SHARE 芦沢啓治建築設計事務所+ノームアーキテクツによる、東京の、集合住宅の一住戸の改修「Azabu Residence」。カリモクケーススタディとして、内装と家具類をフラットに捉えデザインし完成後に販売
芦沢啓治建築設計事務所+ノームアーキテクツが設計した、東京の、集合住宅の一住戸の改修「Azabu Residence」。カリモクケーススタディの新しいプロジェクトとして発表され、内装と家具類をフラットに捉えデザインし完成後に販売されました。カリモクケーススタディについては下記の文章を参照ください。
Azabu Residenceは東京西麻布の大通りから一本入ったところにある、1988年に建てられたマンションのリノベーションプロジェクトである。
我々としては同じ棟内における二つ目の物件であり、デベロッパーとも気心が知れていたこともあり、カリモクケーススタディのプロジェクトとして家具デザインも含めたインテリアをデザインすることを提案し了承された。カリモクケーススタディ※1としては4つ目のプロジェクトとなる。今回もカリモクケーススタディのディレクターでもあるNorm Architectsとのコラボレーションとなっている。
昨今の東京では珍しく敷地を贅沢に使い、エントランスエリアの庭もしっかり作り込まれ、落ち着きのある佇まいを持ったマンションである。雰囲気のある薄暗い廊下から抜け、240m2という大きな部屋が我々が手がけた部屋なのだが、小さなバルコニーはあったものの、使える外部空間というほどではないのだが、どこの部屋からも気持ちの良い光が入ることは確認できた。その光の質、マンションが持っている落ち着いたダークトーンの雰囲気、ノームアーキテクツからのインプットであった、アメリカのミッドセンチュリーにおけるインテリアのインスピレーションから、床、壁、そして家具の色味を決定させた。
カリモクケーススタディは、カリモク家具によるライフスタイルブランドです。静謐な美への敬愛、素材の豊かな表現、時間に左右されない魅力に対する共通した価値観をもつ建築家によって、建築やインテリアのプロジェクトを通して空間とともに、家具や照明、オブジェクトをデザインします。建築家は、特定の空間のニーズやプロポーションを考慮し、その空間にあった家具やオブジェクトのデザインを行い、それらをコレクションとして背景となる物語とともに、発表していきます。
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以下、建築家によるテキストです。
Azabu Residenceは東京西麻布の大通りから一本入ったところにある、1988年に建てられたマンションのリノベーションプロジェクトである。
我々としては同じ棟内における二つ目の物件であり、デベロッパーとも気心が知れていたこともあり、カリモクケーススタディのプロジェクトとして家具デザインも含めたインテリアをデザインすることを提案し了承された。カリモクケーススタディ※1としては4つ目のプロジェクトとなる。今回もカリモクケーススタディのディレクターでもあるNorm Architectsとのコラボレーションとなっている。
昨今の東京では珍しく敷地を贅沢に使い、エントランスエリアの庭もしっかり作り込まれ、落ち着きのある佇まいを持ったマンションである。雰囲気のある薄暗い廊下から抜け、240m2という大きな部屋が我々が手がけた部屋なのだが、小さなバルコニーはあったものの、使える外部空間というほどではないのだが、どこの部屋からも気持ちの良い光が入ることは確認できた。その光の質、マンションが持っている落ち着いたダークトーンの雰囲気、ノームアーキテクツからのインプットであった、アメリカのミッドセンチュリーにおけるインテリアのインスピレーションから、床、壁、そして家具の色味を決定させた。またカリモク家具に、置き家具だけではなく、キッチンなどの造作家具、壁収納の扉なども材料を支給してもらった。よって家具と造作家具の色味やクオリティーの統一が図れたことは、今回大きな収穫であった。
今までに発表したカリモクケーススタディのプロジェクトと同様に、Azabu Residenceは日本とスカンジナビア、双方のデザインの哲学と美学を組み合わせている。インテリアエレメンツとして天然素材を多く使用しながら、素材の色と落ち着いたカラーパレットをベースにしている。壁や天井は色をコントロールした質感のある漆喰を塗り、椅子やソファーにおけるテキスタイル、カーテン、照明の和紙など手で触れる部分の質感も丁寧に選択しており、木製品との相性を検討を重ねている。
プランニングとしては、既存のプランから大幅に変えて廊下をなくしスペースの連続としている。またそのスペース毎に引き戸が仕込まれて分割できるようにもなっている。そのスペース毎に、壁にニッチスペースなどを設け、花などが飾れるスペースを作っている。和室であれば床間のようなスペースだが、各部屋毎の印象を変え、また空間全体に季節感、柔らかさを作り出している。
Azabu Residenceは、マーケットに出るや否や家具付きで販売された。我々自身も建築事務所が包括的に空間を作っていくことの重要さを改めて知ることになったプロジェクトとなった。
※1 カリモクケーススタディは、カリモク家具によるライフスタイルコレクションです。です。静謐な美への敬愛、素材の豊かな表現、時間に左右されない魅力に対する共通した価値観をもつ建築家によって、建築やインテリアのプロジェクトを通して空間とともに、家具や照明、オブジェクトをデザインします。建築家は、特定の空間のニーズやプロポーションを考慮し、その空間にあった家具やオブジェクトのデザインを行い、それらをコレクションとして背景となる物語とともに、発表していきます。今回は、カリモクケーススタディのプロジェクトに賛同していただいたクライアントであるRibitaとNTT都市開発の協力を得て、4つ目のケースとしてAzabu Residenceを発表することになりました。
■建築概要
題名:Azabu Residence
設計:芦沢啓治/芦沢啓治建築設計事務所
担当:川見 憲史 / 芦沢啓治建築設計事務所 , Jonas Bjerre-Poulsen , Fredeik Alexander Werner / Norm Architects
所在地:東京都
主用途:個人住宅(改修)
インテリアスタイリング:LIVING MOTIF
施工:株式会社 翔洋
延床面積:238㎡
構造:RC構造
竣工:2020年11月
写真:見学友宙
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・床 | LDK床 | フローリング:Cフローリング 鉄反応染(アトムカンパニー) |
内装・壁 | LDK壁 | 左官:ブラン、サブレ(シリカライム) |
内装・天井 | LDK天井 | 左官:ブラン、サブレ(シリカライム) |
内装・床 | MBR床 | カーペット:HDC 917-05(堀田カーペット) |
内装・壁 | MBR壁 | 左官:ブラン、サブレ(シリカライム) |
内装・天井 | MBR天井 | 左官:ブラン、サブレ(シリカライム) |
内装・床 | 居室床 | カーペット:HDC 917-05(堀田カーペット) |
内装・壁 | 居室壁 | AEP塗装:日塗工 J22-85B |
内装・床 | 洗面所床 | |
内装・壁 | 洗面所壁 | |
内装・天井 | 洗面所天井 | ビルデック塗装:日塗工 J22-85B |
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