川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、ベルリン芸術院での建築展における展示ブースのデザインと、都市の高密化に対しての構想のインスタレーション photo©KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTS
川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、ベルリン芸術院での建築展における展示ブースのデザインと、都市の高密化に対しての構想のインスタレーション photo©KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTS
川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、ベルリン芸術院での建築展における展示ブースのデザインと、都市の高密化に対しての構想のインスタレーション photo©KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTS
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川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTS による、ベルリン芸術院での建築展「urbainable – stadthaltig 」における展示ブースのデザインと、都市の高密化に対しての構想のインスタレーションです。
これからの都市化(urbanization)のあり方を持続可能な(sustainable)方法で見つめてみようという「urbainable(アーベイナブル)」(urbanizationとsustainableからの造語)という総合タイトルのもと,ベルリン芸術院(Akademie der Künste Berlin)の建築部門が企画したグループ展に招待されました.特に都市の高密化に対して,33組のアーキテクト がそれぞれの構想を提示しています.展示ブースは,支給されたコンクリートの型枠を利用したもので,展示内容に合わせて大きさやかたちを33組それぞれが設計しています.
ヒトやモノや活動など,さまざまな事象がぎゅっと集まったとき,ある事象Aから事象BへのTransition Space -たとえば公と私の緩衝空間や内と外の遷移空間などの閾空間-の豊富化が,コンプレックスとしての全体の現れ方に大きく寄与していることは経験的にも歴史的にもよく知られるところです.目的を特に与えられなかったTransition Spaceが,そこで活動する共同体全体にとっては実は使い方をもっともよく発見できる場所であるという例は数多く見られ,またそれらは身体的スケールのものから都市的スケールのものまでさまざまで,それゆえに入れ子状に重層して現れる空間現象でもあります.目的や機能を与えられていないがゆえに経済的合理性のみでは説明しえないこうした空間が近年ますますこぼれ落ちていく中,みなが経験知として共有できるはずのTransition Spaceの重要性にもう一度注意を促すべく,ここではルネサンスから現在まで72の建築を世界中から選び出し並べてみることにしました.
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川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、ベルリン芸術院での建築展における展示ブースのデザインと、都市の高密化に対しての構想のインスタレーション cabinet of curiosity (驚異の部屋)
川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、ベルリン芸術院での建築展における展示ブースのデザインと、都市の高密化に対しての構想のインスタレーション photo©KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTS
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川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、ベルリン芸術院での建築展における展示ブースのデザインと、都市の高密化に対しての構想のインスタレーション image©KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTS
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以下、建築家によるテキストです。
これからの都市化(urbanization)のあり方を持続可能な(sustainable)方法で見つめてみようという「urbainable(アーベイナブル)」(urbanizationとsustainableからの造語)という総合タイトルのもと,ベルリン芸術院(Akademie der Künste Berlin)の建築部門が企画したグループ展に招待されました.特に都市の高密化に対して,33組のアーキテクト がそれぞれの構想を提示しています.展示ブースは,支給されたコンクリートの型枠を利用したもので,展示内容に合わせて大きさやかたちを33組それぞれが設計しています.
ヒトやモノや活動など,さまざまな事象がぎゅっと集まったとき,ある事象Aから事象BへのTransition Space -たとえば公と私の緩衝空間や内と外の遷移空間などの閾空間-の豊富化が,コンプレックスとしての全体の現れ方に大きく寄与していることは経験的にも歴史的にもよく知られるところです.目的を特に与えられなかったTransition Spaceが,そこで活動する共同体全体にとっては実は使い方をもっともよく発見できる場所であるという例は数多く見られ,またそれらは身体的スケールのものから都市的スケールのものまでさまざまで,それゆえに入れ子状に重層して現れる空間現象でもあります.目的や機能を与えられていないがゆえに経済的合理性のみでは説明しえないこうした空間が近年ますますこぼれ落ちていく中,みなが経験知として共有できるはずのTransition Spaceの重要性にもう一度注意を促すべく,ここではルネサンスから現在まで72の建築を世界中から選び出し並べてみることにしました.
たとえばそれら72の建築を,ちょうど手のひらに乗る試験管みたいなものに詰め込むことができて,そこにその建築が携えるTransition Spaceが鮮やかに浮かび上がるような,特別なクスリを数滴たらしたら,その試験管内ではどんな変化が起こり,それらは全体としてどんな景色を生み出し,ぼくたちはそこからどんな解釈や物語をまた始められるだろうか,という発想から,試験管の代わりに10センチメートル角の立方体を,特別なクスリには,ぼくたちのまなざしと解釈を選び,72の建築のTransition Spaceをポジティブとネガティブ,それぞれ二つずつ制作し,合計144の模型を並列的に展示しました.
とても主観的な,まったく科学的とも再現性があるとも言えない方法だけれど,それはちょうど中世および近世ヨーロッパで作られていた「Cabinet of curiosities」(驚異の部屋)にも似ていて,それが興味の対象を分野を隔てず横断的にひとところに集めてくることが特徴であるように,この展示でも形式や大きさ,実現か構想かに関係なく,並列的にプロジェクトを選び出すことにしました.
このように,ぼくたちはこの展覧会のテーマに具体的に回答するwhat about型の提案ではなく,ひたすら「蒐集」することで,それら既知のものにたいしてあたらしいまなざしが向けられ,「それらがもし~だったらどうなるか」という飛躍した解釈を誘発するwhat if型の提案を選択しました.
10センチメートル角の試験管内で起こる,解釈による再構築(interpretative reconstruction)という変化は,「かたち」から「かた」や「か」を解きほぐす過程でもあります.そして蒐集した「かた」や「か」を眺め,こんどはそれらを実践的に「かたち」に応用しようとするとき,時間や場所,予算や材料を考慮しながら,さっきとは逆向きのベクトルを持った再構築で建築を構想しようとします.設計に携わればほぼみんなが経験しているであろうその行ったり来たりの解釈の連鎖は,終わることのない無限の運動で,何度も何度も往復しながら,時に上昇あるいは下降し,また横滑りもしながら,そこに見出しうる解釈を豊かにしていきます.
ところでよく考えてみれば,この行ったり来たりの運動は必ずしも同一のアーキテクトによるものでなくてもまったく構わないし,さらには時代が違ってもいいわけで,だれかの「続き」を自分なりに引き受けてみようと考えてみると,そしてそう思いながら過去を振り返ってみると,個人や時代に関係なくいろいろな建築や思想が何かを始めるきっかけとしてぼくたちの前に等距離に現れてきます.(余談だけれど,これはヨーロッパで見られるレファレンス主義のアーキテクトたちの発想でもあり,彼らは何の「続き」にチャレンジしたか堂々と宣言して設計をし,それについて語ります.)
ぼくたちのちいさな「驚異の部屋」において,72の建築の「続き」のある一場面と,それら過去の等距離性とを合わせて可視化することで,それらが示唆するさらなる物語りの続きであるwhat ifの連鎖がたくさんの鑑賞者の間で起こればと思っています.
■建築概要
Schwelle / Transition Space
Academy of Arts Berlin
2020
KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTS
プロジェクトチーム:川原達也、Ellen Kristina Krause
パビオンキュレーター:Prof. Hilde Léon
展覧会:
urbainable – stadthaltig
Positions on the European City for the 21st Century
2 September 2020 – 22 November 2020
展覧会キュレーター:
Tim Rieniets
Matthias Sauerbruch
Jörn Walter
写真:KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTS
※建材情報は後日追記する可能性があります