BIGが設計した、スウェーデンの宿泊施設「Biosphere」です。
ハラッズの森林の中に“ツリーホテル”が運営するキャビンを作る計画です。建築家は、鳥類の生態系に貢献する事を目指し、ファサードに350の巣箱を持つ建築を考案しました。また、宿泊者に親密で没入感のある自然体験も提供します。施設の公式サイトはこちら。
こちらは建築家によるテキストの翻訳
北スウェーデンは、その美しい自然、広大な森林、独特の生物圏で知られています。四季を通じて気候の変化が激しいため、木や石といった地元の素材を用いた、耐性の高い建築が求められます。スウェーデンのラップランドにあるツリーホテルは、様々な種類のキャビンがあることで知られており、それぞれのキャビンは森と異なる反応を示す明確なアイデンティティを持っています。
ツリーホテルとスウェーデンの鳥類学者ウルフ・オーマンとの密接なコラボレーションにより、BIGが設計した新しいホテルルーム「Biosphere」は、この有名なホテルに350の巣箱を導入します。ハラデス松に吊るされたBIGの体験型デザインは、敷地内の8番目のホテルルームであり、周囲の生物圏を強化することを目的としています。
鳥の巣のファサードを持つこずえのホテルの部屋をデザインすることで、スウェーデンの森に生息する鳥の数の減少を抑え、代わりに生物圏と自然生息地を強化することが「Biosphere」の目的です。
ノルボッテン鳥類学会の会長であるウルフ・オーマンは言います。
「ノルボッテン県では、鳥類学者である私たちと県行政委員会の両方が調査を行い、様々な鳥の個体数が減少していることを明らかにしています。林業によって、繁殖用の鳥の巣となる木の穴の数が減っているのです。したがって、鳥の巣の設置は重要な対策となります。また、気候変動により昆虫の増加が起こる時期が早くなり、鳥の卵が孵化するころにはすでに増加が去っています。北スウェーデンに滞在し、冬に餌を必要とする鳥たちにとって、餌付けは重要なサポートメカニズムです。ツリーホテルだけでなく、人々が自分の家の近くに設置できるように、鳥の巣や餌の利用を実証することは貴重なことです。ツリーホテルが率先してこのような対策をとることで、宿泊客も同じように対策をとるようになるかもしれません」