
1,678.03 杉山由香+桝永絵理子+神崎夏子 / カミナガスギによる、東京の離島・神津島村のゲストハウス「Guesthouse Campus」。コロナ禍でリモート授業を受ける学生のための“スタディケーション”の場を、円という純粋形態を用いることで特別な空間として構築


杉山由香+桝永絵理子+神崎夏子 / カミナガスギが設計した、東京の離島・神津島村のゲストハウス「Guesthouse Campus」です。コロナ禍でリモート授業を受ける学生のための“スタディケーション”の場を、円という純粋形態を用いることで特別な空間として構築しました。
カミナガスギは、東京藝術大学大学院及び伊東豊雄建築設計事務所を経験した3人による建築ユニットです。現在、杉山はタテモノトカを主宰、桝永はAATISMOを共同主宰、神崎は伊東豊雄建築設計事務所に在籍しています。
本プロジェクトは「スタディ」+「バケーション」=「スタディケーション」という新しい機能をつくり、ロフトベッドと広場という2つの空間によってそれに応えるという挑戦的な事例だ。コロナ禍で大学へ通えない学生たちが、空気の良い神津島で、くつろぎながらリモート授業を受けられる場所をつくりたいというオーナーの要望を形にした。
ロフトベッドと呼ばれる、机とベッドが一体となった家具を「スタディ」のモチーフとして、円がくりぬかれた形のロフトベッドを設け空間の骨格をつくった。ロフトの下には勉強机が、ロフトの上には厚いカーテンで間仕切られた寝床が用意されている。
Campus(カンプス)とはキャンパスつまり学園の語源であり、広場という意味である。西欧において広場が学びの場所であったことが由来だ。神津島の集落や本計画の既存建物の形状は地形に影響されてできており、道は迷路のように入り組み、建物や敷地も変形のものが多い。ここに円という純粋な形態の広場を挿入することで特別な場所をつくり、ここが学びの広場であることを表現している。