山田伸彦建築設計事務所+牛島隆敬建築設計事務所が設計した、群馬・みどり市の「幼保連携型認定こども園みどりのもり」です。既存園舎の関係性を踏襲し、建物を5つの塊に分け開放的な回廊で繋ぐことで内外の親密な関係をつくり、“生き生きとしたこどもの空間”が目指されました。
群馬県みどり市の認定こども園の建て替え計画により移転新築されました。
敷地は岩宿遺跡のすぐそばにあり、歴史性の高い場所にあります。
児童数の増加に伴い、増築を繰り返した既存園舎(別棟で5棟)の隣接の駐車場として使用されていた敷地に、児童数約200名、0歳から5歳児までの 6*2=12 クラスのこども園を計画しました。
計画前の現地調査時に、既存の建て増しされた園舎で外からそれぞれの保育室にダイレクトにアクセスしてる状況が、園として改めたいとおっしゃっていたが、逆に外と部屋の距離感がとても近く、子どもたちの活動がとても魅力的に見えました。また、その庭の中心に立つと園児の活動などが一目に見えている状況で、画一的でない変化のある場所としてとても楽しく見えました。
私たちはそこで、それぞれの保育室の独立性が高いがしかし、既存園舎の保育室と外の関係性を踏襲したような分棟型(のように見える)の計画としました。
具体的には、求められた必要な保育室の大きさを5つの塊に分けました。そのうえで廊下の部分については室内であるが、開放的で片側に寄せることの出来る建具を入れることや仕上げなどで外のような廊下としてしつらえ、それぞれのボリュームを回廊で結ぶようにしました。
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以下、建築家によるテキストです。
生き生きとしたこどもの空間を目指して
群馬県みどり市の認定こども園の建て替え計画により移転新築されました。
敷地は岩宿遺跡のすぐそばにあり、歴史性の高い場所にあります。
児童数の増加に伴い、増築を繰り返した既存園舎(別棟で5棟)の隣接の駐車場として使用されていた敷地に、児童数約 200名、0歳から5歳児までの 6*2=12 クラスのこども園を計画しました。
計画前の現地調査時に、既存の建て増しされた園舎で外からそれぞれの保育室にダイレクトにアクセスしてる状況が、園として改めたいとおっしゃっていたが、逆に外と部屋の距離感がとても近く、子どもたちの活動がとても魅力的に見えました。また、その庭の中心に立つと園児の活動などが一目に見えている状況で、画一的でない変化のある場所としてとても楽しく見えました。
私たちはそこで、それぞれの保育室の独立性が高いがしかし、既存園舎の保育室と外の関係性を踏襲したような分棟型(のように見える)の計画としました。
具体的には、求められた必要な保育室の大きさを5つの塊に分けました。そのうえで廊下の部分については室内であるが、開放的で片側に寄せることの出来る建具を入れることや仕上げなどで外のような廊下としてしつらえ、それぞれのボリュームを回廊で結ぶようにしました。また、北側の赤城山からの強風を考慮し、外部の四周に対しては開放的な廊下としないつくりとしました。
1つ1つのボリュームは事務室や遊戯室、ランチルーム、年齢ごとの保育室に分けており、 また、囲まれた中庭も植栽や舗装、デッキをしつらえることで、1つの居場所となると同時に、1つの居場所から中庭を介して別の場所までの目線や音が行き来する親密で豊かな(内→内外→外→内外→内の)関係が生まれ、またこの関係が様々な行動の端緒となることになったと考えます。
回廊型の廊下は外のように曲がりくねっており、所々にソファや椅子、本棚など設計し、また一度に見渡せないように出っ張ったり引っ込んだりしています。光の様態も一様ではなく、そういった場所のあり方で、様々な場所にいろいろな居場所が出来ています。
■建築概要
作品名:幼保連携型認定こども園みどりのもり
計画地:群馬県みどり市
計画種別:新築
用途:認定こども園
地域地区:都市計画区域内(非線引き区域)
設計:(株)山田伸彦建築設計事務所+牛島隆敬建築設計事務所
構造:KAP
機械設備:Gn設備計画
電気設備:EOSplus
照明計画:FIG Lighting Design
施工:第一工業株式会社
敷地面積:2,619.27㎡
建築面積:1,052.63㎡
延床面積:1,975.05㎡
構造規模:地上2階建
構造:鉄骨造
設計期間:2019年8月~4月
施工期間:2020年6月~2021年3月
写真:Nacasa&Partners 金子美由紀