SHARE 建築家の吉村靖孝と長谷川豪の対談「穴が開くほど見る―建築写真から読み解く暮らしとその先 第7回」の動画がLIXILのサイトで期間限定で無料配信。其々が選んだ、篠原一男・黒川紀章・藤木忠善の作品写真を題材に、設計者の思考や背景を考察
- 日程
- 2022年10月1日(土)–10月31日(月)
建築家の吉村靖孝と長谷川豪の対談「穴が開くほど見る―建築写真から読み解く暮らしとその先 第7回」の動画がLIXILのウェブサイトで期間限定で無料配信されています。其々が選んだ、篠原一男・黒川紀章・藤木忠善の作品写真を題材に、設計者の思考や背景を考察する内容です。公開期間は、2022年10月31日(水)まで。また、本記事では、テーマとなった写真と語られた内容のキーワードも掲載します。【ap・ad】
LIXILと「新建築住宅特集」は、これまで「穴が開くほど見る──建築写真から読み解く暮らしとその先」と題し、名作住宅の建築写真を隅々まで掘り下げて読み取る企画を展開してきました。(第1回は新建築住宅特集18年2月、第2回は同誌18年3月、第3回は同誌18年8月、第4回は同誌19年2月、第5回は同誌19年8月掲載)。
1枚の写真から時代背景、社会状況、暮らし、建築家の思いなど、読み取る側の想像も交えながら細部まで紐解くことで、時代を超えた大切なものを見つめ直し、未来に向けた建築のあり方を探ります。
今回は、「新建築住宅特集」22年10月号に掲載された、本企画 第7回目の吉村靖孝氏と長谷川豪氏の対談動画を、期間限定で配信いたします。
吉村靖孝のプロフィール
吉村靖孝(よしむら・やすたか)
1972年愛知県生まれ/1995年早稲田大学理工学部建築学科卒業/1997年早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了/1999~2001年文化庁派遣芸術家在外研究員としてMVRDV在籍/2002年~東京大学大学院、早稲田大学、東京工業大学の非常勤講師を歴任/2005年吉村靖孝建築設計事務所設立/2013~2017年明治大学特任教授/2018年~早稲田大学教授
長谷川豪のプロフィール
長谷川豪(はせがわ・ごう)
1977年埼玉県生まれ/2002年東京工業大学大学院修士課程終了後、西沢大良建築設計事務所勤務/2005年長谷川豪建築設計事務所設立/2015年東京工業大学大学院博士課程修了(工学博士)
長谷川豪が選んだ写真「1958年 篠原一男『谷川さんの家』」
この写真について語られたキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
篠原一男の建築で好きな作品のひとつ / 谷川俊太郎の家 / 清家清に依頼したが篠原一男が推薦された / 「久我山の家」に続く2作品目の建築 / 建築家と施主の信頼関係を感じる / 90年代のモノグラフで窓が開いた写真に変わっている / 庇の出し方に清家清の影響がみられる / 左の水廻り部分の基礎が独立している / 一軒の家だけど2つの小屋が寄り添っている様なイメージでは / 手前に石材が入っている事も特徴的 / 写真に強いこだわりを持っていた篠原が、何故外構が途中の写真を選んだのか / 石材が庭に並べられる前に撮りたかったのでは / 民家が土から生えている様な状態を映したかったのでは / 第一の様式は民家というのが大事 / 大谷石を使いたくなかったのでは / 詩人の家っぽい / 「白の家」や「から傘の家」より複雑さを持っている / その他
吉村靖孝が選んだ写真「1958年 篠原一男『上原通りの住宅』」
この写真について語られたキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
雑誌の初出時は、縦構図にトリミングをしていた / 同アングルの通行人違いの写真が100カット以上ある / 光の感じを見ると13-14時くらいの写真では / 初出時にトリミングされた外側に何が映っているのか / 右側の自動車もカットされた / 新しいものを隠したかったのでは / 着物の女性が歩いている写真を選んでいる / コーラの看板もカットしている / 通りの要素を入れたくてこの構図にしたのでは(長谷川) / ファサードが一番きれいに見える時間帯に撮っているのでは(長谷川) / その他
長谷川豪が選んだ写真「1963年 藤木忠善『すまい/サニーボックス』」
この写真について語られたキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
室内と同じ大きさのテラスが付いた住宅 / 全てのフロアに屋外空間がある / 住宅だけどオフィスの様に設計されている / 各フロアが入れ替え可能 / コルビュジエの影響を受けている / 藤木は坂倉事務所でコルビュジエの西洋美術館を担当した人物 / 60年代前半からカラー写真が使われるようになる / 柿で季節が分かる / 白黒では分からなかった質感がカラー写真で分かるようになった / ハイセンスな若い家族の住宅 / 西洋と東洋のミックス具合が60年代っぽい / 黒い天井がコンクリートのフレームを浮かび上がらせている / カラー写真だから見えてくるディテール / 都市住宅の先駆者と言えるのでは / 東孝光が塔の家を3年後に設計、影響受けているのでは / コンクリート打放の家を生活で柔らかくしていこうとしている / 扉の質感も白黒だと分かりにくいがカラーだと分かる / その他
吉村靖孝が選んだ写真「1972年 黒川紀章『中銀カプセルタワービル』」
この写真について語られたキーワード(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)
道路と歩道橋以外全部変わっている / 建物が建て替わる速度を感じる / 足場が全くなく、建物の特殊さが凝縮されている / 職人が安全帯をしていない / 当時の勢いを感じる / ユニットは滋賀でつくって持ってきた / 取り付け部分が良く見える、ボルトの締め方も良く分かる / 建物が短命だった原因もうつしだされている / この写真を選ぶのが吉村さんっぽい(長谷川) / 取り付けているのではなく、取り外しているようにも見える(西牧) / その他
対談風景