SHARE 二俣公一 / ケース・リアルによる、東京・港区の店舗「moln」。“雲”の名を持つスーツケースブランドの為に計画、軽やかな製品を“大地の様な強さ”の対比的空間に置く事を構想して多数の天然素材を選択、製品と空間の融合で旅への新たな価値観の発信を目指す
二俣公一 / ケース・リアルが設計した、東京・港区の店舗「moln」です。
“雲”の名を持つスーツケースブランドの為に計画、軽やかな製品を“大地の様な強さ”の対比的空間に置く事を構想して多数の天然素材を選択、製品と空間の融合で旅への新たな価値観の発信を目指す事が意図されました。店舗の公式サイトはこちら。
トラベルブランド「moln」のための内装計画。
「moln」は、スウェーデン語で「雲」を意味する言葉に由来し、旅先でふと空を見上げた時に浮かぶ雲のように、場所・時間・空気によって変化しながら、地球上のどこでも柔らかに感じられる存在でありたいという想いが込められている。そして私たちはこのようなブランドコンセプトを受け、moln(=雲)の軽やかなプロダクトの受け皿には、軽さがありながらも大地のような強さがある対比的な空間が良いと考えた。
空間の素材に用いたのは、表面の表情を荒らした淡い色合いの石材、グレー色のリノリウムやファブリックなど、落ち着いた色味の天然素材である。molnのプロダクトは自然をイメージしてアースカラーをベースに展開されており、これらの背景として相性が良い色味や素材を考えた。さらに床面の一部だけでなく壁面やディスプレイ台など大部分に石材を貼り込み、天井が低く半地下となっていた店舗の特性を利用して、適度な明るさのある洞窟のような空間とした。
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以下、建築家によるテキストです。
トラベルブランド「moln」のための内装計画。
「moln」は、スウェーデン語で「雲」を意味する言葉に由来し、旅先でふと空を見上げた時に浮かぶ雲のように、場所・時間・空気によって変化しながら、地球上のどこでも柔らかに感じられる存在でありたいという想いが込められている。
そして私たちはこのようなブランドコンセプトを受け、moln(=雲)の軽やかなプロダクトの受け皿には、軽さがありながらも大地のような強さがある対比的な空間が良いと考えた。
空間の素材に用いたのは、表面の表情を荒らした淡い色合いの石材、グレー色のリノリウムやファブリックなど、落ち着いた色味の天然素材である。molnのプロダクトは自然をイメージしてアースカラーをベースに展開されており、これらの背景として相性が良い色味や素材を考えた。さらに床面の一部だけでなく壁面やディスプレイ台など大部分に石材を貼り込み、天井が低く半地下となっていた店舗の特性を利用して、適度な明るさのある洞窟のような空間とした。
店内の機能は壁面沿いのディスプレイ台のほか、中央のベンチとプレゼンテーションカウンター、店舗奥のデスクのみで構成している。限られたスペースでありながらも余裕のある機能配置とし、ラウンジのようなゆったりとした空間を目指した。そして店舗片面には大判のミラーを設け、実際に歩きながらスーツケースを試用できるようになっている。
世界的なコロナ禍により自由に旅へ出かけることが困難となったことをきっかけに、再び世界を旅する日への願いを込めて立ち上げられた「moln」。これからプロダクトと空間とが合わさって、ブランドの世界観や旅への新たな価値観が発信されていくことを期待している。
■建築概要
moln(2022年/東京)
クライアント:franky
計画種別:内装設計
用途:ショップ
計画地:東京都港区南青山
空間設計:ケース・リアル 二俣公一 大仁田雄輝 橋詰亜季
施工:ディー・ブレーン
照明計画:モデュレックス
植栽計画:GREENETTA 高浦裕子
グラフィックデザイン:岡本健デザイン事務所 岡本健
計画面積:49.32㎡
計画期間:2020年11月~2021年6月
写真:志摩大輔
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・床 | 床 | 石貼り 黄竜山石 割肌ビシャン仕上 防塵塗装クリア |
内装・壁 | 壁 | 石貼り 黄竜山石 割肌ビシャン、荒ビシャン仕上 防塵塗装クリア |
内装・天井 | 天井 | ケイカル板+AEP塗装 白 |
内装・造作家具 | 什器 | デスク・ディスプレイ台天板:SUSプレート バイブレーション仕上 |
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Interior design project for the travel brand “moln”. The word “moln” derives from the Swedish word meaning “cloud,” and reflects the desire to be a presence that is softly felt anywhere on earth, changing with place, time and air, just like those clouds that hover in the sky when one suddenly looks upwards on a journey. In response to this brand concept, we believed that a contrasting space that is both light yet strong like the ground would be a good place to receive the light products of “moln” (=cloud). The materials used for the space were natural materials with subdued colors, such as stone with a roughened surface in light tones, gray linoleum, and fabrics. moln’s products are developed based on earth colors, inspired by nature, thus we considered colors and materials that would fit well as a background for the products. In addition, stone was applied not only to a part of the floor, but also to most of the walls and display stands, and by taking advantage of the low ceiling and semi-basement nature of the store, a cave-like space with adequate brightness was created. The store functions consists only of display stands along the walls, a central bench and presentation counter, and a desk at the back of the store. Despite the limited space, we aimed to create a relaxing lounge-like space by arranging the functions in a spacious manner. A large mirror on one side of the store allows customers to try the suitcases while actually walking through the store. The global COVID crisis has made it difficult for people to travel freely, hence “moln” was launched with a wish for the day when people will be able to travel around the world again. We expect that the products and space together will transmit the brand’s vision and a new sense of values for travel.
moln (Tokyo, Japan, 2022)
Client: franky, Inc.
Type of Project: Interior
Use: shop
Period: Nov 2020 – Jun 2021
Floor Area: 49.32m2
Location: Tokyo, Japan
Design: Koichi Futatusmata, Yuki Onita, Aki Hashizume (CASE-REAL)
Construction: D.BRAIN CO.,LTD.
Lighting Plan: ModuleX Inc.
Planting Plan: Yuko Takaura(GREENETTA)
Graphic Design: Ken Okamoto (Ken Okamoto Design Office)
Photo: Daisuke Shima