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アラキ+ササキアーキテクツによる、埼玉・朝霞市の、新築と改修からなる3棟の建築群「朝霞の3棟再整備計画」
photo©高橋菜生

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architecture|feature
建材(内装・建具)高橋建築工房トータルリフォーム丸川佐々木珠穂佐々木高之荒木源希建材(外装・その他)建材(外装・建具)建材(外装・壁)建材(外装・屋根)建材(内装・壁)建材(内装・床)髙橋菜生図面ありアラキ+ササキアーキテクツ埼玉倉庫住宅
アラキ+ササキアーキテクツによる、埼玉・朝霞市の、新築と改修からなる3棟の建築群「朝霞の3棟再整備計画」 photo©高橋菜生
アラキ+ササキアーキテクツによる、埼玉・朝霞市の、新築と改修からなる3棟の建築群「朝霞の3棟再整備計画」 photo©高橋菜生
アラキ+ササキアーキテクツによる、埼玉・朝霞市の、新築と改修からなる3棟の建築群「朝霞の3棟再整備計画」 photo©高橋菜生

アラキ+ササキアーキテクツが設計した、埼玉・朝霞市の、新築と改修からなる3棟の建築群「朝霞の3棟再整備計画」です。

新築・改修に関わらず、敷地・建築の持つ性質のようなものを読み取り、それを形に示し、残すことが建築家の役割のひとつと考えている。

この計画では、母屋を軸としていた敷地の重心を石蔵にシフトした。
町への姿勢を表明するとともに、施主家族のアイデンティティの継承を意図している。

建築家によるテキストより

単身で暮らす施主は、故人である家族の存在を感じながら、家族の遺した品を端緒とした隣人との交流のある暮らしを望んでいた。
我々は3棟の建築を、石蔵を中心としたひと繋がりの建築群と考え、遺された品を整理、収納、展示できる可能性を提示した。

建築家によるテキストより

まず「倉庫併用住宅」を新築し、大きな収納と軒下空間を確保した。
「石蔵」では光や風の環境を整え、着物、掛軸の虫干しや展示に適した、居住性の高い空間へと改修している。
「母屋」では塀を解体し、見通しの効くデッキを設けた。窓を開けると居間の模型展示が見える。
最後に渡り廊下を増築し、時代の異なる3棟を動線で繋いだ。軒下・デッキなどの屋外の場が点在し、家族の品が敷地に滲みだすことで、生活が垣間見える。

建築家によるテキストより

以下の写真はクリックで拡大します

アラキ+ササキアーキテクツによる、埼玉・朝霞市の、新築と改修からなる3棟の建築群「朝霞の3棟再整備計画」 photo©高橋菜生
アラキ+ササキアーキテクツによる、埼玉・朝霞市の、新築と改修からなる3棟の建築群「朝霞の3棟再整備計画」 photo©高橋菜生
アラキ+ササキアーキテクツによる、埼玉・朝霞市の、新築と改修からなる3棟の建築群「朝霞の3棟再整備計画」 photo©高橋菜生
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アラキ+ササキアーキテクツによる、埼玉・朝霞市の、新築と改修からなる3棟の建築群「朝霞の3棟再整備計画」
アラキ+ササキアーキテクツによる、埼玉・朝霞市の、新築と改修からなる3棟の建築群「朝霞の3棟再整備計画」 image©A+Sa アラキ+ササキアーキテクツ
アラキ+ササキアーキテクツによる、埼玉・朝霞市の、新築と改修からなる3棟の建築群「朝霞の3棟再整備計画」 image©A+Sa アラキ+ササキアーキテクツ

以下、建築家によるテキストです。


敷地の重心

新築・改修に関わらず、敷地・建築の持つ性質のようなものを読み取り、それを形に示し、残すことが建築家の役割のひとつと考えている。

この計画では、母屋を軸としていた敷地の重心を石蔵にシフトした。
町への姿勢を表明するとともに、施主家族のアイデンティティの継承を意図している。

単身で暮らす施主は、故人である家族の存在を感じながら、家族の遺した品を端緒とした隣人との交流のある暮らしを望んでいた。
我々は3棟の建築を、石蔵を中心としたひと繋がりの建築群と考え、遺された品を整理、収納、展示できる可能性を提示した。

まず「倉庫併用住宅」を新築し、大きな収納と軒下空間を確保した。
「石蔵」では光や風の環境を整え、着物、掛軸の虫干しや展示に適した、居住性の高い空間へと改修している。
「母屋」では塀を解体し、見通しの効くデッキを設けた。窓を開けると居間の模型展示が見える。
最後に渡り廊下を増築し、時代の異なる3棟を動線で繋いだ。軒下・デッキなどの屋外の場が点在し、家族の品が敷地に滲みだすことで、生活が垣間見える。

外観には建築間に横断的な要素を配置し、3棟を群として扱い、住宅らしさから一歩離れた印象を与えている。社会性を纏うことで、町との心理的距離が縮まると考えた。建築と物を通して、人との接点を外から取り戻しながら、敷地の更新を続けている。

■建築概要

建物名称/朝霞の3棟再整備計画
所在地/埼玉県朝霞市
主要用途/住宅 倉庫
———
設計 A+Sa アラキ+ササキアーキテクツ
構造 高橋建築工房
施工 トータルリフォーム丸川株式会社
———
主体構造・構法 木造在来構法 一部鉄骨造
基礎 べた基礎
———
規模
・倉庫併用住宅(新築):
階数 地上2階 
軒高6071mm 最高の高さ7714mm
敷地面積 128.62m2
建築面積 59.62m2
延床面積 106.82m2
・石蔵(改修):
階数 地上2階 
軒高 5077mm 最高の高さ6073mm
敷地面積 母屋敷地内
建築面積 19.70m2
延床面積 33.30m2
・母屋(一部改修):
階数 地上2階 
軒高7398mm 最高の高さ8516mm
敷地面積 466.02m2
建築面積 138.83m2
延床面積 211.87m2
・渡り廊下(増築):
階数 地上2階 
軒高 2808mm 最高の高さ3940mm
敷地面積 母屋敷地内
建築面積 9.81m2
———
工程
設計期間 2016年6月〜2019年2月
工事期間 2017年11月〜2019年3月
———
撮影:高橋菜生

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外装・壁倉庫併用住宅外壁

ガルバリウム鋼板小波(セキノ興産)

外装・屋根倉庫併用住宅屋根

ガルバリウム鋼板立平葺(セキノ興産)

外装・屋根倉庫併用住宅軒天

木毛セメント板

外装・建具倉庫併用住宅サッシ

サーモスL(LIXIL)

外装・建具倉庫併用住宅雨戸

ヒノキ折戸(特注製作)

外装・その他渡り廊下鉄骨

溶融亜鉛メッキ

内装・床倉庫併用住宅床

サクラフローリング(ミハマ通商)

内装・壁倉庫併用住宅内壁

ヒノキ合板

内装・建具蔵開口部

ヒノキ框戸(特注製作)

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※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

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    中村浩士 / 中村工務店の設計・施工による、埼玉・越谷市の「えのもと整形外科クリニック / しろくま薬局」 photo©小川重雄

    中村浩士 / 中村工務店の設計・施工による、埼玉・越谷市の「えのもと整形外科クリニック / しろくま薬局」です。

    敷地は県道沿いに店舗が並び、その後には住宅が建ち並ぶ越谷市では一般的な場所にある。
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    一般的に医療施設となると閉鎖的な建物になる傾向があるが、今回の計画では地域に対して開けた開放的な施設となることを設計当初から目指した。

    建築家によるテキストより

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    坂牛卓とエンリク・マシップ=ボッシュの対話「建築、都市、理論」と、坂牛卓のモノグラフ『Taku Sakaushi. Unfolding architecture』プレビュー

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    architecture|book|feature
    インタビュー坂牛卓エンリク・マシップ=ボッシュ
    坂牛卓とエンリク・マシップ=ボッシュの対話「建築、都市、理論」と、坂牛卓のモノグラフ『Taku Sakaushi. Unfolding architecture』プレビュー

    坂牛卓とエンリク・マシップ=ボッシュ(ENRIC MASSIP-BOSCH)の対話「建築、都市、理論」を掲載、坂牛卓のモノグラフ『Taku Sakaushi. Unfolding architecture』をプレビューします。
    エンリクはスペインの建築家で東工大への留学時代に篠原一男を研究していた経験もあります。
    この対話の日本語版は、坂牛のモノグラフに収録しきれなかったもので、許可を得てアーキテクチャーフォトで特別に公開するものです。この書籍はGA gallery BOOKSHOPなどでも販売されています。

     
     
    建築、都市、理論:坂牛卓とエンリク・マシップ=ボッシュの対話

     
    エンリク・マシップ=ボッシュ(以下、エンリク):あなたの作品からは様々な方向性が見て取れます。明確な理論、社会に対する認識、そして建築の自律性など、一見お互いに矛盾した要素が糸となって織り上げられ作品となっています。最終的にどのような模様のタペストリーが織り上がるのかは分からないし、もしかしたら最終的な模様は永遠に出来上がらないかもしれません。この不確実性というか予測不能性があなたの建築を魅力的なものにしているのだと思います。あなたの作品の中には分かりやすいメッセージや形式論は見えませんが、それでもある種の統一感が感じられます。対話を始めるにあたり、このように様々な方向性が存在する中で、まずはあなたの仕事のベースにある理論的なアプローチについての熱い思いを語っていただきたいと思います。私が聞きたいのは、このモノグラフ作成に当たって指針となった理論的概念が、作品の構想が出来上がってから形成されたものなのか、そうではなくて作品の設計における前提条件だったのかということです。

    坂牛卓(以下、坂牛):作品の方向性については、仕事を始める前に既にあったアイデアが元になりそれらが何らかの形で表出したものであったり、作品を制作した後で気づいたことや「発見」したことから発展したものであったりします。建築の理論的フレームワークとは常に言葉では表現できないものを起点としており、先験的なものと経験に基づいたものとのフュージョンのようなものであるというのが私の考えです。

    エンリク:建築に対するアプローチについて説明した本を何冊か書いていらっしゃいますね。それらを「理論」と呼ぶことにしましょう。最近『建築の設計力』を出版されましたが、建築における理論の必要性を正当化しているように読み取れます。多くの日本人建築家が理論的概念を提示して来ましたが、その意義について、そして特にそうすることの必要性についてどう考えたらよいのか私はずっと考え答えに行き着いていません。なぜあなたにとって理論は大切なのでしょうか?そして一般的に日本人建築家が理論を重視するのはなぜだと思いますか?

    坂牛:そうですね、私の場合はこれまでに受けてきた教育への反動でもあり成果でもあります。私は1980年代に日本で建築を学びました。当時の建築家は、教えることが本職ではない一種の芸術家のような存在であるか、あるいは自分の作品だけを見せながら教える大学教授のどちらかであり、建築をどのように考えたらよいのかということは真剣に教えませんでした。学生に対して、ひたすら「言われた通りにしろ」「自分が見せた建築作品から学べ」とだけ言っていました。建築に必要な知的なプロセスが欠けていたのです。

    エンリク:しかし、例えば篠原一男はどうだったのでしょうか?

    坂牛:篠原は言葉をとても大切にし、著作を多く残しましたが、彼が残した言葉を理論と呼べるかどうかはわかりません。彼の文章はどちらかというと詩のようなものでしたから。とはいえ、自分が知っている手法しか教えないような建築家たちとは明らかに違う存在でした。優秀な建築家はいましたが、篠原と比べれば彼らはただの専門家に過ぎません。私が思うに、その当時理論を重視していた建築家は篠原一男と磯崎新の二人だけで、たまたま私は東京工業大学で篠原の教えを受けました。私は建築とは一つの理論であると思っていたので、篠原と磯崎を追随すべきモデルとしたのです。私はその後UCLAに行きチャールズ・ムーアの指導の下で修士論文を書き上げました。

    • 残り6枚の写真と建築家によるテキスト
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    インタビュー坂牛卓エンリク・マシップ=ボッシュ
    2021.03.12 Fri 07:41
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    2021.3.11Thu
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    • ハーバード大でも教えるラフール・メロトラによるTEDでのトーク「一過性の都市に見る驚異の建築術」(日本語字幕付)
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