウム鋼板 外壁/骨材入りアクリル樹脂 開口部/アルミサッシ 外構/植栽、ウッドデッキ
主要内部仕上げ:床/無垢フローリング t15、モルタル金ごて 壁/PB t9.5 AEP
規模:敷地面積/2,757㎡ 建築面積/1,071㎡ 延床面積/1,071㎡
■出展者
志岐豊+雨宮知彦、中川大起
志岐豊
1979年福岡生まれ。2005年東京大学大学院環境学修士課程修了。2005-11年ジョアン・ルイス・カリーリョ・ダ・グラサ・アルキテ ットス勤務。
雨宮知彦
1980年東京生まれ。2005年東京大学大学院修士課程修了。2005年-09年株式会社シーラカンスアンドアソシエイツ(CAt)勤務。 2009年ユニティデザイン一級建築士事務所共同主宰。2009年首都大学東京特任助教。
中川大起
1983年広島生まれ。2008年デルフト工科大学大学院建築学部交換留学。2009年東京工業大学大学院修士課程修了。2010年 Supersudaca(ブエノスアイレス)在外研修。2012年東京工業大学大学院博士課程在籍。