これからの都市化(urbanization)のあり方を持続可能な(sustainable)方法で見つめてみようという「urbainable(アーベイナブル)」(urbanizationとsustainableからの造語)という総合タイトルのもと,ベルリン芸術院(Akademie der Künste Berlin)の建築部門が企画したグループ展に招待されました.特に都市の高密化に対して,33組のアーキテクトがそれぞれの構想を提示しています.展示ブースは,支給されたコンクリートの型枠を利用したもので,展示内容に合わせて大きさやかたちを33組それぞれが設計しています.
ヒトやモノや活動など,さまざまな事象がぎゅっと集まったとき,ある事象Aから事象BへのTransition Space -たとえば公と私の緩衝空間や内と外の遷移空間などの閾空間-の豊富化が,コンプレックスとしての全体の現れ方に大きく寄与していることは経験的にも歴史的にもよく知られるところです.目的を特に与えられなかったTransition Spaceが,そこで活動する共同体全体にとっては実は使い方をもっともよく発見できる場所であるという例は数多く見られ,またそれらは身体的スケールのものから都市的スケールのものまでさまざまで,それゆえに入れ子状に重層して現れる空間現象でもあります.目的や機能を与えられていないがゆえに経済的合理性のみでは説明しえないこうした空間が近年ますますこぼれ落ちていく中,みなが経験知として共有できるはずのTransition Spaceの重要性にもう一度注意を促すべく,ここではルネサンスから現在まで72の建築を世界中から選び出し並べてみることにしました.
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川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、ベルリン芸術院での建築展における展示ブースのデザインと、都市の高密化に対しての構想のインスタレーションcabinet of curiosity (驚異の部屋)
これからの都市化(urbanization)のあり方を持続可能な(sustainable)方法で見つめてみようという「urbainable(アーベイナブル)」(urbanizationとsustainableからの造語)という総合タイトルのもと,ベルリン芸術院(Akademie der Künste Berlin)の建築部門が企画したグループ展に招待されました.特に都市の高密化に対して,33組のアーキテクトがそれぞれの構想を提示しています.展示ブースは,支給されたコンクリートの型枠を利用したもので,展示内容に合わせて大きさやかたちを33組それぞれが設計しています.
ヒトやモノや活動など,さまざまな事象がぎゅっと集まったとき,ある事象Aから事象BへのTransition Space -たとえば公と私の緩衝空間や内と外の遷移空間などの閾空間-の豊富化が,コンプレックスとしての全体の現れ方に大きく寄与していることは経験的にも歴史的にもよく知られるところです.目的を特に与えられなかったTransition Spaceが,そこで活動する共同体全体にとっては実は使い方をもっともよく発見できる場所であるという例は数多く見られ,またそれらは身体的スケールのものから都市的スケールのものまでさまざまで,それゆえに入れ子状に重層して現れる空間現象でもあります.目的や機能を与えられていないがゆえに経済的合理性のみでは説明しえないこうした空間が近年ますますこぼれ落ちていく中,みなが経験知として共有できるはずのTransition Spaceの重要性にもう一度注意を促すべく,ここではルネサンスから現在まで72の建築を世界中から選び出し並べてみることにしました.
とても主観的な,まったく科学的とも再現性があるとも言えない方法だけれど,それはちょうど中世および近世ヨーロッパで作られていた「Cabinet of curiosities」(驚異の部屋)にも似ていて,それが興味の対象を分野を隔てず横断的にひとところに集めてくることが特徴であるように,この展示でも形式や大きさ,実現か構想かに関係なく,並列的にプロジェクトを選び出すことにしました.
Schwelle / Transition Space
Academy of Arts Berlin
2020
KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTS
プロジェクトチーム:川原達也、Ellen Kristina Krause
パビオンキュレーター:Prof. Hilde Léon
展覧会:
urbainable – stadthaltig
Positions on the European City for the 21st Century
2 September 2020 – 22 November 2020
展覧会キュレーター:
Tim Rieniets
Matthias Sauerbruch
Jörn Walter
写真:KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTS