SHARE 東京・小平市の「(仮称)東京サレジオ学園児童園舎改築計画」プロポーザルの実施要項が公開。社会福祉法人東京サレジオ学園の主催で行われるもの
東京・小平市の「(仮称)東京サレジオ学園児童園舎改築計画」プロポーザルの実施要項が公開されています。社会福祉法人東京サレジオ学園の主催で行われるものです。参加表明書および一次審査提案書受付期間は、2021年10月10月22日までです。二次審査の提案書提出期間は2021年12月15日まで。
応募条件は一級建築士事務所の登録を受けている事と、福祉施設、幼稚園、保育園、集合住宅、シェアハウス・その他公共的な機能を有する建築物、都市施設(それぞれ延床面積450㎡以上)のいずれかを履行した実績がある事。詳細はリンク先の要項からご確認ください。【ap・ad】
東京サレジオ学園の主な建築群は、築30年の鉄筋コンクリート造の建築である。「家」で子どもたちを養育するという考えを形にし、自然に調和し、意匠性に優れた建築デザインである。残念ながら、機能面で竣工後より様々な問題を抱え、近年は経年による老朽化も相まって、問題が大きくなってきている。 一番深刻な問題は、敷地内排水計画の不具合である。現在、浸透による排水が機能せず、長雨、大雨の度に床下浸水が各所で起きる。また、巨大に育ちすぎた樹木によって、大型台風の度に倒木のリスクを抱えている。次に大きい問題は、設備機器の不具合で、すでに日常的な児童養育が十分にできない状況に至ってしまっている。機器の更新時期は来ているが、設備配管の多くがコンクリート躯体に埋め込まれている為に改修費が莫大であり容易に着手できない。また、内外装の仕上げ材に特注部材を用いている為、維持管理費や修繕費も看過できない状況にある。
一般的な耐用年数を考えれば、長期的に建築物を使い続けたいが、改修費や維持管理費に大きな金額が必要であり、かつ改修によっても抜本的な解決には至らない可能性があるため、児童園舎7棟を解体し、新たに児童園舎9棟を建築する結論に至った。
本プロポーザルは、東京サレジオ学園が育んできた養育の考え方を、次世代に継承していくための児童園舎の建替えおよびその配置計画を担当する設計・監理事業者を選定するものである。児童福祉の考え方は時代と共に変化し、現在では、より小規模なグループでの養育に対応した園舎とする必要がある。一方で、園舎の建築に求められる本質は不変であり、子どもたちが自分たちの家として心から安心できる場所をつくる必要がある。これからの児童福祉の在り方について、運営者と伴走しながら、様々な問題に対してアイデアや解決策を提示してくれる、意欲と技術を兼ね備えた設計者を探し出したいと考えている。