architecturephoto®

  • 特集記事
  • 注目情報
  • タグ
  • 建築
  • アート
  • カルチャー
  • デザイン
  • ファッション
  • 書籍
  • 展覧会
  • コンペ
  • 動画
  • テレビ
  • すべてのタグ

建築求人情報

Loading...
2021.4.13Tue
2021.4.12Mon
2021.4.14Wed
杉本博司と榊田倫之による新素材研究所のモノグラフ『Old Is New 新素材研究所の仕事』をプレビュー

SHARE 杉本博司と榊田倫之による新素材研究所のモノグラフ『Old Is New 新素材研究所の仕事』をプレビュー

architecture|art|book
杉本博司榊田倫之新素材研究所
杉本博司と榊田倫之による新素材研究所のモノグラフ『Old Is New 新素材研究所の仕事』をプレビュー
杉本博司と榊田倫之による新素材研究所のモノグラフ『Old Is New 新素材研究所の仕事』がamazonで発売されています
amzn.to

現代美術作家の杉本博司と建築家の榊田倫之による新素材研究所のモノグラフ『Old Is New 新素材研究所の仕事』がamazonで発売されています。本記事では書籍の中身をプレビューします。

こちらは杉本が本書籍に寄せたテキスト。

表紙の絵柄について

この本のジャケットには抽象画が採用された。しかしこの絵は初めから抽象画として描かれたものではない。それは偶然に絵となったものだ。私は熱海にあるMOA美術館全面改修にあたって、全長17メートル、高さ4メートルの壁を6面、日本の伝統工法である黒漆喰でおおうことにした。漆喰は土だ、そしてコテで塗られる。現代建築は乾いた材料を好む。しかし伝統工法は湿式工法が多い。この巨大な壁面を目地なしで仕上げるには1面を1日で終わらせなければならない。熟達の職人が3人集められた。1人ひとりコテの運びが違う。伝統工法を用いてこれだけの巨大面を仕上げたことは、日本建築史上ないのではないかと自負している。漆喰そのものが稀になった現在、普通は白の漆喰に炭の粉を混ぜて黒にするのはさらに稀だ。乾くのに時間がかかる。数日後、その面に立ち現れたのはほぼ無意識のコテの痕跡だ。私はそこに意識を超えた美しさを見出すのだ。大昔、人が意識と無意識の狭間で描きはじめた洞窟壁画もこのようにはじまったのに違いない。
Old Is New、忘れられた古代の魂、私は現代にあって、その魂の姿をもう一度見てみたいのだ。
(杉本博司)

書籍より

以下の写真はクリックで拡大します

杉本博司と榊田倫之による新素材研究所のモノグラフ『Old Is New 新素材研究所の仕事』をプレビュー
杉本博司と榊田倫之による新素材研究所のモノグラフ『Old Is New 新素材研究所の仕事』をプレビュー
杉本博司と榊田倫之による新素材研究所のモノグラフ『Old Is New 新素材研究所の仕事』をプレビュー
杉本博司と榊田倫之による新素材研究所のモノグラフ『Old Is New 新素材研究所の仕事』をプレビュー
杉本博司と榊田倫之による新素材研究所のモノグラフ『Old Is New 新素材研究所の仕事』をプレビュー
杉本博司と榊田倫之による新素材研究所のモノグラフ『Old Is New 新素材研究所の仕事』をプレビュー
杉本博司と榊田倫之による新素材研究所のモノグラフ『Old Is New 新素材研究所の仕事』をプレビュー
杉本博司と榊田倫之による新素材研究所のモノグラフ『Old Is New 新素材研究所の仕事』をプレビュー
杉本博司と榊田倫之による新素材研究所のモノグラフ『Old Is New 新素材研究所の仕事』をプレビュー
杉本博司と榊田倫之による新素材研究所のモノグラフ『Old Is New 新素材研究所の仕事』をプレビュー

こちらは書籍の目次です。

プロローグ:新素材研究所創業記
イントロダクション:杉本博司・榊田倫之
ポートフォリオ:杉本撮影による写真とともに作品を紹介
素材と工法:石・木・壁・屋根・窓・庭をテーマに
作品解説:作品図面とともに詳細に解説
参考資料:用語解説ほか
◎主な掲載作品
 究竟頂/ 茶洒 金田中
 ゲストハウス「 和心」
 個人邸「浮き壺」
 茶室「遠山居」
 MOA美術館
 硝子の茶室「聞鳥庵」 ヴェネチア / ヴェルサイユ / 京都
 きよ田 離れ
 茶室「今冥途」
 ロンドンギャラリー 白金 / 六本木
 茶室「うちはそと」
 Izu Photo Museum
 ハーシュホーン・ミュージアム:ロビー改修
 江之浦測候所

リリースより

杉本博司
1948年東京生まれ。現代美術作家。1970年渡米、1974年よりニューヨーク在住。活動分野は、写真、彫刻、インスタレーション、演劇、建築、造園、執筆、料理と多岐にわたり、世界のアートシーンにおいて地位を確立。作品は世界有数の美術館各所で収蔵されている。2008年榊田倫之と建築設計事務所「新素材研究所」設立。2009年高松宮殿下記念世界文化賞、2010年紫綬褒章、2013年フランス芸術文化勲章オフィシエ、2017年文化功労者など受賞受章多数。

榊田倫之
1976年滋賀県生まれ。建築家。2001年京都工芸繊維大学大学院建築学専攻博士前期課程修了後、株式会社日本設計入社。2003年榊田倫之建築設計事務所設立。2008年現代美術作家・杉本博司と新素材研究所を設立。現在、榊田倫之建築設計事務所主宰、京都芸術大学非常勤講師、宇都宮市公認大谷石大使。杉本博司のパートナー・アーキテクトとして数多くの設計を手がける。2019年第28回BELCA賞受賞。

書籍より

以下の写真はクリックで拡大します

杉本博司と榊田倫之による新素材研究所のモノグラフ『Old Is New 新素材研究所の仕事』をプレビュー
■書籍概要

出版社:平凡社 (2021/3/5)
発売日:2021/3/5
言語:日本語
単行本:400ページ
制作協力:株式会社 LIXIL
ISBN-10:4582544703
ISBN-13:978-4582544701
amazonでの販売ページはこちら
※日英同時発売
———
英語版
Lars Mueller Publishers
ISBN:978-3-03778-646-8

あわせて読みたい

サムネイル:ARCHITECT TOKYO 2009プレビュー、ギャラリー小柳
ARCHITECT TOKYO 2009プレビュー、ギャラリー小柳”石上純也 + 杉本博司”展
  • SHARE
杉本博司榊田倫之新素材研究所
2021.04.13 Tue 08:22
0
permalink

#榊田倫之の関連記事

  • 2021.3.24Wed
    //
    現代美術作家の杉本博司と建築家の榊田倫之による建築設計事務所「新素材研究所」のウェブサイトがリニューアル
  • 2019.5.09Thu
    /
    杉本博司との協同でも知られる榊田倫之のウェブサイトがリニューアル
  • 2019.2.22Fri
    //
    杉本博司+榊田倫之 / 新素材研究所が設計を手掛けた、アメリカ・ニューヨークの集合住宅の住戸の写真
  • 2018.10.22Mon
    //
    杉本博司と榊田倫之による新素材研究所の建築展「新素材×旧素材」の会場写真
  • 2018.8.31Fri
    //
    杉本博司と榊田倫之の新素材研究所の建築展「-新素材×旧素材-」が開催
  • 2018.1.05Fri
    //
    杉本博司+榊田倫之 / 新素材研究所の設計で施工が進められている、ワシントンD.C.の、ハーシュホーン博物館の新ロビーの画像など
  • 2017.5.30Tue
    //
    杉本博司が構想して、榊田倫之が実施設計を担当した、神奈川・小田原の文化施設「江之浦測候所」の写真
  • 2017.3.09Thu
    /
    杉本博司+榊田倫之 / 新素材研究所が改修を手掛けた、静岡・熱海の「MOA美術館」の写真など
  • 2016.10.25Tue
    //
    杉本博司と榊田倫之による新素材研究所が、熱海のMOA美術館のリニューアルを手掛け17年2月にオープン
  • 2015.12.22Tue
    サムネイル:現代美術作家・杉本博司と建築家・榊田倫之による建築設計事務所「新素材研究所」のウェブサイトがオープン
    現代美術作家・杉本博司と建築家・榊田倫之による建築設計事務所「新素材研究所」のウェブサイトがオープン
  • view all
view all

#杉本博司の関連記事

  • 2022.7.23Sat
    /
    大西麻貴が選定された、2023年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館の指名コンペの、各者の提案書と講評が公開。候補者には、大西麻貴・腰原幹雄・杉本博司・田根剛・西牧厚子・原田真宏 / 原田麻魚が名を連ねる
  • 2021.3.24Wed
    //
    現代美術作家の杉本博司と建築家の榊田倫之による建築設計事務所「新素材研究所」のウェブサイトがリニューアル
  • 2020.9.20Sun
    //
    杉本博司と浅田彰が対談している動画。京都市京セラ美術館での杉本の展示の関連企画として収録されたもの
  • 2020.9.10Thu
    写真家の杉本博司に、青木淳が京都市京セラ美術館館長として話を聞いているインタビュー動画「青木淳館長による杉本博司 経歴聞き取り調書」の日本後字幕・手話通訳付版
  • 2020.8.28Fri
    /
    杉本博司に、青木淳が京都市京セラ美術館館長として話を聞いているインタビュー動画「青木淳館長による杉本博司 経歴聞き取り調書」
  • 2020.8.22Sat
    //
    杉本博司がデザインして、京都市京セラ美術館に展示されている「硝子の茶室 聞鳥庵(モンドリアン)」で、茶室披きを行っている動画
  • 2020.5.29Fri
    //
    杉本博司による動画「頃難に思う」
  • 2019.4.25Thu
    /
    美術家・杉本博司へのインタビュー「頭脳で価値を生成せよと、新しい写真の神は告げている。」(聞き手:後藤繁雄)
  • 2019.2.22Fri
    //
    杉本博司+榊田倫之 / 新素材研究所が設計を手掛けた、アメリカ・ニューヨークの集合住宅の住戸の写真
  • 2018.11.02Fri
    美術家の杉本博司に、若者へのアドヴァイスを聞いている動画
  • view all
view all

建築求人情報

Loading...

 

    公式アカウントをフォローして、見逃せない建築情報を受け取ろう。

    60,853
    • Follow
    83,016
    • Follow
    • Follow
    • Add Friends
    • Subscribe
    • 情報募集/建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
      More
    • メールマガジン/ メールマガジンで最新の情報を配信しています。
      More

    この日更新したその他の記事

    『建築家ビャルケ・インゲルス氏:「快楽主義的持続可能性」を語る』(Bloomberg)

    SHARE 『建築家ビャルケ・インゲルス氏:「快楽主義的持続可能性」を語る』(Bloomberg)

    architecture|culture|video
    インタビューBIGビャルケ・インゲルス
    『建築家ビャルケ・インゲルス氏:「快楽主義的持続可能性」を語る』という動画が、Bloombergに掲載されています
    www.bloomberg.co.jp

    『建築家ビャルケ・インゲルス氏:「快楽主義的持続可能性」を語る』という動画が、Bloombergに掲載されています。BIGが設計した屋上がスキー場になっている発電施設と、その背景にある思想について語っています。日本語字幕付。

    以下の動画はyoutubeにアップされた英語字幕版。

    • SHARE
    インタビューBIGビャルケ・インゲルス
    2021.04.13 Tue 15:08
    0
    permalink
    デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツによる、兵庫・川辺郡の「猪名川霊園礼拝堂・休憩棟」
    photo©Keiko Sasaoka

    SHARE デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツによる、兵庫・川辺郡の「猪名川霊園礼拝堂・休憩棟」

    architecture|feature
    宗教施設兵庫デイヴィッド・チッパーフィールド図面あり
    デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツによる、兵庫・川辺郡の「猪名川霊園礼拝堂・休憩棟」 photo©Keiko Sasaoka
    デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツによる、兵庫・川辺郡の「猪名川霊園礼拝堂・休憩棟」 photo©Keiko Sasaoka
    デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツによる、兵庫・川辺郡の「猪名川霊園礼拝堂・休憩棟」 photo©Keiko Sasaoka

    デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツによる、兵庫・川辺郡の「猪名川霊園礼拝堂・休憩棟」です。
    同事務所は基本設計・デザイン監修を手掛けています。詳細なクレジットは末尾を参考ください。

    こちらは建築家によるテキストの翻訳

    猪名川霊園は、大阪から北へ約40km離れた兵庫県にある北摂山系の険しい場所に位置しています。墓地は段々畑のようになっていて、一番高い場所にある神社へと続く記念碑的な階段で二分されています。そして、この階段がプロジェクト全体の軸となっています。

    ヴィジターセンターとチャペルは、外の世界と内の静かな空間との間の顕著な境界として設計されています。中央の階段に沿って、神社と対をなすように、ビジターセンターとチャペルは中庭を囲むように配置されています。来訪者は、南東側の階段状のファサードに設けられた中央の広いフレーム付きの開口部につながる外部プラットフォームからこの空間にアプローチします。

    プログラムは単一の傾斜した屋根面の下に形式的に配置されており、エントランスから神社までのヴューラインに沿っています。ヴィジターセンターの部屋は中庭に面していますが、隠れ家的なチャペルは独立しています。チャペルへは、外から直接アクセスするか、庭から緩やかなスロープを上って、独立した廊下を通って行くことができます。暖房と人工照明を最小限に抑えた、飾り気のない静かな部屋は無宗派の瞑想空間として、純粋な形で提供されています。両側の庭園からの間接的な日差しを頼りに、チャペルを訪れる人々は静寂に包まれ、日照時間の変化や季節の葉の変化などの自然の指標を通して、本質的な時間のリズムに意識がむけられます。すべての庭園の植栽は、日本の牧草地や森林の色調や質感からインスピレーションを得ています。厳選された草、低木、野草が注意深く配置されています。

    中庭の対角線上にあるのがヴィジターセンターです。屋根の下端にある2つの大きな部屋は、家族の集まりや記念日に利用できます。ヴィジターラウンジは、休憩や食事ができるカジュアルなエリアです。メモリアルルームは、布に和紙を貼ったプリーツカーテンで3つの小部屋に分けることができ、儀式の後の正式な食事の場となっています。

    床、壁、屋根は純粋な建築要素として形成されており、同じ土のような赤色のコンクリートを使用しています。内部の床や地面はホーニング仕上げ、通路の壁や屋根はサンドブラスト仕上げとなっており、全体的にモノリシックな外観となっています。このプロジェクトのために特別にデザインされた家具は、シンプルでカジュアルな塗装が施された木製の椅子、ベンチ、テーブルで構成されており、機会に応じて配置を変えることができます。

    敷地の両端を結ぶ軸線に沿って、山頂から建物に向かって階段の途中に水が流れるようになっています。階段の下側、チャペルの近くに差し掛かると、水の流れは緩やかになり、溜まりとなって樋に集められ、敷地の下に新たに設けられた地下水路を通って近くの運河へと流れていくようになっています。

    • 残り13枚の写真と建築家によるテキスト
    • SHARE
    宗教施設兵庫デイヴィッド・チッパーフィールド図面あり
    2021.04.13 Tue 11:44
    0
    permalink
    ネリ&フーによる、韓国・ソウルの、ファッションブランドMCMの旗艦店「MCM HAUS」。既存の5階建の建物等を改修
    photo©Dirk Weiblen

    SHARE ネリ&フーによる、韓国・ソウルの、ファッションブランドMCMの旗艦店「MCM HAUS」。既存の5階建の建物等を改修

    architecture|feature
    店舗リノベーション韓国ネリ&フーソウルコンバージョン図面あり
    ネリ&フーによる、韓国・ソウルの、ファッションブランドMCMの旗艦店「MCM HAUS」。既存の5階建の建物等を改修 photo©Dirk Weiblen
    ネリ&フーによる、韓国・ソウルの、ファッションブランドMCMの旗艦店「MCM HAUS」。既存の5階建の建物等を改修 photo©Dirk Weiblen

    ネリ&フーによる、韓国・ソウルの、ファッションブランドMCMの旗艦店「MCM HAUS」です。既存の5階建ての建物と付属の駐車場タワーを改修した建築です。店舗の場所はこちら。

    以下、建築家によるテキストの翻訳

    プロジェクトの概要は、ソウルの高級地区である江南(カンナム)にあるMCMの新しい旗艦店として、既存の5階建ての建物と付属の駐車場タワーを改修することでした。ネリ&フーは、MCMの強いブランドストーリーとドイツのルーツを考慮し、ブランドの伝統へのこだわり、クラフトマンシップとディテールへのこだわりに忠実でありながら、デジタル時代の進歩を祝福するMCMの姿勢を体現するような旗艦店のデザインを目指しました。
    ネリ&フーは、新しい旗艦店のデザインコンセプトとして、製造業における実験的な試みと、クラフトマンシップや伝統的な芸術を融合させたバウハウスの動きにインスピレーションを得ました。 新店舗は、江南地区の単なる建築物としてではなく、MCMブランドの新たな「家」としての役割を果たすべきであると考えました。
    つまり、工業、グラフィック、家具、インテリアデザイン、建築など、バウハウスの芸術的媒体の総体を体現する家でなければならないのです。

    バウハウスの精神は、旗艦店の新しい金属製のファサードに表現されており、建物は重厚なコンクリートの土台の上に、厳選された窓の開口部を持つ骨董品箱のようになっています。 既存の建物は2つの独立したファサードとして構成されていましたが、主な課題は容積率を維持しつつ、1つの建物として認識されるような新しいファサードを作ることでした。 新しいファサードを支えるために、追加の構造補強が必要となりました。
    新しいファサードは、駐車場タワーと店舗エリアの間の不規則なスラブエッジのギャップを埋めるために直線化され、単一の塊を形成しています。 クライアントの限られた予算と4ヶ月という工期を考えると、ファサードのソリューションは、経済的な手段で最大限の視覚的インパクトを与える必要がありました。 北向きのファサードに対応して、自然光をできるだけ多く反射させるためにブロンズ色の金属を選択し、400mmの深さの窓を設けて、レリーフと影を導入しました。この大きな開口部は、視覚的に、商品や内部の活動をフレーム化するのにも役立っています。ブロンズ色の金属メッシュは、大きな開口部を覆うようにヴェールをかけ、ファサードに奥行きとテクスチャーのレイヤーを与えています。頑丈なコンクリートの台座は、歩行者のスケールに合わせたストリートスケープの存在感を示し、視覚的に商品のための専用のショーウィンドウを提供しています。

    • 残り20枚の写真と建築家によるテキスト
    • SHARE
    店舗リノベーション韓国ネリ&フーソウルコンバージョン図面あり
    2021.04.13 Tue 09:22
    0
    permalink
    杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第9回「与条件を立てる / 素材絵画」

    SHARE 杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第9回「与条件を立てる / 素材絵画」

    architecture|feature
    杉山幸一郎ピーター・ズントー論考For The Architectural Innocent
    杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第9回「与条件を立てる / 素材絵画」

     
    ※このエッセイは、杉山幸一郎個人の見解を記すもので、ピーター・ズントー事務所のオフィシャルブログという位置づけではありません。

     


     
    与条件を立てる / 素材絵画

     

    text:杉山幸一郎

     
     
    ピーターズントーは、これまで数多くの建築を設計してきましたが、その中に実現した集合住宅は2つしかありません。
    バーゼル近郊にある«シュピッテルホーフ集合住宅 / Spittelhof Housing (1996) »と、クールにある«マサンサの老人ホーム / Home for Senior Citizens (1993) »です。

    今回は、«マサンサの老人ホーム »について考えてみたいと思います。

    このアルプスの山の麓に建つ有料老人ホームは、ある程度のケアが必要であるけれど、自分一人で生活ができる人が入居対象となっている、いわば高齢者のための集合住宅のような施設です。

    各住戸にはリビングダイニングと寝室があり、クローゼットを挟んで引き戸によって緩く隔てられています。さらに廊下側にはキッチンのボックスと水回りが付け加えられ、反対側にはバルコニーもある。
    そこから眺める夕日は、クールに住んでいる人なら誰もが知っている最も美しい日常の一コマです。

    玄関から入って、共用廊下を通って各住戸に入る。そして奥のバルコニーへ。
    教科書にあるような平面計画でタイポロジーとしてはとても単純です。

    同じ敷地内には他にもいくつかの建物が建っています。それらを、ひとまとまりとして使うこともあるのか、今回紹介する建物にはレクリエーションのための部屋はありません。代わりに廊下が十分な幅をもって計画され、また床から天井まで続く開放的なガラス窓のおかげもあって、大きな共有リビングのようなスペースになっています。

    同じクール (Chur) に建っている、以前紹介した«ローマ遺跡のためのシェルター(第6回の記事を参考)»から7年後の1993年に竣工。80-90年代にかけて設計された木造の«ズントーアトリエ(第4回の記事を参考)»や«ベネディクト教会(第7回の記事を参考)»に比べるとこの老人ホームはひとまわり大きいプロジェクトです。

    そして、現在のズントーデザインに見られるような、多様な素材の用い方から始まり、開口部や建具のデザイン、何より全体を取りまとめる建築アイデア«Architectural Idea»の明確さにおいて、現在の文脈に最も沿っている、初期のプロジェクトではないかと僕は考えています。

    • 残り8枚の写真と建築家によるテキスト
    • SHARE
    杉山幸一郎ピーター・ズントー論考For The Architectural Innocent
    2021.04.13 Tue 06:43
    0
    permalink
    2021.4.12Mon
    • 藤本壮介とWOHA マン・サム・ウォンによる「未来の建築―新しい空間とつながりの創造にむけて」をテーマに行われた講演の動画。国際文化会館の主催で行われたもので日本語同時通訳版
    • 三井嶺建築設計事務所による、神奈川・逗子市の住宅「逗子の家『森の図書館』」
    • 武保学 / きりんによる、三重・伊賀市の店舗「場所を見守る土産物店」
    • 「妹島和世氏が手掛けた日本女子大学・目白キャンパス 正式オープン」(建設通信新聞DEGITAL)
    • 最も注目を集めたトピックス [期間:2021/4/5-4/11]
    2021.4.14Wed
    • 平田晃久が、群馬の「太田西複合拠点公共施設」設計プロポで最優秀者に特定。提案書も公開
    • 川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、ベルリン建築ギャラリーでの自身の個展「EQUIVOCAL」。会場構成も自身の作品として構想
    • 白井晟一の建築展「白井晟一 入門」が、自身が設計した渋谷区立松濤美術館で開催

    Subscribe and Follow

    公式アカウントをフォローして、
    見逃せない建築情報を受け取ろう。

    「建築と社会の関係を視覚化する」メディア、アーキテクチャーフォトの公式アカウントです。
    様々な切り口による複眼的視点で建築に関する情報を最速でお届けします。

    60,853
    • Follow
    83,016
    • Follow
    • Follow
    • Add Friends
    • Subscribe
    • 情報募集/建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
      More
    • メールマガジン/ メールマガジンで最新の情報を配信しています。
      More

    architecturephoto® News Letter

    メールマガジンでも最新の更新情報を配信中

    • ホーム
    • アーキテクチャーフォトについて
    • アーキテクチャーフォト規約
    • プライバシーポリシー
    • 特定商取引法に関する表記
    • 利用者情報の外部送信について
    • 広告掲載について
    • お問い合わせ/作品投稿

    Copyright © architecturephoto.net.

    • 建築
    • アート
    • カルチャー
    • デザイン
    • ファッション
    • 書籍
    • 展覧会
    • コンペ
    • 動画
    • テレビ
    • 特集記事
    • 注目情報
    • タグ
    • アーキテクチャーフォト ジョブボード
    • アーキテクチャーフォト・ブック
    • アーキテクチャーフォト・プロダクト
    • ホーム
    • アーキテクチャーフォトについて
    • アーキテクチャーフォト規約
    • プライバシーポリシー
    • 特定商取引法に関する表記
    • 利用者情報の外部送信について
    • 広告掲載について
    • お問い合わせ/作品投稿

    メールマガジンで最新の情報を配信しています

    この記事をシェア
    タイトルタイトルタイトルタイトルタイトル
    https://architecturephoto.net/permalink

    記事について#architecturephotonetでつぶやいてみましょう。
    有益なコメントは拡散や、サイトでも紹介させていただくこともございます。

    architecturephoto®
    • black
    • gray
    • white