SHARE 二俣公一 / ケース・リアルによる、愛知の店舗「イソップ名古屋栄店」。二つの開口面のある区画に計画。自然の延長に文化がある事を提示する建築を目指し、空間構成の素材として“土”を選択し壁面等に使用。平面形状の特徴を活かし性質の異なるエリアを並存
二俣公一 / ケース・リアルが設計した、愛知の店舗「イソップ名古屋栄店」です。
二つの開口面のある区画に計画されました。建築家は、自然の延長に文化がある事を提示する建築を目指し、空間構成の素材として“土”を選択し壁面等に使用しました。また、平面形状の特徴を活かし性質の異なるエリアを並存させました。店舗の公式サイトはこちら。
新陳代謝を繰り返しながら変化を続ける街の一角に、私たちの生活の起源が自然にあり、その延長に文化があることのリマインドとなるストアをつくる。
ストアが入ることになったのは、二面あるウィンドウが特徴的な空間である。私たちはこれを意識しながら壁ラインを設定し、ひと繋がりの空間でありながらもプライベート性があるエリアとメインのシンクがあるパブリックなエリアとに緩やかに分けた。
素材に用いるのは、敷地から真北50km先にある美濃エリアの土。人間は遥か彼方より、形のない土を利用し、時に食事のための器や生活を彩る花器として、時に建築に表情をもたらす左官材やタイルなどの材料として、様々な試行錯誤とともに生活に土を取り入れてきた。 私たちはこのストアにおいても、人々がそのような不定形の自然を借り、形にする試みそのものを空間にしたいと考えた。
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以下、建築家によるテキストです。
新陳代謝を繰り返しながら変化を続ける街の一角に、私たちの生活の起源が自然にあり、その延長に文化があることのリマインドとなるストアをつくる。
素材に用いるのは、敷地から真北50km先にある美濃エリアの土。人間は遥か彼方より、形のない土を利用し、時に食事のための器や生活を彩る花器として、時に建築に表情をもたらす左官材やタイルなどの材料として、様々な試行錯誤とともに生活に土を取り入れてきた。 私たちはこのストアにおいても、人々がそのような不定形の自然を借り、形にする試みそのものを空間にしたいと考えた。
ストアが入ることになったのは、二面あるウィンドウが特徴的な空間である。私たちはこれを意識しながら壁ラインを設定し、ひと繋がりの空間でありながらもプライベート性があるエリアとメインのシンクがあるパブリックなエリアとに緩やかに分けた。
素材に用いた美濃エリアの土は、壁面では左官材として用いることにした。そして同じエリアでも異なる場所から採れる2色の土でこれを塗り分け、空間に奥行きをもたせることを考えた。さらに棚板や収納など耐久性が求められる場所には木を用いて、壁面と同じ土を粉末化して木を土で染色した。
水回りなど一部の仕上げには金物を用いながらも、ベースには土という一つの原料から生まれる多様な表情を引き出し、ミニマルな雰囲気の中に土特有の柔らかさや落ち着きが同居する空間を目指した。
■建築概要
クライアント:イソップ
計画種別:内装設計
用途:物販
計画地:愛知県名古屋市中区栄
設計:ケース・リアル 二俣公一 大仁田雄輝
施工:ディー・ブレーン
照明計画:BRANCH lighting design 中村達基
計画面積:87.17㎡
計画期間:2021年8月~2022年3月
写真:イソップ
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・床 | 床 | 合板下地のうえタイルカーペット貼 |
内装・壁 | 壁1 | PB12.5二重貼のうえ左官木ゴテ仕上 防塵クリア |
内装・壁 | 壁2 | PB12.5+AEP塗装 ライトグレー |
内装・天井 | 天井 | 躯体天井あらわし |
内装・造作家具 | 什器 | ホワイトアッシュ練付合板 フラッシュ組 染色クリア 小口無垢材 |
内装・造作家具 | 什器シンク天板 | SUS バイブレーション仕上 |
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In a corner of the city that is constantly changing through repeated metabolism, we created a store that serves as a reminder that our lives originate in nature and that culture is an extension of it. The materials used are soil from the Mino area, 50km north of the entrance to the site. Humans have been using soil / clay in their daily lives since the distant past through various trials and errors, sometimes as a bowl for meals or a flower vase to add color to their lives, and sometimes as a material for plastering or for tiles to bring expression to architecture. For this store, too, we aimed to create a space which portrays the process of borrowing from such indeterminate nature and attempting to give form to it.
The store was housed in a space distinguished by its two windows. With this in mind, we designed the wall line to gently divide the space into a private area and a public area with the main sink. Soil from the Mino area was used as a plastering material for the walls. Two different colors of clay from different locations in the same area were used to add depth to the space. In addition, wood was used for shelves and storage areas where durability was required, and the same soil was powdered to stain the wood used. While metal hardware was used for some of the finishes, such as the water area, we aimed to create a space where the softness and calmness unique to soil coexist in a minimalist atmosphere by drawing out the various expressions created from this single material, soil.
Aesop Nagoya Sakae (Nagoya, 2022)
Client: Aesop
Type of Project: Interior
Use: Shop
Location: Nagoya, Japan
Design: Koichi Futatusmata, Yuki Onita(CASE-REAL)
Construction: D.BRAIN CO.,LTD.
Lighting Plan: BRANCH lighting design (Tatsuki Nakamura)
Period: Aug 2021 – Mar 2022
Floor Area: 89.94m2
Photo: Courtesy of Aesop