黒崎敏 / APOLLO Architects & Associatesの設計した、東京・文京区の住宅「TIMELESS」です。子供が独立した夫婦のシニアライフを見据え計画、建物内部の大小2つの中庭が外部リビングと光井戸として機能、内外を緩やかに横断し過ごすせる空間はコロナ以降も見据えて考えられました。
東京の中心部にある閑静な住宅街の一角に建つ「TIMELESS」
この場所で永く暮らす建主は3人の子供達の独立を機に、夫婦としてのシニアライフを見据えて建替えを希望した。
角地の特性を生かした建物ファサードは杉板型枠コンクリート打放しの外壁で、マッシブなボリュームを二段に積み上げたようなシンプルな構成。開口部を水平スリット窓のみにしているのはプライバシーと防犯面を考慮しているためである。
内部に大小2つの中庭をパラレルに設けているのが「TIMELESS」の特徴だ。
玄関正面からのアイストップになるように竹林を配した南側メインコートは、リビングや書斎、寝室に面していることから、愛犬を含めた家族全員がアウターリビングで思いのままに寛ぐことができる。また、北側に設けたスリット状のサブコートにも植栽が散りばめられ、ライトウェル(光井戸)としての効果を生み出し、1階リビングやエントランスホールのみならず、2階サブリビングも心地よい拡散光が充満している。
アフターコロナに求められる住宅は、役割が明快な部屋や個室の集合体ではない。
家族が内外をゆるやかに横断しながら、さながら旅をするかのようにつかず離れず濃密な時間を過ごす。そのような自由な環境こそがこれからの住宅に求められる真の居場所であると感じている。
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以下、建築家によるテキストです。
東京の中心部にある閑静な住宅街の一角に建つ「TIMELESS」
この場所で永く暮らす建主は3人の子供達の独立を機に、夫婦としてのシニアライフを見据えて建替えを希望した。
角地の特性を生かした建物ファサードは杉板型枠コンクリート打放しの外壁で、マッシブなボリュームを二段に積み上げたようなシンプルな構成。開口部を水平スリット窓のみにしているのはプライバシーと防犯面を考慮しているためである。
内部に大小2つの中庭をパラレルに設けているのが「TIMELESS」の特徴だ。
玄関正面からのアイストップになるように竹林を配した南側メインコートは、リビングや書斎、寝室に面していることから、愛犬を含めた家族全員がアウターリビングで思いのままに寛ぐことができる。また、北側に設けたスリット状のサブコートにも植栽が散りばめられ、ライトウェル(光井戸)としての効果を生み出し、1階リビングやエントランスホールのみならず、2階サブリビングも心地よい拡散光が充満している。
南側開口上部に設けた深い庇のおかげで直射日光が遮られ、1階リビングには落ち着いたフォーマルな印象が生まれている。一方、2階にはルーフバルコニーと連続するカジュアルなサブリビングをつくりあげることで、1階とは異なる印象が生また。一日の中で家の中を移動しながら個人が心地よいと思える居場所を自由に探すことができる。
アフターコロナに求められる住宅は、役割が明快な部屋や個室の集合体ではない。
家族が内外をゆるやかに横断しながら、さながら旅をするかのようにつかず離れず濃密な時間を過ごす。そのような自由な環境こそがこれからの住宅に求められる真の居場所であると感じている。
■建築概要
所在地:東京都、文京区
建築用途:専用住宅(家族構成:ご夫婦、子供)
建築設計:株式会社APOLLO一級建築士事務所(黒崎敏)
構造設計:株式会社野村基建築構造設計(野村基)
設備設計:株式会社酒巻設備設計事務所(酒巻裕之)
照明設計:リップルデザイン/Ripple design (岡本賢)
施工:株式会社葛工務店
構造:RC造
敷地面積:313.60㎡
規模:地上2階建て
建築面積:202.59㎡
延べ面積:307.56㎡(158.40㎡/1F, 149.16㎡/2F)
設計期間:2018年4月 -2020年5月
工事期間:2020年6月 -2021年11月
竣工日:2021年11月
写真家:西川公朗
映像撮影家:青木聖也
建材情報種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) | 外装・壁 | 外壁 | 杉板化粧型枠 コンクリート打放し仕上げ
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内装・床 | 床 | タイル
ウォールナットフローリング
畳
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内装・壁 | 壁 | タイル
アクリルエマルジョンペイント
弾性リシン吹付
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内装・天井 | 天井 | ウォールナット木板貼り
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内装・照明 | 照明 | LED
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