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2021.11.30Tue
2021.11.29Mon
2021.12.01Wed
GROUP+清原惟+三野新による、神奈川の「海老名のアトリエ付きシェアハウス」。メーカーが建設した集合住宅の改修の依頼に、設計者が実際にそこに住み“生活の痕跡”を見つけ“形”に再構築することで、その新しい関係性により建築が更に変化する発端となることを構想
photo©高野ユリカ

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architecture|feature
大村高広鈴木健太坂藤加菜小山薫子石倉来輝三野新清原惟齋藤直紀GROUP月造赤塚健棗田久美子井上岳シェアハウスアトリエ神奈川リノベーション
GROUP+清原惟+三野新による、神奈川の「海老名のアトリエ付きシェアハウス」。メーカーが建設した集合住宅の改修の依頼に、設計者が実際にそこに住み“生活の痕跡”を見つけ“形”に再構築することで、その新しい関係性により建築が更に変化する発端となることを構想 photo©高野ユリカ
GROUP+清原惟+三野新による、神奈川の「海老名のアトリエ付きシェアハウス」。メーカーが建設した集合住宅の改修の依頼に、設計者が実際にそこに住み“生活の痕跡”を見つけ“形”に再構築することで、その新しい関係性により建築が更に変化する発端となることを構想 photo©高野ユリカ
GROUP+清原惟+三野新による、神奈川の「海老名のアトリエ付きシェアハウス」。メーカーが建設した集合住宅の改修の依頼に、設計者が実際にそこに住み“生活の痕跡”を見つけ“形”に再構築することで、その新しい関係性により建築が更に変化する発端となることを構想 photo©高野ユリカ
GROUP+清原惟+三野新による、神奈川の「海老名のアトリエ付きシェアハウス」。メーカーが建設した集合住宅の改修の依頼に、設計者が実際にそこに住み“生活の痕跡”を見つけ“形”に再構築することで、その新しい関係性により建築が更に変化する発端となることを構想 photo©高野ユリカ

GROUP+清原惟+三野新が設計した、神奈川の「海老名のアトリエ付きシェアハウス」です。メーカーが建設した集合住宅の改修の依頼に、設計者が実際にそこに住み“生活の痕跡”を見つけ“形”に再構築することで、その新しい関係性により建築が更に変化する発端となることが構想されました。高野ユリカと三野新がそれぞれ撮影した写真で紹介します。

私たちが改修設計を依頼された住宅は、平成のはじめにハウスメーカーによってつくられた6棟が連なる長屋形式の集合住宅でした。
クライアントからアトリエ付きシェアハウスへのリノベーションの依頼を受け、敷地を訪れたとき、ハウスメーカーについてよく言われている均質な空間の中に、生活の痕跡が残されていることに気が付きました。

建築家によるテキストより

海老名の家プロジェクトでは、まず、設計者も含めた9名がその場所に実際に住むことで、家に残された生活の痕跡を見つけつつ、同時に新たにつくりだしていきました。そして、生活を送る中で海老名の家に積み重なっていった痕跡を、写真や映像を用いて記録していきました。そこに写っているものは、食事の風景であったり、庭の植物であったり、部屋に差し込む光であったり、中には私たち設計者が写り込んでいるものもありました。

建築家によるテキストより

私たちはその記録を元に、生活の痕跡の「形」を再構築し、外壁に各部屋をまたがった曲線の開口、共用棟の吹き抜け、北側の作業場に通ずる扉をつくりました。これらは既存建築の中に、柔らかい光を取り入れたり、座ったり、ものを置いたり、思い思いに使うことのできる余白を生みだすものとして設計しました。
また、「形」に還元できない痕跡を用いて、共用棟へのスロープと、北側の外部アトリエをつくりました。スロープは各住戸の入り口へと曲線を描きながら伸び、外部アトリエは、隣地の森の樹木の位置と呼応し、制作中にふと目をあげると樹木たちが近くいることを意識できるように設計しました。

建築家によるテキストより

高野ユリカによる写真

以下の写真はクリックで拡大します

GROUP+清原惟+三野新による、神奈川の「海老名のアトリエ付きシェアハウス」。メーカーが建設した集合住宅の改修の依頼に、設計者が実際にそこに住み“生活の痕跡”を見つけ“形”に再構築することで、その新しい関係性により建築が更に変化する発端となることを構想 photo©高野ユリカ
GROUP+清原惟+三野新による、神奈川の「海老名のアトリエ付きシェアハウス」。メーカーが建設した集合住宅の改修の依頼に、設計者が実際にそこに住み“生活の痕跡”を見つけ“形”に再構築することで、その新しい関係性により建築が更に変化する発端となることを構想 photo©高野ユリカ
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三野新による写真

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GROUP+清原惟+三野新による、神奈川の「海老名のアトリエ付きシェアハウス」。メーカーが建設した集合住宅の改修の依頼に、設計者が実際にそこに住み“生活の痕跡”を見つけ“形”に再構築することで、その新しい関係性により建築が更に変化する発端となることを構想 photo©三野新
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GROUP+清原惟+三野新による、神奈川の「海老名のアトリエ付きシェアハウス」。メーカーが建設した集合住宅の改修の依頼に、設計者が実際にそこに住み“生活の痕跡”を見つけ“形”に再構築することで、その新しい関係性により建築が更に変化する発端となることを構想 photo©三野新

以下、建築家によるテキストです。


私たちが改修設計を依頼された住宅は、平成のはじめにハウスメーカーによってつくられた6棟が連なる長屋形式の集合住宅でした。
クライアントからアトリエ付きシェアハウスへのリノベーションの依頼を受け、敷地を訪れたとき、ハウスメーカーについてよく言われている均質な空間の中に、生活の痕跡が残されていることに気が付きました。

例えば、庭に放置されたBBQセットであったり、壁にできた染みであったり、ゴミ捨て場の覚書であったり。
建築の中で生活を行い、その痕跡が積み重なっていくことで、その場所にはある空気感が生まれてきます。建築竣工時の形だけではなく、そこに住む人の生活の痕跡によって建築の場所性が変化していくこと。この変化に着目することで、今まで切り離されて考えられていた、建築の形とそこで営まれる生活の痕跡との新しい関係をつくることができないだろうか、と考え設計をはじめました。

海老名の家プロジェクトでは、まず、設計者も含めた9名がその場所に実際に住むことで、家に残された生活の痕跡を見つけつつ、同時に新たにつくりだしていきました。そして、生活を送る中で海老名の家に積み重なっていった痕跡を、写真や映像を用いて記録していきました。そこに写っているものは、食事の風景であったり、庭の植物であったり、部屋に差し込む光であったり、中には私たち設計者が写り込んでいるものもありました。

私たちはその記録を元に、生活の痕跡の「形」を再構築し、外壁に各部屋をまたがった曲線の開口、共用棟の吹き抜け、北側の作業場に通ずる扉をつくりました。これらは既存建築の中に、柔らかい光を取り入れたり、座ったり、ものを置いたり、思い思いに使うことのできる余白を生みだすものとして設計しました。
また、「形」に還元できない痕跡を用いて、共用棟へのスロープと、北側の外部アトリエをつくりました。スロープは各住戸の入り口へと曲線を描きながら伸び、外部アトリエは、隣地の森の樹木の位置と呼応し、制作中にふと目をあげると樹木たちが近くいることを意識できるように設計しました。

過ぎていく時間のなかに残された生活の痕跡を、設計によって再構築し、その場所に留めていく。そして、海老名の家で生活する人々や訪れる人々が、何気なく部屋に落ちる影、建物から外へ漏れ出る光のような痕跡の断片たちに触れ、日々のなかでまた新たな痕跡を生みだすことで、建築が変化していくこと。そのひとつのきっかけとなるような設計を考えました。

■建築概要

作品タイトル:海老名のアトリエ付きシェアハウス
所在地:神奈川県海老名市
主要用途:アトリエ付きシェアハウス
家族構成:シェアハウス
───
設計
設計者事務所名 GROUP+清原惟+三野新
担当:井上岳、棗田久美子、赤塚健、清原惟、三野新
設計協力:石倉来輝、小山薫子、坂藤加菜、鈴木健太
外構・造園:井上岳、大村高広、齋藤直紀、棗田久美子、赤塚健、清原惟、三野新
施工:月造
構造・構法
主体構造・構法:鉄鋼系組立構造
基礎:布基礎
───
敷地条件
地域地区:市街化調整区域 
防火指定:無指定 
───
規模
地上階:2
軒高:6.05m 
最高の高さ:8.05m 
敷地面積:1118.15m2
建築面積:289.89m2(建蔽率26% 許容50%)
延床面積:579.79m2(容積率52% 許容100%)
1階:289.89m2 
2階:289.89m2 
───
工程
設計期間:2020年4月〜2020年11月
工事期間:2020年12月〜2021年2月 

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外装・建具エントランス

ドア金物一式(DAIKEN)

外装・建具引戸

スチールハンガードア ローバル塗装

外装・建具開口部

強化ガラス スチールFB枠塗装

内装・照明ランプシェード

オリジナル(Marie Sakagami)

内装・床床

ラワン合板 着色漆仕上げ

内装・その他手摺

SUSパイプ塗装

※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちらから
※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

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原田将史+谷口真依子 / Niji Architectsによる東京都世田谷区奥沢の店舗「THE KIRINTAILORS SHOP」
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大村高広鈴木健太坂藤加菜小山薫子石倉来輝三野新清原惟齋藤直紀GROUP月造赤塚健棗田久美子井上岳シェアハウスアトリエ神奈川リノベーション
2021.11.30 Tue 15:50
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    design|culture|feature
    プロダクト吉岡徳仁復興支援
    吉岡徳仁がユニクロの為にデザインした「エアリズム 3D マスク」。製造工程からデザインされ、インナーウェアの製造技術から着想を得た縫い目のないマスクで、約1年の時間をかけ100パターン以上の試作検証を行い完成 photo courtesy of 吉岡徳仁デザイン事務所

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    肌を包むインナーウェアの製造技術から着想を得て、熱で繊維を溶着し、縫い目のないマスクを実現しています。

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    森恵吾+ジャン・ジエ / ATELIER MOZHが設計した、中国・西安市の、ギャラリーと絵画教室「Liu painting studio」です。設計検討の中で“森の礼拝堂での体験”を回顧した設計者は、天井に完璧な正円を描くことで、集まる生徒と先生の行為を支える背景としての空間を構想しました。

    リヨンで絵画を学んだ若いクライアントのための、ギャラリーと絵画教室の計画である。

    クライアントは、慣れ親しんだ西洋のアトリエの雰囲気と同時に、たくさんの若いゲストを迎え入れられるフレッシュな雰囲気の場所を望んでいた。

    建築家によるテキストより

    改築前のこの場所は、平面的な広さの割りに天井が低く、そのせいで柱の無骨さも気になった。ここにクライアントの要求をどう満たすか考える中で、アスプルンドの森の礼拝堂での体験をふと思い出した。低く抑えられた平天井を支える柱の列。その奥には、白くポッカリと円形に穿たれた天井。その下で参列者たちは中心の祭壇を囲う。

    建築家によるテキストより

    あの場所の雰囲気 – もちろんここは教会でも何でもないのだが – を思い浮かべながら、プランに線を引いてみた。
    円周上には生徒が集まり、中心を見つめることができる。中心は描写する対象(オブジェ)かもしれないし、クライアントである先生かもしれない。あるいは逆に、円の中心に立った先生が、周囲の生徒たちの様子を見渡すこともできる。さらに、円弧に沿ってカーテンを巡らせば、内部はテンポラリーなギャラリー空間として使用できる。

    建築家によるテキストより
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    リノベーション中国ギャラリー図面あり建材(内装・床)建材(内装・壁)建材(内装・天井)建材(内装・造作家具)森恵吾ジャン・ジエATELIER MOZHFUSION PhotographyZhu Runzi
    2021.11.30 Tue 07:40
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    2021.11.29Mon
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